ジェーン・スーさんがソラトニワFM『シケ金』で、一時ネット界の話題をかっさらったYahoo!知恵袋『ご近所ママ友仲間はずれ相談』の炎上事件に感じる違和感・気持ち悪さについて語っていました。
(ジェーン・スー)まっすぐ帰りたくナイト!さあ、シケた金曜日、まっすぐ帰りたくないなあとジェーン・スーのお友達がスタジオを訪れて駄話を話して帰るだけのガス抜きコーナーです。今夜は元ネカマのササキユカヲさんとメロマイが駄話ゲストに来てくれました。こんばんは!
(ササキユカヲ)こんばんは。
(メロマイ)こんばんは。
(ジェーン・スー)どうもー。何、黙ってるのよ?
(ササキユカヲ)ご無沙汰しております。
(ジェーン・スー)ご無沙汰です。ササキさん、元ネカマのササキさんですけど、前回出てから2ヶ月?もっと?
(ササキユカヲ)そうですね。2ヶ月ぐらいかな?
(ジェーン・スー)メロさんは全然来てなかったですもんね。やっぱりお子さん2人もいらっしゃって、なかなかね・・・
(メロマイ)ねえ。しばらく出ないうちにジェーンさんがすごいバズってて(笑)。
(ジェーン・スー)バブルだよ、今。バブル!
(メロマイ)ブログを書けば人がワーッ!テレビにもねえ・・・
(ジェーン・スー)本当に。回収する見込みが全くないっていう。どこでこれを回収すればいいのか。みんな、この一瞬のバブル、見逃さないでくださいね。ジェーン・スーバブル、ただいま絶賛発売中!発売してないんだよね、買うもんがないからさ。全然・・・まあいいや、そんな話をしにきてもらったんじゃないですよ。今日はいろいろ話していこうと思うんですけど、実はこの3人はですね、メロマイさんの昔のお家とかにですね、集まって、ごはん食べたりいろいろしゃべったりとか。何年ぐらい前ですか?5-6年ぐらい前?もっと前?
(メロマイ)5-6年?
(ササキユカヲ)うん。5-6年経ってると思うな。
(ジェーン・スー)5-6年は経ってるよね。前にやっていて。メロマイさんの旦那さんに誕生日プレゼントをあげて。シャンプー・・・髭剃りだ。
(ササキユカヲ)高級シェービングセットだよ。
(ジェーン・スー)あ、そうだ。私たち2人で伊勢丹行ったんだよね。オドオドしながらね。伊勢丹メンズ館っていう意識の高い人しかいないコーナーに2人で行って、「こ、こ、これでいいかな・・・?」みたいなの、やってましたね。あと、LUSHで固形頭洗うシャンプーとかかって。
(ササキユカヲ)あ、俺頭洗わされた・・・
(メロマイ)頭、その場で洗ってた(笑)。
(ササキユカヲ)初対面なのに頭洗って。
カリスマネカマ ササキユカヲ
(ジェーン・スー)その場で頭洗わされて。まあ、そんな感じで仲良くやってきたんですけども、まあササキさんと言えば、元ネカマ。一世一代のネカマサイト『ネカま道』をやられて。あれですよ、バブルの先輩と言えばササキさんですよ!
(ササキユカヲ)そうですね。
(メロマイ)あ、そうだそうだ。
(ジェーン・スー)まあ、時代の寵児でしたもんね。あの時。
(ササキユカヲ)そこまで言っちゃうとあれだけど。何かいろいろチャンスというか、楽しいことがありましたね。
(ジェーン・スー)これ、ササキさんをはじめて聞いた方は訳が分からないと思うんですけど、ネカマに扮していろいろ出会い系・・・今よりもっと隠れてやっていた出会い系とかメールのサイトとかで、女のフリをして男の人にメールを書いて。で、男の人のツボをつついていろんな反応が帰ってくるのをネットに上げるっていう非常に物議を醸す、ゲスいことをやってまして。それがでもね、結構ジェンダー論とかの人に見つかっちゃったんだよね?
(ササキユカヲ)うん。
(ジェーン・スー)で、そのことによってササキさんはその時、大学生?院生?
(ササキユカヲ)いや、もうプータロー・・・
(ジェーン・スー)『大学生?院生?いや、もうプータロー』っていう(笑)。院の上がプーって面白いですけど。プーをしながらでしたけど、その時のバズり方、すごかったですよね。
(ササキユカヲ)そうですね。ネットも何か今と全然雰囲気違いまして。
(ジェーン・スー)違ったよね。2chとかちょっと怖かったもんね。まだ。
(メロマイ)うん。twitterもまだなかったし。
(ジェーン・スー)mixiもないね。何があったの?あの時。テキストサイト?
(メロマイ)テキストサイトと、あと掲示板。
(ジェーン・スー)掲示板だ。BBS!
(ササキユカヲ)teacup掲示板とか。
(ジェーン・スー)あとあれだよね。1対1で話しましょうみたいな。ルームに入って。鍵かけて。
(ササキユカヲ)ああ、ツーショットチャット的な。
(ジェーン・スー)それそれ。とかの時代ですよね。まだね。みたいな時にそういう不埒なゲスいことをやっていて、何とササキさんはですね、それだけで、それこそ私以上に回収する場がなかった状態で本を寄稿したりとか、AERAに取材されたりとか、ニュース23に出たりとか。
(ササキユカヲ)回収っていう意味では、何にも回収できてないですけどね。
(ジェーン・スー)ですよね。私も全然回収できる気がしないですね。本当に。でもね、今回のジェーン・スー、いろいろみなさんの口にのぼらせていただいておりますけど、非常にササキさん思い出す・・・
(ササキ・メロマイ)((笑)
(メロマイ)先輩なんだ。
(ジェーン・スー)メディアの人たちがワーッ!って食いついてくる形とか。
(ササキユカヲ)もっと来てるでしょ。スーさんの方が。
(ジェーン・スー)TBSラジオさんで声をかけていただいて、シケ金をやらしていただいて、たしかにレギュラーとしてテレビがあったりとかあるんですけど、今ね、ワーッ!って来てるんだよね。そのワーッ!感が『あー、これササキユカヲだ・・・』って。
(メロマイ)わっしょい!わっしょい!
(ジェーン・スー)わっしょい!わっしょい!で、神輿にガーッ!って担がれてドスン!落とされて、神輿だけがわっしょい!わっしょい!ってまた行くというね。ってそんな話をしに来たんじゃないんです。実は今日話たかったのは、4月の下旬にですね、Yahoo!知恵袋。みなさん、見たり見なかったりのYahoo!知恵袋にですね、ある投稿がのりました。相談がね。こちらの方、まず読んでみましょう。
ご近所のママ友さんに仲間はずれにされています。嫌われてしまったようなのですが…
ご近所のママ友さんに仲間はずれにされています。嫌われてしまったようなのですが、関係修復したいです。
アドバイス頂けませんでしょうか?年明け早々に現在の家を購入し転居してきました。
5軒の住宅地の中の1軒です。
本来8軒分の分譲地でしたが、1軒の方が4軒分の土地に1軒の家を建てたので5軒で1つの組合になっています。
うち1軒は大きいお子さんのいるご家庭で、同い年の子がいる4軒で仲良くしていました。現在年長になる長女とみなさんのお子さんが同級生で同じ幼稚園、転居してすぐ仲良くなりました。
お互いの家を親子で行き来していました。春休み中、子供だけで大きい家の方(Aさん)のお宅へお邪魔しました。
その際に、私の娘が言う事を聞かなかったらしく、他のママさんから聞いて、ケーキを持って謝罪に行きました。
気にしないで、と言ってくれていたのですが、根に持たれてしまった?のか、その後からよそよそしくなりました。
(娘がした悪さは、①Aさんは自宅でピアノ教室をしており、教室の部屋に入っていけないと言われていたのに入った②Aさんの娘さん専用ピアノ(スタンウェイ?とかいう1000万位するらしい)に触ってはいけないと言われたのに、Aさんの娘さんが弾いてるのをみて、ついお菓子を食べた手で触ってしまったなどです)今までは幼稚園バスから降りるとAさん宅の広いお庭で遊ばせてもらっていましたが、今はバスを降りてすぐ解散し少し時間が経ってからAさん宅へ集まっています。
娘も一緒に遊びたいと言うので、門越しに声をかけるのですが「もうみんな帰るから」「これからレッスンだから」などと言われ入れてもらえません。
みんなが解散するのはその1時間後とかです。それならうちへ来てもらおうと誘うのですが、みなさん予定がある、体調が悪いなどと来てくれません。
Aさん以外のママさんに、どうしたら元に戻れるのかな?と相談してみましたが、わからないと言われてしまいました。Aさんはいわゆるボスママみたいな人ではなく、どちらかといえば大人しそうで品のあるお嬢様タイプの人です。
会えば挨拶する程度の関係になってしまったのが悲しいです。GWに3家族でBBQに行くと娘から聞きました。幼稚園で楽しそうに話しているそうです。
娘に私も行きたいと泣かれ、辛いです。なんとか仲直りしたいと思っています。
あと、何をしたらいいのでしょうか?
どうしたら許してもらえるでしょうか?
(ジェーン・スー)という相談だったわけですね。これ。端的に言いますと、Aさんとこの相談者の間でいざこざがあったと。相談者の人の娘がAさんの家、8軒中の4軒をね、土地の上に家を建てるような方の家に行った時に、やっちゃいけないと言われたことを2つやったと。ピアノの教室の部屋に入ったりとか、すごい高いピアノにお菓子触った手で触っちゃったりとか。したらその後、めちゃめちゃ冷たくなって、4家族仲良かったのが、残りの家でやるようになっちゃったのね。全然仲間に入れてもらえないと。子供が完全にハブられたと。どうしたらいいでしょうか?っていうご相談がネットに上がりました。ポーンと。で、それに対してですね、Yahoo!知恵袋のみなさんがこんな回答を寄せました。まあ、例なんですけどね。
関係修復は無理です。私でも無理です。なぜかと言えばアナタの子供の育て方に問題がありアナタの頭の悪さです。
子は親の鏡。親を見れば子がわかる。子を見れば親がわかる。相手が距離を置きたがっているのに相手の気持を考えないアナタの主観的な考えは例えどこに行っても村八分になると思います。
他所でやっちゃダメと言われている事をしてしまった子供に非があるのと、その責任を親が負うのはもちろんだけど、ピアノの件に関しては、まずAさん、たかだか5~6歳の子供相手に大人気ないと思う。ちゃんと質問者さん謝りに行ってるし。
ピアノが高級だとかそういう問題じゃないし、そんなの小さな子供にはわかりません。
残念ですが、無理です あきらめてください。
挨拶程度の付き合いで十分です。無視されないだけマシです。
あなたが「親しい中にも礼儀あり」を忘れていた結果です。元の付き合いより、娘さんの躾に力を入れてあげて下さい。
年長だから・・・って思っているのはどうかな?
3つ子の魂百までって聞いたことないですか?
このままだと同じ事を繰り返すかも。子供はあなたの鏡なんです。
子供を見れば親がどんな人かって想像されてしまいます。早く新しい友達ができるといいですね。
今度は丁寧に付き合ってみて下さい。
(メロマイ)(笑)
(ジェーン・スー)まあね、こういうね、Yahoo!知恵袋ならではのお答えがいっぱい付いたわけですよ。だいたいこれに対して、『はいはい』とか『でも、そんなことないんです』とか、不毛なやり取りが延々行われるわけですけど、この中で先程の相談者さん、ママ友にハブられちゃった相談者さんがベストアンサーに選んだという回答を読みましょう。
お相手の方は、そもそも8宅地分の半分の土地に家を建てた方です。
同等にお付き合い出来る事の方が難しいんだと思います。
金銭感覚も、お友達も、暮らし方も、恐らく何ランクも上の人です。他の2家族の方たちも、必死で背伸びしてお付き合いしているのではありませんか?
小学校は恐らく私立に行かれるでしょうし、数年はお辛いでしょうが、ご近所とは密着しすぎないお付き合いが宜しいかと思います。
こちらがベストアンサーに選ばれました。それに対して、ここからでございます。みなさん、もうご存知だと思いますが、改めて読みましょう。いわゆる質問者、ハブられた、どうしよう?どうしたらお母さんの怒りを鎮められるか?と言った質問者さんからのコメントです!
本文中のAです。
嫌いなママ友ハブいてます、しつこくて困ってますと言う質問だと叩かれるかも?と思い立場を変えて質問しました。
私の行動が容認されてホっとしています。
がさつで慣れ慣れしく媚びてくる彼女が大嫌いだったので、お子さんのことは良いきっかけでした。
実際、娘に与えたのはスタンではなく、ベーゼンのフルコンです。
(ササキ・メロマイ)(笑)
(ジェーン・スー)これね、まあ素晴らしい・・・
(ササキユカヲ)お見事。
(ジェーン・スー)お見事ですよね。まあ、これ見た時には本当にね、スカッとしたもんですが、ただ、ただ、ただ・・・この後なんですよ、問題は。コトの顛末、いわゆる『ハブられちゃってどうしよう?』っていう質問をした人が、実はハブいてる側だったと。その理由ってのは、『ハブってるって言ったら、絶対アタシのこと責めるでしょ?客観的な意見が欲しかったから、立場を逆にして書いただけだから』っていうのを書いたもんだから、まあ大炎上ですよ。炎上したやつ、行きますよー。
貴方はど言うつもりで嘘の記載してるんですかね。 自称ピアノ教師も嘘ですかね。 …
貴方はど言うつもりで嘘の記載してるんですかね。
自称ピアノ教師も嘘ですかね。
なぜはじめから正直に記載なさらにのです。
お子さんに恥ずかしくありませんかあなた自身がママ友さんその方のお子さんをいじめて
初めの記載だと貴方がいじめられてになっておりましたが
お話が全然違いますが。
あなたのご近所さんのママ友さんとお子さんを仲間はずれにして恥ずかしの気持ちもありませんか。
それともあなたの記載してるランキング12位記載は全部作り話ですか。
よく反省されたらどうですか。
回答者様を全部敵に回して嘘の記載はおやめになさいませよ。
反論があればご回答お待ちしております。
本人にリクエストしてたのでこれであなたの問いかけはやめますが
ご辺等なければ問いただします。
(ササキ・メロマイ)(笑)
(ジェーン・スー)激怒り。
(ジェーン・スー)激おこぷんぷん丸(笑)。
(ジェーン・スー)私が今、読み間違えたのも若干あるけど、文章もだいたいこんな感じなのよ。もう、激おこぷんぷん丸!激おこぷんぷん号!みたいな。『丸』なんてもんじゃないですよ。いやー、すごいんです。とにかくね、いろいろね。『あなた、一体何がしたいんですか?』とか『非常識ですね』とか『いじめをやっていて恥ずかしくないんですか?』とか。もうね、『あなた悦に入って何してるんですか?』とか『私がAですって、何でそこで得意げになってるんですか?』とか。あとね、Aさんに対するいじめてる側ね、実はいじめられてる側って言ったけど、実はハブってる側だったっていうAさんに対する回答に対して、『以下感想文です』っていう※をつけて、
回答者の皆さん、この人相手にまともに何か言っても無駄だと気がつきましょうよ。
自分を演じて、悦に入っているだけの人だと思いますよ?
ネットや知恵袋の事を判った風な言い方をされている方ですけど…
少なくとも、自分が行っている行動がどういう事だと言うことには気がつくことができない人だと言うことは確実だと思います。
みたいな。もうみんな、すごい頭に血が登ってるんだよ。ホラーだよね、ホラー。完全に。っていうのがありまして、私が実はね、Facebookで『ホラー!超怖い、ホラーが展開されてる!』って言って書いたら、意外とですね、ついたコメントが『本当、ひどい人だね。このAさん』みたいなのが結構並んで。『おやおや?』っていう。『私のFacebookは知恵袋か?』っていう。そんな中ですね、やはりというな何というか。この2人がですね・・・メロマイが『爽快です!』ってコメントを・・・
(メロマイ)そんなことは言っていない。言ってないけど、『その質問者に対するリクエスト質問が今、超盛り上がってんよ-!』って。
(ジェーン・スー)ってことを書いてて。で、元ネカマのササキユカヲさんは、『スキル的に完敗です!』みたいな。『やられました!』みたいなことを書いてて、『よし、この2人わかってる。招集だ!』って思って、今日番組に呼んだわけですけども。いやいやいや、なかなかスゴい寸劇でしたね。やっぱり、どうでした?初めて見た時には。
(メロマイ)ね。やっぱり今、自分子供が幼稚園に通ってるんで、割と他人事じゃないっていうか。
(ジェーン・スー)たしかに!
(メロマイ)どっちかっていうとハブられる側に感情移入しがちな立場なんで。格差的にも。『うおー、怖えー!』って思ったんですけど。それとこれとは別にして、『この人、頭いいなー!』っていう。
(ササキユカヲ)そうですね。
(ジェーン・スー)うんうんうん。何か話が語られる時の切り口が、『相談者が腹黒い』とか『策略が恐ろしい』ってことがよく出てきたんだけど、そこか?って。本当に恐ろしいのはそこか?っていう気がしたよね。やっぱりササキさん的には、これネカマとしてこのスキルはすごい?
(ササキユカヲ)まあ、これがそういう・・・
(ジェーン・スー)まあ、ネカマかどうかは置いておいて、『釣り』かどうかは今回問題じゃないから。
(ササキユカヲ)もしそうだったとしたら、僕がスキルを論じるアレじゃないですけど、自分が出来るか出来ないかで言ったら、ここまで見事にはハマらないかなっていう気はしますね。
(ジェーン・スー)何かさ、ネカマと今回のこの人のやっていることの共通点っていうのがちょっと分からない人もいると思うんで説明していただきたいんですけど。
(ササキユカヲ)共通点?
(ジェーン・スー)ネカマがやっていることと、この人が今回やったこと。まあ、これが『釣り』かどうかは別として、何なんですかね?
(ササキユカヲ)あの、(神経を)逆撫でするツボみたいなのが分かってるんじゃないですかね。
(ジェーン・スー)やっぱり人が何か思っているところで・・・
(ササキユカヲ)だからカネ、学歴、女。このあたりで人より秀でてる、自分の方が秀でてるってことを言った瞬間に、『そうなんだ。すごいね』とはならないですよね。『自慢してんの?』とか『嘘でしょ?』とか。『本当に幸せな人は、そんなこと言いません』みたいな。
(ジェーン・スー)はいはいはい。あるね。定説のテンプレだね。だから今回ね、聞いて欲しいんですけど、釣りかどうかってのは全く問題じゃないんですよ。実はこれを書いて、で、この人が悪い人かどうかも全然問題じゃなくて。っていうか少なくとも今日のトピックとしては問題ではなくて。今日話たかったのは、人の感情のどういうところが刺激されると何が起こるのか?っていうのと、あとその後の展開がちょっとね、おかしいなっていうところがあったと思うんですけど。ササキさんがほら、あの後メールしてたじゃん?
(ササキユカヲ)はい。
(ジェーン・スー)で、すごいいいこと言ったなと思ったのが・・・いいことっていうか端的に捉えてるなと思ったのが、『義憤で団結、義憤で洗脳』。
(ササキユカヲ)あのね、『義憤』っていうのはね、この間のNさんの話をした時に、メロマイさんがtwitterで『義憤だ』って言ったの。
(ジェーン・スー)『Nさん』っていうのは、ササキユカヲさんがゲストで出た時に、競馬板でしゃべっている人が、『いろいろクサイぞ』ということで、みんながいろいろ考えたりしてるってところで、『義憤』っていうのをつぶやきでメロマイさんがしたわけですけど。その義憤を受けて、『義憤で団結、義憤で洗脳、義憤で支配』っていうことを書いてましたけど。
(ササキユカヲ)これってさ、結構大きな話になると、国家とかで義憤によってさ、結構団結したり、団結して攻め込んだり。あるいは悪いことしたりだとか、人を掌握するための絆みたいなものに成りうるよねって。実際だってこの人たちも・・・
(ジェーン・スー)楽勝で動かされてるからね!
(ササキユカヲ)ね。で、『以下感想文です』って言った人も、やっぱり団結したいんでしょ?これで。
(ジェーン・スー)そうそう。
(メロマイ)みんなに呼びかけてますもんね。アジってますよね。『この人、無駄ですよー!』って。
(ササキユカヲ)これ、パターンだよね。2chでもパターン。
(ジェーン・スー)何かさ、今回この相談者がすごくスキルが上だったなというか、よく分かってらっしゃるなって、趣味がいいか悪いかは別として、自分が『いじめてるっていうか気分が悪い人だったからハブっちゃってるんですけど、これってやっぱり良くないことですかね?』って言ったらボロクソ書かれるというのが分かってる。で、実は立場を逆にしてもボロクソ書かれるっていうのも分かってる。つまり立場を逆にすれば自分に優位になる。もっと言うと、『あそこで相談をすれば、何でもボロクソに、居丈高に責められる』っていう特性を逆手に取った寸劇だったんだよね。
(ササキユカヲ)うん。
(ジェーン・スー)何かメロさん的にこれどうです?見て。
(メロマイ)やっぱりその、噴き上がる人は何で噴き上がってるのかな?っていうのが・・・義憤。分からないですね。単純に。何か単純に本当に問題があって、それを解決するために相談しましたっていうんだったら、客観的なことをみんな書いてるんだとすれば、出てくる登場人物の立場が変わったとしても、答えは一緒になるはずじゃないですか。
(ジェーン・スー)そうなの、そうなのよ。
(メロマイ)なのに、急に手のひら返したように・・・ねえ。『躾が悪いからしょうがないでしょ?』みたいに言ってた人たちが、逆に今度はこっちの、本当は金持ちだった人を・・・
(ジェーン・スー)『あなたの子育てはそれでいいんですか?子供の鏡です、親は。』みたいな。
(メロマイ)『恥ずかしくないんですか?』とか。
(ササキユカヲ)それが家族とか友達だったら、相談受けてどっちにも非があると、身内びいきのことを言うのは分かるんです。普段のコミュニケーションで。この人たちの場合って、Aさんにしても、このピアノ触っちゃった子のお母さんにしても、どっちもフラットな関係っていうか、要は他人じゃないですか。どっちも他人っていう意味では一緒で。だからどっちかに肩入れするっていうのはおかしいんですよね。
(ジェーン・スー)何か今さ、twitter見てても、『この人ひどい』とか『この人サイコだね』とか。あと、この人自体の話をしてる人もいるんだけど、そうじゃないんです。あの、そうじゃないんですっていうのもアレだけどさ、この人が人としてどうか?っていう話じゃなくて、どっちかっていうと、すごくハッキリ言ってしまうと、相談者に対しての回答者の姿勢だったりとか、意識だったりとか、その後手のひらを返された後の集団的攻撃する団結力・・・顔も知らない相手同士が団結する力っていうのが、気持ち悪いし、これちょっと危険だよっていうね、話をしたいんだよね。今日は端的に言えば。
(ササキユカヲ)あの、この人が『実は逆でした』って言った瞬間に、何かもう『叩いてもいいんだ』っていう、免罪符みたいなものを手にしちゃってるんだよね。回答者たちは。これがなんかちょっと、おっかないなっていうのは感じますね。
(メロマイ)この質問者の人をDISってる人たちは、『恥ずかしくないんですかね?』とかものすごい勢いで言ってるけど、『じゃあ、あなたが今そうやって書いていることは恥ずかしくないのか?』っていうことになるんだけど、そこはもう不問に付されるっていうか、問われないんだっていう・・・
(ジェーン・スー)そう。問われないんだよね。
(ササキユカヲ)そう。回答者のみなさんも、『以下は感想文です』の人も。
(ジェーン・スー)そうそうそう。だから結局この質問者の人はその辺の一連の流れも分かって、『ほーら、やりやがった。お前ら、こんな程度だ』っていうところに逆に腹が立ったんだと思うけど、さっきササキさんが言ったみたいに、たしかにいじめられてる側に対しても、あんだけ居丈高だった人が、実は言ってみたら本当はいわゆる『持つもの・持たざるもの』の『持つもの』の方だったっていうのが、ますます炎上に火を注いだんだと思うんだけども。さっきやっぱりメロが言ったことで大事だったのは、立場が変わったら意見が変わるっていうのはおかしいんだよね。立場が変わっても、あ、そうだったんですか。じゃあしょうがないですよね。あなたが、ちょっとやり方は趣味がいいとは思わないけども・・・
(メロマイ)『まあ、しょうがないですよね』とかなるはずなのに、ならない。
(ジェーン・スー)しかもまだ、この人に対する個人質問がまだ、5月29とか30とかでも、まだやってるんですよ!何なんだろうね?義憤っていうことに対して人がさ、免罪符を手にしたように怒るっていうのが、結構ここ何年もネットとかでよく見るところではありますけど。あと、自分に関係ないことになると、すごい居丈高になるよね。あれは何なんだろうね?
(ササキユカヲ)何かさ、これ見てると自分の水準より下回るか上回るかすると、どっちも叩くアレを持ってるよね。回答者たちは。
(ジェーン・スー)村っぽいよね。それは。何かこう、自分と同じスペックの人たちじゃないと、仲良く出来ないってことでしょ?
(ササキユカヲ)だからその辺わかってて、8等分した分譲地を4:1:1:1:1に分けるっていうのが、象徴的だよね。これ。名作だわ・・・
(ジェーン・スー)いや、私ビックリしたのは、これをベストアンサーに選ばれた人は、まあまだフラットな方だと思うんだけど、この質問に対して、『あなたが非常識なんです』っていう答えがあんなに付くっていうのは、やっぱりちょっと異常だと思うんだよね。
(メロマイ)そう。やっぱりもう、スイッチが入って『こっちの方向だ!』っていう風にワーッ!っていってる感じはしますよね。
(ジェーン・スー)しかもそのワーッ!っていってる人同士が何の実生活レベルでのコネクションって無いんだよね。ネットでただ同じ相談者の質問を見てるっていうだけで。『あなたが非常識なんです』とか『全然分かってませんね』とか。実はね、そういうのも、『どうせ実生活ではそんなに一致団結して何か出来ないんでしょ?』みたいなところも見越してか、『実はピアノももっといいやつだよ』って言ったりとかね。何かあれですね。メロマイさん言ってましたけど、『たのまれもしないのに相談に乗りたがる』っていうのは、ネットの特質ですね。顕著。
(メロマイ)だからあの、相談に乗る目的が本当に問題の解決で、困っている人が『スッキリしました』『ああ、良かった』っていう、それを目的にしてないんですよね。たぶんね。
(ジェーン・スー)『人の役に立とう』っていうスタンスじゃないよね。
(ササキユカヲ)これってさ、言ってみれば正しい・正しくないってちょっと無いじゃない?
(ジェーン・スー)何が正しいか?っていうのは無いよね。
(ササキユカヲ)無いじゃない。でもさ、何が正しいか正しくないかってさ、要はパソコンの操作とかってさ、正しい・正しくないってある程度分かっているもの、あるじゃない。でもさ、今どういうアレだか知らないけどさ、『◯◯が開かないんですけど、どうすればいいですか?見当たりません』っていうようなことを、『まず、OSからちゃんと書いてくれないと分かりません!』とか『自分でちゃんと調べようとしましたか?』みたいなことを書く・・・
(メロマイ)(笑)
(ジェーン・スー)(笑)ヒドいよね、それ!
(ササキユカヲ)のもさ、結局はさ、何でもいいんだよ。叩こうと思えば何でも叩けるっていうさ。ましてやね、こんな答えのないものだったらね。
(ジェーン・スー)そうそう。で、怖いのがさ、私たちこうやって言ってるけど、結構ちゃんと意識してないと一瞬で向こう側に行くんだよね。一瞬で叩く側に行くっていうか。
(メロマイ)でも、たしかにこれは質問者の人が『実はこうでした』って真相をバラされた時に『ええーっ!?』って思っちゃった中には、やっぱり何となく仲間はずれにされている人を上から見ている自分がいて、でも逆に見下されてたっていうね。ショック!っていう。それはないわけじゃないですよね。
(ジェーン・スー)でね、何でこれ話したかったかっていうと、こうやって一番最初にササキユカヲが言ったけど、敢えてこういうことをやって、集団の意見を一気にガッ!って持って行ってそっちに流れを作るってことは、これを見てれば分かる通り、すごい簡単なんですよ。で、それによって動かされてしまうことが実は一番危ないっていうか。何だろうな?他人事と思わないでほしいっていうか、私はすごく自分事と思っていて。私も真剣にたとえば答えたとして、『大変でしたね。そんな意地悪されてかわいそうでしたね。でも気にしなくていいと思いますよ。もっといい友だちいますよ』ぐらいの、すごくいいとされる返事をしてたとしても、『逆でした!』って言ったら、『テメー!』って絶対乗っかってたよ。
(ササキユカヲ)うんうん。
(ジェーン・スー)分かりやすく発言を逆さにするまでは行かなかったけど。これ、実はね、私が7-8年前にmixiで『三十路の作法』っていうコミュニティの管理人をやってたんですよ。で、それは30代に入って・・・よく考えたら私、ずっと10年三十路の話してるね。
(メロマイ)(笑)本当だ!
(ジェーン・スー)一銭にもならない三十路の話をずっとしてるっていうね。それで、『三十路の作法』っていうのがあって、自分が30代になって大人になって聞くに聞けないことがあると。あの時、まだ知恵袋とかなかったよね?大手小町とか、発言小町とかなかったよね?
(メロマイ)なかったなかった。
(ジェーン・スー)そう。それでちょっと知り合いには聞けないんだけど、顔の見えないネットの人になら気軽に聞きたいと思う相談があったりとか、作法としてこういう時はどうしたらいいですか?っていうのを教えて下さいっていうコミュニティを作ったんだけど。で、最初は良かったんですよ。
(ササキユカヲ)盛り上がったよね。
(ジェーン・スー)もう、すごいえげつないんですけど、男性聞いてる方には本当申し訳ないんですけど、女性がね、結構多いコミュニティだったんで、『羽根つきと羽なし、どっちが好きですか?』とかね。これ、餃子の話じゃないんですけど。どっちの方が使いやすいですか?みたいな話だったりとか、いろいろ盛り上がってたんですけど。ササキさんのその絵に描いたような、三文芝居のようなリアクションね(笑)。
(ササキユカヲ)餃子じゃないの?
(ジェーン・スー)餃子じゃない。
(メロマイ)どっちかっていうとハンペン。
(ジェーン・スー)ハンペンってそれは置いておいて(笑)。みたいな話があったんだけど、ある時からすごく近視眼的というか遮眼帯が付いたような人たちが、『義母が非常に意地悪をしてきます』とか、今でいうところの知恵袋みたいな質問をダーッ!っと書き始めたんだよね。で、それに対してコテハンと呼ばれるような、『あなたの態度が悪いと思います』みたいな。もうね、決まった人がね、とにかく居丈高に叩くのよ。
(メロマイ)腕まくりして、さあ!
(ジェーン・スー)さあ!やってきました!って感じで。で、『私は常識人。あなたよりも物を知ってるし、思考も深い。そんな私があなたにハッキリ教えてあげましょう。いい機会ですから』っていうあれがあって。それで気持ち悪くなっちゃって、もうほぼコミュニティも辞めちゃったんですけど。
(ササキユカヲ)その人、荒らしじゃないんでしょ?
(ジェーン・スー)荒らしじゃない。
(ササキユカヲ)ガチでやってるの?
(ジェーン・スー)ガチ。ガチ。ガチですよ。で、どんな日記書いてるんだろう?って見に行くと、セレブあこがれ日記みたいな感じのを書いてたりして。よう分からん!義憤というかね、まあ2つあって、知らない人に対して居丈高に調子に乗ってアドバイスをするってことと、もう1つが『義憤』っていう名の下に、みんなが人を殺してもいいような、免罪符を手にしたようなテンションで誰かを攻撃するっていうさ。ネットは全部可視化されるね。
(ササキユカヲ)あることないこと言ってくるしね。そこに書いてあること以上の・・・
(メロマイ)『あなたはきっとこうなんでしょうね?』って。
(ササキユカヲ)『こんなことする人はこうに違いない』。
(メロマイ)『きっと将来こうなりますよ』。
(ジェーン・スー)(笑)あるある!『きっと将来こうなりますよ』はよくある。
(メロマイ)そういう呪いの捨て台詞みたいなのを。
(ジェーン・スー)(笑)いいね。呪いの捨て台詞。
(メロマイ)まず、みんなそんなにコメントすることあるの?っていうか、たまたまそこにコメントする欄があるから、つい何か考えがあるように書きたくなっちゃうけど、実際のところ普段そんなにそこに問題意識なかったでしょ?って。
(ジェーン・スー)うんうんうんうん。
(メロマイ)何で急にそんな知った風な口をきくのかな?って。
(ササキユカヲ)これ、乱暴なこと言うけど、みんな荒らしたいんじゃないの?みんな荒らしたいんだけど、直接何にもないところに乗り込んで行って・・・僕の方がどっちかって言うとそういうタイプでしょ?
(ジェーン・メロマイ)(笑)
(ササキユカヲ)この人たちは荒らしたいんだけど、後ろめたいことはしたくない。
(ジェーン・メロマイ)あー!
(ササキユカヲ)で、合法的に荒らすには、ちょっとでもマイナスっていうか落ち度のある人を見つけて、『落ち度があるんだからお前の方が悪いんだ!』って。みんな荒らしなんだよ。
(メロマイ)あ、でもそうだ。ああ、すごい!
(ジェーン・スー)ゲームセンターじゃなくて、ネット荒らしだ!
(ササキユカヲ)そうだよ。
(メロマイ)(笑)ジャニーズじゃなくてゲームセンター。
(ジェーン・スー)あ、そうそう。『嵐♪』じゃなくて。私バカだね。今、ゲームセンターじゃなかったよね。『あらし』の卑近な例って絶対ジャニーズだよね。ゲームセンターじゃなかった。そうそう。ネットの荒らしですよ。たしかにそうかも。鬱憤を晴らす、何かざわざわしたいんだよね。
(メロマイ)何かね、他人をコントロールしたいっていうか、自分の影響下で人を動かしたいみたいな欲望、ありますよね。たぶんね。
(ジェーン・スー)だってさ、もともと知恵袋って本来はさ、たぶん知恵袋を作った人とか発言小町を作った人は、炎上装置として今機能してるかもしれないけど、昔は『どうしましょう?83年型のVHSが動かなくなってしまいました。テープが中につまってるんですけど、どうしたらいいかご存知の方、いますか?』『私持ってます。それ。よくつっかかりますよね!爪楊枝で押すと取れますよ』『ありがとうございます!』みたいな。
(ササキユカヲ)ええ話や・・・
(ジェーン・スー)そういうさ、『あ、それ私わかるわかる!』っていうのが身近にいないから、広くインターネットの海に問おうっていう話だったわけじゃん。今、完全に目的が変わってるよね。
(ササキユカヲ)釣り堀になってるよね。
(ジェーン・スー)釣り堀じゃなかったんだよ。最初は釣り堀じゃなくて。あ、分かんない。どっちが先だろ?釣り師が先だったのか、それとも・・・よく燃える燃料系の人が・・・
(ササキユカヲ)いや、釣りじゃないよ。これ、結構みんなガチでやってガチでキレてるんじゃないの?
(ジェーン・スー)まあ、そうだよね。この気持ち悪さっていうのがね、何が言いたいかっていうと、ネットだからこんだけ顕著に出てるだけで、実は実生活でもよくある話なんだよねー。すごい気をつけてます。私は。気をつけてもダメです。10回に2回ぐらいは失敗する。『あ、私は人が変わったら意見変えてるわ』みたいなのが結構ある。無い?そういうの。
(ササキユカヲ)あるある。
(ジェーン・スー)あるよね。物事の善し悪しとか何とかって実は客観的に見ることなんて絶対出来ないんだよね。その相手との関係性で絶対・・・
(メロマイ)だから逆に言うと、客観的な回答が存在するって信じてる人たちがこうやって私の意見を客観的な意見だって送り込んでいる感じはする。だから『私自身の人柄とかは問わないで下さいね』って。
(ジェーン・スー)あー、はいはい。
(メロマイ)客観的にこんな正しさが世の中にはあります。それをあなたに教えてあげます。
(ジェーン・スー)神の視座に勝手に座って、『アタシがどういう人間かはこの問題には関係ありません』って。あ、そこが切り離せるからあんだけ言えるんだな。
(メロマイ)だなって思うんです。もし自分のことを詳らかにしながらこのことについてコメントするとしたら、やっぱり『あなたは大したお金持ちじゃありませんね』とか、そんな言えないでしょ。
(ジェーン・スー)自分の子供の方がね、よっぽどひどいことしてる可能性、あるからね。
(メロマイ)だからその、完全に客観的な答えがあるっていうのは、まず嘘ですよね。
(ジェーン・スー)まあ、そうですよね。これ、メロさんと私とちょっと前話したけど。メールに書いたのをまとめてみたんですけど。でも完全にネットっていう広い海にも関わらず、視野が狭くなっちゃってるよね。何か。
(メロマイ)あとは、ネットで見えてるものが全てじゃないよっていうか。やっぱり、こうわざわざ言いたい人が言ってるだけの、好事家の意見だよっていうのと、あとまた、ネットは本音が出るから炎上するんだみたいなのもあるけど、それもちょっと違うなって思っていて。
(ジェーン・スー)ほうほう。その心は?
(メロマイ)本当の本音を言ったら、『どうでもいい』が本音じゃないのか?っていうのがまずあって。
(ジェーン・スー)あ、その質問に対して。『どうでもいいです』みたいな。
(メロマイ)『私には関係ないし・・・』みたいな。で、それをいかにも『どうでもよくない』みたいに噴き上がってるのが、おっかねーなっていう。『お前、本当はどうでもよくないくせに、何でそんなこと執拗に叩いてるんだよ?』っていうのがまず怖いし。
(ジェーン・スー)それは目的は問題を解決することじゃなくて、叩くこと?
(メロマイ)何かね、自分が気持ちよくなりたい。叩く方じゃなくて、ちょっといいこと言って気持ちよくなりたいみたいなの、ありますよね。それはまた置いておいて。だから私、この件ですごい面白いっていうか痛快に感じたのは、結局ネットの相談事のコメントとかは、みんな真面目に聞かなくていいんだなっていうのがすごい分かって。
(ジェーン・スー)何かさ、相談事として書いた時点で、書いた側も半分解決してるじゃん?いわゆる、こんなこと周りの人には言えないんだけど、知らない人にとりあえず聞いてよって言って流したっていう時点で半分ガスは抜けてるんだから、そこに対して帰ってきたものに・・・
(メロマイ)そう。そんなに振り回されなくてもいいっていう。『うるせー、バーカ!』でいいんだなっていう。
(ジェーン・スー)まあそうだよね。そういうところで悩んでる人って結構いますよ。twitterとかでもいるじゃないですか。
(メロマイ)だから気にしなくていい。自分の気に入った答えをもらって、それでいいじゃんっていうのが、すごいこれで分かったから、すごい良かったですね(笑)。
(ジェーン・スー)そうだよね。いろいろさ、人前に出る仕事で、『あの人あんなキレイな顔しているけど、本当は性格悪いんだ』とか、『あいつ、何か腹が立つ』みたいな意見ってネットに出やすくて、結構それをやっぱり真に受けちゃう仕事の人とかもいますからね。違うんだよね。そういうことじゃないんだよね。自分もそういうこと、してるか?しててもいいのよ。『するな!』とは言わないよ。別にマザー・テレサ的になれとか、そういうのじゃ全然なくて。
(メロマイ)人はそういうことをしちゃうものだから・・・
(ジェーン・スー)そう。自覚的になるか否かだけだよね。
(メロマイ)で、しちゃうものだから、そういうことを言われたとしても、別に『うるせー、バカ!』でいいかなっていうのが、すごい分かったなっていう。結局、そういう炎上してるような意見にヤラレちゃうような人、食らって滅入っちゃうような人も結局、『どこかに正しい、客観的な意見みたいなものが存在するように思われて、その意見によると私はダメなんだ』みたいな感じでヘコんでいくんだと思うんだけど、そんなに真に受けなくていいよっていうか。
(ジェーン・スー)悪人と善人なんてさ、どっち岸に立ってるか?で、まるっと変わるからね。たしかにメロが言った通り、客観的な意見っていうものは、存在しない。
(メロマイ)やっぱり、ジェーンさんが言ってたけど、関係性の中でしか存在しなくて。だから逆に関係性がハッキリしていない、それこそネットの相談者に対して、関係性が本来は必要な話なのに、いかにもって回答をしちゃうのって、もうハナから聞かなくていいよねっていうか。それこそ、『83年型のVHSがどうこう』だったら、客観的な答えは存在するけど。こういう人間関係の話なんて、本当に分からないじゃないですか。
(ササキユカヲ)でもこれ、入りやすいよね。答える方も答えるだけなら、答えやすいよね。
(ジェーン・スー)そうだね。答えるだけなら。そう!プロの知識が何も無い人でも、人間関係の話ってすごく入りやすいんですよ。
(メロマイ)そうだそうだ。
(ジェーン・スー)自転車のナントカの部品がありませんが、知ってるお店ありませんか?だとなかなか・・・せいぜい『ググレカス』みたいな攻撃の仕方が限界なんだけど。
(メロマイ)あ、でもこういう相談のサイトって、答えしらないのに答えたがる人っていないですか?
(ジェーン・スー)多いよね。あの、『◯◯について探しています。△△は要りません。』って言ってるのに、『△△』をあげたりとか。
(メロマイ)『△△だったら知ってるんですけど・・・』(笑)。
(ジェーン・スー)ってことはこれ、知らないじゃん!みたいなね。なかなかこう・・・特に人間関係における問題に関しては、客観的な答えってものは無い。これは、すごく正しい。たとえば、ササキユカヲが会社でヘマをやった。仕事で何かヘマをやった。ササキユカヲから見たら、自分の非もあるけども、向こうも悪いということで、私たちに愚痴る。私たちは基本的に、『君も落ち度はあったと思うけど、先方もそれ、無いよね』みたいな。それは、人間関係として、君の悪いところもあったけど、励まそうみたいなこともあるわけで、それは決して悪いことではないと思うし。ただ私たちが逆だったら、『何なの?そのササキって人?』みたいなことにはなるぐらい、揺れるものなんだよね。
(ササキユカヲ)自分がその相談を受けた側でも、たぶんそうするな。わざわざそこで追い打ちかけることはないと思う。
(ジェーン・スー)そうだよね。おんなじ問題で何回もつまってたりしたら、『いや、言いづらいんだけど、こうなんじゃない?』みたいなことは言うかもしれないけど、それこそそれは人間関係の必要なことじゃん?でもネットだけじゃなくてさ、会社のこととかでもそうじゃん。そんなに仲良くない先輩に、たまたまポロッと何かしゃべってとか、後輩にポロッと何か言っちゃって、それに対して『なぜその距離感でものが言える?』っていうことを言われて食らっちゃうとかさ。結構あるから、これはすごい分かりやすい例だったけど、人間関係のこととか自分の悩みに関してってのは、よっぽど具体的な、人間対人間の話とか、自分の気持ちの問題に限っては、やっぱり客観的な答えはないから、いちいち食らう必要はないっていうのが1つと、『荒らしたい!』っていう人で、後ろめたい気持ちがあって、自分が荒らしの本人になりたくないから人の荒らしに乗っかるという人もいるっていうのは、たしかにありますね。
(ササキユカヲ)うん。
(ジェーン・スー)やっぱり、『知らねーよ!』っていう。『うるせー、バカ!』ってさっき素晴らしい発言だったと思うんですけど。『うるせー、バカ!』って気持ちは必要だよね。
(メロマイ)だと思いますね。
(ジェーン・スー)『うるせー、バカ!』ってでも、すごい難しいよね。持つの。難しいけど、持つべきなんだろうけど。どうしたらいいんだろうね?
(ササキユカヲ)ネット議論って出口がないじゃないですか。だから暇なヤツが勝つ。
(ジェーン・スー)おー、なるほどね!暇なヤツが勝つ。たしかにね。燃料をくべて攻撃し続けるヤツが勝つね。
(ササキユカヲ)僕もね、言い争いになってちょっと忙しくて書けなかった時に、あることないこと書かれてると、本当悔しいですもん。
(メロマイ)(笑)
(ジェーン・スー)あー、自分が張り付いてない時にね。うんうん。『ネットのケンカは暇なヤツが勝つ』っていいね。
(ササキユカヲ)いや、それよく言われることですよ。
(ジェーン・スー)あ、そうなの?私、知らなかった。そうなんだ。
(メロマイ)あと、何だろう?ネットで意見を言うのって、本当にそう思っていること以外に、『上手いことを言いたいだけ』っていうっているじゃないですか。だから、『あ、この人ちょっと変わった、鋭い視点持ってるな』みたいに見てると、全部あらゆることに斜めから言ってるだけなんだなみたいな(笑)。
(ジェーン・スー)あ、その人の回答。何が怖いって、知恵袋とかああいうのは、結局IDが出ちゃう場合にですね、自分が評価を受けようとすると自分の回答の傾向を見られちゃうっていう。
(メロマイ)まあ、知恵袋に限らずtwitterとかでもそうで。したり顔で何か言いたがる人って、『ちょっとこの人賢そう』って思って見てても、結局こういうのって思考の癖で、ちょっと斜めの見方って訓練すれば誰でも出来るから、それっぽいことって言えるんですよ。で、それを言いたいだけなの。だから、大喜利の変形みたいな感じ。
(ササキユカヲ)あー。
(ジェーン・スー)(笑)Yahoo!知恵袋は大喜利の変形!まあ、Yahoo!知恵袋っていうか相談系の・・・
(メロマイ)いや、相談系に限らずネットで表明される意見は、全部がそうとは言わないけど、そういうのも混じってるから、『この人賢そう』って思っても、真に受けなくていいよっていう(笑)。
(ジェーン・スー)それ、すごい分かりやすい。ネットの、『おっ、新しい視点!』みたいな意見は、ある種の大喜利っていうのはすごいありますね。それは実生活ではなかなか目にしづらいことで、ネットだと顕著だよね。どうなんですかね?ササキさんとか、こうずいぶん長い間普通の人よりネットと関わってきた時間とか、期間が長いわけですけど。食らっちゃう人に、ここでアドバイスをっていうとね。ここでササキさんがこれをひっくり返すようなね、居丈高な意見を言ってくれると面白いんですけど。
(メロマイ)(笑)
(ジェーン・スー)それは無いんですけど、そういう話じゃなくて。20年ぐらいネットやってるでしょ?
(ササキユカヲ)20年は言い過ぎだけど・・・95とか、20年か。
(ジェーン・スー)ネットやってるでしょ?『ネット』って結局、何すか?自分にとって。
(ササキユカヲ)僕にとって?僕にとっては何度も言ってるけど、おもちゃ。だから何か人間と遊ぶおもちゃ。
(ジェーン・スー)だって言ってたもんね。ケンカばっかりのスレのオフ会とか、みんなすごい仲良しって言ってたもんね。
(ササキユカヲ)うん。オフ会はだいたい最後締めでやることが多いかな?
(ジェーン・スー)ああ、その遊んだ場でってこと?人間関係つなげるんだ。実際の。
(ササキユカヲ)続いてる人もいるね。
(ジェーン・スー)あ、本当?
(ササキユカヲ)罵倒しあってたような人と。たぶん向こうも遊びでやってたっていうのはあったんだけど。
(ジェーン・スー)そこの温度感が揃うといいんだけどね。
(ササキユカヲ)今はあんまりそんな場は無いと思うよ。
(ジェーン・スー)うーん。
(ササキユカヲ)やっぱりこうなっちゃう。小町みたいになっちゃう。
(ジェーン・スー)メロさんも結構長いですよね。
(メロマイ)あ、うん。ROM専ですけど。
(ジェーン・スー)ROM専ですけど。やっぱりネットに限らずっていう話ですけど、さっき言ったみたいな大喜利感のある意見とか、客観性を装ったというか、客観性がありますっていう衣をまとったような意見っていうのには、『うるせー、バカ!』っていう(笑)。
(メロマイ)全部、『うるせー、バカ!』で。
(ジェーン・スー)うん。それでいいってことだよね。
(メロマイ)だからそういうのを全部振り払うと、本当切実なことなんてそんなに無いから。気にしないでいいよねっていう。でも、結構みんな気にして世論も動いてるかのように揃ったりとかするのは本当怖いと思って。生活保護をめぐる議論とか・・・
(ジェーン・スー)あー、はいはい。みんなね、義憤で。
(メロマイ)あと、嫌韓とかも。ああいうのってネットが無かったら、あんな盛り上がり方してないですよね。
(ジェーン・スー)してないですよね。嫌韓とかは特にそうだろうね。そう、だから何かの旗の下に集って正義を貫こうっていう流れの時には一回深呼吸(笑)。個人の好みとしては別に何があってもいいと思うんですけど。
(メロマイ)だからそういうのにコメントを求められた時に、上手いこと言おうとしたり、あと普段別に考えてなかったのに性急に『こっちが悪い!こっちが正しい!』とか出すのって、良くないなあって思うんですよね。
(ジェーン・スー)今度ね、私ちょっと発表にはなってないんでこの後おいおいなんですけど、あるサイトで女の子の人生相談にのるような仕事も、始まるんですよ。だからちょっとね、それは気をつけてます。だって、40の人間がさ、20いくつの子に何か言ったらさ、正解になっちゃうじゃん。それが。
(メロマイ)でも、それはそれでいい気もするんですけどね。何て言うか・・・
(ジェーン・スー)気をつければね。
(メロマイ)いや、あの結局正しい答えはどこにも無いんだから、いかに信じるか?ちょっと宗教がかってもくるんですけど。何だろうな?信じることって大事よっていう。で、その信じるための権威として、ジェーンさんっていうキャラクターがいるんだから、それはいいと思うっていうか。
(ジェーン・スー)そう。実はですね、3-4年前に書いた歌詞で、『風と丘のバラード』っていう曲があるんですけど。まあ、そんな大して売れてないんですけどね。『のだめ』のエンディングになっていたやつ、アニメのね。『いま正しいかよりも 正しかったって思い出せるように太陽の下 手を振って歩く』っていう歌詞があって。その時思っていたこととしては、今した判断が正しいかどうかとか、これが正しいかどうかっていうのはさっき言ったように客観的に判断できる人なんて誰もいないし、そんなの明日にはコロッと変わるから、『あの時正しい判断をしたんだな』って思えるように自分で信じて明日を作っていくしかないんだよね。本当に。そのためにはやっぱり、あんまり後ろめたいことはしない。してもいいけど、ケツは拭こうみたいなところとかを思ったりしたんですけど。今回、何でこの話をしようかって思ったかというと、『この人、ひどい!』ってところで話が終わってる、それはちょっと気持ちが悪かった。っていうことで、まあ呼んだわけですけど。またですね、もう既に番組終わる時間になっていまして、いつもの延長なんですけども。まあ、ディレクターの顔を見ないでしゃべるっていう。「やめてください」って言えない状態にしてしゃべるっていう。
(メロマイ)(笑)
(ジェーン・スー)結構ね、シケ金ハッシュタグ(#shikekin888)、バズってるみたいですよ。今。
Twitter1.#本名を母音で言ってみる2.#おまえらが是非やってみたい合同誌をおしえろ3.パラキス4.プラダ5.Lチキ6.#shikekin8887.北川景子8.ロッキン9.モンハン410.夏コミgoo.gl/7NfJB
— 急上昇ナビさん (@Trend_Navi) 2013年5月31日
(メロマイ)こわーい!
(ササキユカヲ)ひどいかひどくないかで言ったら、この人ひどいと思いますよ。
(ジェーン・スー)この人、ひどいよ。そうそう。この人がひどいかどうかっていう話をするのは全然いいのよ。この人は全然ひどい。だけど・・・
(メロマイ)ひどいけど、これを叩いてる人が上等な人間か?って言ったら、さてねえ・・・っていう。少なくとも頭はこっちの方がいいよねっていう(笑)。
(ササキユカヲ)(笑)
(ジェーン・スー)ね。そんな感じだね。
<書き起こしおわり>