東野幸治『我々は宇宙人』を語る

東野幸治『我々は宇宙人』を語る 東野幸治のホンモノラジオ

東野幸治さんが2026年10月2日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中で映画『我々は宇宙人』について話していました。

(東野幸治)あともう1個、見ましたよ。『我々は宇宙人』。噂は聞いてるでしょう? なんか、面白いアニメーションだって。『我々は宇宙人』。

(渡辺あつむ)うん。なんかちらっと。はい。

(東野幸治)聞いてるでしょう? それを見に行ったんですよ。それがものすごい刺さって。もう響いちゃって。どういう話か?っていうとアニメーション自体はちょっと独特のタッチのアニメーションで。めちゃめちゃパンチの効いたアニメーションなんですよ。

で、翼くんと暁太郎かな? という2人の子供がいてて。これがもうめちゃめちゃもう面白いというかどうというか……なんかこう、どんどんどんどん苦しくなってくるっていうか。話的には。仲のいい、だからなかなかちょっと人見知りで友達ができなかった小学校3年生ぐらい。だから都会じゃない。でもめちゃめちゃ田舎じゃないけど、ちょっと田舎ぐらいの町の小学校で、なかなか友達ができない感じ。ゲームが大好きな翼くん。

それとクラスでキャッキャ言うけど……なんとなく自分たちの時代にクラスの中で1人か2人いてた、だから言うたらもう急に走り回ったりとか、ちょっと夢中になったらもうそっちのけになったりとかいう、そういう子っているじゃないですか。なんかこう、落ち着きがないと言われてる子。そういう2人が友達になっていくねんけれども、ちょっとその子も変わってる感じで、で、なんとなく周りの友達、クラスメイトもちょっと距離を置くような感じ。でも、やっとできた友達だ、みたいな関係で友達関係できんねんけど。なんかこう、あることをきっかけにちょっと離れちゃうんですよ。で、そこからの30年の話なんですよ。

(渡辺あつむ)おおう……。

(東野幸治)それがもうどんどんどんどん、「えっ、こんな話なの?」みたいな感じになってきて。で、どんどんどんどん苦しくなってきて。最後はもう心の中で……見てない方にね、これはほんまにネタバレしたらあかんからあれですけど。ほんま、最後のラストシーンになって俺、「ほんまに頼む! もう頼む! 頼む! 頼む!」っていう気持ちになってくるのよ。だんだんと。「頼む! もう頼むから!」って。

(渡辺あつむ)井上Pは見た感じですね?

(東野幸治)もう、そうでしょう? 「もう頼む! ほんま頼むから……」って。「頼むから! とにかく! なんかもう嫌な終わり方、してほしくない」っていう感じにどんどんどんどんなってきて。珍しいというか、こんな……だって1年間、いろんなエンタメ作品を見るけど、まあない感情の気持ちみたいになってきて。で、見終わってもうどんよりして。なんか「すごい作品、見たな」っていう。ぜひぜひこれ、おすすめというか。自分の小学校時代をちょっと思い出して。必ず自分がどこかに当てはまるみたいな感じなんですけれども。だから俺もそれを見ながら帰りしなに「俺も危ない人生やったな」ってこう、いろいろふと振り返って。この世界に入って……とか。なんかそんな気持ちになってくるのよ。

(渡辺あつむ)また客がおじさんばっかりになるやん……。

(東野幸治)いやいや、ほんまに。でも、それもいっぱいよ。だから客席もいっぱいで。

(渡辺あつむ)若い子、いるんですか?

(東野幸治)もちろん、それは若い子で。やっぱりその言うたらアンテナ張ってるような20代、30代の男女がいてる。で、もちろん4、50も混じってるよ? 「むーん……ズズッ、うーん……」って(笑)。

(渡辺あつむ)そうかー。キャバクラも行かん。ギャンブルもせえへんおっさんがそこに全部、行くんやろうな。

(東野幸治)でもほんま、だからなんかいろいろ考えさせられて。なんかね、言うたら今、現在『DayDay.』の助っ人に呼ばれたりとか、人に求められてる俺とか……。

(渡辺あつむ)フハハハハハハハハッ!

(東野幸治)いや、ほんまに見て。見たらわかんねん。

(渡辺あつむ)そんなに重なるんですか?

自分の人生に重なってくる

(東野幸治)いや、重なってくるのよ。俺、あの時……二丁目劇場の前の南海ホール。前身の南海ホール。友達に「オーディション、行けへんか?」って言われて。そんなん、もう勇気もないし、そんなん、もう無理やし。「いやいや、行けへんわ」って言ってたら俺の人生、どうなってたんかな? とか。「うーん……」っていう感じになってくるのよ。だからすごい、わかるでしょう? これ、本当そうなのよ。なんか俺はたまたま幸せな方に行ったけど。なんか、そっちじゃない方も中にはいらっしゃるし。「俺の人生、こんなはずじゃなかった」って思ってる30代の方とか40代の方とか50代の方……。

(渡辺あつむ)いや、しんどいっすやん?

(東野幸治)いや、ものすごいしんどいねん。いや、でもめちゃめちゃいいアニメやし。自分の知ってる場所とかも出てくるのよ。「ここ、あそこやな」とか思ったり。「えっ、あそこであんなこと? やめてくれや……」とか。なんかこう、いろいろんなことが頭の中で駆け巡りながら。目がギンギンになって、どんよりして。うつむきながら……寝る時もほんま、あんまり寝られへん感じ。いつもはシーパップしてもうすぐ「グーッ、スー、スーッ」って寝んねんけど。なんかこうシーパップしながらも「スーッ、そうか。俺は幸せやな……」とか。いや、ほんまに。っていう、なんかいろんなことを考えさせられる、いい映画だなとは思って。

俺、だからこの門脇監督っていう監督、初めてで。だからそういう商業的なこういう大きな劇場アニメーションを初めてで。だから作も監督も全部、その人がほぼほぼやっていて。最初、4人でやってんで? だから5年ぐらいかかってて。すごいのよ。でも逆に言うとその門脇さんは翼なん? その暁太郎の方なん? それかはたまた、あのなんか違うやつなん? あいつなん? とか、いろんなことを考えながら考えさせられるっていう。なんかこう、人生の岐路に立ったっていうところを。

で、その思いがあってAppleTVで……Xでたまたま見たドラマが面白そうで。今から5年ぐらい前のドラマがあってね。『フォー・オール・マンカインド』って、もう誰も知らないと思うんですよ。『フォー・オール・マンカインド』っていうドラマがあるんです。それはだからアメリカとか世界ですごいヒットしたんです。でもAppleTVって日本では誰も見てないし。

(渡辺あつむ)そんなことないよ?(笑)。「少ない」や。

(東野幸治)いや、逆に言うと「誰も見てない」って言ってAppleTVの日本支部が怒ってくるぐらいの気持ちであってほしいから俺はそう言ってんのよ。

(渡辺あつむ)ハッパをかけている?

(東野幸治)ハッパをかけてんのよ。もう鼻くそほじくりながら。アメリカから送られてきたAppleTVをカシャン、カシャンってボタンを押して配信してるようじゃダメやって。

(渡辺あつむ)「カシャン」?(笑)。「ピッ」じゃないの?

(東野幸治)「ガッシャン!」って。

(渡辺あつむ)VHS入れた!(笑)。

(東野幸治)ってやってるようじゃあかんよっていうんですけど。これがアポロ11号が人類で初めて月面に立ったじゃないですか。ねえ。それがドラマのモチーフなんですけど。アメリカが作ってるんですけど。それがシーズン4まであるんですけど俺、まだシーズン1の第1話しか見てないんです。というのも、そのドラマの設定がアメリカのアポロ11号、アームストロングが月面に降り立ったっていうので。実際、そうじゃないですか。でもイフの世界でその『我々は宇宙人』じゃないけど。もしも当時、ソ連の宇宙船が先に月面に立ってたら、どうなってたか?っていう近未来ドラマなのよ。

(渡辺あつむ)はい。

(東野幸治)ほんで「先越された!」って言って当時のアメリカのカルチャーとか、アメリカの音楽とか、古き良きアメリカの感じと先を越されたNASAのいろいろ、そういう確執みたいなのを描いて。それがシーズン1、2、3、4ってどんどんどんどん、言うたら架空の話がたぶん、これから広がっていくんですよ。月面の中にたぶんアメリカの……だからその後、アポロ11号が着陸するから。第1話、そこまでなんです。それ、5年前の作品やからいいんですけど。そこから始まるから。そこから、さらに近未来の戦いが始まるんですよ。

で、今年、偶然それを見つけた時に『スター・シティ』っていう……その作品が大ヒットしたから。その頃のスタッフがその先にソ連の宇宙船が月面に立ったのの、ソ連側の物語を作ったのよ。だからその『フォー・オール・マンカインド』はアメリカ目線で「先にやられた!」なんですよ。でも「一方、その頃、ソ連では……?」っていう(笑)。

(渡辺あつむ)古っ! 『仮面の忍者 赤影』(笑)。

(東野幸治)「ギヤマン王帝国では……」って(笑)。っていう話なのよ。で、俺、だから本当にその言うたら『我々は宇宙人』じゃないけど。両方、だからもう俺、エンタメ作品を見すぎて麻痺してるんかもしれんけど。『フォー・オール・マンカインド』の1話を見て。次に2話を見んと『スター・シティ』の1話を見たんですよ(笑)。

(渡辺あつむ)へー! すごいなー! そんなこと、ようできるな(笑)。

(東野幸治)だからもう全部、繋がってるからよ。だからそのソ連が着陸したところをそのアメリカ版で1回、見てるのよ。で、その頃、ソ連ではどんな風に喜んでるとか、どうなんか。使われてる音楽、ファッション、空気感、もう全然違うのよ。ほんで俺の個人的な見解ですよ。第1話。ソ連の勝ち。おもろかった! ソ連の方がおもろいわ。ソ連、おもろい! そこにスパイとか入ってくんねん。おもろいわ! あと曲。ずっとクラシックやねん。暗い! ファッション、地味やねん(笑)。第1話はだからそういうので。だから、もうそれをやっていこうと思って。1話ずつ。

(渡辺あつむ)それ、おもろい見方ではありますね。新しいけど……なんかしんどいな。できます、それ?

(東野幸治)いや、今のところ。だから1話、両方を見たけど。さっきも、その言うたら『スター・シティ』。ソ連側から見たその月面のやつのその後、見んねんで。アメリカのやつも見たりするねんけど。それで、その『スター・シティ』はその次にもう全くない話ですけど。先にソ連側の宇宙船が着きました。で、次はソ連の女性のパイロットを月面に行かそうってなってるのよ。もう全くない話じゃないですか。それになっていって。それでも、まあまあ言うたら米ソの戦いがずっとこれからやっていくっていうので。それも『我々は宇宙人』が悪いんですよ。俺がもしも、そういう人生の岐路じゃないけど。もしも右に行ったら、左に行ったらこういう風に変わってたんじゃないか、みたいなのを……だからもう全部、『我々は宇宙人』が悪いのよ。ほんまに。

(渡辺あつむ)IF。

(東野幸治)IFですよ。それはもうあつむくんもあの頃、滋賀のね、言うたらまあまあ、たぶん同じレベルの家やと思います。文化住宅で。あのね、下敷ぐらいの玄関で。

(渡辺あつむ)下敷(笑)。

(東野幸治)で、そこに犬を飼うてるんでしょう?

(渡辺あつむ)まあ雑種が寝てますよ。

(東野幸治)そこに。小屋作るスペースもないから(笑)。で、階段は急やし(笑)。

(渡辺あつむ)階段、手で持って上がらなあかん。ほぼハシゴ(笑)。

(東野幸治)ほぼハシゴみたいな。だからその文化住宅やから。下敷ぐらいの玄関で開けたらすぐ階段で。横の道行ったら居間。そこでご飯を食べて。で、ご飯が終わったら両親がテーブルを片付けて布団を敷く。で、急な階段を2階に上がっていったら二間、ある。

(渡辺あつむ)2階があるだけまだええわ(笑)。

(東野幸治)いや、その時に吉本興業みたいなね、お笑いを自分が目指せへんかったら……と考えたら。

(渡辺あつむ)怖いっす! 怖い怖い怖い!

(東野幸治)めちゃめちゃ怖いやろ?

自分がお笑いを目指さず、吉本興業に入ってなかったら……

(渡辺あつむ)吉本の文句、よう言いますけど。東野さんとね、ご飯を食べてる時に「ほんまに吉本に入ってよかったな」話はするじゃないですか(笑)。

(東野幸治)いや、ほんまに危なかった。

(渡辺あつむ)危ないですよね。

(東野幸治)俺もほんま、たまに思うんですけど。そのね、俺の中の宇宙人じゃないけど。俺、吉本入ってなかったらもう、あんまりこんなんラジオで言いたくないけど。俺、3回ぐらい捕まってると思うんですよ。ほんまに。

(渡辺あつむ)何系で?

(東野幸治)俺、たぶん偏差値の低い高校しか出てないから。たぶんサラリーマン、無理やと思うのよ。就職できへんやん。で、なんかちょっとバイト感覚で働くけど「なんかおもんないな」ってなって。金、稼がなあかんなみたいな。で、横目でなんか『しごき教室』とか見て「チッ」て舌打ちしながら。ねえ。『しごき教室』とか。もうね、吉本に入ってないから。『さんまの駐在さん』とか「キャー!」とかね。漫才ブーム、紳助・竜介さんの漫才とか「ええな。ちやほやされて……」みたいな。で、なんか働きに行けどどんどんどんどん、「クソ! なんかないな……」と思った時に、たぶんやけど俺は……風俗で働くと思うねん。

(渡辺あつむ)ほう。

(東野幸治)で、風俗で働いて、たぶん独立すると思うねん。「西日本一の風俗店、作るぞ!」みたいな。それで俺、警察に捕まると思うねん。

(渡辺あつむ)なんかね。まあまあ、細かくはええわ。

(東野幸治)いや、なんかわからん。でも俺、朝礼するで。朝礼は。だから風俗嬢を集めて「今日も1日、頑張ろう! お客さんが『本番させて』って言っても絶対したらあかんよ」って。「本番させない! はい……」「本番させない!」って(笑)。

(渡辺あつむ)何にもくれてない(笑)。

(東野幸治)そらそうよ! お笑い芸人でもなんでもないねんもん。ただただ稼がなあかんからさ。っていうのをたぶんやっていて、たぶん違法なこともちょっとやったりとかして。とか、たぶんそういう人生やったって考えるとゾッとするじゃないですか。親にも申し訳ないし。

(渡辺あつむ)捕まったらね。

(東野幸治)捕まったら。ほんで、それがたぶん20代後半ぐらいと思うわ。で、もう結局あかんなって。で、いろいろと職を転々として、腹が出てきて。たぶん俺、今59歳でこの世界に入ってなかったら俺、歯5本ぐらいしかないと思う。

(渡辺あつむ)はいはいはい。もう歯医者も行かれへんしな。

(東野幸治)歯医者も行けへんし。腹出てるし。ずーっとゴムのパンツ履いて(笑)。

(渡辺あつむ)はいはいはいはい。伸び伸び。

(東野幸治)伸び伸びやしっていうような。人生ってやっぱりね、1回きりの人生やから楽しくしたいやん? だから俺、ほんまに吉本っていうか、あん時に勇気を持って一歩、踏み込んでほんま良かったなっていうのはつくづく思うような1週間ですし。ぜひちょっとあつむくんも『フォー・オール・マンカインド』と『スター・シティ』。1話ずつ。

(渡辺あつむ)『スター・シティ』はどこで見れるんですか?

(東野幸治)両方一緒。AppleTV。AppleTVですから。1話見て、1話。2話見て、2話。で、毎回ジャッジしてください(笑)。

(渡辺あつむ)はい。noteに書きましょう(笑)。

(東野幸治)そうそうそう。アカデミーの審査員や思って(笑)。

(渡辺あつむ)えっ、いいんすか?

(東野幸治)いい。特別やで?(笑)。この作品だけやで?

(渡辺あつむ)ありがとございます!

(東野幸治)次の作品からそんな審査員気取り、やめてや?(笑)。

(渡辺あつむ)じゃあイキったこと、言おう。「カット割が……」とか言おう(笑)。

(東野幸治)ちょっとぜひぜひ皆さんもね、AppleTV。だから入れる方はぜひ入っていただいて。、面白い作品まだまだございますんで。あと『窓際のスパイ』も新しいシーズン、始まったんで、よかったら見てほしいなとは思います。

(中略)

(東野幸治)で、メールも来てるんです。「話題のアニメ映画『我々は宇宙人』、見てきましたと。平日14時、100席完売。超満員。口コミの勢いを感じます。物語としては誰もが自分の記憶と重ねて、身につまされる内容。長編アニメ初監督・脚本の門脇さん、29歳」。うわっ、すげえ。29なんだ。「この企画。18の頃から温めており、アニメ制作会社に就職後、独立しミュージックビデオなどの作品を作っていた時、2022年に才能が潰されない世の中を目指して設立された企画制作会社NOTHING NEWの目に留まり、初のアニメ作品として制作することとなったものの、やりたい絵柄が独特すぎるので一般的なスタジオに発注というのができなかったそうです。

監督1人で描くことも考えたが結局、絵柄に適応できる人を1から集めてスタジオを立ち上げるところから始め、ようやく完成したというわけです。今作では子供らしさを表現するため実際の子供の演技を撮影し、それをトレースするロトスコープが使われており、まず子供が演技してそれを映像にして、それをトレースしてロトスコープで作り、それを鉛筆デッサンのようなタッチでくすんだ色合い。そして呪いのような質感の描き込みが見たことのないアニメの画面を作っており、セリフや演技上の何かによって自然と魂が揺さぶられます。来年、日本アカデミー賞ではアニメ部門だけでなく作品賞も取りそうな予感」。

いや、もう取るでしょう。もうこんなの。もちろん、そうだと思いますんで。どんどんどんどんね、ヒットしていただいてっていうことでございますから。いや、すごい。俺、もう1回、見たいなっていうぐらいの気持ちで。だから絵がきれいなのよ。すごい絵がきれいやから。ぜひお願いします。

『我々は宇宙人』予告

東野さん、『我々は宇宙人』にめちゃくちゃ食らっていますね。あのダディがこんなになるなんてとても興味がわきました!

東野幸治のホンモノラジオ 2026年10月2日

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