VERBAL SEEDAとの和解と楽曲『L.P.D.N.』制作を語る

VERBAL SEEDAとの和解と楽曲『L.P.D.N.』制作を語る DIVE TO THE NEW WORLD

(SKY-HI)たしかに。もういろんな角度とか、いろんなやってることはあるけど。たしかに「ダサくてもOK」みたいな時、ないですもんね。そう考えると、たしかに。クリエイティブに誠実っていうか、いいものを作ろうってする人ばっかりいますね。そう考えると。

(VERBAL)やっぱり、なんだろう? 「これぐらいだったら大丈夫じゃね?」って。

(SKY-HI)そうそう。そういうのがね。

(VERBAL)あるじゃん? 絶対に。なんか「ちょっともう今日はいいか」みたいな時、あるけど。なんか、そうなって帰っても気になりすぎて。「ちょっともう1回、いいっすか?」ってスタジオに入っちゃう自分がいるから。やっぱりなんか極力……まあペインターが最後の筆までちょっとこだわっちゃうじゃないけど。なんか視聴者が聞いて全然違いがわかんなくても、ちょっと自分の「Ah」とかっていうのがちょっとニュアンス違うのもすごい気になっちゃう人で……。

(SKY-HI)わかります。

(VERBAL)わかるでしょう? ちょっとそういう感じだから、なんかそこのこだわりがまだ今でもあるのかなと思います。

(SKY-HI)いや、すごいなと思います。なんか「SEEDA×VERBALが聞けた!」っていう感動も全然、もちろんあるんですけど。「VERBALさん、ウマッ!」みたいな。結構ぶち上がったっすね。

(VERBAL)いやいや、ありがとうございます。

「VERBALさん、ウマッ!」とぶち上がった(SKY-HI)

(SKY-HI)ちょうど事務所の若いラッパー、高校生の子と聞いてたんですけど。「すごいよね」っていうのをスタジオでずっと言ってましたね。しかもスタジオで聞いちゃったんですよ(笑)。

(VERBAL)マジですか? 一番音が良い場所で……ありがとうございます。

(SKY-HI)いや、本当にありがとうございます。いや、でも嬉しいっす。このタイミングでラッパーVERBALとしての話をいっぱい聞けるっていうのは一番嬉しかったりもしますね。VERBALさんにしろ、俺にしろそうですけど。結構、続けてるのって世界的に見ると珍しいですもんね? なんか結構、割とみんな音楽をすぐにやめませんか? まあ戻ってくるパターンもありますけど。

(VERBAL)どうだろう? なんか僕はJAY-ZとかNasとか、なんだかんだで……キャレドもDef Jam Southの社長やってから今に至ったりとか。いろいろ、いろんな人たちいるから。ただ、一握りだよね。ある意味ね。

(SKY-HI)そうなんですよね。意外と結構……「そこはそんなにさっぱりやめるんだ?」みたいな人も多い気がするんで。

(VERBAL)でも僕も昔、憧れて。「めっちゃこの人、かっけー!」って思っていた人が今、何をやってるんだろう?って思ったら、めっちゃ不動産王になっていたりとか。まあ、それはそれで素敵なんだけど。

(SKY-HI)それも本当に思います。でも、そうなんですよね。現役感がずっとあるっていうのは本当に嬉しいなっていう気がします。変な話ですけど、現役感ってしゃべったりしてるとなんか……「オーラ」っていう言い方はしたくないすけど。なんか、いわゆるステージに立つ準備っていうか。みたいなのができている状態っていうのはすごい伝わるんで。VERBALさんはそれで言うと、やっぱりずっと現役感があるなって思いますね。

(VERBAL)ああ、マジっすか?

(SKY-HI)なんか、ラッパー感がすごいっすもんね(笑)。

(VERBAL)いや、最近はちょっと肩がこっちゃうからジャラジャラは減らしてますけど。はい(笑)。でも少なくともミニマムでサングラスとかはして、それで演出しないとなって。

(SKY-HI)アハハハハハハハハッ! でもなんか本当に、いわゆる本当にストリクトリーな、ハードなラッパーも日本でもいっぱいかっこいい人が増えましたけど。その分、他のラッパーのスタイルも活躍するバッファーがどんどん広がっていってると思うし、そうなっていけばいいなと思うし。たぶん何回もあると思いますよ。VERBAL再評価みたいなのがこれから何回もあると思います。

(VERBAL)いや、ちょっともう本当に恐縮だし。長くやってきて見えるものってあるなと思いますね。

(SKY-HI)すごくわかります。そもそもが、それこそ自分とかは「ああ、こういうことを言ってるんだ」って宇多丸さんのライナーノーツとかを見ながらUSのラップを聞いていたけど。やっぱり、みんな自分のことを言うじゃないですか。自分にしか言えないことを言うっていうか、自分の歌を歌うっていうのがすごくて。それに妙に勇気づけられるみたいなのがあったんで。実際に今、日本もみんな、そうなっているから。それがどういうストーリーでもいいけど、その人しか歌えないことを歌ってるっていうのですごくグッと来る曲が増えたなって本当に思っていますね。

(VERBAL)たしかに。信憑性もあるしね。

(SKY-HI)SEEDAさん、俺も会いたいな。長いこと会ってないんだよな。僕、リリックで「ラジオでSEEDAとしたフリースタイルをやり直したい」っていうラインを入れたら、それをSEEDAくんが聞いてくれてたらしくて。「俺もやりたい!」って言ってくれていたらしいんで。

「ラジオでSEEDAとしたフリースタイルはやり直したい」

(VERBAL)いや、めちゃめちゃナイスガイだし。なんだろう? やっぱり音楽に対してまっすぐ。

(SKY-HI)冒頭でTakuさんが小学生だった時の話がちょろっと出ましたけど。SEEDAさんの小学生の時もなんか、想像がつきますよね。こんな感じだったんじゃないかっていう。

(VERBAL)たしかに。やっぱりね、まっすぐで。

(SKY-HI)ピュアっすよね。

(VERBAL)うん。音楽に対してのその姿勢ってそうだよなってやっぱり思うし。クリエイティブに対してのアプローチの仕方が、こんなことを言うとあれだけど。なんか自分も忘れかけてたようなことを、「そうだよね!」みたいなことを普通に言うから。やっぱりインディーで自分でやってるから気づくこと、感じること、痛感することっていうのが今、まさにやってることだから。すごいね、それは一緒に話していて勉強になったなっていう。

(SKY-HI)いやー、いいな。俺も今日、帰ったら絶対にSEEDA、聞こう!(笑)。

あれだけいろいろあったSEEDAさんとVERBALさんが一緒に楽曲やっているというのは長年日本のヒップホップを聞き続けている者としても激アツでしたねー。お互いに対するリスペクトがあふれるトーク、とてもグッと来ました!

DIVE TO THE NEW WORLD 2025年3月29日放送回

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