町山智浩 ロバート・ダウニー・Jrのアカデミー賞 キー・ホイ・クァン無視問題を語る

宇多丸とMs.メラニー アカデミー賞演技部門プレゼンター5人体制の弊害を語る こねくと

町山智浩さんが2024年3月12日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で前日に行われたアカデミー賞授賞式についてトーク。助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jrがプレゼンターで前年の受賞者であるキー・ホイ・クァンをほぼ無視するような形でオスカー像を受け取った態度が問題視されている件について、話していました。

(町山智浩)で、その『関心領域』っていう問題で。今回、アカデミー賞の授賞式で非常に大きい問題なっていて。今、世界中で話題になってるのが『オッペンハイマー』のロバート・ダウニー・Jrが助演男優賞でオスカーを取ったんですけども。その時に前年のオスカー受賞者であるキー・ホイ・クァンさん。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の彼がオスカー像を渡す時、彼の方を見ないで。いきなりオスカー像をロバート・ダウニー・Jrが取って。他のプレゼンターだったティム・ロビンスとか、歴代の受賞者の方に挨拶に行ったっていうことで。クァンさんは中国系ベトナム系アメリカ人なんですけども……まあ、ほとんど無視に近い形だったという。で、「これはいったいどういうことなんだ?」っていうことで今、いろいろと批判されてるんですが。

で、僕がこれをすごく大きな問題だなと思うのは『オッペンハイマー』という映画はですね、ロバート・ダウニー・Jr扮するストロースという男がオッペンハイマーに無視されたことで、それを恨みに思ってオッペンハイマーに復讐する話なんですよ。

(石山蓮華)へー!

オッペンハイマーに無視された男を演じて助演男優賞を受賞

(町山智浩)その映画でロバート・ダウニー・Jrはアカデミー賞を取ったのに……それはちょっと、どうなの?って思っていて。で、オッペンハイマーっていう人は原爆を開発した物理学者で、天才なんですけれども。ちょっとなんというか、問題がある人で。夢中になると、それに夢中でガーッとなるんですけど。自分が「この人は関係ないな」と思った人を無視しちゃうんですよ。で、それがどのくらいひどいか?っていうと、自分の弟が婚約者の女性を紹介するんですね。それで「兄貴。これから彼女と結婚するんだよ」って言うと、普通は「おめでとう。よかったね! いい嫁さんだね!」とかって言うじゃないですか。でもオッペンハイマーは言わないで。「ああ、そう」ってパッと無視して違うところに行くんですよ。

で、その婚約者の女性は「なに、この人?」っていうことで、パニックになるんですけど。そういうことをあちこちで繰り返してるうちに、そのアインシュタイン博士。原爆のきっかけにもなった発見をした人とオッペンハイマーが会う時に、彼らを会わせたのがこのロバート・ダウニー・Jrが扮するストロースという人なんですけども。彼らを会わせたのに、ロバート・ダウニー・Jrのことを無視してオッペンハイマーはアインシュタインと仲良く話し始めるんですよ。で、「また無視された!」っていうことで。「オッペンハイマー、許せない!」っていうことでロバート・ダウニー・Jr扮するストロースという男は「オッペンハイマーはソ連のスパイだ」という濡れ衣を着せていくっていうドラマが『オッペンハイマー』という映画なんですよ。

(石山蓮華)はー!

(町山智浩)だから悪気がない人。悪気がないんだけれども関心領域が狭い人っているわけですよ。で、その関心領域の外にある人にはもう本当に無視するということをした時に、それをされた方は覚えているっていう。それでものすごく傷ついてるというような映画で彼はアカデミー賞を取っているんだから……。

(でか美ちゃん)そうですよね。

(町山智浩)「おいおいおい……」っていうね。

(石山蓮華)ずっと、その役を通していろんなことを考えて、感じてきたんじゃないかって……。

(町山智浩)そのはずなんですよ。

役を通していろんなことを感じてきたのではないのか?

(でか美ちゃん)でもね、あの行動が結構、話題になってるじゃないですか。特にやっぱり日本は同じアジア系として、いろんな思いもあったりしますけど。わざとやってたとしたら、もちろん最悪だし。なんだろうな。「アジア系の人」みたいな大きなくくりで見て、なんか透明に見えてるんだとしたら、それも本当に最悪じゃないですか。悪気はなかったとしても。

(町山智浩)そう。だからとにかくね、今回のロバート・ダウニー・Jrも……本当にあの人は名優ですけれども。今回はね、その彼が演じた役と比較するとまずいだろうというところがあるんですね。

<書き起こしおわり>

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