小泉今日子と近田春夫 確定申告がバカらしくなる日本政治の問題を語る

小泉今日子と近田春夫 確定申告がバカらしくなる日本政治の問題を語る TOKYO M.A.A.D SPIN

小泉今日子さんと近田春夫さんが2024年2月24日放送のJ-WAVE『TOKYO M.A.A.D SPIN』の中で最近、気になることとして日本の政治家たちの様々な問題を見て「確定申告をするのがバカらしい」とついつい思ってしまうような状況になっていると話していました。

(小泉今日子)最近は、近田さんはどうしてました? なんか気になることとか、ありました? 世の中的に。

(近田春夫)最近、気になることで言うと……そうだね。やっぱり何となくのね、世の中のさ、雰囲気っていうかさ。あんまりよくないじゃないの。

(小泉今日子)よくないですよー。

(近田春夫)なんだけどさ。あんまりそういうことばっかり考えてるのもね、嫌だなと思いながらもね。でも気になるっていうとさ、自分のこともそうだけれどさ。やっぱり……そんなことを言うと偉そうに聞こえるかもしれないけど。やっぱりこのまんまで行くとさ、たとえば日本にしてもよ。

(小泉今日子)どこにしてもね。

(近田春夫)でも、少なくとも自分の住んでるこの国っていうものに対して、またそういう話になっちゃうとさ、ちょっと堅くなるかもしれないけれど。やっぱりみんながさ、今のこの社会に対して、あるいは政治に対して、もうちょっと積極的に自分なりにね、興味を持つような方向に行かないと、本当にまずいんじゃないかなっていう風には割と思ってるよ。

(小泉今日子)本当ですね。私なんかもうシーズン的には「ああ、確定申告、バカらしい……」っていう気分です。

(近田春夫)あるよね。うん。

(小泉今日子)はい。もう、やめてほしい。ちゃんと自分たちが納税してから、こっちに「納税しろ」って言ってほしい。そう思います。

(近田春夫)いや、本当だよ。そういうこともさ、本当に……なんて言うんだろう? なんかだんだんだんだんさ、「諦め」って言うと変だけれども。「言ってもしょうがないのかな?」とか、なんかそういう気持ちについつい、なりがちじゃない?

(小泉今日子)本当はもう、なんていうか、脱税じゃん?

(近田春夫)そうだよ。

(小泉今日子)で、私たちがちょっとでも脱税をしたら、捕まるじゃん? 納税をしなかったら、捕まるじゃん? 「なんなの?」っていう。だから「そんな姿を子供たちが見て、いいのか?」っていう感じがすごい、しますよ。

(近田春夫)結局だからさ、日々、いろんなことをしていてもさ、そういうことについて、どうしても頭が行ってしまうのはたしかだよね。それで、とにかくさ、僕ね、その政治信条とかイデオロギーとかっていう問題じゃなくて。前にも言ったかもしれないけど。それ以前に人間としてね、「いくらなんでもひどすぎる」っていう人が政治に関わりすぎている気がするよ。

(小泉今日子)なんかだって、私も近田さんも特に支持政党もないし。ノンポリってなんだと思うんですよ。だけど、「悪いことは悪い」っていうことを言わないと……。

(近田春夫)そこなんだよ。

(小泉今日子)そこだけですよね。きっと、みんなそうだと思いますよね。

「悪いことは悪い」と言わないといけない

(近田春夫)それでさ、よくさ、特にキョンちゃんなんかさ、要するにいわゆる「芸能人がどうこう」っていうのを言われたりするじゃん? ても俺ね、言いたいのはどこか?っていうと、この小泉今日子という人の、その(芸能人の)部分は「仕事」じゃん? でも、その部分っていうのはたぶん八百屋さんだろうとさ、サラリーマンだろうとさ、お医者さんだろうとさ、みんなそれぞれに職業を持ってるわけじゃない? その部分じゃなくて「一市民としての小泉今日子」ですよね。

(小泉今日子)そう。だけど、そういう、たとえば政治のこととかって、自分たちの仕事にも結局関わってくるからね。だから誰でも言っていいんだよね。国民は。

(近田春夫)そのさ、だから、いつも僕らがたとえばちょっと言うことでも、「ああいう風に言っている人がいるんだから僕も・私も言っていいんだ」っていう人が出てくれば……。

(小泉今日子)とかね。あとは言わなくても、自分が考えることができれば。一番まずいのはこういう意見と、こういう意見が両サイドにあって。この真ん中で何も言わなかったり、投票しなかったり、動かない人たちが大勢になっちゃってるのがまずいんだよね。

(近田春夫)そう思う。

(小泉今日子)だけど、だから、ねえ。それがちょっと考えるきっかけとか、「うん?」って引っかかってくれたらいいですよね。私たちのように。

(近田春夫)だからそういう意味でよく、僕は選挙のことを話すけれども。「選挙ってのは義務じゃなくて権利なんだ」と思うないとダメですよ。

(小泉今日子)そうですよね。本当にそうだと思う。

(近田春夫)その権利を使わないのはもったいないじゃん? 「行かなきゃな」みたいなことじゃないんだよ。絶対にこの権利はね、使わないともったいないよ。

投票する権利を使わないともったいない

(小泉今日子)私とかも張り切って、すごい朝一番で行ったりしますからね(笑)。嬉しくて。なんかウキウキって感じで。

(近田春夫)朝イチで行くんだ(笑)。

(小泉今日子)朝イチで行きます(笑)。

(近田春夫)俺はもうちょっと……9時ぐらいに行くけど。でも、割と早く行く方だけどさ。

(小泉今日子)はい。「皆さん、おはようございます!」っていう気分で行きます(笑)。

(近田春夫)でも、それはわかりますよ。だけどね、そうするとさ、たとえば「でもね、誰も入れる人がいないんですよ」とかっていうことを言う人もいるじゃない?

(小泉今日子)そうそう。どこに入れていいのか、わからないんですよ。

(近田春夫)でも行って、投票する時に「自分は誰にも入れません」っていう意志をそこで示すのと、全く行かないで棄権しちゃうの。これも違いますからね。だからそこらへんのところを我々、しょっちゅうくどく言ってますけども。この国ではね、暴力革命みたいなことはできないから。やっぱり選挙で変えていくしかないからね。だからあとは本当にもう、その地道なことの積み重ねっていうことで変えていくことができるんだっていうことと。あとは「自分は世の中を少しでも良くしたい」って気持ち。それをみんながさ、それぞれの……たとえば僕が思う「良くしたい」っていうその方向性と、たとえばキョンちゃんが思う方向性って、違ったとするじゃん? そうだとしてもね、それはみんな、それぞれに違っていいんですよね。それをね、「どうしようか?」ってみんな話す機会っていうの? それをもうちょっと、みんながなんていうか……普通にお茶を飲んでる時とかもさ、もうちょっと話せるような、そういう国になるといいなっていうのはなんとなく、僕は思いますね。

(小泉今日子)なんかSNSとかを見ていると、やっぱり今、あちこちで戦争が起こっていて。それにまつわる映像とかが結構流れてくるじゃないですか。割と目を覆いたくなるような、ひどい状況みたいなのも普通に、映像として流れてきて。でも私たちはSNSを見る習慣があるから、そういうものを目にして。本当に、できるだけ早く終わりにしてほしいし、1人でも死なないでほしい。そう思うし。「日本は絶対に戦争に参加してほしくない」っていう気持ち。そういうのが高まるけど。でも、テレビではきっと、やってないですよね。あまり、そういうことを。だから、良し悪しで。ただ、そういうものがSNSとかに、目を覆いたくなるような動画みたいなのが流れてきて。それを若い人たちが目にしちゃうみたいなのもちょっと不安になったりもするけれど。でも、見た方がいいのかもしれないし……みたいな。

ただ、見ないとやっぱり今、起こってることを知れないし……みたいな。すごく、モヤモヤするんですよね。で、なぜ報道がそれをきちんと伝えてくれないのかな?って。そして、戦争ってすごく怖いことで、日本はやらないっていう憲法があるんだよっていう。なんかそういうのが、モヤモヤしますよね。

(近田春夫)しますよね。僕はやっぱりさ、政治家の仕事っていうのはね、いかにしてね、戦争じゃない形で国と国が着地点を見つけるかっていうこと。それを努力して話し合う仕事だと思ってるんですよ。

(小泉今日子)特に、日本はそうであってほしいです。

(近田春夫)そう。そういうことをさ、本当に率先して僕は……やっぱり青臭いかもしれないけれども。やっぱりそうことを、我々はそういう考えなんだってことを国としてさ、もうちょっと。ついついなんかさ、勇ましくいろいろ言う人もいるじゃない? 僕はやっぱりね、その気持ちもわかるのよ。もう、じれったくて。でもね、それでもやっぱり僕はとにかく暴力であるとか、差別であるとかっていうことに対しては絶対的に否定的なんだけど。それに対して乱暴な形じゃなくて、どうやったらそういうことを……「そうだよね」っていう気持ちに人はなれのるか?っていう。そういう説得力を高める技術っていうか。それをもうちょっと、我々もね、高めていかないとダメだなと思うんだけどね。

(小泉今日子)今現在も、いろんなところで戦争反対のデモを日本とか、東京でもデモ活動してる人たちもいたりして。それもSNSでしか知れないんですよ。報道しないので。そういう抗議……いろんな問題について、そういう行動を起こしてる人がいっぱいいるんだけど。なんでしょうね……?って思います。

(近田春夫)だからね、なんかそういう運動をするとさ、どこか政治と結びついてる印象がすごい強いじゃない?

(小泉今日子)そういう風に「報道をしない」っていうことが逆に偏向報道みたいになってしまっている感じはしますよね。

(近田春夫)だから、もっとカジュアルにね。普通に「やっぱり戦争はよくないよね」っていうことを……。

(小泉今日子)だからマスコミとかが、たとえばそういう政治とかからすごく影響を受けちゃっているんだとしたら、それは報道をしない方がいいんですもんね。そんな風になっちゃっているかもしれないですよね。

「音楽が世界を変えられる」

(近田春夫)だからね、僕なんかが若い頃。子供の頃さ、いわゆるロックミュージックっていうものにすごく心をひかれたっていうのは、やっぱり「音楽が世界を変えられる」と思ったんですよね。でも実際問題、たとえばベトナム戦争もね、やっぱりビートルズなんかが出てきたことによってある影響を与えて、ああいうものが終わる方向に行ったし。アメリカの公民権運動なんかにもしてもそうだし。音楽家、あるいはアーティストっていうのかな? なんかもうちょっと社会を、単にエンターテイメントっていう部分じゃないところで。曖昧な空気かもしれないけども、「世の中を平和な方向に持ってきたいな」みたいな気持ちっていうものを僕は子供の頃にすごく感じて。そこから僕はロックに入っていったっていうところはあるから。

(小泉今日子)日本でもね、60年代、70年代ってフォークソングとかでそういうことを訴えて。学生運動の頃ですけどね。そういう曲はいっぱいありますよね。だからさ、なんか市民とか国民がさ、勝つ側の経験が少ないじゃないですか。だから学生運動も結局、負けちゃったような形で終わっちゃってたり。だから市民運動とか国民の気持ちが大きなものに勝つっていう成功体験がすごく少ないと思うんですよ。他の国とかって、結構大規模なデモとかで決定を覆すみたいなことも……特に韓国とかは何度もあったりしますよね? そういうのも、どうしたらいいんでしょうか?っていう。

(近田春夫)それはね、まず自分が自分の知ってる人間にそういうことをね、相手が面倒くさがらない程度に、そういう話題を振ってみて。そこから相手がどう思うか、みたいなことから何となく、ちょっとちょっとずつねっていうこと以外に……とにかく、あんまり乱暴にやるのはダメだと思うよ。なんにしても。

(小泉今日子)「これでもか、これでもか」って政治に対して失望することがもう、ここ何年もずっと起こってるのに、何も感じない人たちっていうのはいるのだろうか?

(近田春夫)僕は、それは慣らされちゃっているんだと思う。

(小泉今日子)もしくは、それを応援したいっていう人たちは本当にいるんだろうか?って私は思っちゃいます。だって、おかしいもん。

(近田春夫)僕はね、みんながもう、日々のことで精一杯で。そんなことを考える暇もないっていう気持ちになってるんじゃないかと思うんだ。なんか、そんな気がするんだよね。自然の摂理っていうかね。そういうものとして、だんだんだんだんそのエネルギーが少なくなっちゃって。「まあ、しょうがないか」っていう形にどんどん人間がなってってるっていう。

(小泉今日子)そのようにも感じますか?

(近田春夫)もう、なにが何が何だかわかんないけれど。とにかく、今のまんまだと、どんどんどんどん世の中、深刻な方向に行くことはたしかだと思うから。それは何とかしたいですね。

(小泉今日子)海外のメディアとかでは、かなり日本に対する報道とか、やばい感じになってますもんね。「マスコミは支配されている」みたいな報道をされたりとか。いろんなことをされてるけど。なんか日本の中にいる人だけが、そういうことを知らない感じになってるのがすごいなと思って。

(近田春夫)それなんかもさ、日々住んじゃっているからだよね。

(小泉今日子)そうですよね……。

(近田春夫)なんか、変な話になっちゃったね。でも、いいよ。

(小泉今日子)いいよね。

(近田春夫)いいよ。

(小泉今日子)じゃあ、次の曲に行ってみますか。

(近田春夫)じゃあ、聞いていただきましょう。Dannii Minogue『I Begin To Wonder』。

Dannii Minogue『I Begin To Wonder』

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました