近田春夫 風化しつつあるジャニーズ性加害問題を語る

近田春夫 口パクとテレビの「裏かぶり」を語る SHOWROOM

近田春夫さんが2024年2月20日配信の『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』の中で風化しつつあるジャニーズ性加害問題について話していました。

(吉田豪)すさまじい経歴ですよ。

(近田春夫)こんな話でいいの?

(吉田豪)こういう話でいいですよ。だから、そういう、そこから見てきた人が最近、ジャニーズ問題をいろいろ熱く語ってるっていうのが面白いなって。ジャニーズの曲のカバーまでしてきた人が。

(近田春夫)そうよ。だって、あれだもん。慎吾ちゃんの曲のアレンジとかだって、やったことあるし。田原俊彦の1枚目のアルバムとかには曲も作ってるし。みたいなので結構……だけどさ、もうジャニーズ問題っていうの? これ。わかんないけど。もう、飽きられちゃってますよね。最近、そういう話題の陳腐化・風化がものすごい早いですよね。

(吉田豪)ですね。会見あれで終わらせたのが向こうの戦略勝ちというか。

話題の陳腐化・風化がものすごく早くなった

(近田春夫)まあ、戦略あるんだけど。戦略がなくてもさ、僕はね、いつ頃からなんでも風化するようになっちゃったか?っていうと、やっぱりあれですよ。安倍晋三からですよ。あの人ってとにかく、モリカケ問題にして何にしてもさ、「ずっと曖昧にしてるとみんな、飽きる」ってことに気づいたんだよね。昔からさ、「人の噂も75日」って言うじゃない? 「喉元すぎれば熱さを忘れる」って言うじゃない? この二つを戦略として使ったことが……みんな、意識はしてないんだけど、みんなの体の中にそのことがあって。みんなね、そのことを学んじゃって。「しばらく曖昧にしておくと、何でも風化する」っていう風潮っていうものが、あそこから日本人のひとつの風土病としてね。そういうものがみんなの体に入ってきちゃったっていうのがあるから。だって、飽きますもん。

(吉田豪)メディア側が相当頑張らないと、まあ風化しますよね。

(近田春夫)そう。だって、あれだもん。たとえばさ、いろんなこと……それこそ、たとえば福島の原発の問題だってね、最初の頃はさ、毎日さ、ずっとニュースでやっていたじゃん? でも、いつの間にか、やらなくなっちゃうじゃん? もう今はさ、福島のことなんて言わないじゃん? それとか、コロナだってさ、本質的には何も解決してないんですよね。

(吉田豪)むしろ、また増えてますよね。

(近田春夫)それでもやらないじゃん? それで、ウクライナのことだってさ、今、結構超深刻なはずなのに、テレビでもあんまりやんないっすよね? だからそうやって、そういうものと同じ意味で、ジャニーズのこともそうだしさ。たとえば、猿之助とか言ったって、もう忘れてるじゃん?

(吉田豪)忘れてますね。歌舞伎問題も触れなくなっちゃって。

(近田春夫)忘れちゃっているでしょう? それは別にさ、タブーで触れなくなっちゃったんじゃなくて、みんな飽きちゃうのよ。どんなことも。だからね、全ての話題っていうものは相対的に全て「話題」っていうだけなんですよ。それが、だから最初の時だけ盛り上がって。そこから、前はフェードアウトするまでこのぐらいあったのが、すぐこうなっちゃうっていう。だってさ、3億円事件とかってさ、もう相当長い間、持ったでしょう? ロス疑惑だって、相当持ったでしょう?

(吉田豪)グリコ森永事件とかね。

(近田春夫)田中角栄の問題だって、相当持ったじゃん? そう思うとさ、昔は持っていたものが……今、その程度のことが起こってもさ、みんなガーシーと同じぐらい、すぐ忘れちゃうんでだよ。だって今、こういういくつかさ、例を出したけど。こういうことですら、もう忘れてると思うもん。たまたま最近またさ、広末涼子っていう名前が出たけど。もうそんなさ、シェフと広末涼子のことなんて、ずっともう忘れていたと思うもん。

(吉田豪)そうですね。

(近田春夫)だから、それいいか悪いかは別としてね。

(吉田豪)松本人志問題を忘れさせないように、文春がすごい頑張ってる印象はありますね。今。

性加害問題、差別問題は不倫の問題とは全く別次元

(近田春夫)ただねそういう中で僕はやっぱりさ、性加害問題と差別問題っていうのは、不倫の問題とかとは全く別の次元のものなので。このことはやっぱり忘れちゃいけないってことと、あとは忘れてもいいものっていうことをテレビなんかで話をする人たちは、もうちょっと、そこのところは論点っていうものを整理して論じ合ってかないと。あのね、俺、テレビとかを見ていて思うのは、論点っていうものを意図的にずらす人っていうのが、いるとするじゃない? それは結構、そういう論破したりする人たちって、そうなんだろうけど。それはまだいいんだよ。自分のね、しゃべってることの論点がずれていってることがわからない人たち同士がお互いに議論してるから、どんどんどんどん不毛なものになってくっていう。これだけは何とかしてもらいたいんで。

やっぱり、そのテレビに出る人たちのね、そういう意味での説明能力ってことだけは、これからコメンテーターをやる人たちに関しては「このぐらいのことはしゃべれますよね?」っていうのはね、事前にチェックして。たとえばさ、国によっては首相と大統領がいる国があります。国によっては首相しかいない国があります。この場合、首相と大統領っていうのは、どっちが偉いんですか? とかね。そういうことを即座に……やっぱりその程度のことは答えられないと、話をしちゃいけないっていう。ある程度、そういう資格は作っておかないといけないんじゃないかな?っていうのは、私は思うんですけどね。

(吉田豪)専門分野じゃないことを無邪気に話しすぎですよね。

(近田春夫)やっぱりそれは、なんていうのかな? あまり世の中をいい方向には導かないとは思うんですよね。こんな真面目な話をしていても、しょうがないんだけどさ。

(吉田豪)全然大丈夫ですよ。本当、正直不倫とか、どうでもいいですからね。

(近田春夫)たださ、不倫とさ、性加害っていうものがごっちゃになっちゃったりするじゃない? 不倫っていうのはさ、あくまでさ、その当事者の中で……。

(吉田豪)不倫で怒っていい権利がある人は、少数ですよ。

(近田春夫)他の人は関係ないんだもん。それなのに……他の人がさ、それについて論じる資格はないんですよ。本当は。それとね、性加害の問題は別なのに。そこがね、すごくなんか曖昧になっちゃったりするっていう。それだけは、私はあまりよろしくないなとは思うんですけどね。

(吉田豪)ミュージシャン、芸能人どれだけ不倫してるかをまず、知りたいですよ。

(近田春夫)そうですよね。だから、人の不倫なんてどうでもいいんだもん。

(吉田豪)いや、本当にその通りですよ。

(近田春夫)だって昔さ、本当かどうか、わかんないけど。フランスなんかはさ、政治家の下半身も問題には誰も興味を持たないなんて。昔から言っていたじゃない? 僕、そこはそっちの方がいいと思いますよ。たとえばさ、性加害じゃないとしたらさ、やっぱりアメリカなんかはさ、脱税に関してはものすごいうるさいじゃん? だけどさ、そういう下半身のことに関しては、そのことであんまり政治家の判断ということは、そんな変わんないですよ。だから日本もさ、そういうところでさ。たとえば今回の一連のさ、キックバックだかキャッシュバックだか忘れちゃったけどさ。

(吉田豪)キャッシュバックはいい話ですよ(笑)。

(近田春夫)そうだね。ああいう問題っていうことに関しては、やっぱりどこまでもどこまでもしつこく。相手がさ、どれだけ逃げようとも。だいたい、あれですよ。モリカケ問題だって、何も解決してないんだから。解決してないのに……やっぱりマスコミの人、言い出したらね、最後まできっちりやんないとダメだよ。とは思うんだけどね。

<書き起こしおわり>

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