星野源さんが2024年2月6日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でアメリカに行く飛行機の中で自分と向き合って決めた2024年の目標を紹介。「今年はアホになる」と宣言していました。
(星野源)先週、僕の誕生日だったんですよ。なんですけど、ラジオではね、ほとんど触れられなかったんです。なぜなら先週はスペシャルウィークで、ケンコバさんと、ぼる塾・田辺さんが来てくれて、ちょっと企画をやりましたので。しゃべれなかったので。お祝いメールをいっぱいいただいております。ありがとうございます。改めて読みたいと思います。兵庫県の20歳の方。「源さん、こんばんは。改めて43歳のお誕生日、おめでとうございます。中学生の時からずっと源さんの虜で、どんな時も隣には源さんの音楽がありました。源さんの歌は隣で一緒に歩いてくれるような感じがあって、そこが大好きです。源さんが紡ぐ言葉も演技も全てが大好きで、それらに触れるたびに生まれてきてよかったと思います。源さんに出会えて本当によかったです。これからもいろんな景色を見たいです。お忙しいと思いますが、お体にお気をつけてお過ごしください。本当におめでとうございます」。ありがとうございます。嬉しいですね。「中学生の頃から」っていうのは本当にね、自分も長く活動してるんだなと思いますね。本当に。
それこそ前にYOASOBIのお二人とNHKで『SUN』を一緒にやった時がありましたけれども。その時にもikuraちゃんが「学生の時に『SUN』を歌ってました」みたいに言ってくれて。「くぅー! やっぱり時間が経つな」みたいな。時折、考えます。今、自分は・・前も言ったけども。なんかね、やっぱり自分の年齢が全然、止まってるんですよ。もう本当ハタチとか……20代でやっぱり止まっていて。そういう人、多いとは思うんですけども。やっぱり自分が結構、活動がすごい長いじゃないですか。長いんだけど、なんか自分の感覚ではあんまりハタチとか20代とかとは変わってないので、あれなんですけど。なんていうんです? その自分がリスナーとして中学生の頃、聞いていた年齢の人と比べるともう僕、大御所なんですよ(笑)。年齢的にはもう、大御所の人っていうか。なんていうの? もう、すごいやってるっていう感じの人っていうか。
僕は20代、ずっとSAKEROCKっていうインストバンドをやってたし。で、歌いだしたのが30歳からだったっていうのがあるんですけどね。だからなんか10年ぐらい、サバを読んでるわけじゃないけど(笑)。なんか、そんな感じなんですよ。なんでか知らないけど。だから俺、気持ち的にはまだ33歳ぐらいなんですよ。歌ってる人の歴史としてはさ。だから不思議な感覚になるんですけど。やっぱりこういうね、学生の頃から聞いてくれてる人もいますし。今もね、学生で聞いてますっていう人もいるしね。それこそ受験勉強とかね、そういうのもいろいろあっただろうし。そういういろんな年代の人……60代の人も70代の人も聞いてるし。それこそ30代、40代、いろんな人が聞いてくれてるラジオだっていうことは、メールを見るたびに思いますけどね。
いや、なんか不思議な感覚だなと思います。横浜市の方。「源さん、お誕生日おめでとうございます。源さんにとってよい1年であるよう心からお祈りいたしております。昨年、『曲を作るのに自分を追い込んでみた年』とおっしゃっていましたが、今年はなにか『こうしてみよう』というプランはありますか? 『去年1年はとても苦しかった』ともおっしゃっていました。人によって心の節目と体の節目は違いますが、40代半ばに差し掛かると思いがけ体調不良になったり、なかなか治らなかったりするものです。どうか体調が悪くなる前に、心も体も休めることをしてください。お一人の体ではないですからね」っていうことで。ありがとうございます。ご心配、ありがとうございます。
2024年のプラン
(星野源)そうですね。今年はこうしようというプランはね、実はあるんですよ。去年1年、ちょっと苦しかったというお話をしましたよ。で、「自分を追い込んでみた年」っていうのもそうなんですけど。「苦しかった」と「追い込んでみた」っていうのは正直、あんまり関係なくて。「追い込んでみた」はその仕事上の話っていうか。なんていうの? 自分のクリエイティブでの追い込みではあるんで。それはそれで普通につらいはつらいんですけど。単純に「苦しかった」っていうのはコロナ禍がずっと3年ぐらいあって。そこで踏ん張っていた……なんか、もういろんな気持ちでグーッと踏ん張ってたのがですね、いろんな規制が解除になったっていう去年の1月のタイミングあたりから、たぶんホッとしたのか、心がなんかポキッと折れたんですよね。ホッとすると、風邪とかひいたりするじゃない? なんかそういう感じで心がね、もうポキッと行きまして。そこからなかなか前向きな気持ちにみたいな。そういうのがちょっと続いてたんで。
あと、世の中がどんどんどんどん大変なことになっていくっていうか。「いや、これは大変だわ」みたいなのにもちょっと当てられながらね。だから、なかなか楽しいとか、明るいみたいな感じの時間がちょっと少なめではあったんですよ。っていうのもあって、ちょっと今年は俺、ちょっと決めたんですよね。あのね、この間、1月にちょっとアメリカに行っていたっていう話をしてたじゃないですか。その行く飛行機の中で決めたんですよ。飛行機ってさ、もうなんか、逃げ場がないじゃん? 逃げ場がなくてさ。たとえば、その人と話したりっていうのもさ、ビジネスクラスに乗ってると、隣とも……マネージャーさんともさ、ついたてみたいなのもあるし。あと、あんまり話さないでください。会話しないでくださいみたいなの、あるじゃん?
なんかたぶん、変なことが起きないように……みたいなさ。だから話せないし。たとえば本を読んだりとか、iPadにNetflixでダウンロードしてきたアニメやドラマを見たりとか。なんかそういうのしかないから。で、「寝ましょう」ってなった時、もう考えることがいろいろあるっていうか。いろいろ考えるんだけど、気のそらし方がもう全然ないんだよね。あるとしても、トイレに行くぐらいしかできないからさ。だから、なんていうの? そこで自分と向き合わざるを得なかったわけ。で、向き合って、向き合って。「ああ、もう、向き合ってるの、つらい! でも、向き合うしかない! ああ、つらい! ああっ、ああーっ!」って出た結論が「アホになろう」でした(笑)。俺は今年、アホになります(笑)。
「俺は今年、アホになります」(星野源)
(星野源)ええとね、なんつーの? 俺、本当に考えたの。「一番幸せな人って、何だろう?」って考えたの。それで「気づかない人だな」と思ったの。「気づかない」って本当に幸せだなと思うんですよ。いろんなこと……世の中の問題に気づかない。自分の問題に気づかない。自分のつらさに気づかないみたいな。なんかそういうのってさ、みんな「なくしていこう」って、当たり前だけど言うじゃん? やっぱり世の中のよくないことは正していきたいし。なにか自分に問題があるんだったら、それを聞きたいし、直したいしって思うじゃん? で、俺もずっとそうしようと思って、なるべくそうしたいと思って頑張ってきたんだけど。なんかやっぱり世の中を見てさ、「すげえ幸せそう」って思う人って、気づいてない人なんだよ。圧倒的に。「お前、ふざけんなよ!」って思う人ほど、幸せそうなの。ずるいな、みたいな。
でも、かといって俺、気づいちゃってるというか。『MIU404』のセリフでもありましたけども。気づいたらもう、戻れないんですよ。だから大事なのは、気づいてるし、世の中も大変だし、もちろん何とかしなきゃいけないのはわかる。自分もまだ、こうした方がいいよねとかいうこともある。で、自分も人も傷つけない方がいいし、一番いい方法を探りたいよねって常に思っている。わかってる。でも、アホになろう!っていう、なんかこの感じ。「『今、アホにならせて!』とか、『そりゃいろいろあるけど、まあちょっと今はアホになっておこう』みたいなのがたぶん、俺には必要だな」と思って。だからなんか、僕は起きてる時間ずっと、頭の中で誰かがしゃべってるんですよ。ずっとしゃべってるんですよ。なにかが。俺もしゃべってるし、音楽もずっと鳴ってるし。で、「あれをこうしてこうして、こうなったらこうなるから、あれがこうですよね」みたいなことをずっと言ってるから。
それはもう、生まれ持ったあれだから、いいんだけど。そこで割と心配性っていうかさ。たとえば仕事の計画がポンッてあったら、そこからこれについて、これがああなったらこうなるから、こうなってこうなってこうなって……みたいなシミュレーションが頭の中でガーッと始まるの。で、それは別に仕事に役立つからいいんだけど。それがたとえば悩みとか、「こんなことが起きたらどうしよう? 怖い」とか。「心配、不安、不安……」みたいなのがワーッて、ネガティブ方面が膨れてきた時には「あーっ!」みたいな。もう、バカになるっていうか。
「まあ、なんとかなるんじゃない?」みたいな、そういうすごいアホになるっていうのは僕、もう本当に今年、決めました。なので、ラジオをやってる時ももしかしたらそういうのが出てくるかもしれない。「おい、星野源、どうした?」みたいな。急に、ちょっとなんか、いつもの星野源と違うみたいなのが出てくるかもしれないですけど、そういう時は「ああ、今はアホになってるんだな」って思ってもらえればいいかなと思います。そんな感じなんですよね。
今年はもう、それで行こう。なので急にアホみたいな曲を作るかもしれないです。次のニューシングル、めちゃくちゃアホみたいな……今、アホみたいなたとえの曲のタイトルを言おうとしたけど、やめます(笑)。なんか、それはよくない気がしたので。「よくない」っていうか、別に俺にとってはマイナスなことじゃないんだけど。世間にとってはこれはディスになってしまうっていうか、そう受け取るバカがいるかもしれないので、やめましょうねー! はい(笑)。そういう感じでいこうと思います。はい。
今夜の #星野源ANN は、バナナマン日村さんとオークラさんが誕生日のお祝いに駆けつけてくださいました!
そして、初の武道館公演を控える日村さんから、星野さんへ質問タイムも!ライブ前の心得など沢山お話ししました。
日村さん、オークラさんありがとうございました!https://t.co/poNY42z0rv pic.twitter.com/gYMMMW2Drc
— 星野源 Gen Hoshino (@gen_senden) February 6, 2024
<書き起こしおわり>