東野幸治『ポップスが最高に輝いた夜』が描く『We Are The World』の舞台裏を語る

東野幸治『ポップスが最高に輝いた夜』が描く『We Are The World』の舞台裏を語る 東野幸治のホンモノラジオ

東野幸治さんが2024年2月2日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中で『We Are The World』のレコーディングの一夜を描いたNetflix『ポップスが最高に輝いた夜』について話していました。

(東野幸治)で、曲なんですけど。Netflixでやっていたんです。『We Are The World』のやつ(『ポップスが最高に輝いた夜』)。見ました?

(渡辺あつむ)まだです。はい。

(東野幸治)『We Are The World』のエピソードって何となく俺、覚えてるのはもうシンディ・ローパーが一番、覚えてるんですよ。要はレコーディングして歌っていたら、レコーディングの人が「ちょっと、うるさいな。なんか変な音が聞こえるぞ?」とかなって。シンディ・ローパーが歌ってみて。それのやり取りが2回、3回とあって。そしたら、つけているネックレスとか、ガチャガチャしたやつが音に入って。それが雑音だったっていう、そんなエピソードしか知らなかったんですけれども。でも今回のドキュメンタリーは『We Are The World』。夜、みんなで集まって次の日の朝7時か8時ぐらいまでで録音しなきゃいけないっていう。そんな設定でスターたちが集まってくるんですよ。

で、一番いいのが、もう言うたら当時のトップスターがブワーッて来るのよ。その中で、マネージャーはもうレコーディングスタジオに一切、入れないんです。なぜなら、それぞれがやっぱり権利とかを主張するからモメるし。ケツも決まっている。で、『We Are The World』をもう録音せなあかんっていう状況で。ほんで、入口のところに紙で「エゴは置いていけ」みたいなのが貼ってあって。よくあるじゃないですか。お笑い芸人がいっぱい集まると「これはできる。あれはできへん」とか。「俺はあいつが嫌や。こいつが嫌や」とか。もうね、エゴだらけじゃないですか。

でもね、かのアメリカのミュージシャンたちは「エゴは置いていけ」っていうところで、みんなでぞろぞろ集まるねんけども。俺、知らなかったんですけど。その日の夜はなんか、音楽の祭典みたいなのがあって。司会がライオネル・リッチーなんですよ。で、ライオネル・リッチーはその司会が終わってから来るんですよ。で、マイケル・ジャクソンはその音楽イベントをキャンセルして、先に入って。ほんで仮歌とか、みんなの歌うやつとかを全部、やってんのよ。で、あとプリンス。プリンスは来てほしかったけど……これ、シーラ・Eが言ってたんですけど。「なんで私、入ってたのかな?って今、よくよく考えたら、プリンスが1人で寂しかったりとか、プリンスが『このメンツだったら俺、しゃべる奴がいない』とかならないように……」って。あるやん? 芸人でも。「いや、俺、この人知らんわ」みたいな。だから、シーラ・Eをかましておくと、プリンスも来やすいからかな?って。

でも、結局プリンスは来へんかったりとか。あと、みんな全員が集まって最初に趣旨を……「なぜ、この歌を歌うか?」っていう。言うたら、アフリカの飢餓の問題みたいなのをワーッてしゃべって。それでみんなが気持ちひとつになってレコーディングが始まっていくんですよ。行くねんけれども、そのドキュメンタリーの中では、そのええことだけじゃなくて。あるカントリー歌手は「ちょっと待ち、長いな?」とかってなって。帰っていったんですよ(笑)。

(渡辺あつむ)ええっ?

(東野幸治)いや、だからそれがもう面白うて。「ああ、こんなんも、正直に言うんや」みたいな。で、なおかつ、俺が一番はまったのはボブ・ディラン。ボブ・ディラン……みんな、「We Are The World♪」って歌うんやけど、口が全然開いてないの(笑)。

(渡辺あつむ)嘘やん……?(笑)。

(東野幸治)いや、ほんまに。あっ、見ました? そうですよね? ボブ・ディラン、全然口を開けへんし。なんかソロのパートも歌い方がようわからんみたいな。

(渡辺あつむ)えっ、嘘やん……?

全然口が開いてないボブ・ディラン師匠

(東野幸治)いや、ほんまに。で、みんなでレクチャーして。「こう歌ったらどうですか?」とか。クインシー・ジョーンズが……とか。やっぱり師匠やから。一番の大師匠が「どう歌ってええのか……」「いやいや、『We Are The World』って歌ったらええやん?」とか、僕らは思うのよ。でもなんか「うーん……」って。で、その休憩中も撮っているんやけども、誰とも話してないし。めちゃめちゃ浮いているからクインシー・ジョーンズとともにいろいろと、ああだこうだって持ち上げながら。「いいよ、いいよ!」とか持ち上げるけど、そんなに笑えへんし。あと、全員がキーが高くないから。『We Are The World』、「キーが高くない人は無理して歌わんでええ」みたいな、そんな話も出てきたりとかして。

で、全員の話、それぞれのエピソードがあるのよ。ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのヒューイ・ルイスさんはソロで歌うはずじゃなかった。なかったけれども、急にキャンセルが出たから、歌わなあかんからドキドキするとか。そういうのを全部聞いた後、最後に曲流れたらやっぱりちょっとね、あの感動もするけど。「うわっ、こいつ……」って(笑)。もう、めちゃめちゃおもろいのよ(笑)。「うわっ、こいつ、よかったな」とか。「マイケル、ええやつやん」とか。っていうのがめちゃくちゃあるんで。ぜひぜひ。今日のリクエストはですね、私のリクエストでございます。『We Are The World』でございますボブ・ディラン師匠、どうか機嫌よく歌ってほしいと思います。張り切ってどうぞ!

U.S.A. For Africa『We Are the World』

<書き起こしおわり>

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