石山蓮華さんとでか美ちゃんさんが2024年1月16日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で映画『被害者が容疑者となるとき』について話していました。
(石山蓮華)先週は3本立てで映画をご紹介いただきまして。でか美ちゃんと私、石山はそのうち、2本を。『被害者が容疑者となるとき』と『ガザ 素顔の日常』をそれぞれ見てきました。
(町山智浩)すごい。1週間で2本も。大変でしたね。ありがとうございます。
(でか美ちゃん)3本とも……『コンクリート・ユートピア』もまた後ほど、もちろん見ようと思ってるんですけど。『被害者が容疑者となるとき』は、ねえ。たぶん私も蓮華ちゃんも同じような重たい気持ちになったかなっていう感じなんですけど。
(石山蓮華)そうなんですよね。なんか被害者の証言っていうことが、ただそのまま受け取られず、「女性が嘘をつく」という思い込みがまず、あって。そこからどうやって捜査が進められていくか? もう、その加害者に対して本当にこんなに杜撰な……ほぼ捜査がされないっていうことは、本当に衝撃的でした。
(でか美ちゃん)で、実際のその取り調べの映像が入ってるっていう話を町山さんからも伺っていたんで。覚悟して見たんですけど……ちょっと想像以上にイライラしましたね。怒りがわいて。被害者に対しては「それ、本当? 嘘ついてるんじゃないの? だって監視カメラと言ってることとが違うよ?」みたいな感じで詰めてくのに……それで実は別に監視カメラもなかったみたいなことが明らかになったり。
(町山智浩)そう。撮っていないんですよね。
ひどすぎる被害者への扱い
(石山蓮華)嘘の証拠を使って相手に「偽証をした」って言っていくって、本当に怖いですし。性被害に遭った人を「嘘つきだ」って言ってしまうこと。そういう行為の恐ろしさもすごく感じる映画でした。
(でか美ちゃん)そうなんですよね。
(町山智浩)それでこれ、アメリカなんですけどね。
(でか美ちゃん)だから「冤罪だ」とか言う前に、そういう冤罪みたいな被害に遭うことに対する寄り添い方も、もちろん大事なんだけど。その前に、性被害に遭ったとされているという状態の人に対して、周りはどういう態度を取っていくべきか? 警察はもちろん、ちゃんと法に則ってやっていけばいいけども。周りの、そのニュースを見た人たちがどういう態度を取っていくべきかなんて、ちょっと考えたらわかるだろうと思いました。
(町山智浩)だから実際にどうなのか?っていう以前に、性被害を訴えた女性の方をガーッと叩くっていう状況というか、そういう世間だと、もうその後、女性は訴えることができないですよね。「こんな世の中だったら、私は黙っていよう」ってなっちゃうんで、ますます加害者にとって都合のいい世の中になっていくので。事件の実際のところはわからないとしても、訴えた女性を叩くのだけは、その後の世の中が悪くなってしまうのでやめるべきですね。
(石山蓮華)そうですね。本当にそう思いました。
<書き起こしおわり>