(堀井雄二)天野さんの絵だったよね。
(坂口博信)そうです。それで天野さんに行き着いて。石井浩一っていうのが言い出したんですけど。で、会いに行ったら意外と即答で「やろうよ。面白そうじゃない」って。意外と、そういう新しい物好きなところがあって。天野さんは。
(鳥嶋和彦)だよね。その後、僕も知り合ったからわかるけど。感性が独特の人だからね。
天野喜孝の絵
噴水を調べたときのメッセージは最高でした(*´∀`)
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(坂口博信)そうですね。「やろうよ」って。その代わり、最初は白黒の墨絵で、ドットで絵を書いていきましたね。
(堀井雄二)やっぱり? そう?
(鳥嶋和彦)鳥山さんと一緒だ(笑)。
(堀井雄二)鳥山さんもスライムをドット絵で書いていたんだよ。
(坂口博信)そうなんですか!? その絵って、残ってないんですか? それ、貴重ですよね。僕らのは、残ってないんですよ。
(堀井雄二)◯◯さんが持っていたんだけどねー。
(坂口博信)貴重ですよね。取っておけばよかったなって。
(鳥嶋和彦)ドラクエの絵はエニックス経由で堀井さんに行ったから、集英社に残っているかもしれないね。
(坂口博信)鳥山さんもそうなんだ。まあ、そう思っちゃうんでしょうね。でも、そうじゃないっていう話ですよね(笑)。
(鳥嶋和彦)で、「違う」っていうことで堀井さんが「普通に書いて」って言って。それで今のスライムになったんだよね。
(坂口博信)同じようなデザインで書く? それは貴重だな。すごいなー。まあ、しょうがないですよね。でも、逆に天野さんの絵なんで。あの墨の感じで最初、白黒で来て。逆に「ドットじゃなくていい」って言ったものの「えっ、この絵、どうやってドットにするの?」っていう感じはありましたよね。
(鳥嶋和彦)だって、等身が高いしさ。
(坂口博信)まあ、頑張って。渋谷さんとかが頑張ってやっていましたけども。
(鳥嶋和彦)渋谷さんがあれにするっていうのは結構……。
(坂口博信)結構しんどいですよね。普通だったら「これは無理です」ってなるような絵ですよ。細い線がいっぱい入っているし。あとは、そういう意味で言うといろいろやりましたね。ドラクエを見ながら。やっぱりゴーレムとか、すごい大きくて。で、印象が強いじゃないですか。行動自体も印象が強いんですけど。で、そのモンスターを設定する時に「ゴーレムに対抗できるやつはどれだ?」みたいな会議をしたりとか。「序盤でゴーレムに対抗できる敵がいないとRPGとしてダメだよな」みたいなことを平気で会議で言っていましたね。
(鳥嶋和彦)あのゴーレムが足をこうやって持ち上げて。で、あの足の裏が見えるっていうのがね。あれはうまいよね。
(坂口博信)うまいっすよね。
(鳥嶋和彦)それで1が完成して、どうでした?
(坂口博信)1はすごい充実感があって。プログラマーとかも「坂口、お前スクウェアに来て初めていいもん作ったじゃないか」とか、褒めているんだか、けなしているんだか、よくわかんない感じで。でも、やっぱり清々しいですね。いいものができた時って。
(鳥嶋和彦)わかるわかる。で、結果もちゃんとついてきたんでしょう?
(坂口博信)そうですね。まあ、営業から出てきた数字はちょっと納得いかなかったんで。そこはちょっと談判して。
(鳥嶋和彦)営業から出てくる数字は結構、坂口さんたちからすると渋い数字だったわけね?
(坂口博信)まあ、今にして思うと、さっき出たROMを支払いを先にしなきゃいけないので。会社の体力とかもあるじゃないですか。それもあって「20万」っていう数字が出てきたんですけども。僕はもう全く納得がいかないっていうか。やっぱりミリオンっていうのがひとつの目標だったので。それに対して20っていうのはどうしても納得がいかなくて。せめて40とか……50に手が届くっていう。
(鳥嶋和彦)だったら100まで積み上げていけるかもって。
(坂口博信)まあ一発目で100までは行かないにしても、50を狙えるぐらいの。それで40っていうのをお願いして。まあ、今思うと無謀なお願いなんですけど。当時の社長は「じゃあ、やろう」って話になって。たぶん大変だったんじゃないですかね。借り入れとかね。
(鳥嶋和彦)そうだね。それで結果、1は何本ぐらいだったの?
(坂口博信)だから40万は売れて……40数万かもしれないですけども。増産はたぶんしなかったんじゃないかな?
(鳥嶋和彦)あの時、ドラクエ1は?
(堀井雄二)ドラクエ1は最初、70ぐらいで。結局、110万ぐらいで。
(坂口博信)そうですね。そこで決定的な差が1からついているわけですから。
(Naz Chris)たぶん1は52万ぐらい国内で売っているっていう。
(坂口博信)おお、50を超えたんですね? なかなかだから本数ではそこから先、しばらく抜ける気はしなかったんで。「じゃあ、ナンバリングで抜こうぜ」ってみんなで会議をして。
(堀井雄二)スピードをね(笑)。
本数ではなく、ナンバリングでドラクエを抜く目標を立てる
(坂口博信)そう。「早く作って。ドラクエ5とかの時に俺たちは7とかまで行って。抜いていこうぜ」っていう。それが目標だったんです(笑)。
(鳥嶋和彦)実際に抜いたのは、5の時?
(坂口博信)5ですかね?
(堀井雄二)5で同時ぐらいだったかな?
(鳥嶋和彦)ほぼ同時ぐらいだったね。さっき、そこのVジャンプの準備号を見たら、ほぼ一緒に載っているから。だから6で、先に出したのかな?
/⁰#堀井雄二×#鳥嶋和彦 の伝説的企画
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\⁰⁰堀井雄二×鳥嶋和彦×坂口博信による⁰#クロノトリガー 鼎談が実現?️?️?️⁰⁰#ドラゴンクエスト の生みの親⁰#ファイナルファンタジー の生みの親⁰#クロノトリガー の仕掛け人が⁰大放談のクリスマスSP?#maadspin pic.twitter.com/dgXe9aXpbP— J-WAVE TOKYO M.A.A.D SPIN (@MAADSPIN) December 25, 2023
<書き起こしおわり>