日比麻音子 キングオブコント2023・ニッポンの社長ネタ準備未完了危機を語る

日比麻音子 キングオブコント2023・ニッポンの社長ネタ準備未完了危機を語る アフター6ジャンクション

日比麻音子さんが2023年11月7日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション2』の中で浜田雅功さんとMCを務めたキングオブコント2023を振り返り。ニッポンの社長のファイナルステージでのネタ準備が完了していないにも関わらず、スタッフからはネタスタートのゴーサインが出てしまった事態を察知し、一旦ストップをかけてトラブルを回避したことについて、宇多丸さんと話していました。

(宇多丸)私、今年は初めて……毎年見てますけども。キングオブコント、全部リアルタイムで見たのが初めてで。かつ……。

(日比麻音子)いや、嬉しい! ちょっと、言ってくださいよー。

(宇多丸)いや、言ってどうなるのよ?(笑)。そんなね、気を散らすようなことは絶対にしたくないよ! 邪魔は一切したくないからね。お家で拝見していて。

(日比麻音子)ありがとうございます。

(宇多丸)しかも今年はやっぱり皆さん、おっしゃってるように素晴らしい大会で。リアルタイムで見る醍醐味、本当にありました。

(日比麻音子)よかった!

(宇多丸)もちろん爆笑しながら……だから僕、泣くほど笑いながら、なんていうか、応援する気持ちとで。なんかもう、わかんない。爆笑と涙みたいな感じで、立ち上がって拍手とかしていましたもん。サルゴリラさんが勝ち上がっていくところとかで。

(日比麻音子)本当によかったですよね。

(宇多丸)ということで、日比さん。こうやってお帰りということで。時間も経っていますが、皆さんからこんなメールも来ています。「宇多丸さん、日比さん、スタッフの皆さん、こんばんは。そして日比さん、お久しぶりです。少し前の話になりますが、キングオブコントの司会、お疲れ様でした。全組、超面白くて素晴らしい段階でしたが、特に印象的だったのがニッポンの社長さんの2本目のコント前にハプニングあり……」。ちょっと仕込みに時間がかかっちゃったと。で、時間がかかるだけじゃなくて、ゴーサインが出てるのに……っていうことですよね。

(日比麻音子)完全なる、オンエアーでも言いましたけど、仕切りのミスっていうのが発生しました。

(宇多丸)「ハプニングがありつつも、日比さんの落ち着いた対応に『やっぱりさすがだな!』と思いました。キングオブコントの裏話も聞いてみたいです。来年も司会をされることを楽しみしております」という。もう1個、読ませてください。たぶん、そういうその時の日比さんの対応についてということだと思うんですけども。「日比さん、お笑い芸人ニューヨークのお二人のYouTubeはご覧になりましたか? キングオブコントでの進行の立ち振る舞いについてニューヨークのお二人も『決勝前のトラブル対応は一切慌てず、素晴らしかった。あの人はすごい。バケモノアナウンサー。以前、共演もしたが達者!』と大絶賛でした。アトロクリスナーとしては我が孫を見られているかのごとく、『まあ、そうでしょう』とニヤニヤでした」ということなんですよ!

(日比麻音子)ありがとうございます!

(宇多丸)そうなんだよなー!

(日比麻音子)いやー、なんとかやってまいりました。

ニューヨークも対応を絶賛

(宇多丸)どこから話を聞いたものやらということですけども。まあ、ちょっととりあえず始めてから。オープニング、時間も短いんで、さっさと行かないといけない。行ってみましょう。アフター!

(日比麻音子)シックス!

(宇多丸・日比)ジャンクション、2!

(中略)

(宇多丸)ということで、キングオブコントっすわ。何年目?

(日比麻音子)これで、ええと5年目? 4回目? 5回目? ちょっと、それぐらいで(笑)。

(宇多丸)やっぱりさ、浜田さんとご一緒することが……他の番組『オオカミ少年』とかでも多いじゃないですか。だからすごい信頼が厚いっていうのもすごい感じるんだけど。どうですか? 慣れた? なんか、やっぱり見てると今年はなんか、いよいよ落ち着いてやってるな感が……。

(日比麻音子)いやー、でもやっぱり袖にいるんですけど。というか、もう準決勝から見に行ってるので。やっぱり「誰が選ばれるんだろう?」っていう。「ああ、あの人たちは今年、行けたか」とか「ダメだったか……」ってところから私のキングオブコントは毎年、始まっていて。

(宇多丸)しかもずっと通しでさ、何年もやってるっていうことは、「今年、ついに!」とか「ここまで来て! いや、いいネタだよ。これ……行けるのか?」とか。

(日比麻音子)そう。とか、去年は残っていた人たちが結構手前で「ああ……」っていうのも。

(宇多丸)本当はもっといいのを持っているのに、出してなかったりとか。

(日比麻音子)で、準決勝って1本目も2本目も両方、見ていて。で、決勝。ファイナルは3組しか進めないので。

(宇多丸)その2ネタ目が見える人はね、限られていますよね。

(日比麻音子)7組分、2つ目を準備していても披露できないっていう、この苦しさみたいなものって本当に毎年、感じていて。だから、2本目のことも知ってるからこそ、泣きそうなんですよ。「みんな面白かったのに……見てほしかった」とか、いろいろと思うので。だから年を重ねれば重ねるほど、それぞれのストーリーみたいなものが浮かんじゃって。だからこそ毎年、フレッシュに緊張してます。「やばい!」みたいな。

(宇多丸)緊張もするし、去年からずっといつも言ってるけど。あの番組って進行が大変だなと思うのは、やっぱりさ、見てちゃんとその中身が面白ければ、それにちゃんと笑ってなきゃいけないというか。ちゃんと笑って、でも進行して。で、そのストーリーもあって……みたいな。なんて言うの?

(日比麻音子)でもね、笑っちゃうんですよ。面白いから。もう全然、「あっ、進行しなきゃ!」みたいになります。それぐらい、やっぱりコントのレベルが高いので。進行することとか、その業務とか役割を超えて、もう面白い。

(宇多丸)そこで去年のね、浜田さんのね、「笑いすぎや」っていうね。ああいうのも効いているから。あれもすごくいいよね。

(日比麻音子)毎回笑いすぎちゃう(笑)。

(宇多丸)今年は、あとはだから皆さんが話題にしているのはそこの、ちょっと待たなきゃいけないところ。その待たなきゃいけないのに、ゴーサインが出ちゃったっていうミスですよね。

(日比麻音子)そうですね。スタッフチームも本当に何年もやっているベテランチームで。普段からコミュニケーションをしょっちゅう取ってるので、もう目を見ればわかるんですよ。「やばい」っていうのが。「固まってる。やばいっぽい? OK.何とかしよう」みたいな。

(宇多丸)あの瞬間って、だからもう本当にそれは浜田さんとか、松本さんとか、皆さんの……なんていうの? 皆さんの無言の生の、即興のさ、それぞれがそれぞれの役割をうまく果たしてゴールを決めるじゃないけども。そういうことじゃない?

(日比麻音子)いや、本当にまさにそういうシーンだったなって。やっている時には夢中なので。全く正直……もちろんシナリオもないし。何が起きてるかも誰もわかんなかったんですよ。でも、いつも信頼を置いてるスタッフチームが珍しく固まっていて。「あっ、これはなにかあったな」って。で、私の右側がニッポンの社長さんのファイナルステージのスタンバイのカーテン、幕が閉まっていて。で、ニッポンの社長さんが「まだ!」って言ってる声が聞こえて。「えっ、待って? どういうこと?」って思って。誰もわからないから。でも、VTRはあと5秒で開けちゃう。ステージが開いちゃう。わかんないけどとりあえず私、「1回、MC台に戻ろう」って思って。バーッて戻って。それでバンッ!って開いたのが私が1人で映ってる映像で。「あれ? なんだろう?」と思ったけど、とりあえず、浜田さんを呼ぼうと思って。「浜田さーん」みたいな感じで始まったっていう。

(宇多丸)じゃあ、瞬時のそのとにかく「始めてはマズいっぽい」という判断と……だってさ、その途中で開いちゃったら、それは本当に申し訳ないから。それだけは絶対に避けなきゃいけないから。それをまず、体を張って防ぐっていうのがまず第1の目的で。

(日比麻音子)とりあえず、私が出て行こうっていう(笑)。

(宇多丸)どんだけそこの場が奇妙なことになっても、最悪の事態はそれで避けられるっていうことですね?

とりあえず体を張ってネタ開始をストップ

(日比麻音子)とにかく、ニッポンの社長さんがどんなことがあってもちゃんと……あれ、時間制限もあったりするので。ちゃんとネタを披露できる環境を作ることが私たちの一番の役割なので。

(宇多丸)ちょっとさ、何週も前の、全然しかも他人事もいいところなぐらいの距離感なのに、聞いているだけで胃が千切れそうになってくるよ(笑)。

(日比麻音子)でもその時に、浜田さんももちろんですけども。審査員の皆さんも、「なんとかこの場を守ろう!」っていうことで。「ニッポンの社長さん、および芸人さんたちがファイナルでちゃんと落ち着いてできるように、なんとかしよう!」っていうことで、一気にここで……結構、審査員の方たちは遠く離れていて。お客さんたくさんいらっしゃるので。でも、なんかバッて繋がった感じがしたんですよね。

(宇多丸)これはやっぱりさ、お笑いの番組でもあるから。ちゃんと仕切り直すのも大事だけど、なんていうの? 笑いの空気感というか、そのバイブスを途切れさせてもダメじゃない? だから、これは実は難儀なことなんだけど。それがたぶん……まずは1回、止めた。で、浜田さんが「なんや? まだなんか?」って言って。あそこでさ、でもまずは浜田さん、ストレートに切れてもいい人っていうか。それがやっぱり強みじゃないですか。切れても浜田さんのキャラクター、込みで。で、それに対して松本さんがソフトに……。

(日比麻音子)その他にも小峠さんとかが「まあ、生放送ですしね」って。審査員の皆さんも言ってくださったりして。

(宇多丸)いいんだよね。ちゃんとした、まともなこと言う人と……だから素晴らしい。あそこ、誰もが思ったところで。「おおーっ!」って。

(日比麻音子)で、観客の皆さんも本当にお笑いが好きな方で。やっぱりこれまで、たくさんあたためてくださった皆さんだったので。

(宇多丸)あれ、大事だよね。ライブにおいて、「お客も演奏だ」なんて言うけどさ。あそこのテンション、温度がさ。

(日比麻音子)観客の皆さんが「えっ?」とか「なに?」ってならなかったっていうのも本当に救われたなっていう。

(宇多丸)でもそれぐらい、やっぱり1本目が皆さん、本当に……いや、別に毎年、素晴らしいんだけど。本当にレベルが高くて、面白くて。なんていうかな? もうちょっとやそっとじゃ、別にいいよっていう感じもあったと思うんですよ。正直。

(日比麻音子)いや、本当に既にレベルが高い10組が、そのレベルの高さをこんもりと積み上げてくださってるので。ちょっとやそっとじゃ崩れないっていう。

(宇多丸)だから、そのバイブスもそうだけど。同時にさ、その生放送でめちゃくちゃケツが決まっている。で、「これ、入るの? マジで……」みたいな。そういう心配もありながらの。だから本当に素の心配と、あとなんかちゃんとソフトにやって。それで「準備できました!」みたいなのが聞こえるわけ?

(日比麻音子)それで、なんかそのスタッフチームもようやく状況が把握できて。「できました」っていうのが出たので。「じゃあ、もう1回いきましょう」っていうことで。

(宇多丸)だからこれ、最悪の事態はさっき言ったように「途中で開いちゃう」だもんね。だからそれは避けられて。で、実際にネタを見たらさ、「これは時間、かかるでしょう」っていうあれだったから。

(日比麻音子)私も準決勝でそのステージとかはなんとなく把握してたので。「いや、こんな早く出るわけないな」というのも一瞬よぎったりとかしたりして。

(宇多丸)でもまた、あのネタもさ、最初はずっとある種、静かに進む感じっていうのもあったから、なんかよかったかもしれないですね。ニッポンの社長さん、すごいですよね。どっちも異常な人っていうかさ(笑)。2本とも。あれはやっぱりすごいなと思って。面白かったです。あと、やっぱりサルゴリラさんも面白かったですよ。だからそういうような見せ場とか、ハプニングをどう繋ぐかのあれも含めて、全てが素晴らしい。

(日比麻音子)ああ、よかったです。そう言っていただけると。

(宇多丸)あと、だからその中身の素晴らしさにプラスして日比ちゃんが頑張った。お笑いの日、1日通してどんだけ働いているんだ? みたいなのも含めて。それもあって泣いているから。笑い泣きで大変だったですよ。

「笑って泣いて大変」(宇多丸)

(日比麻音子)いやー、思い出すだけで……「優勝は」ってパーン!ってなる瞬間が、何度でも泣いちゃうんですよね。我慢しているけども。

(宇多丸)ということで、つくづくお疲れ様でしたというね。

(日比麻音子)いや、今年もよかったです。皆さんのおかげで。

<書き起こしおわり>

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