高田文夫 谷村新司に対抗してビートたけしのオールナイトニッポンを始めた話

高田文夫 谷村新司に対抗してビートたけしのオールナイトニッポンを始めた話 ザ・ラジオショー

高田文夫さんが2023年10月19日放送のニッポン放送『ナイツ ザ・ラジオショー』に出演。ビートたけしさんとオールナイトニッポンを始めたきっかけを話す中で「谷村新司に負けたくなかった」と話していました。

(塙宣之)今はもう、トーク番組ってメインでいっぱいやっているじゃないですか。テレビで。昔はテレビでトーク番組って、あんまりやってなかったですよね?

(高田文夫)そうだね。だから『スター千一夜』みたいな形で、その時のスターを呼んでちょっとトピックスを聞くみたいな。だから、こんな本音のトーク番組っていうのはないよな。

(塙宣之)あんまりなかったですよね。それもだいぶ、昔と変わってきたんですかね。

(高田文夫)全部、だから結局たけしさんのしゃべりだろうな。全てが変わったのは。それは何よりもここで81年の元旦にオールナイトニッポンがスタートしたっていうことが大きいわけだよ。あれでゴロッと世の中が……全て、テレビ・ラジオが変わっちゃったんだよ。

(土屋伸之)芸能界が変わった。

(高田文夫)本当に。だって、実を言うと……谷村新司さん、亡くなったじゃない? 俺、あの時さ、こう言っちゃ不謹慎だけど。「こいつには負けたくない」と思ってオールナイトを始めたんだもん。

(土屋伸之)へー!

(塙宣之)向こうもラジオで大人気で。

大人気だった谷村新司のラジオ

(高田文夫)だって俺と同じぐらいの歳だよ。もう22、3歳で大スターなんだよ。アリスでブワーッと売れて。それで文化放送、QRがさ、番組を深夜ね、谷村さんにやるんだよ。それがまたさ、フォークソング歌手ってみんなそうなんだけどもさ。「ラジオの君に……」なんてちょっとくさく語りかけるパターンなんだよ。それでそのかわり、後半になるとちょっとお笑いのコーナーがあってさ。天才、秀才、バカとかさ。これがおもしろいんだよ。俺、聞いててさ。「ちくしょう、悔しいな。俺も深夜、なんかラジオの枠があればな」なんて思ってさ。実は天才、秀才、バカ、全巻持ってんだよ(笑)。

(土屋伸之)めちゃめちゃ好きじゃないですか。

(塙宣之)爆笑の太田さんもすごい好きだって言っていましたよ。

(高田文夫)あいつもそうだよ。

(土屋伸之)だから、たけしさんが始まるまではずっと谷村さんを聞いてたっていう。

(高田文夫)それで谷村新司が、最終的には真面目な話をしたり、人生を語ったりするんだけども。途中でぽっとおもしろいのもあって、爆笑するんだよ。だけど、このフォークソングというか、ニューミュージックの人がさ、こんなに夜中に笑わせてるのにさ、俺たちは何やっているんだろう?って俺、ずっと悩んでたんだよ。「絶対、お笑いできちんとやんなきゃ。落とし前をつけなきゃダメだ」と思っていたところに、ここの岡崎さんっていう人が「やりませんか?」っていう話をくれたから。だから逆に言うと、谷村さんには感謝だね。谷村さんがいたから、深夜にあんなに笑わせていいんだって。だから最初、ニッポン放送もさ、青春ラジオみたいなのがいっぱい流行ったわけだよ。さだまさしだとかさ、あのへんの世代。武田鉄矢とか、みんな。俺、そういうのがすごい嫌でさ。なんか田舎から出てきてさ、一旗揚げて帰るみたいな。なんか嫌じゃない?(笑)。

(塙宣之)青春っぽいやつが。

(高田文夫)で、最初はそういうのを求められたんだけどね。「たけしさんもできませんか?」みたいな。「いや、できないよ。あの人はライブで、板の上の人ですから。ワーワーやって、笑ってる方がおもしろいんじゃないですか」なんて言って。それで最初は「語ってください」みたいに言われて。俺、ちょっと反抗したんだけどさ。で、やっぱり1ヶ月やったけど、たけちゃんも調子が出ないから。1人でしゃべるっていうのが。俺が前にいてもさ、筆談だからさ。書いて渡して書いて渡して、調子が出ないんだよ。それで1ヶ月過ぎぐらいからちょっと俺がプッと笑い出したんだよ。で、ちゃちゃ入れだしたんだよ。そしたら、すげえ弾んできて。ブワーッてしゃべりが。

(土屋伸之)もう参加しちゃって。

(塙宣之)じゃあ、第1回目の一番最初はそんなには?

(高田文夫)全部、筆談。で、それも最初、ニッポン放送の偉い人から言われていたのは「3月だけ」って言われていたんだよ。1月、2月、3月と。「4月からはあてがある」って。誰か、決まっていたらしいんだよ。で、「3月だけ」っていうからさ、俺もたけしさんも「じゃあ、何をやってもいいんだな」と思ってさ。だから俺もしゃべりだしてさ。そしたらおもしろくなっちゃって。そしたら、「大変なことが木曜日の深夜に起きてる」って小林信彦という作家がさ、夕刊フジに書いてくれたんだよ。そしたらさ、ニッポン放送の編成なんかもさ、そういう文化人に弱いからさ(笑)。あんまり新聞とか本を読まないから(笑)。

(土屋伸之)「この人が言うなら」って。

小林信彦に褒められる

(高田文夫)普段読んでないから。ちょっと出たら「出てるよ? なんかオールナイトニッポンのこと」「えっ、小林信彦ってすごいんじゃない?」って。それを3月の頭の方に書いてくれたんだよ。「今、聞かないとたけしは終わっちゃうらしい。局の方針で。木曜の深夜にとんでもないことが起きている」って。で、それが出た次の日からだよ。上の人がパッと来てさ。「続行してもらえますか?」だって(笑)。

(塙宣之)そこで風向きが(笑)。

(高田文夫)それでそこから10年、やったんだよ。

<書き起こしおわり>

高田文夫 ビートたけしとの出会いを語る
高田文夫さんが2023年10月19日放送のニッポン放送『ナイツ ザ・ラジオショー』に出演。ビートたけしさんとの出会いについて話していました。
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