宇多丸さんが2023年10月16日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で亡くなった谷村新司さんを追悼していました。
(宇多丸)そんな中、ちょっともうひとつ、悲しいニュースで。谷村新司さんがね、お亡くなりになった。74歳。まだお若い中でというのがあって。ちょっと短く触れますね。僕、谷村さんはもちろん直接、お会いしたことは同じ業界にいますけど、全然世代違ければ、ジャンルも違うので。お会いしたこともないです。フェスとかで一緒になったこともないんですけど。ちょいちょい僕、インタビューで「作詞というものの中で影響を受けた人」みたいなことを挙げる時に結構、幼少時、1980年リリースの『昴』っていう有名な曲が入っているアルバムが家にあって。まあ、母が聞いてたんでしょうね。で、結構その谷村新司さんの『昴』をアルバムごと聞いていたんです。
(宇垣美里)ええ。
(宇多丸)で、今、後ろで流れているのは『この世が終る時』という6分50秒もある曲なんですけど。この曲は要するに「世界が終わる時に私は3通の手紙を出したい」みたいな。で、子供ながらに聞いていて、「歌って、こんなことも歌えるんだ!」っていうか。そのすごいスケールがデカい、その地球が終わる瞬間にいろんな世界の人々の思いを込めた、みたいな。で、すごい壮大な景色になってくるんですね。約7分かけて。なので、歌詞というもの、歌が広げる世界観みたいな可能性を……もちろん、アリスのいろんな曲も聞いていたし。そのストーリーテリングみたいなことも含めて「ああ、歌ってこういうことができるんだ!」みたいなものを学ばせていただいたみたいな。なので、いろんなインタビューでちょいちょい実は谷村新司さんの特に『昴』の『この世が終る時』とかがすごい印象的だったっていうような話をさせていただいて。
(宇垣美里)へー!
谷村新司『この世が終る時』の歌詞世界
(宇多丸)もちろん、直接交流があるようなレベルじゃないんですけど。あとは谷村新司さんといえば、ラジオスターとしてもね、『セイ!ヤング』という文化放送でやってた深夜放送をされていて。あまりにも大人気で。『天才・秀才・バカ』というですね、本になって。これが豆本という形で。ワニブックスのワニの豆本という形でもう10何冊、出るぐらい大人気で。つまり、音楽もやるけど、深夜放送、ラジオ放送で面白いこともやるみたいな。いやいや、私もそれはもう全然、比べるのもおこがましいあれですけども。それの大先駆者でもあって、みたいな感じで。
(宇垣美里)先輩だ!
(宇多丸)そうなんです。とかね、いろいろと……だからちょっとね、74歳は若いなという風にも思いましたけども。私なりに……もう全然、遠い距離で。1ファンとか、そっちの遥かに外側からの話でございますが。御冥福をお祈りしたいと思います。
(宇垣美里)そうですね。
ラジオスターとしての大先輩・谷村新司
<書き起こしおわり>