東野幸治 食わず嫌いだった『トップガン マーヴェリック』でグッと来た話

宇多丸と宇内梨沙『トップガン マーヴェリック』を語る 東野幸治のホンモノラジオ

東野幸治さんが2023年8月4日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中で食わず嫌いで見ていなかった『トップガン マーヴェリック』を今さらながら見た話を紹介。「めちゃめちゃ面白かった」と話していました。

(東野幸治)今さら、言うのはちょっと恥ずかしいんですけれども……いやー、なぜちょっと素直にならなかったのか。自分で自分をちょっと叱りたいと思います。『トップガン マーヴェリック』、最高でした(笑)。東野幸治のホンモノラジオ! どうも、こんばんは東野幸治でございます。私の話を1時間、聞いてくれるのはこの方!

(渡辺あつむ)渡辺あつむです。

(東野幸治)よろしくお願いします。『トップガン』、最高やね! もう恥ずかしい(笑)。ほんまに恥ずかしかった(笑)。

(渡辺あつむ)今までは?

(東野幸治)今までですか? 正直、『トップガン』みたいなあんな大衆に迎合した映画……もう俺、55歳。もうすぐ56歳の人間が……「しょうもない! いろんな雑誌で絶賛されてたって、誰がこんなのもん、見るか?」って。いろんな声を聞きます。「えっ、東野さん、見てないんですか? 『トップガン マーヴェリック』。いや、めちゃめちゃ面白いですよ!」「いやいや、そんなんを『面白い』って言う感性の君を疑うよ」って心の中で思ったりとか、散々言ってて。ほんでNetflixで『トップガン マーヴェリック』ってあって。

それでちょっと新潟の方に仕事があって。時間もあるし。なんかちょっと家でダウンロードして見なあかんなって思ってて。いろいろ考えて。「うーん、もうしょうがない。ウトウトしながらでも見れるか」と思って『トップガン マーヴェリック』をダウンロードして、新潟の方に行って。長岡花火っていう、日本三大花火のひとつ。前から「行きたい、行きたい」と思ってた花火。それがちょっと新潟の移住特番の3回目で見れるっていうことで行くんですけれども。もちろん、長岡花火もいいんです。行ったこと、ある?

(渡辺あつむ)ないです。

(東野幸治)偶然なんですけど。やっぱり、Twitterとかチェックしていたら、ノンスタの井上が行っていたり。元遠藤の奥さんの千秋が行っていたりとか。いろんな方が行っているし。元チュッパチャップスの宮川大輔も違う局でその長岡花火を生で見るっていうので呼ばれたりとかしてて。で、俺も日本テレビ系列の番組。元々、東京でテリー伊藤の下でやっていたADさんが地元に帰って。そこでディレクターをやって、なおかつ作家もやって、出役もやるっていう、すごい優秀な……まこっちゃんっていう方なんですけど。

その方の番組に呼ばれて。その人がおったら、もう楽やし。面白いし。なんかローカルやけども、『ごぶごぶ』とか『旅猿』やないけども、そんな感じでできるから、ちょいちょい呼んでもらったりするんですけど。それで先に長岡花火に行きますと、長岡花火って、最高の花火で。俺、花火大会をちゃんと頭からケツまで見たことないですけど。見たことないでしょう? 見たことある? 花火大会。頭からケツまで。

(渡辺あつむ)いや、帰らないでしょう? 怖っ……。

(東野幸治)嘘や……。

(渡辺あつむ)えっ、なんで帰るんですか?

花火大会を最後まで見たことがなかった

(東野幸治)いやいや、「もうええか」みたいな(笑)。いや、宝塚の花火大会とか、「もうええか」って正直、思ってました(笑)。

(渡辺あつむ)えっ、花火を背中で聞く人、初めて見ました。

(東野幸治)嘘や? 予定、狂ったな(笑)。

(渡辺あつむ)すみません(笑)。

(東野幸治)「そうですよね」って……(笑)。「長岡花火、行けよ」って言いたいけど。えっ、嘘や? あれ、ずっと見れんの?(笑)。

(渡辺あつむ)ずっと感動。

(東野幸治)ずっと感動?

(渡辺あつむ)最後にクライマックス、あったでしょう?

(東野幸治)もちろん、もちろん(笑)。ただ、長岡花火っていうのは三大花火のひとつで……こいつ、しゃべりづらいな……(笑)。

(渡辺あつむ)フハハハハハハハハッ!

(東野幸治)めちゃめちゃすごいんすよ。で、なおかつ、言うたら……唯一、「欠点」っていう言い方は大変失礼やけども。スポンサーさん。それぞれの会社、企業とか、なんかのアナウンスがあって。「◯◯の作品です。次は△△の作品です」っていう感じでやるから。ちょっとそのアナウンスが、人によっては長いなとか。そこをちょっとつまめるのちゃうかって。でも、やっぱり企業として地域密着やから、それも必要ですっていうのがあるぐらいで。あとはもう本当に最初はだから、ちっちゃくて。限られた予算の中で花火職人がやるんですけど。それももちろんいいですし。

あと、だから名物がクリーニング屋さんの花火なんですよ。それはなにか?っていうと、普通の花火っていろいろ色とりどりでやるけど、クリーニング屋さんのスポンサーの花火っていうのが有名で。とにかく白色一色で、その制限時間の間にやったりとか。あと、日本酒の会社がほんまにでっかいやつをもう名物でドーン!ってして。もう柳桜のようなやつとか。そういうのをちゃんと目の前で見て、もう圧倒的な感じで。はじめて「帰りたくない」と思ったっていう(笑)。逆に言うと、よう普通の花火をずっと見れるよね?(笑)。

(渡辺あつむ)なんでなんすか?(笑)。

(東野幸治)いや、普通の花火大会とは全然違うし。なおかつ、一番最初に長岡の花火大会っていうのは空襲にあってるんですよ。戦争中に。で、言うたら追悼の気持ちとか、平和の祈りとかっていうので、一番最初に言うたら心で手を合わせながら花火を上げるっていう。そこから始まる2時間ぐらいの……2時間よ?

(渡辺あつむ)すごいっすね。

(東野幸治)すごない? 2時間で、飽きないんです。俺、地元宝塚の花火なんて、15分やからね?(笑)。

(渡辺あつむ)地元愛はどこに?

(東野幸治)どこにっていうか。とにかく「混むから先、帰ろ」っていう。だからもうだいたい……昔、見ていたやつってだいたい一緒なんですよ。でも、長岡のやつはもう全然……めちゃくちゃおすすめ! なおかつ、それがメインで行ってっていうところなんですけど。それで圧倒的に、もちろんすごいんですけど。で、その道中のところで『トップガン マーヴェリック』を見たんですけど。見た? 見てない?

(渡辺あつむ)見ました。はい。

(東野幸治)めっちゃくちゃいいよね?(笑)。

(渡辺あつむ)は、はい……。

(東野幸治)『トップガン』は見た?

(渡辺あつむ)はい。

(東野幸治)あの『トップガン』のマーベリックが帰ってくるのよ!

(渡辺あつむ)いや、知ってます。

(東野幸治)知ってる? もっと知ってること、言おうか?(笑)。ほんで、言うたら初代の『トップガン』の映画で残念ながら亡くなったやつの息子もいるわけよ。ほんでマーベリックはまだ現役でやんねんけれども。これ、もうこっからネタばらしなりますけど。我慢できないから言いますけどね。言うたら、鬼コーチの役をやらざるをえないみたいなところで、若きトップガンたちを集めて審査・特訓しながら、とある国への言うたら爆破命令。難攻不落のミッションを果たして誰にするのか? みたいなのが縦軸にありながら。

当時の恋した女の子、それがちょっとええ年になって、ちょっと艶っぽくなって。メッセンジャーのパラちゃんが好きそうなタイプになって。で、ビールとかを飲む、言うたらもうやんちゃな男たちが集まるところのお店を仕切っているみたいな。で、そこにトム・クルーズが来るみたいなところで、よかったし。思ってる通りやし。えらいもんでトム・クルーズ兄さんがやっているから、もうあんまりハラハラせえへんのよ。もう絶対、大丈夫やみたいな。圧倒的な安心感というか。

その中でハラハラドキドキしながら、小粋なハリウッド映画の……あの往年のバブルの頃のジョーク。女性と久しぶりにもう1回、ちょっとお互いが意識し始めて。娘が、言うたら12歳ぐらいなんかな? 「友達の家に泊まりに行く」っていうから、そこのね、女性の家にちょっと転がり込んで。2階でちょっとね、チューするなり何なりしてて。「大丈夫か?」言うたら「友達の家に泊まりに行っている」みたいな。

そう言うてたはずが、家に帰ってきて。お母さんが慌てる。ベッドメイキングする。トム・クルーズには「悪いけど、2階の窓から飛んで帰って」って言って。ほんで「ええっ?」って言いながらゴロゴロと2階から飛んでトム・クルーズが帰ろうとして。その1階のところに着いたら娘さんがいて。「お母さんのこと、泣かさないでよ?」って。「なんじゃ、こりゃ!」って思いながら(笑)。それでミッションに行く。

みんな心配する。死ぬかもわからん中、言うたらその因縁の息子とともにペアを組みながらミッションをやるっていうところで。まあ、見事にやっていただいたっていうところで。めちゃめちゃおもろいということで。本当に、恥ずかしかったです。食わず嫌い。もうやっぱりなんでも雑食で……ベタが一番! 結局、大阪の放送作家・ハギワラさんっていう方が言ってました。「ベタを制するものが世界を制する」と。

「ベタを制するものが世界を制する」

(東野幸治)とにかくベタ、ベタ、ベタでいいんです。笑いも映画もベタが一番いいんですっていう。もしも見てなかったら、ちょっとNetflixにあるんで、『トップガン マーヴェリック』。「考える前に動け!」ということでございますから。ぜひぜひ皆さん見てほしいなって思います。よろしくお願いします。

<書き起こしおわり>

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