星野源 TBS世界陸上・アジア大会テーマ曲『生命体』を語る

星野源 TBS世界陸上・アジア大会テーマ曲『生命体』を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2023年7月4日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でTBS系列で放送される世界陸上・アジア大会のテーマソングとして書き下ろした新曲『生命体』について話していました。

(星野源)ジングルのコーナーなんですが、その前にちょっとね、お知らせをひとつ、したいと思います。私、星野源の新曲『生命体』がTBS系で生中継される世界陸上、そしてアジア大会のテーマソングに決定しました。ありがとうございます。ありがとうございます!

TBS系で生中継される世界陸上ブダペスト。8月19日から。それとアジア大会。9月23日から。この二つの大会のテーマソング。すごい。二つの大会が1年でやるのもすごいし、その両方のテーマソングをやらせていただけるのも嬉しいんですけど。『生命体』という楽曲を書き下ろしました。僕の新曲、久しぶりにね、出ますね。ほぼほぼ1年ぶりぐらいなんじゃないだろうか? 『異世界混合大舞踏会』はね、去年の夏だったんで。久しぶりに新曲を出します。

その間にね、ニッポン放送のオールナイトニッポンのジングルをむちゃくちゃ作ったりとかしてましたし。あとは日村さんの誕生日ソングを作りましたけども。久しぶりの新曲ということで、お知らせさせていただきました。

メールが来ております。栃木県の方。「私は中学校1年生から大学4年生まで陸上をやってきたガチ勢です。現役時代は世界大会出場を目指していましたが、夢をかなえられず、現役を引退し今は指導者や審判として陸上に関わっています。そのため陸上の大会は毎回欠かさずテレビで見ています。そんな中での源さんのテーマソング決定のニュース、自分が選手で世陸出場が決まったかのようにめちゃくちゃ嬉しかったです」。これは嬉しいですね。俺もそう言ってもらえて嬉しいです。

「そして、その後のインタビューでの『フレーザー=プライスが好き』とのこと。『わかるー!』と思って聞いていました。この夏、世陸を応援するだけでなく、源さんのテーマソングも聞けるということで二重の楽しみが増えました。めちゃくちゃ楽しみです」。ありがとうございます。

いやー、そうか。本当に改めて思うけど、この番組のラジオリスナーの幅が広いね。本当に。それこそ10代から70代ぐらいまで聞いてるのも含めて。僕がね、ちょっとポロッとしたグラボの話とかにガッツリ食いついてくれる自作パソコンガチ勢の皆さんもね、この間はいらっしゃったし。そして陸上をやってきたガチ勢の方。いやー、そうだよね。

星野源 ゲーム用PCのグラボをRTX4070Tiに交換した話
星野源さんが2023年4月11日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で自身の使用しているゲーム用PCのグラフィックボードをGeForce RTX 4070 Tiに交換した話をしていました。

(星野源)いや、すごいよね。改めて。『いだてん』の時にも勉強したけど。今回、二つの大会のテーマソングをやらせていただくってなって、陸上をスポーツも含めて勉強し直して。なんかもう、僕がやってる音楽とか役者の世界ももちろん厳しいとは思うけど。なんていうか、本当にほぼほぼ……まあいろんな種目があるけど。やっぱり数字ですごい決まるじゃん? マジでシビアっていうか。だからそういうところも超えるような楽曲を作りたいなと思ったんだけど。でも、なんかやっぱり……そうなんだね。指導者だったり、審判として陸上に関わるっていう、いろんなそういう道があるんですよね。いや、すごい。

でも、そういう方が僕のラジオを聞いてくれているのは、本当に嬉しいです。ありがとうございます。ぜひ世界陸上、アジア大会、僕も楽しませていただきますんで。一緒に楽しみましょうね。続いて。「世界陸上のテーマソング『生命体』の先行公開を聞き、はじめてメールを送らせていただきました。私は家族の転勤で昨年からブダペストに住んでいます。

不慣れな土地で初めて主夫業することになり、日本語が恋しくなる中でSpotifyでラジオを聞き始めました」。ああ、この人はたぶん男性の方なんだね。「主夫」ってなっているね。「源さんの優しいトーク、思わず吹き出してしまうジングルなど、どのコーナーもあっという間に好きになりました。今では料理をする時はイマジナリー土井善晴さんを召喚して……」。ああ、いいですよね。本当に土井さんには僕もお世話になっています。心のね。実際にも、お世話になってますけど(笑)。

星野源 心の中のマイ土井善晴が「ええんやで」と肯定してくれる話
星野源さんが2023年5月2日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で料理をしている際、ちょっと雑なことをしても自分の心の中の土井善晴さんが「ええんやで」と肯定してくれるという話をしていました。

(星野源)「毎週のポッドキャストを楽しみにしています。そんな源さんがブダペストで開催される世界陸上のテーマソングを作られたとのことで、勝手に縁を感じ早速、聞かせていただきました」。今はCM尺、30秒ぐらいのがYouTubeとか、あとはテレビCMとかで聞けるので、ぜひ聞いてみてくださいね。まだフルは、もうちょっと先なんですけど。

「力強くここで生きていると歌う歌詞に、日本から離れて暮らす私もなんだか励まされ、日々のことを頑張ろうと思いました。8月には家族とこの曲を聞きながら世界陸上を生観戦してみたいと思います」。いいですねー! ひー!(笑)。いや、でもたぶんおそらくっていうか、もう声出しでガンガン応援できるでしょう? だって。いいよね。素晴らしいですね。

「長文となってしまいましたが、これからもお体に気をつけて楽しいラジオ続けてください」。ありがとうございます。ブダペスト住んでるの、すごいいいですね。頑張ってください。はい。で、楽曲は今、聞けるんですけど。あと、それと二つの大会の総合司会のTBSの江藤アナウンサーがインタビューをしてくれて。YouTubeのTBS陸上チャンネルでアップされていて。結構ロングインタビューでいろいろしゃべっているので、ぜひよかったら見てみてください。

で、歌詞を自分のInstagramに上げたりはしたんですけど。本当に1サビ分の歌詞しかないので、どこまで話すかな?っていう。ちゃんとフルでみんなが聞けた段階で話せればいいかなと思ったんすけど。ちょっと話すと……スポーツっていうものとか、あとはそれこそ、アジア大会って、僕がすごい好きなブレイキンもあるんですよ。いわゆるブレイクダンスですね。それもあったりとか。

あとは、eスポーツもあるしね。いろんな種目がアジア大会にはあって。で、世界陸上でも陸上の種目がありますけど。だから本当にもう「スポーツ全般」っていうことで考えた時に、いろいろ調べたり、記録映画を見たりとかいろいろ勉強していく中で、自分はどちらかというとアスリートだったり、スポーツをする人に憧れている……見ているタイプで。

自分はダンスとかはめちゃめちゃ好きだったし。自分自分で1人で勝手にずっとやれるぐらい好きなんですけど。たとえばそれが順位がつく競争ってなると、途端に心がシュンってなるタイプで。だから学校の中での運動会とか、そういうものは率先してっていうよりかは、どちらかというと見ていて「ああ、走り姿がかっこいいな」とか、「走っていてすごいいいな」とか、「強いな」とか。いろいろ試合とか見ててね。でもただもう、見ているとめちゃめちゃ興奮しすぎてきちゃって。ヘトヘトになるぐらい、感情移入をしちゃうんですけど。で、なんかその中で、いろんなことに共通する部分っていうのがあるんじゃないかなと思って。

「”1”を超えた先」

(星野源)なんか思ったのはそれこそ、「”1”を超えた先」っていう歌詞があるんですけども。その「1」は数字の「1」で。皆さんたぶん、選手権だったり、大会に出られる人って全員、皆さんが一番を狙ってるともちろん思うんですよ。だけど、やっぱりその結果の中では一番の人と、そうでない人もいて。で、なにが一番いいんだろう?って思った時に、その出場された方が最高の状態を出せた時なんだろうなと思うんですよ。自分の一番最高の状態。

で、その最高の状態ってどんなことだろう?って思った時に、それを自分に置き換えた時に「自分」っていうものの自意識みたいなものがなくなる瞬間だと思ったんすよね。それこそ、誰かと競争している。この人に勝たなきゃっていうことじゃなくて、世界から誰もいなくなって。自分1人になるっていう、その自分の1とまた違う、「自分もいなくなる」みたいな。それこそ、自分と自分以外の境目がなくなって、全部アメーバ状みたいにブワーッてぐにゃぐにゃになってくっていう。環境とひとつになるっていう。なんか、そういう感覚っていうものがあって。

それは「1」という単位を超えることだと思っているんですけど。かつ、それは表彰台1位の「1」っていうものを超えることだと俺は思っていて。なんか、それを歌にしたいなと思ったんですよね。で、それを自分が体感したのは5大ドームツアーという、もうとんでもなく、個人的には超プレッシャーも含めて肩にドーン!ってデカいものが……1公演でも、たとえば風邪ひいちゃったりとかしたり。たとえばインフルエンザとかになって「出れません」ってなったら、それで何十億円が飛びますみたいな、そういうものを背負いながら2ヶ月、3ヶ月以上ずっと過ごすっていうものがあって。

で、それこそ、チケットがありがたいことに全部売り切れて満員になった中で、絶対に成功させたいっていうのをやった東京ドーム公演の2日目のアンコールで、一番最後の『Hello Song』という曲で、ステージから……センターステージの花道をブワーッて走って最後のサビを歌う時に、なんか自分と自分の外側の空気とあとお客さん、ファンの人たちっていうのの境目がなくなる感覚があったんですよ。なんかワーッて走って。「みんなで一緒に!」って言いながら最後のサビを歌う瞬間になんか肌が風の中にファーッてなくなって。その自分と風っていうものの境目がなくなった感覚があったんですよ。

そこで、あんまり記憶がないんだけど。後でライブビデオを見ると、めちゃくちゃ楽しそうで。すごいいいパフォーマンスしてて。だからそれは「次の歌詞、なんだろう」とか、「よく見られよう」とか、「自分の力を出し切ろう」さえも思ってない、完全に自由な状態。カラカラの状態。だからこそ、いろんな……たとえばお客さんの気持ちとか、音とか、あとは運とか、そういうものがグワーッて体の中に入ってくるみたいな、なんかそういう感覚っていうものが……俺の勝手な予想だけど。スポーツというものにもあるんじゃないかって。

あともう1個、思ったのはそれと同じ感覚になったのは僕がくも膜下で倒れた時。最初に倒れた時に3日、集中治療室にいて。真っ暗な中にずっといたんですよ。で、太ももの付け根からカテーテルだったんで、足を曲げるとそのカテーテルを入れたところから血がピューッと出ちゃうから、足が曲げられない。体は起こせない。頭は激痛。で、何時間に1回、吐きながら……吐くものももう、ないんだけど。血みたいなものを吐きながら、3日間ずっといるっていう。いろんな意味で心がぶっ壊れるっていう体験をした後。

で、良くなってきたので、ちょっと安定したので病室に移りますってなって。動くベッドで運ばれて。それで看護師さんに「ありがとうございました」って言ってベッドに横になったまま病室に移動するんだけど。その病室の窓が開いていたの。で、横になりながら風がフワーッて俺の体をなでた時に「なんて気持ちがいいんだ!」と思ったわけ。なんか自分と外側の境目みたいのがなくなるっていう体験を、そこでもしたんですよ。

だからなんかそれって、体が動く・動かないの問題でももうないんだなっていうか。なんか、生きていることっていう、もっとさらに普遍的な歌っていうこと。で、それをインタビューでも言いましたけど。とりあえずどんな状態でもいいから、生きてるぞっていうだけで偉いぞ!って言われてるような、なんか元気が出るような楽曲にしたいなと思って作りました。

なので、またフルで公開できる時が来ると思いますのでぜひ、星野源の新曲『生命体』をお楽しみにしていただければと思います。よろしくお願いします。さあ、そんなわけで、だから今年の夏、9月も含めて楽しみだよね。あとアジア大会とかだと、結構日本のゴールデンタイムっていうかね。すごいいい時間にやるし。たぶんその番組とかでもすごい流れると思うんで、ぜひ皆さん、たくさん聞いていただきたいと思います。

星野源『生命体』

<書き起こしおわり>

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