吉田豪と玉袋筋太郎 ダイノジ大谷ノブ彦を語る

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吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でダイノジの大谷ノブ彦さんについて、玉袋筋太郎さん、安東弘樹さんとともに話していました。



(安東弘樹)さあ、このコーナーでは豪さんがこれまでインタビューしてきた一筋縄ではいかない有名人の様々なその筋の話を聞いていきます。今日、豪さんに紹介してもらうのはお笑いコンビダイノジの大谷ノブ彦さんです。まずは大谷さんのあらすじとその筋をご紹介します。1972年・山口県生まれ、大分県育ち。中学生時代に現在の相方である大地洋輔さんと出会い、お互いにコサキンのリスナーであったことから意気投合。1994年に吉本興業のオーディションに合格し、コンビを結成します。コンビとしては2002年にM-1の決勝に進出。結果は8位に終わります。さらに、2005年からDJとしての活動を開始。2013年頃からはコンビではなくラジオDJとして『オールナイトニッポン』や『大谷ノブ彦キキマス!』などを担当します。

(玉袋筋太郎)やってた、やってた。

(安東弘樹)そして、吉田豪さんの取材による大谷ノブ彦さんのその筋は……その1、「たけしさんが嫌いなの、なんだっけ? 熱いやつだ!」の筋。その2、「そうだ、突っ込みはこいつらでいいじゃん」の筋。その3、嫌われ者と共鳴の筋。その4、星座ができる! 嫌われの銀河軍団の筋。その5、みんなが突っ込める、悪気ない男の筋。その6、励ました覚えはない。無邪気に笑っていたの筋。その7、「そんなこと言っていたっけな? 俺、知らねえよ」の筋。以上、7本の筋です。

(玉袋筋太郎)うん、ねえ。

(安東弘樹)これ、いっぱいありますね。

(玉袋筋太郎)いっぱいあるね、筋が。大谷は。

(安東弘樹)どういう人なんですか? これだけ見ると全然つかみどころがないというか。

(吉田豪)ざっくり言うと、こんだけ芸人の間で嫌われている人は珍しいぐらいの(笑)。よく言う人が本当にいない、珍しいタイプですね。

(玉袋筋太郎)いないよね。うん。

(安東弘樹)あの、我々が出たトークショーでもその話で盛り上がっていましたね。

(吉田豪)そうなんですよ。

(玉袋筋太郎)そうそうそう。なんなんだろうね、彼は。

(吉田豪)なかなかあそこまでの人はいない……僕は全然嫌いじゃないんですけど。僕はむしろ、「一回りしてすごい面白い! 大好き!」っていうタイプで。

(玉袋筋太郎)ああ、一周しちゃったわけね。

一回りしてすごい面白い

(吉田豪)実は今日も、だからアイドルフェス(TIF)に大谷さんが出ていたんで、一言挨拶しに行って。で、相方の大地さんというのがまた、僕が大谷さんをいじるのが大好きなんですよ。「豪さん、今日すごい楽しみにしてますよ!」って(笑)。「やっちゃってください!」みたいに、すごい喜んでいたんですけど(笑)。大谷さんは当然なにも知らなくて。「えっ、今日なんかそんなことするの!?」みたいな感じで全然わかっていないんですけど。まあ……。

(玉袋筋太郎)なんか、うちの相棒(水道橋博士)ともトラブルがあったもんね。

(吉田豪)燃えましたね。去年ですかね。絶縁ぐらいになってましたね。

(玉袋筋太郎)そうそうそう。

(吉田豪)ガチモメしています。いや、すごい人なんですよ。だから昔、大谷さんが最初の本を出した時に博士に帯文をたのんだんですよ。で、博士が帯文を書くじゃないですか。博士、業界的にも大先輩じゃないですか。大谷さんってすごい人なのが、当時ペーペーなんですけど、勝手に書き直すんですよ。

(玉袋筋太郎)それはねえだろっていう話だよ。

(安東弘樹)内容を?

(吉田豪)本人に許可取らないで、より褒めている感じで書き直して。で、博士が激怒して、その頃も絶縁状態が何年かあって。

(玉袋筋太郎)だってうちの相棒、驚いていたもん。本当に。「そういうことするやつ、いるんだ!」っつってさ。普通に驚いていたよ。

(安東弘樹)並んだわけですね。本屋さんに。

(吉田豪)そういう人なんですよ。わかりやすく言うと(笑)。

(安東弘樹)いまのでだいたいわかりました(笑)。

(玉袋筋太郎)そういうことなんだな、うん。

(吉田豪)で、このインタビュー自体は結構前にやったんですけど、実は当時、この『たまむすび』の裏番組を去年の春まで担当していた関係で、当時できなかったんですよ。今、ようやく伸び伸びと話そうという感じで。

(玉袋筋太郎)なるほど。じゃあ、その1から行ってみるか?

(安東弘樹)そうですね。まず、「たけしさんが嫌いなものはなんだっけ? 熱いやつだ」の筋。

(吉田豪)そうですね。そもそも『お笑いラジオの時間』っていう本で僕、取材を頼まれたんですけど。実はそれも最初に1回、大谷さんのインタビューを編集サイドがやっていたんですよ。そしたら、編集サイドが反省していたんですよね。「いじりきれなかった。大谷さんがなかなか突っ込ませないような空気を出していたんで、これね、吉田さんにガチでやってほしいんですよ」って言われて(笑)。「ガチを仕掛けてください」っていうオファーが来て、僕が仕掛けに行くっていう企画だったんですよ。

(玉袋筋太郎)うんうんうん。

(吉田豪)ただ、ここ何年かで大谷さんは実は突っ込みをちゃんと受ける、いじられる側になってきて。昔はいじられるのがいちばん苦手で、20年間ずっと逃げ続けた人だったのが、受け身を取るようになってきたんですよ。昔は全然いじらせなかったのが、『オールナイトニッポン』が始まる時に「いじられなかったから俺はもう無理だろうな」と思ったと。「そもそも始まる時にビートたけしさん風とか明石家さんまさん風にやっても、その人たちの1/10にも満たない。むしろ、たけしさんがいちばん嫌いだったものはなんだっけ?って考えた時に『熱いやつ』という。当時で言えばドリアン助川さん、石川よしひろさんとか辻仁成さんとか。ああいう側をやった方が浮くし、そこが隙間だということを考えてやったら、そっちがスラスラできてハマッてそっち側の人間だということがわかった」と。

(玉袋筋太郎)一応じゃあ、戦略は立てたんだね。

(吉田豪)戦略は立てているんですけど、でも、この人はだから本当に計算というか自覚がないじゃないですか。だから、たけしさんのオールナイトが大好きで、「高田文夫先生と絡めて本当に幸せだ」とか言っているんですけど、高田文夫先生にもしくじったりしているんですけど、それも自覚がないんですよね。

(玉袋筋太郎)ああー、ないのか。

(吉田豪)高田文夫先生に対して、「ビートたけしのとっておきの話、僕が教えてあげますよ」的な話をし始めちゃうんで。「はあ?」ってなるじゃないですか。

(玉袋筋太郎)だからやっぱり信じられないことを言ってくるんだな。

(吉田豪)そう。そういうモードで語っちゃうんですよ。

(安東弘樹)すごくわかってきました。はい。

(玉袋筋太郎)わかってきた。うん。

(吉田豪)で、その時に大谷さんが開発したのがまずリスナーに「ボス」と言わせるということだったんですよ。

自分のことを「ボス」と呼ばせる

東野幸治 ダイノジ大谷ノブ彦を『ボス』と呼ぶ
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(玉袋筋太郎)ボスなんだ。うん。ボスの器だったのかな?

(吉田豪)これがだからどういうことか?っていうと、まずだから辻仁成さんのラジオを聞いたらハガキのことを「カード」と言っていた。で、それが面白かったと。でも、カードは恥ずかしくて言えなくて、辻さん、やっぱりすげえなとか言っていたんですけど。これがちょうど、そのインタビューが終わった時に一緒にいた編集者が言っていたんですよ。「大変なことがわかりました」みたいな。終わった後で。「さっき、言っていたじゃないですか。『(辻仁成が)ハガキのことをカードって言っていたのを僕が聞いた』みたいなこと。あれ、前回のインタビューで僕が言った話なんですよ」っていう。

(玉袋筋太郎)おおっ!

(吉田豪)それを自分がラジオを聞いた風にして、自分のエピソードとして語っていて……という。それをインタビュー記事のオチに使ったんですけど(笑)。そういう人なんですよ、本当に(笑)。


(玉袋筋太郎)おおっ、面白えな、おい!

(吉田豪)常に(笑)。

(玉袋筋太郎)だんだんわかってきた。

(安東弘樹)その大谷さんが『オールナイトニッポン』をやっていたわけですね。

(吉田豪)でも、それはたしかにハマッていたんですよ。中高生ぐらい、10代のリスナーにいちばんハマるような思春期感あふれる感じ。いわゆる中二病的な感じというか、そのモードでやっていたんで。「洋楽かっこいい!」みたいな感じとか。

(安東弘樹)「洋楽かっこいい!」ですか。

(吉田豪)洋楽をみんな、10代に聞かせるみたいな感じでやったりとか。あと、熱い話、真面目な話も混ぜたりしながらで。良かったですよ。オールナイトは。昼だとちょっと薄まっちゃった感じがしてて。

(玉袋筋太郎)なるほどな。うん。そして、その2だな。

(安東弘樹)「突っ込みはこいつらでいいんじゃん」というね。これ、どういうことですか?

(吉田豪)ええとですね、大谷さんのスタンスが変わったのはマキタスポーツさんの本で『一億総ツッコミ時代』っていうのがあって。まあ、ツッコミがだんだん世の中で多くなっている中で、あえてボケの側に行くみたいな本だったんですけど、これが結構与えた影響って大きくて。良くも悪くもだと思っているんですけど。キングコングの西野さんとかダイノジの大谷さんとかがこれを読んで自信をつけちゃったっていうのがあるんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)ああーっ!

マキタスポーツ『一億総ツッコミ時代』の影響

(吉田豪)「俺は意図的にそっちに行っている」っていう(笑)。で、意図的に行けている人と、意図しなくて行っている人がいるじゃないですか。大谷さんは意図じゃないですよとは思うんですけど(笑)。

(玉袋筋太郎)それなんだ(笑)。

(吉田豪)そうなんですよ。で、WOWOWぷらすとっていう番組をマキタスポーツさんと一緒にやっていた時に「突っ込みはこいつら(見てる人・視聴者)」でいいと。

(安東弘樹)「一億」側の人たち。はい。

(吉田豪)それがどういうことか?っていうと、チョウ・ユンファが出ている『誰かがあなたを愛してる』っていうニューヨークの映画について語る回の時に「この映画はウディ・アレンよりもニューヨークを描けている」とか偉そうに言っていたらしいんですよ。大谷さんっていうのは基本、『映画秘宝』とかの受け売りでそういう風に語るのが大好きな人なんですけど。

(玉袋筋太郎)受け売りなんだよね。

(吉田豪)ライムスター宇多丸さんとかの受け売りを語るのが好きな人なんですけど(笑)。まあ、そういうことを本人曰く、佐野元春ばりに語っていたら、「大谷さんってニューヨークに行ったことがあるんですか?」って聞かれて、「いや、1回もないです」って言ったら、「ええーっ!」ってコメントがすごい数、出てきて。そこからリスナーが常に突っ込むようになっていったと。

(玉袋筋太郎)ああーっ!

(安東弘樹)なるほど。関係性がね。

(吉田豪)そうなんですよ。そういう風に関係性ができていったんで、「これをやろう」という風になっていったんですよね。

(玉袋筋太郎)これ、どうなんだろうね。『笑点』の林家三平のあの座布団。ネットで座布団がゼロになるとか。それに近いのかな? どうなんだろうね?

(安東弘樹)これは計算? どうなんだろうな?

(吉田豪)計算ではないと思うんですけど、「開き直った」が近いのかな? だからTwitterとかで大谷さんに怒る人ってすごい多いんですけど、これもある意味この関係性なんですよね。大谷さんに突っ込んでいる状態だと思うんで。で、僕が率先してその役割もやったりしてるんですよ。大谷さんがなにかを言い間違えるたびに突っ込むとか。たとえば、今日行ってきた流れでいうとアイドルで大谷さんが「最近、すごいいいアイドルがいるんですよ」って言って。Maison book girl(メゾンブックガール)っていう僕も大好きなグループがいるんですけど。それに最近、気づいて。「すごいアイドルが出てきたよ! 『メイソン』って書いてね、『マジソン』って読むんですよ。マジソンブックガール、聞いてください」みたいな。結構上から、「俺が教えてあげるよ」みたいな感じで間違えるっていう。常に(笑)。

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(玉袋筋太郎)かっこ悪い!(笑)。

(吉田豪)しかも、メジャーデビューしたタイミングならいいですけど、登場してから何年もたっているんですよ。大谷さん、基本そういう感じなんです。「また来た、大谷さん! ありがとう!」っていう。

(玉袋筋太郎)柵越えだね。

(吉田豪)「また来た!」っていう(笑)。

(安東弘樹)わかりやすいっちゃあ、わかりやすいんですね。

(吉田豪)そうです。だから本当に期待を裏切らなくて。だんだん、それが楽しみになってくるんですよ。「大谷さん、次はどう間違えるのかな?……キタッ!」っていう(笑)。完全に僕はそれですね。

(安東弘樹)それが「嫌われ者と共鳴」っていうのにつながるんですか?

(吉田豪)そうですね。

(安東弘樹)なんか嫌われぶりが尋常じゃないと。

(吉田豪)吉本内部も含めてっていう。そうなんですよ。これ、実はね、僕の大好きなエピソードがあって。とある週刊誌で芸人が嫌う芸人アンケートっていうのをやった時に、後輩芸人にアンケートを取って。当時、そんなに知名度がなかった大谷さんがぶっちぎりで1位になったことがあるんですよ。2位が品川さんで。

(玉袋筋太郎)まあ、それはわかる。

(吉田豪)で、これが、当時犯人探しが行われたらしいんですけど。僕が実は、このアンケートを取った人……週刊誌のこの記者というのが実は大谷さんの元カノで。

(安東弘樹)元カノ?

(吉田豪)元カノが立てた企画で、大谷さんがぶっちぎりで1位になったと。で、実はその人、芸人関係の仕事をやっているから、ガチで取っているんですよ。後輩のアンケート、本当に取っていて。後輩に本当に嫌われている人なんです。

(玉袋筋太郎)なんだろうね。

(吉田豪)いろんな人から聞きましたけども。

(安東弘樹)そこまで行くと、すごいな。逆に。

(吉田豪)たとえば、後輩芸人を自分のイベントに読んで。怪談イベントで、オリジナルの怪談を話してもらう。で、自分のエピソードも話したりするじゃないですか。大谷さんはそのネタをテレビで自分のネタとして語ったりとか(笑)。

(玉袋筋太郎)ちょっとちょっと。待って待って……それはいいのか?

(吉田豪)たぶんでも、それは怒る気持ちはわかるんですけど、大谷さんの中ではいつものパターンなんです。たぶんどこかで記憶が入れ替わっているんです。

(安東弘樹)あ、自分のものになっているというか。

(吉田豪)「いい話だな」と思って言っているうちに、たぶん自分の体験になっているんですよ。あの人の中ではどこかで、悪意とかじゃなくなっちゃっているんですよね。

(玉袋筋太郎)「人のものは俺のもの」だ。

(吉田豪)ジャイアンイズム(笑)。

(玉袋筋太郎)ジャイアン(笑)。そうなのか!

(安東弘樹)その、豪さんがが言う「1回まわって」っていうのはなんかわかる気がするな。

(吉田豪)「また来た!」っていう(笑)。

(玉袋筋太郎)なるほど。そして、星座ができる。嫌われの銀河軍団って、すごいね。これ。

(安東弘樹)これ、ねえ。今回完全にテーマになっていますけども。銀河軍団?
(吉田豪)まあ、これを言っているのが東野幸治さんが嫌われている芸人が大好きなんですよね。非常に。大谷さんとか品川さんとか。そういうののウォッチを常にしているんで。そういうものができるみたいな話を東野さんが言っていたっていう話なんですけどね。それに山里(亮太)さんぐらいまで入れてみて……みたいな話をしているんですけど。

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(玉袋筋太郎)ああ、それは入るね。

(吉田豪)でも、山里さんはちょっとそことは違いますね。ベースに常識がありながら、卑屈さはあるけどもタイプがだいぶ違うじゃないですか。基本ジェントルで。

(玉袋筋太郎)まあ、そうだな。うん。

(吉田豪)で、また大谷さんが違うのが、僕もこのへんの方々、全員面識があるし思うのが、受け身を取る能力。突っ込まれた時とかの。やっぱり(キングコング)西野さんがすごい上手いんですよ。それは。大谷さんは本当に下手なんですよね(笑)。まだやり始めだから(笑)。やったことがなかったんで。だから、まだいじっていいかどうかの空気もまだ出ていなくて。本人も言っているんです。「まだ俺にはタブー感がある」っていう。

(玉袋筋太郎)「タブー感」?

(吉田豪)「『アメトーーク!』の好感度低い芸人にも、俺だけいなかったりする」っていうね。で、いまはそこにも嫉妬していてっていう。「なぜ俺があそこにいないのか?」っていう(笑)。

(玉袋筋太郎)わからねえ男だな(笑)。

(安東弘樹)ちょっと難しくなってきましたね。

(玉袋筋太郎)なんだろうな、この男は。うん。

(吉田豪)ちなみに僕は本当に大谷さんをいじり始めてから結構長いんですよ。実は大谷さんとの付き合いって僕、もう17年とか18年とかで。

(玉袋筋太郎)そんな前なの?

(吉田豪)1999年とかですね。そのぐらいで一緒になって。で、だからあの人のブログを当時からずっと読んでいて、大好きな物を間違えるんですよ。

(玉袋筋太郎)(笑)

(吉田豪)僕の大好きなエピソードが、根本敬さんの素晴らしい本があるんですけど。

(玉袋筋太郎)うんうん。『電気菩薩』とか『因果鉄道』。

(吉田豪)そう。『因果鉄道の旅』っていう名著があるんですよ。みんなが影響を受けた。あれをやっぱり「永遠のバイブル」って言っているんですけど、この人はブログで「『因果応報の旅』は永遠のバイブル」って書いていたりとか。なんでバイブルを間違えるんだよ?っていう(笑)。本当に、常に詰めが甘いんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)

(安東弘樹)しかもかなりの間違いですね(笑)。

(吉田豪)そうなんですよ(笑)。まだ銀河鉄道の方がよかったぐらいの。

(玉袋筋太郎)それでも彼は「でも、やるんだよ!」精神があるんだな。うん。

(吉田豪)そうそうそう(笑)。次、行きますかね。

(安東弘樹)みんなが突っ込める悪気ない男。

(吉田豪)本当に突っ込みやすいじゃないですか。これぐらいいろんなことがあると。で、実はこれも僕、たぶん誰よりも詳しいエピソードなんですけど。1回、オールナイトニッポンで品川さんをゲストに呼んだことがあったんです。その時に品川さんに向かって「ウィキペディアにデタラメなことが書いてある」って怒っていたことがあったんですよ。どういうことかっていうと、「自分がやっているDJイベントに呼んだ後輩のダンサーにお金を払わないって書いてあった。それは嘘なんだよ!」って言っていたんですけど……実際に払っていなかったことはみんなが証言していて、僕もそれ、目の当たりにもしているんですよ。

(玉袋筋太郎)(笑)

(吉田豪)この時も品川さんに聞いたら、「俺も後輩から聞いているから、『えっ?』って思ったんですよ」って言っていて。スタッフも「『えっ?』って思った」って言っていて(笑)。

(玉袋筋太郎)ほう!

(安東弘樹)じゃあ、間違いなく払っていなかったんですね?

(玉袋筋太郎)払ってないんだ。

(吉田豪)まあ、「払ってない」って言うとあれかもしれないですけど、僕が見たのが、終わった後に1時間、2時間とガチで説教をして。で、ご飯も食えなくて、500円を渡されているのを見たんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)めんどくせーやつだなー(笑)。

(吉田豪)500円は払っていた。ゼロではなかった!

(玉袋筋太郎)500円。ゼロではない。すごい!

(安東弘樹)ギャラ、だったのかな?

(吉田豪)で、本人はそれを言ったら、「俺だけが否定している」っていうね。「おかしいな。俺、ギャラあげているつもりだったのになー」って言っているんですけどね。

(玉袋筋太郎)500円。

(吉田豪)僕の考える大谷さんは、昔は払っていなくて、ある時期から払うようになったら「昔から払っていた」と本気で思えるようなタイプだろうっていうね。

(玉袋筋太郎)ああーっ。

(安東弘樹)なるほどな。嘘ではないと。

(吉田豪)嘘ではない。どこかでズレていったりはする。「それはあるかもしれない」って言っていたんですけど(笑)。

(安東弘樹)だんだんどうリアクションしていいか、わからなくなってきました。

(玉袋筋太郎)ねえ。本当だよ、これ。面白いね。

(吉田豪)ただ、でもこれが原因でこの次のにつながってくるんですよ。実は。

(玉袋筋太郎)励ました覚えはない。無邪気に笑っていたの筋だよね。これ。

先輩芸人のしくじり

(吉田豪)どういうことか?っていうと、大谷さんがちょっと先輩芸人をしくじって大変な時期があったんですよ。これ、10年ぐらい前なんですけど。「本当に死のうと思ってビルの屋上に行った」みたいなことをブログに書いたことがあったんですよ。

(玉袋筋太郎)あらららら。

(吉田豪)その、死のうと思った顛末を。で、問題の発端部分ぐらいまで書いちゃったから、当然事務所内で大問題になって。書いたブログが半分ぐらいに削除されていたという事件があったんですよ。で、当時僕、それを見た時点で「これはヤバい!」と思って即保存したんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)するね、また(笑)。

(吉田豪)「これは絶対にヤバいぞ! やっぱり!」っていう(笑)。

(安東弘樹)削除される前にね。

(吉田豪)そうそうそう。で、「面白いことになった」と思っていたら、その後、大谷さんのイベントに呼ばれた時にわかったんですけど。先輩が絡んでいるから、同業者だといじりづらいらしいんですよ、こういうことって。なんかしくじったのはわかっているけど、みんな触れないじゃないですか。で、僕はそのダイノジロックフェスの楽屋で無邪気に会うなり、「最高でしたよ、あのブログ!」って(笑)。「超面白かった! 絶対に後々、ネタになりますよ!」って言って、ずっとそれをいじっていたんですよ。

(玉袋筋太郎)うんうんうん(笑)。

(吉田豪)そしたら、本人曰く「あれはありがたかった」って言っていて。「あれはテレビではネタにならない」と。でも、その時は「そうか」と思って。要は、「チャップリンの『人生は近くで見ると悲劇で遠くで見ると喜劇』みたいなことをわかりやすく教えてくれた。自分のしくじりがあってちょっと番組に出られなくなった時に、それを後々にネタにしていくみたいな時に豪さんが引っ張り出してくれた。だから、これも行けるかな? みたいに試していた」っていう感じで、実は僕、すごいプラスになることをやっていたらしいんですよ。

(玉袋筋太郎)いい加減にね。

(吉田豪)でもこれ僕、全然わかっていなくて。その時期にとあるアイドルの人がいまして。その人が悩んでいた時で。僕も面識あったんですよ。突然、その人から連絡が来たことがあったんですよ。で、「相談に乗ってほしい」みたいな。「なんで僕?」って聞いたら、「大谷さんに相談したら、俺が悩んでいた時に豪さんに励ましてもらったからお前も相談した方がいいって言われました」って言っていて。僕、大谷さんを人生で励ました記憶はゼロなんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)

(吉田豪)「えっ、なにそれ?」って思ったら、「それだ!」っていう。無邪気に踏み込んで笑ったことを大谷さんの中では「励ましてくれた」っていうことになっているんですよ。

(玉袋筋太郎)解釈だよね。やっぱり。ものの解釈だよな。

(安東弘樹)大谷さんの解釈力がすごいですね。

(吉田豪)そうなんですよ。ポジティブにとらえるというか。これのしくじりでいろんな番組出られなくなった時期があって。で、テレビの仕事とかも少ないからDJの仕事を増やして。その結果、事務所からも疎まれて……みたいな時期だったんですよ。

(玉袋筋太郎)おおー。

(吉田豪)で、その時に僕が大谷さんに無邪気に言ったのが、ちょうど松竹芸能がその時にゴタゴタしていたので「吉本に居場所がないんですか? いまこそチャンスですよ! 松竹芸能に移籍しましょう!」って言って煽ってちょっとその気にさせたりとかしていて(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)。吉田豪ちゃんのもう手のひらの上にいるんだね。転がされているんだ、大谷は。

(吉田豪)そう。本人曰く「その気になっちゃって松竹に行こうとしたら、途中でみんなから『間違っている』と言われて気づく。『はっ、これは罠だ!』」って。

(玉袋筋太郎)「罠」(笑)。

(吉田豪)でも、こういう風になってくるとかわいげが出てくるんですよ。なんとなく。アレな人だけども、面白いじゃないですか。

(安東弘樹)だってそもそも、それを励まされたと思っているところはかわいいというか、そういう意味で言うとね。

(玉袋筋太郎)ねえ。そしてその7か。

(安東弘樹)「そんなこと言ったっけ? 俺、知らねえよ」っていう。そのままですけど。

(吉田豪)そうなんですよ。まあ、こういう人なんでいろんな過去のことをね、忘れていくんですよね。何をやったとかも。それこそだから、大谷さんのせいで僕、一時期アイドルオタの方から叩かれたりとかもよくしていたんですよ。

(玉袋筋太郎)ええっ?

(吉田豪)要は、「大谷さんがアイドルにハマッたのは僕の影響だ。だから全部お前のせいだ」っていう感じで。

(玉袋筋太郎)豪ちゃんが……。

(吉田豪)「そのせいであいつがこっちに来ちゃったじゃねえか!」みたいな(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)

(吉田豪)いや、僕のせいっていうか、しょうがないじゃないですか(笑)。すごい言われたんですよ。すぐにかぶれるんですよね。「人がいいって言うものは、いいんだろうな」みたいな感じで。ただ、大谷さんの問題は「誰から教わった」みたいなことがやっぱり薄れていくんで。で、やっぱり天才的なのが掟ポルシェっていう男がいるんですけど。この人は昔からハロー!プロジェクトが好きで、いろいろと大谷さんにも話したらしいんですよ。で、大谷さんがしばらく何年かたってから、掟さんに向かってその話をするらしいんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)ダメだよ!(笑)。

(安東弘樹)聞いた相手にそのまましちゃう?

(吉田豪)そうそうそう。「知ってる、あれ?」みたいな感じで(笑)。

(玉袋筋太郎)ちょっとちょっと! すごいね!

(吉田豪)そういう人なんですよ。だから、大谷さんの元カノがなんで大谷さんに怒っていたかっていうと、実は当時彼女はモーニング娘。のオタクだったんですよ。で、当時大谷さんはそれをすごいバカにしたらしいんですよ。洋楽とかが好きなんで。「なに? お前、アイドルなんか好きなの? ダッセー! かっこ悪い!」とか言っていたのがモーニング娘。に10期ぐらいからすごいハマッて。「モーニング娘。最高!」とか言い出して仕事とか始めたから、彼女が大激怒してたんですよ。「あいつは私のことを否定してたの!」っていう(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)

(安東弘樹)そりゃ、怒りますわね。

(吉田豪)「えっ? あいつ、そうなの? あいつ、アイドル好きだったっけ?」ぐらいのことを言っていて、そんな記憶すらなくなっているという(笑)。

(玉袋筋太郎)なるほどね。

(安東弘樹)すごい能力を持っているな。

(吉田豪)すごい能力ですよ。だから、罪悪感とかなにもなく、そういうことができるんですよ。それはだから、大谷さんとラジオで共演していた脊山麻理子さんとかもそう言っていたんですよね。「大谷さんがなにかにハマると、野球でもプロレスでも、『昔から好きだった』になる」っていう。知り合って数ヶ月ぐらいでそういう話をもうするぐらいの(笑)。「私が好きだった野球チームまで、あの人の方が先に好きだったみたいなことを途中から言い出して……」みたいな(笑)。

(玉袋筋太郎)これ、脊山さんもまた脊山さんだよ。すごいね、その組み合わせは。すごいタッグだ!

(安東弘樹)この3人プラス脊山さんと掟ポルシェさんでやりましたよね。

(吉田豪)やりましたよね。イベントをね。

(玉袋筋太郎)そうだ。

(吉田豪)そうなんですよ。で、そういうことを言われても大谷さんは常に「そんなこと言ってたっけな? 俺、知らねえよ」になっちゃうっていう。「俺は嫌われても、俺は全然人を嫌いにならないんですよね」っていう。無邪気(笑)。

(安東弘樹)ああー、でもこれはそうか。「俺、知らねえよ」っていうのは嘘ではないんだ。

(吉田豪)そうなんですよ。記憶がないんですよ。

(安東弘樹)本当にその時点では、本当に言っていたこととか知らなかったことを覚えていないんですね。

(吉田豪)「俺が開発した」ぐらいのつもりになれるんですよ。全て。

(玉袋筋太郎)へー! もう始まっているんだな。何かが。何かが始まってるな。

(吉田豪)完成度は高いと思いますよ。だから嫌う気持ちも正直わかるはわかる。わかるけれども、1回「面白い」というモードに入れた方が絶対に面白い人ですよ(笑)。後輩とかで迷惑かけられたりしない限りは……っていう。

(玉袋筋太郎)ああ、まあなるほど。距離感を持ってね。でも、この番組の裏番組をやっていたわけでしょう?

(吉田豪)『キキマス!』っていうね。実は本当に、僕も最初レギュラー候補で呼ばれたことがあるんですよ。「あの、裏のTBSに月イチのレギュラーで出ていて、他局は出れないですよ」って言って断ったんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)。なあ?

(吉田豪)あの、無邪気なプロデューサーだったらしいですね。

(安東弘樹)ああ、プロデューサーも無邪気?

(吉田豪)プロデューサーがTBSラジオが好きなんで、TBSに出ているとか関係なくね。あの、TBSの公開収録とか行ってたらしいです(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)

(安東弘樹)まあ、うれしいですけどね。

(吉田豪)「出せないかな?」とか言ってましたっていう(笑)。

(玉袋筋太郎)俺もこの間、なんか六本木ヒルズに入っている放送局の人に「『たまむすび』聞いてます」って言われたもんね。

(安東弘樹)それは、多いです。この業界、本当にみなさんね、ちゃんとリアルなことを言ってくれますよね。僕も何回か、他局の人に言われたな。

(吉田豪)で、大谷さん自身もTBSラジオが大好きだった人なんですけど、本人曰く「俺はそっち側には入れない。だからそのカウンターになるしかない」っていうことなんですよね。

(玉袋筋太郎)はー。

(吉田豪)うらやましいっていう。まあ、「サブカル憧れ」ってよく言っているんですけど、サブカル片思い。片思いなだけで、こっちは好きなのに向こうは全然俺のことを好きになってくれない。だからちょっと違うことをやるしかないっていう。

(安東弘樹)なるほど。根は深いな。

(玉袋筋太郎)よかったよな。こいつの後輩とかじゃなくて。面倒くせえぞ、これ。

(吉田豪)本当にね、この人の後輩の人とイベントをやると、かならずこういう話になるんですよ。もうイベントを終わる時に「そうだ。大谷さんの話をするの、忘れてました」って振ったら、そこから30分延長になっちゃったりとか。「そうだ、聞いてくださいよ!」って、みんながどんどん言い始めるという。

(玉袋筋太郎)大谷ウォッチャーですよ。

(吉田豪)新ネタが次々と出てきますからね。

(安東弘樹)いやー、なるほど! 今日はお笑いコンビ・ダイノジの大谷ノブ彦さんの筋でした。豪さん、次回の登場は9月1日。お知らせはなにかありますか?

(吉田豪)ないです。いまから他局に戻ります(笑)。

(安東弘樹)気をつけて!

(吉田豪)仕事じゃないです(笑)。

(玉袋筋太郎)おつかれさんでーす! どうも!

<書き起こしおわり>

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