プチ鹿島と玉袋筋太郎『芸人式新聞の読み方』とプロレスを語る

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プチ鹿島さんがTBSラジオ『たまむすび』にゲスト出演。玉袋筋太郎さんらと最新著書『芸人式新聞の読み方』やプロレス、これまでのキャリアなどについて話していました。



(安東弘樹)さっそくご紹介させていただきます。今日のゲストは時事芸人、プチ鹿島さんです。

(プチ鹿島)よろしくお願いします!

(玉袋筋太郎)任せた! 15分あげる! しゃべれ(笑)。

(プチ鹿島)(笑)

(安東弘樹)「勝手に話せ」ってことですね(笑)。

(プチ鹿島)もうスタッフさんもね、昨日なんかみなさん打ち上げがあったということで。なんかそれが優勝が決まった後の消化試合みたいな雰囲気だったですね。

(玉袋筋太郎)たしかに。いいから、いいから。卑下するなよ(笑)。

(プチ鹿島)よろしくお願いします!

(玉袋筋太郎)お前は仕事してるな、バカ野郎。本当に。

(安東弘樹)もうTBSが本当にお世話になっておりますのでね。それでは、プチ鹿島さんのあらすじとその筋をご紹介します。1970年、長野県のお生まれで現在46才でらっしゃいます。大阪芸術大学放送学科をご卒業後、大川興業で芸人としてデビューし、2012年からはオフィス北野に所属。まあ、玉さんの後輩という事になりますね。

(玉袋筋太郎)そうだね。

(安東弘樹)TBSラジオリスナーのみなさまには、『東京ポッド許可局』や『荒川強啓デイ・キャッチ!』などでおなじみ。スポーツからカルチャー、政治まで幅広いジャンルをウォッチする時事芸人、それが今日のゲスト、プチ鹿島さんです。

(プチ鹿島)はい。よろしくお願いします。

(安東弘樹)そして当番組『たまむすび』調べによりますとプチ鹿島さんのその筋は……その1、相方の「パイロットになる」宣言で時事芸人誕生の筋。その2、プロレスを見ることは生きる知恵を学ぶことの筋。その3、芸人式新聞の読み方。朝日と東スポの見出しが一緒だったらマジでヤバいの筋。その4、産経はいつも小言を言っている和服のおじさん。新聞は擬人化して読むの筋。その5、朝刊スポーツ紙の読み方。キャラが違うからこそ面白いの筋。以上、5本の筋でございます。

(玉袋筋太郎)大阪芸大は知らなかったよ、お前。俺。

大阪芸術大学 放送学科出身

(プチ鹿島)僕のいた時は放送学科って2つしかなかったんですよ。日芸の放送学科とあと、大阪芸大の放送学科。で、僕、高田文夫先生……関東高田組のライブもよく行っていたものですから憧れていまして。日芸の放送学科に行きたいなと思っていたんですよ。で、ためしに推薦入試っていうのが大阪芸大はあったんですよね。で、うっかり受かっちゃったんで。まあ、ズボラなんで「もういいや、これで」と思って。だから1回、長野から大阪に飛んでいるわけですよ。大阪、関西圏の人間じゃないんですけど。

(玉袋筋太郎)だよな。で、なんの勉強するの? カンペの書き方とか?

(プチ鹿島)いや、フランキー堺さんのパフォーマンス論とか。いろいろ、だからタレント講師の先駆けとかを導入していたんですよ。

(玉袋筋太郎)へー! そうなんだ。

(安東弘樹)昨日、舞台を見に行った『髑髏城の七人』の劇団☆新感線の古田新太さんも大阪芸大ですよね。結構ね、みなさん活躍されていて。

(プチ鹿島)まあ、ピンキリで。すごい人はすごいんですけど。

(安東弘樹)いえいえ、「同じぐらい」というつもりで僕は紹介したんですけどね。

(プチ鹿島)ありがとうございます。

(玉袋筋太郎)お前、46?

(プチ鹿島)そうです。だって玉さんと出会ったのももう20年ぐらい前ですよ。

(玉袋筋太郎)20年ぐらい前だよな。

(プチ鹿島)最初は大川興業というところにいたんです。で、大川興業からオフィス北野に移籍というので……。

(玉袋筋太郎)まあ、ブラックからブラックへということだね。うん。

(プチ鹿島)まあ昭和のパ・リーグで言うと、南海から近鉄へみたいな。

(玉袋筋太郎)そうだな。

(プチ鹿島)本当はセ・リーグに行きたかったんですけどね。

(玉袋筋太郎)うるせえよ(笑)。セ・リーグだろ、うちは一応。

(安東弘樹)そうですよ! オフィス北野は……ごめんなさい。それはパ・リーグに対してどうなんでしょう?

(プチ鹿島)「昭和の」ですよ。「昭和の」。

(玉袋筋太郎)「昭和のパ・リーグ」だな(笑)。

(安東弘樹)昭和のね。言葉選ぶなー、放送って(笑)。で、その1。元相方ですね。その方がパイロットになると。

(プチ鹿島)そうなんですよ。あの、玉さん。浅草キッドさんが主催されていた『浅草お兄さん会』っていうので、それこそマキタスポーツとか米粒写経ですよね。あと、ハチミツ二郎とか、全部そこが横一線で出会ったんですよ。で、その時のコンビとは違うんですが、その後に2003年に「俺のバカ」っていうコンビを結成したんですよね。

お笑いコンビ 俺のバカ

(玉袋筋太郎)あん時、お前なんだっけ? あ、そうか。あんまり言わねえ方がいいな。

(プチ鹿島)まあ何回かシャッフルしています。

(玉袋筋太郎)そうか。

(プチ鹿島)で、バカキャラなんですよ。一言でいうと。で、そいつがまあ本当のバカなので。「お前、逸材だぞ、これ」って、当時の先輩の松本ハウスの松本キックさんという方が「お前、面倒を見てやれ」と。

(玉袋筋太郎)マニアックすぎだよ(笑)。

(プチ鹿島)松本キックさんっていうのもハウス加賀谷さんという怪物を育て上げた人で。だから、「俺に続け」と。

(安東弘樹)その人が「本物だぞ」と。

(プチ鹿島)そうなんです。で、俺のバカというコンビ名もつけてくださったんです。で、実際にバカキャラでパワーがあったんですけど、そいつが元々アマレスを高校時代からやっていて。プロレスラーを目指してアニマル浜口ジムに入っていたんですよ。で、一方でお笑いもやりたいと言って。で、コンビ活動が順調で深夜番組とかちょこちょこ出たんですけども。じゃあ、これからはもっとキャラを売り出すためにそのアマレス。「お前、本物だからアマレスの大会にもっと出ろよ」ということになって。もう1回、浜口さんのところに行ってアマチュアレスリングの大会に出始めたんです。で、取材もされるようになったりして。

(玉袋筋太郎)うん。

(プチ鹿島)で、単独ライブも第1回目、成功させたんですよ。そしたら次の日にすごい明るい声で電話がかかってきて。「鹿島さん、昨日のライブ、お疲れ様でした! で、僕は子供の頃からプロレスラー、芸人、パイロット。3つ夢があるんです。プロレスラーと芸人はもう夢が叶いましたんで、パイロットになります」って。まあ、全部間違いだらけなんですよ。だってプロレスラーになってないじゃないですか。

(玉袋筋太郎)なってないな(笑)。

(プチ鹿島)で、単独ライブを成功しただけで、別に芸人としても売れてないわけです。でもバカなんで、あともうひとつの夢。パイロットの道に進みたいと言うんですよ。で、絶対に無理なんですよ。バカだし(笑)。だから僕も航空会社に勤めている友人とかに説得を……どれだけ大変か?っていうのを三日三晩説得してもらったんですけど、「最終的にはアメリカに行って、お金を払ってパイロットの……ヘリコプターとかの免許を取ります。そこまで僕は覚悟しているんです」って言うんで。「まあ、そこまで言われたら……」っていうことで快く送り出して。本当にキツネにつままれたような感じで。

(玉袋筋太郎)いま何やってんだ、そいつは?

(プチ鹿島)いま、群馬で普通にヘリコプターを運転しているみたいですね。

(玉袋筋太郎)やっぱ、ほら。でも。

(プチ鹿島)だからそこは確かだったんですよ。

(玉袋筋太郎)俺の友達もそうだもん。やっぱり高校3年の時によ、急に「俺、パイロットになる」って進路を決めて。で、アメリカに行って、パイロットになっちゃったよ。

(プチ鹿島)僕ら周り、全く……。

(玉袋筋太郎)いるんだな、パイロット。

(プチ鹿島)じゃあ玉さんに相談すればよかったですね。同じケースだったんですね。

(玉袋筋太郎)同じだよ。アメリカに行って、寿司職人からパイロットになっちゃって。

(プチ鹿島)だからその話を聞いた時、ちょっと感動したんですよ。「ああ、やっぱりこいつ、アメリカに行ったんだ」って。で、取って帰ってきて、群馬で働いていると。

(安東弘樹)じゃあ、少なくともヘリコプターの操縦免許は取れたっていうことですね。

(プチ鹿島)取れたらしいですよ。

(安東弘樹)じゃあ、本物ではなかったんじゃないですか?

(プチ鹿島)だから、頑張ったらしいですね。

(玉袋筋太郎)頑張ったんだな。よかったよ。

(安東弘樹)で、ピンになったわけですね?

(プチ鹿島)そうです。だから結局、その時は解散じゃないですか。で、1人ぼっちで。しかも、大川興業も辞めていた状態で。37才でもうフリーなんですよ。

(玉袋筋太郎)大川興業は円満退社なの、お前?

(プチ鹿島)円満っちゃあ円満ですね。「円満っちゃあ円満」っていうのもおかしいですけど(笑)。

(玉袋筋太郎)ああ、そう? 誰もいなくなっちゃったよ、いま。大川興業が。

(安東弘樹)まあまあ、いまがあるから、円満だったんでしょうね。

(プチ鹿島)そういうことになります。大丈夫です。で、じゃあどうするの?っていう形になった時に、友人が「ブログとかを作ってあげるから、そこで情報発信……出演情報をとかを発信した方がいい。じゃないと、忘れられちゃうから」って。で、僕はそれまで芸人の文章とか、ブログを書くとか、すごく嫌だったんですよね。「もう芸人たるもの、舞台で芸だけやっていればいいんだ」みたいな……。

(玉袋筋太郎)全然お前、それらしくねえじゃん!

(プチ鹿島)(笑)

(安東弘樹)いまやっていることと正反対ですね。

(プチ鹿島)そうなんですよ。

(玉袋筋太郎)俺はお前から「飲む・打つ・買う」なんて感じること、ねえよ。だからさ、「いやー、鹿島っつーのはなんか匂いしてこねえな」ってずーっと思っていたわけよ。

(プチ鹿島)そこはだから結局頭でっかちで、昔ながらの芸人に憧れていただけなんです。そういう無頼派に憧れたからこそ、「ブログなんかやってられるか!」ぐらいのことを。

(安東弘樹)邪道だと。

(プチ鹿島)そうなんです。そうなんです。だから実際にやっていなかったんです。だけどブログを開設してもらって。しかもひとりぼっちでフリーだったらもう何かをやっていかなくちゃいけないっていうんで。「じゃあ、文章でも書いていくか」と。で、僕は時事ネタが好きだったんですよね。子供の頃から新聞を読んだりとか、下世話なネタを追いかけたりとか。そこで始めたのが、新聞の社説のパロディーですよね。

(玉袋筋太郎)うん。

新聞社説のパロディーをブログで始める

(プチ鹿島)「新聞の社説ってすげー偉そうだな」って思って。「誠に遺憾である」とか、「○○してはならぬ」とか「○○したい」とか、いつも定型文じゃないですか。「じゃあ、これをどうでもいい下らない芸能ネタとかで変えてみて、パロディーを作っていけばいいんじゃないか?」みたいなことをせっせとやっていったら、いろんなところからコラムとかの声もかかったりして。

(玉袋筋太郎)お前、連載何本やってんだよ?

(プチ鹿島)一時期は月30まで行きましたね。

(安東弘樹)30!?

(プチ鹿島)毎日、何かしら書いてました(笑)。

(玉袋筋太郎)お前、体壊すよ。そんなの。

(プチ鹿島)いや、でも玉さん。結局そのブログを1人でひっそりと始めていった時というのも、もうかっこうつけてられない。「芸人は舞台で芸だけやっていればいいや」って言えたのはまだコンビでやっていたからなんですよ。「これからはもうコラムでもなんでも、できることをやって、それでお仕事をもらってがんばろう」って2007年とか2008年ぐらいに決めたんで。本当にいまから考えると笑うんですけど。将来、連載がたくさん来た時に「ネタがないから書けません」っていうお断りをするのをないように、誰も読んでないけど週に2、3本は書いていこうって決めたんですよ。

(安東弘樹)ああーっ!

(プチ鹿島)だからそれを考えると、いまもう2、30書かせてもらうっていうのは本当に幸せです。

(玉袋筋太郎)なあ。まあ、自力だよな。自力でやるってことだな。

(プチ鹿島)まあ、そこらへんだけですよ。唯一僕がやっと本気を出したのが37ぐらいで。

(玉袋筋太郎)まあ、そこらへんはやっぱり「浅草キッドさんを見習って」とか言わないと。

(プチ鹿島)はい。浅草キッドさんを見習ってですね。

(玉袋筋太郎)それをつけねえと。お前。

(プチ鹿島)はい。

(玉袋筋太郎)でも俺たちでも、全盛期やっぱりなんでもやってやろうって言って。それでも連載12本だからね。俺たち。それでもヒーヒー言っていたから。

(安東弘樹)僕もいま、月3本のコラムでヒーヒー言ってますね。

(玉袋筋太郎)俺も、いまそう。

(プチ鹿島)あとやっぱりWEBっていうかネットに救われたっていうのはありますね。連載も半分以上はWEBだったんですよ。で、週に3本、4本で12本、20本じゃないですか。だからそれを……で、ポッドキャストっていうのもマキタスポーツ、サンキュータツオっていうのとやり始めたんですけど、あれもネットじゃないですか。言ってみれば王道で売れなかった芸人たちが本当に隙間産業で……。

(玉袋筋太郎)ニッチだよな。

(プチ鹿島)まあネットでニッチにちょっとやってきたっていうのがこの10年。

(安東弘樹)で、そのニッチがもうメインストリームに上がりつつあるという。

(玉袋筋太郎)ニッチがリッチになったんじゃねえの?

(プチ鹿島)いやいや(笑)。

(安東弘樹)上手い!

(プチ鹿島)ニヤニヤして言わないでくださいよ、そんな(笑)。

(玉袋筋太郎)うるせえな、この野郎(笑)。トークの関節の決めっこか?(笑)。

(プチ鹿島)(笑)。ちょっと逃してあげる、みたいなね(笑)。

(玉袋筋太郎)そうそうそう(笑)。

(安東弘樹)いま関節の決めっこっていう話が出ましたけども。プロレス。見ることは生きる知恵を学ぶこと。

プロレスを見ることを生きる知恵を学ぶこと

(プチ鹿島)プロレス、大好きでしたね。いまも大好きなんですけど。

(玉袋筋太郎)お前、プロレスはどっち派だったの?

(プチ鹿島)僕はやっぱりガチガチの昭和新日。アントニオ猪木ですね。

(玉袋筋太郎)俺もそうなんだよ。

(プチ鹿島)っていうのは、いまのプロレスもすごく楽しいし、レベルが高くて素晴らしいんですよ。で、僕が子供の頃に見ていた80年代のプロレスっていうのはゴールデンタイムでやっていたんですよね。だから、言ってみればメジャーっていえばメジャーだったんですけど、その宿命でそんなにプロレスに興味がない人。愛のない大人とかが、「あんなもん、なにが面白いんだ?」とか、「あんなもん、インチキだろう?」みたいな。友達の家に遊びに行くと、お父さんとかが平然と言うわけですよ。いままで優しかった、ニコニコしていたお父さんがそれに対してはすごく差別的な目を向けて。「あんなの、インチキだろ?」みたいな。で、次の話題に行くわけです。

(玉袋筋太郎)俺なんかそれで親父と5年、口を聞かなかったんだから。

(プチ鹿島)5年。プロレスで。

(玉袋筋太郎)プロレスで。「猪木だけは本物だよ!」って。

(プチ鹿島)だから友達の間でも、プロレスファンっていうのをレベルをちょっとごまかしていたんですよね。なんとなくテレビを見るプロレスファンと。

(安東弘樹)を、装っていたわけですね?

(プチ鹿島)で、相手がどれぐらいのファンなのかな?っていうのをちょっと探っていたわけですよ。本当に。

(玉袋筋太郎)だけど、やっぱりそういったところで活字プロレスっていうのがあったから。そこで俺たちは救われているわけだな。週プロとかよ、ファイトとかな。

(プチ鹿島)全然だから、書き方、視点が異なるんですよ。で、プロレスって東西南北、座る席によって試合の見方も違うじゃないですか。試合の見方も違うし、なおさらそこで行われていることの事実が、本当の真相はどうなのか?っていうのも当然わからないわけす。だからこそ、活字で行間を埋めていくっていう文化が成り立って。週刊プロレスとか週刊ゴング、同じ試合なのに書いてあることが全然違うわけですよ。

(玉袋筋太郎)全然違うよ。で、ファイトだろ? あと。週刊ファイトに行くわけだろう?

(プチ鹿島)そうです! で、週刊ファイトなんて言ったらもう活字プロレスの元祖のI編集長。井上編集長ってういうのが。73才でお亡くなりになったんですけども、この方はもう24時間、猪木のことしか考えていないんです。

(玉袋筋太郎)京都の嵐山公園で。ずーっと猪木のことしか考えていない。

(プチ鹿島)で、大阪が発行の新聞なんで、やっぱり東京に来てなかなか取材もできないんで。じゃあ、何をやるのか? この試合の意味とか意義を自分でファンに発信していくわけですよ。「こう見ろ!」っていう。で、それにやられちゃって。で、そのI編集長っていうのがすごいのが、酒もタバコもやらず。

(玉袋筋太郎)女もやらねえんだから。

(プチ鹿島)生涯独身。で、猪木をずーっと24時間考えて。で、すごいのは、じゃあ猪木さんとズブズブなのか?って言ったら、猪木さんとは一度もご飯も食べたことがないんです。そういう適切な距離を……いま、安倍さん周りでそんなジャーナリスト、いないじゃないですか。むしろご飯を食べてヨイショしてっていう。もうI編集長を見習ってほしいんですよ。

(玉袋筋太郎)本当だよな! ズバリ言ってですよ!

(安東弘樹)わかる! もうジャーナリズム、全部そう。いま。仲がいい自慢合戦みたいな感じに。「何回ご飯を食べに行った」とか。

(プチ鹿島)そうでしょう? 別に食ったとしても批判的な、批評的なことはちゃんと書かなくちゃいけないのに。この間、なんかワイドショーを見ていたら山口ナントカさんっていう人が「ああ、籠池さんは偽証で行けそうです」って言うんですよ。「行けそうです」ってどちらの立場で言っているんだ?って話じゃないですか。だからそうじゃなくて、もう適切な距離を置いてI編集長っていうのは猪木さんを時には辛口で批判をしていたわけですよ。

(安東弘樹)山口さんって元弊社の人かな? もしかして。まあいいや……(笑)。

(プチ鹿島)まあ、ポロッと言っちゃいましたけどね。

(玉袋筋太郎)いいんだって。大丈夫。仕掛けろよ、お前。

(プチ鹿島)I編集長のジャーナリズムが、もうプロレス発なんですよ。「日本すごい」じゃなくて「プロレスすごい」なんですよ。っていうのを学んだんですよ。

(安東弘樹)それが「生きる知恵を学ぶこと」っていうことなんですね。はい。さあ、そして芸人式新聞の読み方なんですけども。朝日新聞と東スポの見出しが一緒だったらマジでヤバい。これはどういうことですか?

朝日新聞と東スポの見出しが一緒になった日

(プチ鹿島)これはやっぱり、新聞ってそれぞれキャラクターがあるんですよね。で、僕は特に朝刊紙をまず、スポーツ新聞を含めて読んで。そこで前提というかベタを知って、夕方発売されるタブロイド紙とか東スポを楽しむと、まあスキャンダリズムというか変化球がなおさら楽しめるわけですよ。だから最初からタブロイド紙を読むのも面白いんですけど、やっぱり前提を知っていた方が面白いんですよね。

(玉袋筋太郎)まずな。

(プチ鹿島)たとえば、「朝日新聞の今日のこの記事。ああ、これは話題になるな」とか。「産経新聞のこの記事、また突っ込まれるな」とか。そうすると、やっぱり夕刊紙って時差があるので、切り口を変えてくるわけですよね。で、切り口が違うなっていうのはベタをわかっていないと楽しめないじゃないですか。

(安東弘樹)一般紙同士でもまず違うじゃないですか。

(プチ鹿島)そうです。そうです。

(安東弘樹)さらにそれを、タブロイド紙との比較っていうことになるんですよね。

(玉袋筋太郎)だからちょうにち(朝日)新聞……ああ、朝日新聞と東スポを比べるわけだな。そういったところでな。

(プチ鹿島)だからそれぞれの価値観があって、書くネタも違っていいんですよ。だけどびっくりしたのが、少なくとも僕が知っている中で「ああ、朝日新聞と東スポが同じ見出しになってしまうんだ」って思ったのが、95年の地下鉄サリン事件だったんですよね。あの時、たとえば東スポはああいう事件を起こす前、教団に対してやっぱり密着していて、面白おかしくですよ、たとえば教団の科学技術省とかってこれ、マヌケじゃないですか。でも、これが東スポに載っているから面白かったんですけど、いざ事件を起こすと「教団の科学技術省がサリンを製造」とか、それが朝日新聞の一面に載っている時の絶望感っていうのを感じちゃったんですよね。「ヤバい。もう同じ価値観に乗っ取られている」って。

(安東弘樹)はいはいはい。

(プチ鹿島)だから世の中が乱れると新聞って大きなひとつのことしか報じないんだなって。僕の体験の中ではサリン事件っていうのは本当に大きかったんですね。

(安東弘樹)そっちのヤバいなんですね。「これが一緒になったからヤバいことが起こっているよ」ではなくて、そういうことなんですね。

(プチ鹿島)そうです。そうです。だから朝日新聞と東スポの見出しが同じだとヤバいっていうのがやっぱりネットの記事で上がったら、「それは東スポに失礼だろ」みたいなコメントも来たんですけど……でも、そういう人に限って東スポを読んでなかったりするんですよね。「ソースは東スポ(笑)」っていうんですけど。でも東スポって本当に面白くて。全部が全部信じろとは言わないですけど、10のうちに1つ、2つぐらい、半年ぐらいたつと、「あれ? この件については東スポ、書いてたよな?」っていうのが当たるわけですよ。

(安東弘樹)逆に他のメディアが伝えてなかったら、東スポだけが当たっていたということがあるということですよね?

(プチ鹿島)だから中国をウォッチするジャーナリストの方とかに話を聞くと、あえて香港で売っているタブロイド紙とかゴシップ紙を全部買うんですって。で、その10のうちの10を信じるか?って言ったら7、8はデマとかガセなんですよ。でも、あとから考えるとやっぱり中国共産党の地方では言えない人が香港に本当のネタを流す。それを見つけるのが外からウォッチする人のひとつの仕事の手がかりだなんてことをおっしゃっていて。これ、僕が東スポとかゲンダイと付き合う距離感と同じだなと思ったんですよね。

(玉袋筋太郎)ああー。

(安東弘樹)経済誌のフォーブスの日本版の編集者の方が、物事の本質に近づいている順っていうのを出しています。それがやっぱりね、一般紙とか大手テレビ局がいちばん下の方なんですよ。で、タブロイド紙とかが上の方に上がってきているんですよ。「なるほど!」と思いました。それは外国の方なんですけども。

(玉袋筋太郎)まあ、もちろんトップは実話時代だよな?

(プチ鹿島)実話時代。そこまで行けばもう、大したものですよ。

(玉袋筋太郎)大したものだよな。

(安東弘樹)その本を読んだ時に、「なるほどな」って思ったんですけども。そういうこともあるっていうことですよね。

(プチ鹿島)だから、10のうち10を「ああ、これは東スポだから、ゲンダイだから、タブロイド紙だから……」って捨てるんじゃなくて、バカにするんじゃなくて。あるものは読んでおこうよっていう。それは朝刊紙……朝日新聞も産経新聞も東京新聞も読売新聞も、あるものは読んでおこうよっていう。そこなんですよね。で、見方とか視点とかが全然違うんだから。それは「考え方が俺と違う」って言うんじゃなくて、その考え方の違うのを読み比べたらそこで浮き上がってくるものってあるんじゃないの?っていうことですよね。

(玉袋筋太郎)沖縄タイムスもね、やっぱり見とかないとな。うん。

(安東弘樹)さあ、そういう流れのひとつかもしれないですけど。擬人化という意味で、産経はいつも小言を言っている和服のおじさんっていうのが面白いんですけども(笑)。

(プチ鹿島)そうですね。

(安東弘樹)やっぱり擬人化して新聞を読むと。

新聞各紙を擬人化

(プチ鹿島)まあ、この本って「新聞の読み方」と言いつつ、新聞を読んでない人にこそ読んでほしいなという風に書いたので。まあ、本当の入り口でわかりやすく……たとえば、保守・リベラル派って2つに分かれているっていうのもなかなかわからないじゃないですか。それをもっとわかりやすくするために、朝日新聞はリベラルを代表しているんですけども。まあどこか、王道だけあって鼻持ちならないところがツッコミにあうとか。だからそれをたとえると、ハイヤーの乗る高級スーツを着たおじさん。それが朝日新聞をたとえたんですよ。

(玉袋筋太郎)ああ、まあそうだな。うん。

(プチ鹿島)で、一方で産経新聞っていうのは保守おじさんの代表ですから。イメージとしては和服を着て、「○○とは何事だ!」って小言を言っているおじさん。で、それを想像したんですね。

(安東弘樹)毎日新聞も当たってるなー。

(プチ鹿島)毎日新聞はこれ、同じリベラル系なんですよ。朝日新聞と。だけどやっぱり朝日に美味しいところを取られてしまって。記事としては毎日の方がすごく深かったり面白かったりするけど、どうしても朝日に隠れてしまう。なんか書生肌のおじさん。

(玉袋筋太郎)書生肌のな。

(安東弘樹)書生なんですね(笑)。

(玉袋筋太郎)乾燥肌じゃないんだな。書生肌。

(プチ鹿島)イメージとしては『デイ・キャッチ!』でご一緒している近藤(勝重)さんで。飄々としてすごく面白いじゃないですか。で、ガツガツしてないじゃないですか。でも、本質はちゃんとキチッと捉えてらっしゃる。もう、絵に描いたような毎日新聞ということで、利用させていただきました。で、これイラストも書いていたんですけども、読売はまあ、ナベツネ。

(安東弘樹)(笑)

(玉袋筋太郎)主筆みたいな。

(プチ鹿島)「読売の社説っていうのはナベツネが言っていると思えば楽しめる」っていうことなんですよね。はい。

(安東弘樹)なるほどね。これ、ナベツネさんのイラストがあるんですけど。うわー、このイラストもね、そのまんまです(笑)。

(プチ鹿島)だから僕、今回社説の文体っていうのを2015年分全部調べたんですよ。たとえば、「誠に遺憾である」とか「○○したい・すべきだ」っていう。どういう文体、定型文がいちばん多いだろう?っていうので、図書館に行って調べたんですけど。そうするとだいたい1位が「○○すべきだ・すべきである」。2位が「○○したい・○○してほしい」っていうのがあるんです。それは朝日、毎日、読売。この3つを調べたんですが、共通しているんですが。読売新聞に関しては4位に「必要がある」っていう。その定型文のまとめ方があるんですよ。

(安東弘樹)はい。

(プチ鹿島)で、この「必要がある」っていうのはなんなんだろう?って調べると、たとえばですよ、「日本は米国とフィリピンなどと連携し、中国に自制を促していく必要がある」とか。たとえば、「日本は米国と協調し、中国に自制を粘り強く促す必要がある」。つまり、「必要がある」っていう読売の言葉を抽出してみると、だいたい中国に関するネタなんですよね。だから、中国が気になってしょうがないんですよ。ナベツネは。

(安東弘樹)なるほど。

(プチ鹿島)って読むと、新聞って面白いんですね。

(安東弘樹)そうですね。だから「○○すべきだ」ではなくて「必要がある」っていう言葉で言っているんですね。

(プチ鹿島)で、もっと読売独自のフレーズを発見したんですけど、それが社説の中でですよ。「○○なのは中国ではないか」っていう、そういう言葉が頻繁に出てくるんですよ。これ、じゃあ何のことを言っているのかな? と思ったら、「しかし尖閣諸島周辺の日本領海や南シナ海のフィリピン・ベトナムなどとの係争海域で力による戦後秩序の変更を図ろうとしているのは中国ではないか」と。

(玉袋筋太郎)(笑)

(プチ鹿島)で、2015年3月16日。「先の大戦への反省を踏まえ、世界の平和と反映に貢献してきた戦後日本は大多数の国に評価・信頼されている。良識が疑われているのはむしろ中国ではないか」と。やっぱり中国が気になってしょうがないんですよ。ナベツネは。それはやっぱり調べてみて面白かったですね。独特のフレーズが出てくるという。

(安東弘樹)っていうことですね。読売新聞に関してね。もちろん、保守なんでそういうニュアンスはわかリますけども、その言葉としてそれを抽出すると、すごく面白いですね。

(プチ鹿島)ちょっとシステマチックにやってみました。だからこの章が図書館で1年ぐらい通ったんですよ。この章ができてから、この本は一気に動きましたね。これはもう、自分で言うのもなんですけど、コツコツやったところなんで。ここだけでも読んでほしいです。

(安東弘樹)しかも、他の人がやっているようでやっていなかったですね。いままでね。

(プチ鹿島)そうですね。だから社説の意味とかその思想的なものをネタにする人は多かったですけども。でも実は結びの言葉とか文体を調べてみると、そっちに如実に思想の方が出てくるという。

(玉袋筋太郎)かーっ! 鹿島先生!

(プチ鹿島)ありがとうございます。でも、これも玉さん、週プロとか。「ターザン、なに書いてんだ、今週も?」とか。そっから始まっているところなんですよ。「全然もう言っていることが違うじゃないか」っていう。そこなんですよ。全てはもう、プロレスマスコミから始まっているんです。

(安東弘樹)で、朝刊スポーツ紙はキャラが違うから面白いということで。キャラがついているわけですね。それぞれにね。

スポーツ新聞の特性

(プチ鹿島)そうですね。で、朝刊スポーツっていうのもやっぱり朝に出るものなんで。特に昨日芸能界で何があったのか?っていう、まあ窓口。広報紙的な役目もあるわけですよ。当然、担当がいるからそれは当たり前なんですけども。だからこそ、去年SMAP解散報道が出た時……朝刊紙で出た時にびっくりしましたね。それまではもうゲンダイとか東スポでさんざん「SMAP解散!」って。年中解散しているわけですよ。それがいよいよ、朝刊紙の事務所と窓口がある、たとえば日刊スポーツとかスポニチが一斉に書いた時、「あっ、これ本当なんだ」っていうのが、やっぱりタメが効いたスポーツ新聞・タブロイド紙の面白さですよね。

(玉袋筋太郎)うん。わかる。わかる。

(プチ鹿島)だからSMAP報道で面白かったのが、やっぱりスポニチと日刊スポーツが群を抜いていて。解散が決まった後の去年の夏の報道があったんですけど。僕は「キムタクハワイ事件」って呼んでいるんですが。こんなことがあったんですよ。解散発表の後、8月10日に他のメンバーも集まることになったって日刊スポーツがその内訳を書いているわけですよ。で、「その場に木村の姿はなかった。今月に入って休暇を取り、家族を伴ってメリー喜多川副社長とハワイに長期滞在している」と。これを読むと、「木村拓哉さんがハワイでバカンスを楽しんでいる時に解散が他の4人で決まったんだな」って。日刊スポーツが報じるところによると思うじゃないですか。

(安東弘樹)はい。

(プチ鹿島)そうすると、次の日のスポニチにですよ、こんな見出しが出ていたんです。「メリー副社長、ハワイ入り」って出ていたんです。これ、スポニチを読んでいるだけだと何のことかわからないじゃないですか。「だからどうした?」っていう記事ですけど、前日の日刊スポーツを読んでいると、「えっ? もう木村拓哉さんと副社長はもうハワイでバカンスをしてるんじゃないんですか?」っていう前提があるでしょう? だけどスポニチは「ハワイ入り」って言うんですよ。で、ご丁寧にこう説明してあるんですね。「副社長はSMAP解散が正式に決定した後、休暇のためにハワイ入りしていたことが15日、わかった。一方木村拓哉は今月はじめにハワイ入り。家族とバカンスを過ごすことが目的で、副社長らとは合流していない」と。完全に日刊スポーツの打ち消しなんですね。

(安東弘樹)なるほどね!

(プチ鹿島)だからどっちが正しいかはわからないですけど。

(玉袋筋太郎)プロレスだねえ!

(プチ鹿島)だから、プロレスなんですよ。本当に。

(玉袋筋太郎)おう。豊登がハワイで。猪木を監禁したんだよね。

(プチ鹿島)だから、ハワイ強奪事件以来のハワイ事件なんですよ。どっちが本当のことを書いたかはわからないです。だけど、もう時系列が違うんですよ。副社長がハワイに行くっていう。

プチ鹿島 SMAP解散決定報道 スポーツ新聞各紙読み比べ
プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中でSMAPの解散決定について報じたスポーツ新聞各紙を読み比べ。1月の解散騒動の際の情報戦を振り返りつつ、今回の解散決定報道に込められた様々な思惑...

(玉袋筋太郎)有吉と夏目はどうなったんだろうね。あれ。うやむやに……。

(プチ鹿島)それはもっと深い大事な……。

(安東弘樹)(遮って)さあ、ということでプチ鹿島さんの最新著書『芸人式新聞の読み方』。絶賛発売中でございます。今日の話はほんの一部。前哨戦でございます。特にこれ、新社会人の方、これ読むといいんじゃないですか?

(プチ鹿島)まあ、社説の文体も書きましたけど、いまみたいにスポーツ新聞の下世話な読み比べもやっていますので。まあ、どなたでも楽しんでいただけるかと思います。

(安東弘樹)そして夜の社会を知りたいという方は玉さんの最新著書『スナックの歩き方』。お願いします。

(玉袋・鹿島)(笑)

(安東弘樹)本日のゲストはプチ鹿島さんでした!

(プチ鹿島)ありがとうございました。

(玉袋筋太郎)ニッチもさっちもだな、本当に(笑)。

(プチ鹿島)(笑)

<書き起こしおわり>

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