プチ鹿島 SMAP解散決定報道 スポーツ新聞各紙読み比べ

プチ鹿島 SMAP解散決定報道 スポーツ新聞各紙読み比べ YBSキックス

プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中でSMAPの解散決定について報じたスポーツ新聞各紙を読み比べ。1月の解散騒動の際の情報戦を振り返りつつ、今回の解散決定報道に込められた様々な思惑などについて読み解いていました。

(プチ鹿島)……なにを書いて、なにを書かないか? とか。これは誰の気持ちを代弁しているんだ? とか。なんだったら、誰の意向を受けてこの記事を作っているのか?って想像をすると、とてつもなく面白いんです。

(塩澤未佳子)ほー!

(プチ鹿島)はい。だってスポーツ新聞ってそういうものだから。もう必死で、「事務所の言いなりだ!」って正論ぶって。「だからスポーツ新聞はダメなんだ!」みたいなことをいう人がいるけど、ちゃんちゃらおかしくて。「あるものを、じゃあごちそうとしていただきましょうよ」ということなんです。で、そういうテイで今年1月、いろいろ読み比べたら……

プチ鹿島 SMAP解散騒動 スポーツ紙読み比べで見えるもの
プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中でSMAPの解散・分裂騒動についてトーク。得意のスポーツ紙読み比べから浮かび上がってきたものについて話していました。 1月14日 スポーツ紙全紙。 pic.twitter.com/2MbFdPQxAI— ...

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)各社、窓口はあると思うんですよ。事務所と、広報担当とね。たとえばSMAP番とか、ジャニーズ番でもなんでもいいです。それ以外に、「ああ、この新聞はそれとはもっと別に事務所の中の人の情報源を確保している」もしくは、言い方は悪いですけど、「もうズブズブなんだろうな。だからこれだけ……」って。たまに読んでいると、不自然に強い言葉が出てくるわけですよね。これ、1月の報道をおさらいしてみます。僕がいちばん、「おお、これは濃いことを書いているな、載せているな。これ、誰の意向で情報戦をやっているんだろうな?」と思ったのが、スポーツニッポンなんですよ。

(塩澤未佳子)はい。

1月の解散報道のおさらい

(プチ鹿島)1月を振り返ってみますよ。たとえば、1月14日。「SMAP女性マネージャー独立クーデター失敗」。1月18日。「一刻も早くメリー副社長に直接謝罪するしかない。それがグループ存続への一歩になる」。これ、普通にスポーツ新聞が書いているわけです。スポニチで。っていうかこれ、誰の言葉ですか? 強すぎませんか? 表現が。

(塩澤未佳子)すごくメッセージがありますよね。

(プチ鹿島)ということは、誰かとパイプが太いからこそ……「発表報道」ってよく批判されていますけどね。発表したものしか報道しない。だからこそ、不自然に強い言葉がパーン!って出ちゃうんです。だからこのスポーツ新聞を使って情報戦を仕掛けている誰かがいるわけです。そう思うと、これも同じスポニチなんですけど。1月13日。「歴史的背景にもとづく思いから退社を選ぶ者と、人としての筋道を重視して残る者」。

(塩澤未佳子)ああー!

(プチ鹿島)まあ、いわゆるSMAPの中の人間関係ですね。これ、ドキッとしませんか? 「歴史的背景にもとづく思いから退社を選ぶ者」。まあこれ、キムタクさん以外ですよね。当時の立場を言うと。「人としての筋道を重視して残る者」。人としての筋道を重視するんですよ。他の4人はダメ人間みたいな書き方じゃないですか。

(塩澤未佳子)ええ、ええ。

(プチ鹿島)だからこれ、誰が言わせてるんだ? 書かせているんだ? っていうことなんです。だからこれを批判する前に、「なるほど。こういうズブズブがあるんだ!」と味わって楽しむのがスポーツ新聞なんですね。で、一方同じスポーツ新聞が記事でファンになにを問いかけえているか?っていうと、1月の段階で、「SMAP分裂回避の鍵は世界にひとつだけの絆」。翌日。「事態を打開するのはファンや世間の声かもしれない」。これも味わい深いんですよ。つまり、もう解散する、しない。分裂。あいつが嫌い。もう事態が膠着しているわけです。

(塩澤未佳子)ええ。

(プチ鹿島)だからこう、スポーツ新聞とかにリークがあった。週刊誌とかにリークがあった。膠着して動かないわけですよ。じゃあそこで、事態を動かしたい誰かが、どういう媒体を使ってなにをやるか?って言ったら、ファンに訴えかけるしかないじゃないですか。「いま、こうなっちゃっているけど、あなたたちのSMAPを動かすのは、あなたたちファンの声ですよ!」って。で、その結果、なにが起きましたか? CDの購買運動とか、直接CDを買わなくても、「SMAP、解散しないでくれ!」っていってあれ、元サヤに収まったじゃないですか。

(塩澤未佳子)そうでしたね。

(プチ鹿島)だからそういうツールとして、スポーツ新聞を使っている人たちがいるんです。だからそこを前提として読むと、こんな面白いものはないんですよ。言いなりとか、御用新聞とか、そんな批判はどうでもいいんです。僕は。面白いんだもん。ここに答えが書いてあるから。誰かが、確実にこれを使って書いているわけだから。

(塩澤未佳子)ええ、ええ。

(プチ鹿島)ということで、今回の解散。土曜日の深夜に発表されましたね。まあ、日曜日早朝ですよね。で、その次の日にスポーツ新聞を読んでいるといろいろ面白かったです。もうやっぱり「12月31日」っていう期限を区切っているんで、「さあ、あとは紅白で最後を飾ってくれ!」みたいなのがありますでしょう?

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)いろいろこう、2紙、3紙、載っていたんですよ。たとえばね、「SMAP ラストは紅白。ファンが、国民が見届けたい」。これ、サンケイスポーツ。日曜日の。日刊スポーツ。「紅白がSMAP最後の活動の場になる可能性が高い」。ところがです。1月の時点で僕が、「ここはいちばん濃い情報源を持っているな」と思ったスポーツニッポンはなんて書いたのか?っていうと……

(塩澤未佳子)なんですか?

濃い情報源を持つスポニチの解散決定報道

(プチ鹿島)スポニチは、「紅白 100%ない」。つまりですよ、ここがすごいのが、事務所関係者の言葉を載せているんです。「最後に出場できればと思う」というコメントを紹介する一方、テレビ関係者の声で「それ(紅白出場)が検討できるぐらいなら、その前に25周年ライブやテレビ出演をやっているはずだ。それが嫌だから解散になったわけで大晦日はあり得ない」って言っているわけですよ。

(塩澤未佳子)はい!

(プチ鹿島)これもドキッとしますよね。ただ一方、同じこのスポニチがなにを書いているか?っていうと最後に、「日本中のファンからもそれ(紅白出場)を求める声が集まりそうだ。少なからず事態が動く可能性はある」。

(塩澤未佳子)おおーっ!

(プチ鹿島)つまりもう、これなにを言いたいか?っていうと、1月の時と同じです。事態は膠着している。最終的には「紅白すら出たくない」って言っているらしいんです。だからこそ、「最後はファンのあなたたちの声ですよ!」っていう……

(塩澤未佳子)またこっちに投げられている感じ?

(プチ鹿島)だからスポーツ新聞を使って、これ、メンバーに見せているわけですよ。

(塩澤未佳子)はー!

(プチ鹿島)だから外堀をこう、埋めているわけですよね。これね。だから「世論に動かされた」っていえば聞こえはいいですけど、SMAPはもう自分たちが「もういいよ」って言って辞めているのに、「31日だけ出ようよ! 出ようよ!」っていう、そのファンの声っていう代弁を使って圧力をかけているんですよ。

(塩澤未佳子)あらーっ!

(プチ鹿島)と思えばこんなに読み応えのあるメディア、ないでしょう?

(塩澤未佳子)これは、なんかいろいろ考えが膨らみますね!

(プチ鹿島)でしょう? だからスポーツ新聞は読むのは面白いんですよ。事務所のメッセージがあるから。で、もうひとついきましょうか。昨日の日刊スポーツを読んだら、解散に至る過程が載っていて。当然、担当者に説明していますから。今月10日に、それまではみんな、香取慎吾さんとか草彅さんとか稲垣さんが「(解散じゃなくて)休業でいい」とまとまっていた。ところが、10日に中居さんを含めて会議をしたら、「やっぱり解散すべきだ。あてのない、目処のない休業というのはファンに失礼だから解散したい」っていうのが各紙に載っていたんですよ。

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)で、それ以上の情報をどこが出しているか?って読み比べていくと、日刊スポーツがですね、「その会議には木村拓哉はいなかった」って書いてあるんです。なぜか? 「ハワイに行っているから」っていう。誰と? 「メリー喜多川さんと。事務所の幹部とハワイに長期滞在中でバカンスを楽しんでいた」。だからキムタクさんからすれば、日本にいない時に、残りの4人で解散って決まったんですよ。

(塩澤未佳子)ああーっ!

(プチ鹿島)これ、相当ザワザワしますよね? これを見出しにしているんじゃないんですよ。これ、普通に書いてあるわけ。だから丁寧に読み込んでいくと、ああ、そういう状況であの解散っていう急転直下がきまったのか!って。キムタクさんがいない時にね。

(塩澤未佳子)ええ。

(プチ鹿島)で、面白いのが、これは僕、昨日東京のラジオで読み比べでこんな事実があるっていうのを発表したんですよ。これ、なかなかの……要はキムタクからすれば、自分がいない間に。で、事務所の幹部とハワイに行っているって、キムタクはどれだけもうズブズブなんだ? みたいな。そういう憶測をまた呼ぶじゃないですか。

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)面白かったのがね、今日のスポーツニッポンなんですよ。

(塩澤未佳子)今日は、なんて書いてありました?

(プチ鹿島)「メリー副社長ハワイ入り」って書いてあるんですよね。昨日の日刊スポーツがそういうのを出しましたよね。昨日の日刊スポーツは10日の時点で「メリーさんたちとキムタクは長期バカンスをハワイで楽しんでいた」って書いてるんです。ところが今日。今日ですよ。スポニチ。「メリー喜多川副社長が11日にSMAP解散が正式に決定した後、休暇のためにハワイ入りしていたことが15日にわかった」と。15日だから昨日わかったって書いてあるんですよ。

(塩澤未佳子)うん。

(プチ鹿島)これ、すごく丁寧に書いてますよね。「SMAP解散が正式に決定した後にハワイに行ってるんですよ、メリーさんたちは」って。で、関係者の言葉として、「木村さんとメリー氏は全く別行動。最後まで合流する予定はない」。これ、別に普通にスポーツ新聞を読んでいる人からすれば、「ああ、うん。そう。たまたまハワイで……なんでいちいちこんな否定してるんだろう?」って思いますよね。だけど、昨日の日刊スポーツで「木村さんと事務所幹部の人たちが一緒にハワイに行っている。その間にもう解散が決まっちゃった」っていう。ああ、そうかっていうのを受けてこの記事を読むと……火消しに入ってるんですよ。だから、これは。スポニチを使って。

(塩澤未佳子)はっ!

(プチ鹿島)うん。だから言ってみればそんな、「幹部とキムタクは別に仲良くズブズブで行っているわけじゃないんです。たまたま、いまハワイにいます。しかもメリー副社長がハワイに入ったのは解散が決まってからなんです。それは昨日、わかったんです」ってスポニチが言ってるんです。こういうのを「広報」って言うんですよね。で、これをシレッと書いているのを普通に読むのも面白いんですけど、いろいろ読み比べてみると、「ああっ、今日ここで火消しに入ってきたな」っていうことがわかるわけです。

(塩澤未佳子)そうか!

(プチ鹿島)だからスポーツ新聞は面白いんですよ。これをね、だから「提灯記事を書いて!」とか「言いなりで書いて!」とか、批判をするのはもう誰でも簡単なの。だけど、治りようがないんだから。治りようがないものは、じゃあ楽しむしかないじゃないですか。だって。

(塩澤未佳子)ええ。

(プチ鹿島)ということでね、だから僕、何度も言いますけどもSMAPそのものよりもスポーツ新聞が楽しいんです。いま。

(塩澤未佳子)どう伝えているか?って言うね。

(プチ鹿島)これ、じゃあ火消しが……つまり、「昨日の日刊スポーツが書いていることは、お互いにハワイに行ってることは確かだけど、時期も違えば一緒になんか行っていないよ」ってスポーツニッポンは事務所関係者のコメントを紹介しつつ、否定しているわけですよ。

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)面白いですよねー! なにが本当か、なにが嘘かはわかりません。だけど、いろんな情報戦が繰り広げられている。

(塩澤未佳子)それだけは確かですね!

(プチ鹿島)はい。楽しいな、スポーツ新聞!

(塩澤未佳子)しみじみ(笑)。

<書き起こしおわり>

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