江口絵里と安住紳一郎 高崎山の伝説のボス猿 ベンツを語る

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動物ライターの江口絵里さんがTBSラジオ『日曜天国』にゲスト出演。安住紳一郎さんと高崎山の伝説のボス猿、ベンツについて話していました。



(安住紳一郎)それでは今日のゲストです。動物ライター、江口絵里さんです。おはようございます。

(江口絵里)おはようございます。

(安住紳一郎)よろしくお願いします。江口さんは昨年の1月以来ということで、1年7ヶ月ぶりということで。高崎山の猿、ベンツのお話をしてくださいまして。

(江口絵里)そうでしたね。

(安住紳一郎)あの30分で高崎山の話に相当……

(江口絵里)詳しく。

(安住紳一郎)いや、興味が出て。あれ以来私、延べ40人ぐらいの人に高崎山のベンツについて語り聞かせまして。

(江口絵里)本当ですか?(笑)。

(安住紳一郎)語り聞かせましたね(笑)。口頭でですけど。すいません。

(江口絵里)私設スポークスマンみたいな(笑)。

(安住紳一郎)いやいや、すいません(笑)。いろいろ……

(江口絵里)いえいえ、ありがとうございます。

(安住紳一郎)ごめんなさい。自分が知っているかのような口ぶりで。

(江口絵里)見てきたかのような。

(安住紳一郎)見てきたかのように。

(江口絵里)でも、私もあれなんですよ。ベンツには私は会ったことがあるわけではないので。

(安住紳一郎)ああ、そうですよね。行方不明になってからですよね。

(江口絵里)なってから調べたんで。まるで私が10年間追ってきたかのように話をしましたけど、実はそんなには知らないというか。知ってはいるんですけど……

(中澤有美子)いえいえ、そうですよね。

(安住紳一郎)江口絵里さんですが、1973年。昭和48年生まれ。東京都のご出身。出版社勤務を経て、2005年からフリーランスの編集者、ライターへ。ボノボやミーアキャット、高崎山のベンツなど動物に関する著書を多く手がけられています。高崎山の伝説的ボス猿、ベンツについてはあれからなにか動きがありましたか?

高崎山のベンツ伝説

(江口絵里)そうですね。高崎山のベンツっていうと本当に全国的に有名になった猿でしたけど。なにがすごかったか?っていうと、高崎山史上最年少の9才でボス猿になって、その後に他のメスに手を出して、女性問題で失脚してボスから転落したっていうのがあります。

(安住紳一郎)ボスから転落するってなかなかないんですか?

(江口絵里)ボスから転落っていうのは割とよくあるんですけど。でも、せっかくなったのに女性問題ですぐ失脚っていうのはなかなかないです。で、そうすると最下位になっちゃうんですね。転落して。他の群れに移籍しなきゃいけなくなっちゃうんで、雑巾がけから始めて。で、また10何年もかかってトップの座に上りつめるわけですけども。そこで、別の、800匹もいる大きな群れを1人で殲滅させてしまうという武勇伝を作っています。

(安住紳一郎)すごいですよね。

(江口絵里)すごいですよね。

(安住紳一郎)当時、3つのグループがあったんですよね?

(江口絵里)はい。A群、B群、C群がありました。

(安住紳一郎)で、当時のベンツは?

(江口絵里)C群かな?

(安住紳一郎)C群で10何年かけてボスまで上がっていって、A群を解散させた?

(江口絵里)はい。A群を壊滅に追い込みました。最大派閥です。

(安住紳一郎)最大派閥。それはすごいですよね。

(江口絵里)すごいですね。ものすごく血の気の多い猿だったんですよね。

(安住紳一郎)どうやって解散に追い込むのか?っていう話ですけど。

(江口絵里)うーん。毎日毎日、脅しにかかって。だんだんだんだんA群はベンツを見ただけで逃げるようになっていって。ある日、猛烈に追いかけて蜘蛛の子を散らすようにA群は逃げていってしまったっていう。で、それっきり、そのA群の姿を見たものはいないっていう。

(安住紳一郎)はー! すごいですよね。

(中澤有美子)本当にゾワゾワしますね。

(安住紳一郎)もうA群のタガが一気に外れたんでしょうね。「もうここのグループに所属していても、あんなにベンツに意地悪されるんだったら意味ない!」って……

(江口絵里)生きていけないと思ったんだと思います。

(安住紳一郎)で、みんな、A群の猿たちはバラバラになって、他のグループに吸収されたり?

(江口絵里)吸収されたのもいたと思いますけど、ほとんどは死んじゃったんじゃないですかね?

(安住紳一郎)そこまで。はぐれ猿になって。

(江口絵里)やっぱり群れじゃないと生きていけないので。特に、メスや子供はそうですね。オスは結構移籍したり、1人で生きていったりできるんですけど。

(安住紳一郎)ああ、そうですか。結構アマチュアスポーツとかでも鍛えられているチームだなと思っても、なにかちょっとした一瞬のきっかけで試合がボロボロになる時、ありますもんね。

(江口絵里)それですね(笑)。流れがきちゃって。

(安住紳一郎)集中力が切れて。あんなに普段鍛えられているチームなのに……なんかのきっかけでガタッと精神的にきて、もうボロッボロになっちゃったんでしょうね。

(江口絵里)そういうようなことがたぶんその時に起きたんだと思います。

(安住紳一郎)で、ベンツはC群のボスに返り咲き、A群を解散させて……

(江口絵里)で、老年になって実は群れを失踪してしまうんですけど。で、失踪したボスっていうのはかなりその後、末路は哀れなもので。仮に戻ってきたとしても群れには受け入れられないんですが、ベンツの場合はなぜか二位のオスが寛大に迎え入れてくれて、ボスとして奇跡の復活を果たすっていうような、やっぱり高崎山史上初の伝説を作りましたので。ベンツは一生でいくつもの伝説を塗り替えたという歴史を作った猿だったんですね。その猿の本をこの間はご紹介させていただいたわけです。

(安住紳一郎)ねえ。いやー、去年聞いた話をもう1回聞いても新鮮ですね!

(中澤有美子)そうですね。もう1回、感動しますね。

(安住紳一郎)うん。そしてやっぱりね、第一人者から聞く話は面白いね(笑)。

(中澤有美子)そうですね(笑)。

(安住紳一郎)私がみんなに話していたのとはやっぱりちょっと違うかな?

(中澤有美子)そうですか(笑)。

(安住紳一郎)で、ベンツはその後、行方不明になるんですよね。

(江口絵里)そうです。

(安住紳一郎)ワイドショーでも散々、みんな「どこ行った? どこ行った?」って。結局、見つからず。高崎山ではしばらく行方不明だと死亡認定されるんでしたっけ?

(江口絵里)はい。1ヶ月姿を見せないと、死亡したという風にみなすんですね。で、結局見つからなかったので、まあ死亡したのであろうということで、ベンツの歴史は終わりを告げるわけです。

(安住紳一郎)そうですね。

<書き起こしおわり>

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