吉田豪さんと杉作J太郎がDommune『JGO22』に出演。安藤昇さんのレコード『黒犬』をかけた後、安藤昇さんについて話をしていました。
(杉作J太郎)1曲目。豪ちゃん、せっかく持ってきたんだからさ。
(吉田豪)Jさん好きなのないかな?と思って。
(杉作J太郎)やっぱ、これいこうよ。これ、これ。
(吉田豪)いきます?
(杉作J太郎)あ、これ。これだよ。もう、これこれ。いやー、これ、田山雅充だっけ?違いましたっけ?そうだ。田山雅充だ。作曲、田山雅充。自分がヒットした歌は『春うらら』なんて言ってね。ずいぶんハーモニーのいい、『はるー♪』なんて言ってましたけど。その田山雅充さんが作曲。作詞はこれは唐十郎さんでございます。
(吉田豪)映画のやつですよね。
(杉作J太郎)映画『玄界灘』。アート・シアター・ギルドの『任侠外伝 玄界灘』。
(吉田豪)拳銃撃って大変なことになったやつですね。
(杉作J太郎)そうです。逮捕者が出たという壮絶な。実弾を日本海にぶっ放したというですね。凄まじい作品でございます。唐十郎『任侠外伝 玄界灘』。監督作品でございますけど。主演俳優安藤昇さんが歌います。かつてはね、本当に渋谷の帝王。ヤシブの帝王だった・・・ヤシブっていうのをね、前も誰かアイドルの方に覚えて帰っていただきましたね。今日もアイドルのみなさん、まだ残ってらっしゃいますから、覚えて帰ってください。いまからレコードをかける方は、渋谷のことを『ヤシブ』っておっしゃってました。ヤシブ!ヤシブからお届けいたします。
(吉田豪)どうぞどうぞ。
(杉作J太郎)それでは、いきます。
※動画 1曲目 安藤昇『黒犬』
(杉作J太郎)いやー、本当に僕はこれはね、安藤昇さんのね、本当に小回りとかを使わないね、本当にドスのきいたね、飾りっけのないボーカルと、田山さんの作った本当に甘い、甘すぎて、絶望の果てに死が待っているようなね。いやー、この甘いメロディーと安藤さんのこの歌唱でね、大傑作曲になっていると思いますよ。
(吉田豪)つかみの歌詞がいいですよね。『おい、糸のないギターを弾いてくれ』って。
(杉作J太郎)まあ、そこは唐さんの戯曲みたいですけどね。
(吉田豪)いいですよね(笑)。
(杉作J太郎)注文されてもね、えらいことになりますからね。これね。そんなこと言って。『糸のないギターを弾け』なんて。
(吉田豪)安藤昇にそんなこと言われたらね、困りますよね。
(杉作J太郎)安藤昇さんに『糸のないギターを弾け』って言われたら、もう口で言うしかないね。『ビヨーン、ビヨーン♪』って(笑)。
(吉田豪)(笑)
(杉作J太郎)『殺せ』なんて(笑)。
(吉田豪)(笑)。花形敬が。
(杉作J太郎)言われるかもしれませんけどね。でもあの、僕は安藤昇さんと一度お会いしたことがあるんですが。
(吉田豪)そうなんですか。へー。
(杉作J太郎)すごく紳士的でね。あと、やはりあの、僕も大好きというか。ただの好きじゃなくて、本当にね、我々も・・・
(吉田豪)やっぱだって本職の、まあね、愚連隊というか、組の組長が普通に俳優としてスターになるっていう時代がすごいですけどね。
(杉作J太郎)あの、ものすごく契約金とかをたくさんもらってね。結局、最初は松竹だったのかな?いまのお金で、たぶん何億じゃないですかね。現ナマ積まれたようですよ。
(吉田豪)水の江滝子が引っ張ってきたんでしたっけ?たしか。
(杉作J太郎)ものすごい、あの現金問屋の社長、いましたけどね。(城南電器)宮路社長っていう。まあ、宮路社長みたいな感じの・・・
(吉田豪)あの人も渋谷でしたけどね。
(杉作J太郎)渋谷はやっぱり現金の町なんだねー。
(吉田豪)(笑)
(杉作J太郎)『いつもニコニコ現金払い!』なんて言ってね。
(吉田豪)言ってましたね。その結果、ガンガン金盗まれてね。
(杉作J太郎)本当、その安藤昇さん。僕もね、後にお会いしたんですけど。お会いする前にね、いま住んでいるマンションのね、もう長いこと住んでるんですけど。そこを仲介してもらった不動産屋のおばさんがね、まあ小股の切れ上がったような、昔は美人だったろうなと思うおばあさんでね。そのばあさんがね、世間話して。いま思えば、マンションを借りに行ってなんで安藤昇さんの話になったのかわかりませんけど。
(吉田豪)ええ。
(杉作J太郎)もしかしたら、あのおばあさんは俺のことをヤクザだと思ったんですかね?
(吉田豪)(笑)
(杉作J太郎)家を借りに行ったら、ずーっとヤクザの話をしてたんですよ。で、安藤昇さんの話になりましてね。で、『渋谷と言えば安藤さん。そして、私がちょうど女学生だった頃、安藤さんは本当にかっこよかった!』って言ってね。ほんでね、オープンカーで走る安藤昇さんを女高生の、当時たぶんすごいキレイだったと思うんですけど。おばあさんが走って追いかけていたって言ってましたよ。キャーッ!って言って。
(吉田豪)ただの愚連隊時代ですよね。
(杉作J太郎)そう。ただの愚連隊時代だけど、もうスターだったんですよ。だから、もう街場のスターだったから、映画会社がスカウトしたわけ。だかかただの・・・
(吉田豪)セイガクヤクザとか言われていたけど・・・
(杉作J太郎)ただの犯罪者とかヤクザの人をお金払って、怖いもの見たさで連れてきたんじゃなくて、映画は当時はもうビッグビジネスですから。もう、街の大人気者だったわけですよ。それを、ものすごい契約金で呼んで、日本中の人に見せれるようにしたのが当時の映画で。
(吉田豪)なるほど。
(杉作J太郎)だからね、安藤昇さんはね、もう大人気者だったの。だからそこがね、このヤクザのね・・・まあ、結局ヤクザってことになってしまうのかもしれませんけど。いまと全く違うところで。いまはもう、さっきのこの作品(『龍三と七人の子分たち』)でもね、たけしさんの映画でも言ってたけどね。たけしさんがマル暴の刑事なんですけど。もういまの時代はこういうヤクザはいないんだよっていうね。
(吉田豪)うん。
(杉作J太郎)もういまは『ヤクザ』って言ったら損するから。結局ヤクザって言わずに甘い汁をみんなが吸うようになってきている。
(吉田豪)ちょっとね、経済ヤクザ的なね。
(杉作J太郎)そうなんですよ。でも、昔はその、ヤクザって言ってもね、いろんなヤクザがいた。大昔から行きますと、その、清水次郎長親分から始まってね。いろいろあるんでしょうけど。たとえば、まあでも、その途中でやっぱり悪いヤクザが出てきたのは事実でしょう。それはあの、僕もこれ、ヤクザを褒めているだけじゃなくて、僕の知り合いなんかでも、います。ヤクザの人にものすごくひどい目にあった人が。
(吉田豪)うん。
(杉作J太郎)難しい問題なんですけど、だからその、これはとてもじゃないけど、いま選択すべき話題ではなかったと思う。
(吉田豪)(爆笑)。当たり前ですね。そこを克明に話されても困りますよ。
(杉作J太郎)せっかく、この夜の・・・この間、豪ちゃん、あなたはやったからいいけど。せっかく夜の9時という、ミュージックタイムに登場してね。俺も今日、昼出たんだけど、1日中、後生大事に・・・あのね、吉田くん。
(吉田豪)なんすか?
(杉作J太郎)俺がどれぐらい気合入っているか、見せてあげましょうか?
(吉田豪)見せてくださいよ。僕もいっぱい持ってきましたけど、Jさんも結構・・・
(杉作J太郎)ただ持ってきただけじゃないんだよ。移動距離が長いから、レコード割れちゃいけないと思って、ほら。スペリオールに挟んで来たんだよ。
(吉田豪)(爆笑)
(杉作J太郎)(笑)
(吉田豪)割れないですよね。そう。
(杉作J太郎)スペリオールに挟んでおけば、割れないだろうと思ってさ。ちなみにこの小山ゆう先生の、このマンガ(『雄飛 ゆうひ』)もヤクザですね。これもやっぱりヤクザマンガなんですよ。ヤクザの一家に引き取られたボクサーが悪いヤクザをやっつけるっていう。ヤクザ対ヤクザの話なんですよ。
(吉田豪)うん。
(杉作J太郎)やっぱりね、エンターテイメントの世界では、やっぱりヤクザの話は面白いね。どうしても。
(吉田豪)ですね。
(杉作J太郎)これはもう、西部劇とかと一緒でね。なんでか?っていうと、いい奴と悪い奴がはっきりとしてるんだよ。だから、絶対的に悪い奴はとにかく潰せ!っていうね。だからあの、いい悪いがわかりにくい世の中だから。現実の世の中が。ねえ。本当、あのみなさん、気をつけてください。いちばん善人みたいな人が、本当に悪い場合がありますからね。
(吉田豪)誰のことですか?
(杉作J太郎)いや、誰ってことはないでしょう。たとえば、あの、本当に浮気なんか一切しないような人。だから本当ね、みなさん、たとえば最近、いますね。僕ちょっと名前を出すとあれだけどね、ある女性問題ですごい話題になっている人、いるじゃないですか。
(吉田豪)80股の人ですね?(笑)。
(杉作J太郎)ええ。あのね、ほくそ笑んでいる人、いると思いますよ。そっちの方で盛り上がっているから。
(吉田豪)ああ、そうか。これで俺が目立たないで済んだみたいな。
(杉作J太郎)いると思いますよ。ほんで、タイプ的にああいう事件が起きると、ああいうのがやっているっていう風にみんな思うんですよ。だからおそらく、みんないま思っているのは、オタクっぽい人で、そしてイベントとか大学の先生みたいなのをやっている人は、たぶんやっているだろうなと。
(吉田豪)はいはい。
(杉作J太郎)だからね、下手したら火の粉が我々のところにも飛んでくるわけ。
(吉田豪)(笑)。大学の先生、やってないですけどね。
(杉作J太郎)いずれやるから。ほら。
(吉田豪)(笑)
(杉作J太郎)バカ田大学の先生をね。いずれ。
<書き起こしおわり>
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