安住紳一郎が語る 『ポチ袋』という名称に馴染めない問題

安住紳一郎『出演番組を見る際は自分自身を全力で応援する』 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんがTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』の中で、『ポチ袋』という名称に対して、どうも馴染めない件について、熱く語っていました。

局アナ 安住紳一郎

(安住紳一郎)それからこの季節になりますと、スーパーのレジの前や、ちょっとした駅の売店でも、お年玉を入れる袋が置いてますよね。

(中澤有美子)置いてますよね。ポチ袋。

(安住紳一郎)はい。『ポチ袋』って言うの、恥ずかしくないですか?

(中澤有美子)えっ?(笑)。と、言いますと?

(安住紳一郎)関東のみなさんは、たぶん特に私たちの世代。それよりも上の世代。ポチ袋って言うのは恥ずかしいはずなんですけど。堂々と、みなさん言えます?

(中澤有美子)恥ずかしいんですかね?

(安住紳一郎)恥ずかしいっていうか、元々、持って生まれて自分の体の中に入ってます?その単語。ポチ袋。

(中澤有美子)あ、いや、なんかそう言うんだって。特に抵抗感もなく・・・

(安住紳一郎)いつからお使いなんですか?ポチ袋っていう名称を。

(中澤有美子)えー?そうですね。5年、10年ぐらい前からですか?

(安住紳一郎)なるほど。

(中澤有美子)もらっている頃は、意識しなかったですね。

(安住紳一郎)ポチ袋って言い始めたのは、いつなんですか?はっきりしてください。

(中澤有美子)じゃあ、スーパーで自分がよく見かけるようになるって認識した、10年前。はい。

(安住紳一郎)正解ですね。関東のみなさんがポチ袋と呼び始めたのは10年前くらいらしいですよ。

(中澤有美子)えー、そうなんですか。

(安住紳一郎)なので、私などは特に、新しい言葉。『フォークロア調』とか、そういう言葉がちょっと苦手なもんですから。

(中澤有美子)フォークロア調(笑)。

(安住紳一郎)ポチ袋ってなんか恥ずかしくて言えないんです。言えるんですか?

(中澤有美子)あー、いやいや、自分が知らなかっただけで、昔からそう言ってたのかな?って思ったものですから。あの、すんなり受け入れちゃった。

(安住紳一郎)自分の父親・母親はポチ袋って発音してるの、見たことあります?もしくは、おじいちゃん・おばあちゃんがポチ袋って?

(中澤有美子)ないかなー?ないですね。なんて呼んでたんだろうか?お年玉袋だ。

(安住紳一郎)まあ、そうでしょうね。私、父親が、なんの抵抗もきらいもなく、ポチ袋って言ってたら、ちょっと一緒嫌な顔をすると思います。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)『えっ?いつ覚えたの、そんな言葉・・・』と思って。

(中澤有美子)あらー。本当ですか?

(安住紳一郎)違うかな?関東の人はポチ袋・・・まあ、私北海道の人間ですが。まあ、関東の人でポチ袋ってなんか言う時は若干のためらいを持ってほしいなってまだ思いますね。

(中澤有美子)そうなんだ。えっ、でも古くからある言葉ではあるんですか?

(安住紳一郎)関西では、古くから言われていた言葉で。ポチ袋。あとね、芸能関係の方などが言う分には、そうなのかな?と思いますけど。なんか、なんかちょっと恥ずかしい。

(中澤有美子)わかります。私、『恵方巻き』って言う時、ちょっと恥ずかしいです。うん。自分の文化じゃないなって思いつつ。

(安住紳一郎)そうですね。『節分に太巻き食べる』ぐらいですよね。許されるのはね(笑)。

(中澤有美子)そうです(笑)。

(安住紳一郎)許されるわけじゃないですが。別に。なんか、そういうのありますでしょう?

(中澤有美子)はい。そうですね。うん。そうそう、そういうことか。ポチ袋もそれだったんだ。

(安住紳一郎)もともと関西の、『少しだけ』っていう。『ポチポチ』とか『ボチボチ』という言葉から来ていて。水引やのしの付いたご祝儀袋ほど大げさではなく、少額のお金を渡す時に入れる袋として、明治時代ごろにできたものだということのようなのですが。でも、関西でも、お年玉につかう袋として認識されるようになったのは、1960年代ですから、昭和35年過ぎですね。なので、そんなに、みなさんのお父さん・お母さんが小さい時から頻繁に、お年玉をポチ袋に入れてもらっていたわけではない。

(中澤有美子)そうですね。へー。

(安住紳一郎)一体それまではどうやってもらっていたのかな?という疑問もありますが。もともと、そういうような小洒落た、小さなしっかりした袋にお年玉を入れて、おじいちゃん・おばあちゃんにもらっていたわけじゃないということですね。

(中澤有美子)そうですねー。

(安住紳一郎)そして、高度成長期に入って、15年くらい前から小売店などでもポチ袋を売るようになって、この名前が全国に急速に広まっていったということのようですね。もともと、文房具屋さんとか百貨店で、業界用語としてポチ袋という名前が使われ始めたらしいんですけども。関東をはじめ、関西以外の各地にその名前が広く定着するようになったのは、15年くらい前から。

(中澤有美子)はー。

(安住紳一郎)なので、関東の人で『いやー、私昭和22年生まれ。団塊の世代ですけど、小さい時からポチ袋って言ってましたね』っていう人は、嘘つきです!

(中澤有美子)(爆笑)。そうですねー。『お年玉袋』って言ってたかも。

(安住紳一郎)ですね。『お年玉入れる小さい袋』とか言うんじゃないかしらね。私は関西に対するアレルギーが強いものですから。

(中澤有美子)そうだったんですね(笑)。はっきり。そうでしたっけ。

(安住紳一郎)言っちゃっていいのかなー?言っちゃおうか。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)ポチ袋っていうその、なんか『袋』の前に『ポチ』ってつける感じって、関西のセンスじゃないですか?やっぱり。関東の人はたぶん、もうちょっと・・・言っちゃっていいのかな?もうちょっと落ち着いた名前つけるはずだと思うんだよな。違うかしら?ごめんなさい。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)あの、嫌いじゃないんですけどね。嫌いじゃないんだけども、関東の、そのなんか、うん・・・

(中澤有美子)たしかにその、ちょっとファンキーな擬態語は、関西の香りがするかもしれませんね。

(安住紳一郎)そうですよね。ちょっと、言葉を言いよどんじゃったりとか、上手に発音できない時に、『ちょっと噛んじゃった』とか言うのも、関西のニュアンスの言葉ですけども。なんかずーっと高崎育ちの人がなんか、『あっ、なんだ。おじさん、噛んじゃったよ』とか言うと、なんか『あーっ!チッ!うん・・・チッ!チッ!チッ!ななな・・・チッ!』って。

(中澤有美子)(爆笑)

(安住紳一郎)『かーっ!』と思って。『そんな気持ちで赤城山、見られるの?』みたいな。

(中澤有美子)ダメ?(笑)。

(安住紳一郎)と、思うんですよね。違うかな?ちょっとなんか、関東の皆さんには、定着し始めたポチ袋という名称を、少し逡巡してほしい。

(中澤有美子)ためらいがほしい(笑)。

(安住紳一郎)ためらいがほしい。違うかな?まあ浅草とかね、そういう芸能の盛んな都市だと、昔からそういうご祝儀のやり取りがあったんだろうなって感じがありますけどね。なんか世田谷とか、横浜の青葉区とか、なんか、うん。川崎とか多摩とか、横浜の西区とか南区とか、ええ。入間、狭山、栃木宇都宮、うん。美里町、小川町、利根村。あ、間違えた。利根町か。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)の、みなさん方には、簡単にポチ袋とは言ってほしくないんだな!

(中澤有美子)(爆笑)

(安住紳一郎)東京都民41才、心からのお願い。

(中澤有美子)(爆笑)

(安住紳一郎)ちょっとニュアンス、でもわかりますよね?

(中澤有美子)なんかわかりますね。

(安住紳一郎)ちょっとなんか、ポチ袋って使っている人も、なにかちょっと『えっ?』って1回聞き返されると、ちょっと自信がなくなるというか。『あっ、これ、ポチ袋って言うんですよねー・・・』みたいな感じですよね?そりゃそうですよ。10年前、15年前ですからね。

(中澤有美子)そうか。そうですね。

(安住紳一郎)私、間違ってますか?

(中澤有美子)大丈夫です(笑)。あの、伝わると思いますね。

(安住紳一郎)ですよね?そう。うん。

(中澤有美子)その微妙なニュアンス。

(安住紳一郎)ですよね。うん。関東一都六県のみなさん、この論調で、団結しませんか?

(中澤有美子)(爆笑)。そうですねー。

(安住紳一郎)うん。やっぱり嫌だよ。

(中澤有美子)(笑)。そうですね、そうですね。言われてみたら。こう、上手く抱き込まれちゃっている、乗せられちゃっている感じ?なんて言うんだろう?

(安住紳一郎)なんかやっぱり、杉並とか八王子とか調布とかの地元の名士の人たちが『ポチ袋』って言ってると、ちょっとびっくりしちゃうな。

(中澤有美子)そうですねー。そっか。

(安住紳一郎)関東で心意気のある人は、ぜひ賛同していただきたいと思います。

(中澤有美子)なんて呼べばいいのかな?

(安住紳一郎)『お年玉を入れる小さな袋はあるかい?』でいいんじゃない?

(中澤有美子)(爆笑)。わかりました。『お年玉を入れる小さな袋はありますか?』、ですね。

(安住紳一郎)そうですね。と、思いますよ。

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)『ご祝儀を少額入れる小さな袋はありますか?これくらいの』でいいんじゃない?

(中澤有美子)(爆笑)。伝わりますね。はい。とても品が良いですね。

(安住紳一郎)そうですね。『お年玉を入れる袋、ありますか?』でいいと思いますね。

(中澤有美子)『小さな、これくらいの』ってね。

<書き起こしおわり>

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