町山智浩 日本マスコミの残念な『アクト・オブ・キリング』報道を語る

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映画評論家の町山智浩さんが、日本滞在中にデヴィ夫人と行った映画『アクト・オブ・キリング』の記者会見にやって来た日本のマスコミ・報道陣たちの残念な報道についてTBSラジオ『たまむすび』で語っていました。


(赤江珠緒)それでは、映画評論家の町山智浩さん。今週はアメリカ カリフォルニア州バークレーのご自宅からのお電話でのご出演です。もしもし、町山さん。

(町山智浩)はい、町山です。よろしくお願いします。

(赤江・山里)よろしくお願いします。

(赤江珠緒)ちょっとね、スタジオにずっと来て頂いていたので。

(山里亮太)そう。1ヶ月間。先週までね。

(町山智浩)やっと帰りました。アメリカに。えっと、先週、日本滞在をのばしていた理由のひとつがですね、『アクト・オブ・キリング』というドキュメンタリー映画の試写会と記者会見がありまして。それの司会をやるってことになったんで、ちょっとのばしたんですね。

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)それはデヴィ夫人がいらっしゃって。その『アクト・オブ・キリング』っていう映画について説明してくれるってことで。僕が聞き手をやらしていただいたんですけども。

(赤江珠緒)これほど相応しいゲストはいるか?っていう話でしたからね。

(町山智浩)そうなんですよ。『アクト・オブ・キリング』っていうのは1965年。だからいまから50年ぐらい前のインドネシアでですね、デヴィ夫人の旦那様だったスカルノ大統領がですね、政権を追われてですね、軍部のスハルト。名前が似ててややこしいんですけど、スハルトっていう将軍が軍事クーデターを起こして政権をとったっていう事件のドキュメンタリーなんですね。

(赤江・山里)はい。

(町山智浩)で、その後、100万人と言われるスカルノ大統領側の人たちが粛清されたんですけども。まあ、それでデヴィ夫人は要するに、その時実際に現場にいてですね、奥さんでしたから。監禁されてるんですね。それでまあ、いつ殺されるかわからなかったっていう話を記者会見でしてくれましてですね。で、その時に日本大使館に、ぜんぜん私を助けてくれなかったと。なぜならば、日本政府とアメリカ政府はスカルノ大統領。だから彼女の旦那さんがアメリカに逆らっていたので、邪魔に思っていたから、クーデター側のスハルト将軍の方を支援してたんですね。アメリカと日本は。

(赤江珠緒)ええっ!?

(町山智浩)だから、デヴィ夫人を助けられなかったんですよ。で、しかもその後起こった100万人の虐殺に関しても、日本政府とアメリカ政府は黙認してるんですね。で、それをデヴィ夫人が、だから虐殺があったこと自体信じてくれない人が多くて困るんだけど、この映画で、『アクト・オブ・キリング』は虐殺をした側の人たちが『こうやってやったんだ』っていう風に言ってますからね。

(赤江珠緒)本人がね、演じてますからね。

(町山智浩)そう。だから決定的な証拠であるということでこの映画を公開してくれてありがとうございますと。で、この虐殺に関しては日本政府も責任があるし、虐殺をした政府が現在もインドネシアで続いてるんですよという話をなさったんですけども。してくれたんですけども。で、すごく記者が来たんですよ。新聞記者とか、バーッと。もうスポーツ新聞各紙来て。TV局のワイドショーも全部来てですね。要するにデヴィ夫人は、『この映画は日本の人はほとんど知らない。インドネシアで100万人殺されて、日本政府が加担してたっていう現実を知ってほしい』という風に訴えたら、翌日の記事とかニュースとか見たんですよ。『デヴィ夫人、川島なお美と電話』っていう記事になってるんですよ。どれも。

(山里亮太)えっ!?

(赤江珠緒)あれっ!?

(町山智浩)ええっ!?『デヴィ夫人、平手打ち、闘う』とか。どこにも、『アクト・オブ・キリング』、インドネシアの映画でデヴィ夫人がその現場にいた、日本政府が加担していた虐殺の映画だって、どこにも書いてないんですよ!

(赤江珠緒)そうですか。

(山里亮太)ワイドショー的な感じだ。

(町山智浩)そう。もう、日本のスポーツ新聞各紙、普通の新聞各紙、ワイドショー全部。で、その映画の内容についてちゃんと伝えていたのはWEBメディアだけでした。

(赤江珠緒)うわー、これはいかんですね。

(町山智浩)これが日本のマスコミの現実ですよ!関係ない事件じゃないんですよ!いまも続いている軍事独裁政権で、しかも日本政府は虐殺の頃からずっと支援してるんですよ。

(赤江珠緒)しかもやっぱりデヴィ夫人、当事者だから結構赤裸々に語ってくださって。その体験をね。

(町山智浩)そう。当事者としても大変なことで。私は信じてもらえなかったと。虐殺があったと言っても。で、これが証拠です!みなさん見てください!って言ってるのに、その部分、まるごとカットですよ!酷いの、記事になるとインドネシアの『イ』の字も書いていない。これが日本のマスコミの現実だ!おめーら、全員本当にバーッと並んで、デヴィ夫人に片っ端からバババババッ!っとビンタしてもらうべきですね!

(山里亮太)あ、また平手打ち、出てきちゃった。

(町山智浩)もう、ビビビビビッ!っとビンタしてもらうべきですね。日本のマスコミ。だって、来てるんですよ。現場に。それでデヴィ夫人が言ってるのは、本当に酷い虐殺だったんですよ。針金で人の首を絞めて殺して。女子供も全部殺してるんですよって言ってるのに、なんにも感じないんですよ、日本のマスコミの記者どもは!訴えてるのに。彼女が。

(赤江珠緒)その同じ時に川島さんに電話したって話を?

(町山智浩)川島なお美さんがガンで、なんか手術して入院されていたらしいんですけど。『お電話で話したそうですね』って記者会見の時に聞いてるんですね。記者が。で、まあ『電話したら元気でしたよ』って言ってるだけなんですけども。そこのところしか見出しに出てないんですよ。

(山里亮太)なるほどなー。

(町山智浩)日本のマスコミはバカだっ!本当に。お前ら、みんなバカだ!!大学とか出てるかもしんないけど、なんの役にも立ってねーよ!自分が置かれている状況とか、世界で誰が苦しんでいるか?とか、ぜんぜん関係ねーんだ、こいつらは!お前ら、みんな、最低だ!ビンタ、ビビビビビッってデヴィ夫人ビンタを食らうべきですね。本当に。

(山里亮太)町山さん、デヴィ夫人の必殺技みたいに名前ついてましたよ。デヴィ夫人ビンタって。

(町山智浩)(笑)。なんか、こうコンボで出たりするような感じしますけどね。

(山里亮太)Bボタン連射でね。

(町山智浩)タテタテ横横とかね。レバーとかで出そうな感じしますけどね。デヴィ夫人ビンタ!だから本当に日本は、本当に最低ですね!マスコミは!

(赤江珠緒)そうですね。映画の時にまったく関係ない話を聞きに行くっていう。

(町山智浩)人が死んでいるのに。100万人!驚いたです。本当に。

(山里亮太)ワイドショー的なところ以外でも伝えようとして。

(赤江珠緒)しかもこれは本当にニュースですもんね。

(町山智浩)本当にね。でも、なんにも感じないんですよ。みんな。あれだけ来ていて。マスコミが。俺、全員の名刺、取っておこうと思いましたよ。本当に。お前ら、みんなクズ野郎!って言ってやろうと思いましたけど。まあ、それはいいんですが・・・

(山里亮太)いいの!?

(町山智浩)大変ですよ。STAP細胞の話、いまアメリカでも報道されてますね。

<書き起こしおわり>
※この日のトーク、続きです↓

町山智浩が語る 知られざるアメリカの超スゴい女性たち
映画評論家の町山智浩さんが、日本であまり知られていない、超スゴい女性たちを紹介する本『アメリカのめっちゃスゴい女性たち』を出版。TBSラジオ『たまむすび』でその中から3人の女性を紹...

[参考]
デヴィ夫人、がん手術の川島なお美は「元気そうだった」(サンスポ)
デヴィ夫人、川島なお美のがん報道に驚き(ニッカンスポーツ)




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