町山智浩と荻上チキ オルタナ右翼を語る

町山智浩と荻上チキ オルタナ右翼を語る 荻上チキSession22

町山智浩さんがTBSラジオ『荻上チキSession-22』に電話出演。ドナルド・トランプ大統領誕生にも貢献したアメリカの新勢力、オルタナ右翼(オルト右翼)について話していました。

(荻上チキ)さて、ここでアメリカの様子を伝えてもらいましょう。TBSラジオ『たまむすび』火曜日のコラムコーナーでもおなじみです。アメリカ在住の映画評論家、町山智浩さんとお電話がつながっております。町山さん、よろしくお願いします。

(町山智浩)はい。よろしくお願いします。

(荻上チキ)さて、日本でもトランプさんが勝利した後、Twitterなどでも「ヘイトが加速している」というような報じられ方をされていたりもするんですけども。町山さん、どういったことが伝えられているんでしょうか?

(町山智浩)えっ? その質問は期待してなかった。ごめんなさい(笑)。

(荻上チキ)(笑)

(町山智浩)僕はオルト右翼について語るんだと思っていましたが。はい(笑)。

(荻上チキ)あ、そうですよ。はい(笑)。そうなんですけど……

(町山智浩)僕、インタビューしてますからね。直接ね。彼らに会って。

(荻上チキ)実際、ヘイトの空気みたいなものが拡大しているようなところも町山さん、感じたりはしているんでしょうかね?

(町山智浩)まあ、だからまずオルト右翼といわれている人たちは実際の行動をする人たちじゃないですから。

(荻上チキ)行動はしないと。

オルタナ右翼は実際の行動をしない人たち

(町山智浩)ヘイト行動とかで落書きしたりとか、黒人を殴ったりするような行為をする人たちではないです。オルト右翼っていう人たちは。基本的にはもともと4chっていう2ちゃんねるのような掲示板サイトで差別的なジョークを言ってもりあがっていたりしていた人たちが、今回トランプが去年の7月に予備選に出てきた時に、一斉に旧・共和党の人たちを攻撃し始めたのが最初なんですよ。

(荻上チキ)はいはい。

(町山智浩)具体的には、7月29日のワシントンポスト紙が「こいつらはオルト右翼という、まったくかつてない新しい反共和党勢力だ」ということで記事にして、そこから一気に出てきたんです。

(荻上チキ)うん、なるほど。

(町山智浩)で、どういったことか?っていうと、具体的にはジェブ・ブッシュさんっていうブッシュさんの弟がいるんですけども。彼は予備選に出ていたんですが、彼の奥さんはメキシコ人なんですね。だから、「こいつはメキシコ人にアメリカ人をレイプさせようとしているんだ」というようなことを書いたコラージュ(画像)を作りまして、そのコラージュをネット上で、Twitterでバラまくんですよ。ものすごい勢いで拡散させるんです。

(荻上チキ)はい。

(町山智浩)それを共和党を支持している人やブッシュを支持している人たちにぶつけていくんですよ。ツイートで、ガンガン。あと、マイク・ハッカビーという議員がいまして。この人はキリスト教保守の人なんですね。自分自身も牧師で。で、その人に対して「Cuckabee」っていうんですけど。「そんなことをやっているうちに白人社会は有色人種に寝取られてしまうんだ」って言って、マイク・ハッカビーを徹底的にバカにするんですね。特に、オルト右翼(Alt Right)の人たちがいままでの保守と決定的に違うのは、反宗教なんですよ。

(荻上チキ)反宗教?

(町山智浩)はい。キリスト教を信じて一生懸命やっている保守的なアメリカ人の人たちを頭からバカにしています。はっきりと、「進化論を信じないで聖書とかを拝んでいるバカ」っていう言葉まで出てきています。

(荻上チキ)へー!

(町山智浩)あと、ゲイの人たちに対して反対しているわけですね。保守的な人たちは、宗教的立場とか伝統的な立場から。それも、バカにしています。

(荻上チキ)おおっ。

(町山智浩)だから、ゲイとかもOKです。オルト右翼の人たちは。ただ、彼らには集団としての組織化は全くされていないです。ネット上に存在するだけです。

(荻上チキ)なるほど。じゃあ、具体的な党とか、なにか組織が現実にあって、そこが集合場所だ、みたいなことではないわけですね?

(町山智浩)そんなもんは存在しないです。だから、(オルタナ右翼の大物の)リチャード・スペンサーに会った時も、彼は1人きりでした。

(荻上チキ)リチャード・スペンサーというのはオルタナ右翼の名付け親?

(町山智浩)オルト右翼の名付け親で提唱者なんですけども、彼自身が「ここにいるよ」ってネットで拡散させているにもかかわらず、クリーブランドで共和党大会やった時に近くの広場にいたんですね。彼は1人きりでした。

(荻上チキ)1人きり?

(町山智浩)そういったものなんですよ。実際に行動として集まって動かないんですよ。彼らは。ネット上にしか存在しないんですよ。で、僕は(大統領選挙当日に)ニューヨークでプラウドボーイズっていう人たちに会って。その人たちはバーで集まっていたんですけど、普段はでも、ネットでテレビをやっているんですね。彼らは。

(荻上チキ)はいはい。

(町山智浩)ネットテレビやネットラジオでそういう差別的なトークショーとかジョークをやって拡散している人たちなんですよ。だから滅多にオフで集まらない人たちなんですよ。で、彼らは住んでいるところもバラバラなんで集まれないっていうところもあるんですよね。全米に拡散しているんですよ。

(荻上チキ)うーん。なるほど。このリチャード・スペンサーさんはどんな方でしたか? 実際にお会いしてみて。

(町山智浩)ものすごくキチッとした服装で、髪の毛も整えていて。見た目は20代に見える爽やかな感じの人でした。

(荻上チキ)ほう、なるほど。

(町山智浩)で、オルト右翼はいわゆるみんなが考えているような右翼的なネオナチであるとか、スキンヘッドのような暴力的なところは全くないです。彼らは。年齢もすごく若いです。フレンドリーでした。僕、会って一緒にいろんなものを楽しみましたが。それで、彼らは日本が大好きです。

(南部広美)日本が大好き?

日本が大好きなオルタナ右翼

(町山智浩)日本、超大好きですよ。もちろんアニメが好きっていうのもあるんですけども。出処が4chっていうアニメの情報とか絵柄を交換するサイトから生まれてきた運動なので。ただ、彼らはいま、日本という国が大好きなんですよ。

(荻上チキ)ほう。それはどうして?

(町山智浩)保守的で排他的だから。

(荻上・南部)(笑)

(南部広美)ええっ?

(荻上チキ)全然うれしくないな(笑)。

(町山智浩)だから、リチャード・スペンサーなんかこの間、日本に行っていたんですよ。で、僕、Twitterでやり取りしていたんですけども。その時に、日本で原宿の前でビデオを撮って、それを拡散していたりしてたんですね。彼ね。その中でも、「日本っていうのは移民とかがあまりいなくて、非常に排他的で素晴らしい!」って言ってますよ。原宿の駅前で、彼は。

(荻上チキ)ああー。なんか、(フランスの極右政党 国民戦線党首の)ルペンさんとかもね、たしか「日本が模倣すべき対象だ」みたいなことを言っていますけども。オルタナ右翼の方もそうなんですね。

(町山智浩)そうなんですよ。最初はアニメっていうきっかけがあったんでしょうけど、いまは日本的な、たとえば三島由紀夫的なものとか、そういったものを非常に尊敬していますよ。

(荻上チキ)へー。うーん……

(町山智浩)ただ、彼らは半分ジョークなんです。これも重要なんですが、彼らは半分ジョークです。

(荻上チキ)半分ジョーク?

(町山智浩)ものすごく真剣ではないです。

(荻上チキ)じゃあ、ネタでやっているところもあると自分でも思っている?

(町山智浩)ネタなんですよ。半分、ネタなんですよ。だから、共和党に対する嫌がらせ攻撃っていうのも、アニメとかのコラージュにするわけですね。トランプとか、いろんなものを……まあ、旧・共和党議員とかをね。あれってジョークじゃないですか。半分。

(荻上チキ)まあ、そうですね。面白おかしくいじるみたいな。

(町山智浩)面白おかしくからかうっていう形でやっているんで、ものすごい真剣なのか? 熱狂的で狂信的なのか?っていうとそうじゃなくて、やっぱりニヒリストなんですよ。なにをやっても真剣に信じることなんてないんだ。だから一生懸命ポリコレとか言っているのも、そんなものも全部上から見る感じなんですよ。

(荻上チキ)なるほど。

(町山智浩)反ポリコレに近いですね。だから、正義とかそういったものを信じないと。

(荻上チキ)ポリティカル・コレクトネス。政治的正しさっていうことですよね。女性を大事にしましょうとか。

(町山智浩)そう。そういったものに対して「白人至上主義が正しい、正義だ」って言ってるのかというと、そうでもなくて。むしろ、逆にニヒリスティックで。「正義なんてものはないんだ。民主主義なんてものはないんだ」っていう感じなんですよ。ニヒリスティックなんで。だからもっと言っちゃうと、「中世の暗黒時代に戻ればいいんだ」みたいなことまで言っているんですよ。

(荻上チキ)ほう。ちょっとアナーキー。っていうか、ネット文化の荒らし文化みたいなものもルーツとしてあるみたいなことなんでしょうかね?

(町山智浩)そうですね。何にも価値をあんまり求めてないですね。それほど、強烈には。

(荻上チキ)そうした中で町山さん、トランプ政権に(ニュースサイトの)ブライトバートの(スティーブン・)バノンさんが就くことになりましたよね? このメディアは町山さん、どういう風にご覧になっていますか?

(町山智浩)ブライトバートはね、バノンが就くまでは、いわゆるティーパーティー系だったんですよ。ティーパーティーっていうのは、はっきり言って老人ばっかりです。何度も行きましたけど、爺さん、婆さんです。で、「いままでずっと税金を払ってきたのにそれを貧乏人に使われるのは許せない!」って言っているだけなんですね。

(荻上チキ)はいはい。

(町山智浩)でも、(創始者のアンドリュー・)ブライトバートさんは路上で突然亡くなって。「バチが当たった」って言われているんですけども。で、バノンさんが乗っ取ってからは、若者向けに切り替えていったんですよ。で、オルト・ライト系の方向に、わざわざオルト・ライトっていう言葉まで使って。で、マイロ・ヤノプルスっていう人にはっきり言って提言みたいなものを書かせて。「いままでの旧・保守たち、旧・共和党、旧・右翼たちよ、恐れよ!」という、そういう記事まで書いているんですよ。「オルト・ライトを恐れよ!」っていう記事を書いているんですね。

(荻上チキ)はいはいはい。

(町山智浩)そういう一種、内ゲバに近いものなんですよ。旧・保守の非常に真面目さとかモラリスティックなところを徹底的にバカにしてシャレのめす軍団なんですよ。まあ、軍団じゃないですが(笑)。

(荻上チキ)なるほど。

(町山智浩)で、マイロ・ヤノプルスが僕、共和党大会に行った時にやっていたことっていうと、「トランプを支援する保守」っていうイベントをやっていて。なにをやっていたか?っていうと、美青年たちにドナルド・トランプを支援する帽子をかぶせて、ヌードにしてチンチンとかを出した写真を展覧会で飾っていたんですよ。

(荻上チキ)なんじゃ、そりゃ? えっ、なにそれ?

(町山智浩)ねえ。これ、誰に対する攻撃か?っていったら、真面目な保守の人に対する攻撃ですね。トランプって書いた帽子をかぶった美少年たちのヌードを飾っているわけですから。で、「ゲイはトランプを支援する」っていうイベントをやっているんで。これは左翼の人に対しては何の痛みもないですよ。これ、右翼の人に対する、共和党の人とか保守的な人に対する攻撃ですよ。はっきり言って。そういうことをやっているのが、オルト・ライトの人たちなんですよ。

トランプを支持するゲイたち

(荻上チキ)うーん、なるほど。これ、日本のネトウヨとの違いはどうお感じになりますか?

(町山智浩)非常に近いものはありますよ。やっぱり半分ジョークっていうところとか、近いと思います。それと、実際の行動にはあまり移らないっていうところとか。ただ、彼らのバックにはかなり大きなものが、だんだんついてきています。

(荻上チキ)大きなもの?

(町山智浩)いちばん大きいのは、ピーター・ティールというIT系の大金持ちですね。この人はフェイスブックの最初の出資者で、『ソーシャル・ネットワーク』っていう映画の中にも登場する人ですけども。この人は、最大のオルト右翼の大物ですよ。で、共和党大会でも彼は演説をしまして。ゲイなんですけど、IT関係の大物で。で、トランプの支援者のうちの最大の大物ですけども。彼の周辺にいっぱいオルト・ライトの人たちがいるんですね。

(荻上チキ)なるほど。なんとなく、シリコンバレーの人たちっていうと、どちらかと言うとなんとなくリベラルな感じがしなくもなかったんですが。そうでもないんですか?

(町山智浩)はい。まあ、ピーター・ティールなんかは全然違う。完全に、トランプ支持で非常に優生主義的なことを言っている人ですけども。この人が、要するにこの間のハルク・ホーガンのセックスビデオ流出事件でひとつのウェブサイトを潰したのは、実はこの人ですからね。

(荻上チキ)はー!

(町山智浩)あれはハルク・ホーガンがエッチビデオを撮られちゃったんですけども。それで、(裁判をして)ものすごい賠償金でそれを載せたWEBサイトを潰しましたけども、あれを潰したのはピーター・ティールなんですよ。

(荻上チキ)へー!

(町山智浩)ピーター・ティールはものすごい弁護士費用を出して、「ものすごい賠償金を取ってそのメディアを潰せ!」って言って、潰したんですね。実際は。これがオルト・ライトのいちばん裏側にいる大物なんですよ。

(荻上チキ)ほう。行動力もあって、資金力もあって、コネクションもあって。

(町山智浩)そう。だからね、やっとすごいのが出てきているんですよね。

(荻上チキ)そうした中で、バノンさんがトランプ政権につくことの意味はどうお感じになられますか?

(町山智浩)はい。だからこれは首席顧問ということなんですけども。でも、バノンさんっていう人はこの人、政治的バックボーンがゼロなんですよ。この人、もともとはハリウッドの映画のプロデューサーです。

(南部広美)へー!

(町山智浩)この人、ショーン・ペン監督の『インディアン・ランナー』っていうインディーズ映画をプロデュースして出てきた人なんです。その後にアンソニー・ホプキンスの『タイタス』っていう映画も作ったんですけど、その一方でドキュメンタリー映画で「レーガン大統領は素晴らしかった」っていうドキュメンタリーを作ったことで保守勢力にそのプロパガンダ能力を買われたんですよ。

(荻上チキ)ほう。

(町山智浩)この人は政治家とかそういった形ではなくて、いわゆる右翼のプロパガンダ屋なんですよ。それが顧問に入るっていうことはどういうことなのか?っていうと、実際の政策は彼、全く作れないですよ。

(荻上チキ)じゃあ、PR屋みたいな戦術っていうことになるんですかね?

(町山智浩)ゲッベルスです。

(荻上チキ)ゲッベルス! ああ!

スティーブ・バノンはゲッベルス

(町山智浩)彼は、ゲッベルスです。(ナチス・ドイツの)ゲッベルスの地位を得たんですね。

(荻上チキ)はー。そこにどんな思想が乗っかるのか?っていうのは、これからなんですかね。

(町山智浩)これからですけど、実際にそのヒトラーの政策っていうのはゲッベルスによってかなり動いていますよね。

(荻上チキ)そうですよね。

(町山智浩)プロパガンダと政治が一体でしたから。ナチにおいては。だから彼は、そういう形でトランプを動かしていくことになると思います。

(荻上チキ)うーん。となると、でも、オルタナ右翼の人たちはそうしたトランプ政権にこれからついていく中で、半分ジョークとは言いながらも、実質的に効果としては排外主義的な効果や女性差別の効果を上げていくわけですよね? これから。

(町山智浩)実際にそれを政策にするかどうかですよね。女性差別的なことをね。どうするのかはわからないですけど。ただ、実際にブライトバートっていうのは『ゴーストバスターズ』っていう女性だけでキャスティングした映画を徹底的なメディアによる攻撃で潰そうとしたりね。あと、「女性に科学者が少ないのはどうしてか?っていうと、女性の方が知能が低いからだ」みたいなキャンペーンを張ったりしていたところですけど。

(荻上チキ)はいはい。

(町山智浩)それを主催していた男が、トランプの首席顧問ですよ。はい(笑)。

(荻上チキ)そうか。あの『ゴーストバスターズ』騒動ともつながっているんですね。これ。

(町山智浩)そうです。『ゴーストバスターズ』とのつながり。このマイロ・ヤノプルスっていう人がブライトバートでやっていたんですね。

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(荻上チキ)はー。なるほど。

(町山智浩)まあ、すごいですよ。もうびっくりしましたよ。共和党大会に行った時に。男の子の裸の写真がズラッと並んでいて。本当に(笑)。これは共和党に対する攻撃だとしか思えなかったですけども。まさに、共和党を倒して勝ったんですよね。彼らは。

(荻上チキ)そうですよね。でも、それはやっぱり同時にポリティカル・コレクトネスを重要視するリベラルに対する茶化しも含まれていたりもするんですかね?

(町山智浩)もちろんそうです。彼は全てのそういった正義とか、保守系の人たちの正義をもう全部信じてないですから。ずーっと共和党のプロパガンダ雑誌、共和党自体の論壇誌であった『ナショナル・レビュー』っていう雑誌があるんですね。で、これはレーガン政権のバックにもついていたすごい伝統的な雑誌なんですけど、それを徹底的に潰したんですよ。彼ら、攻撃して。

(荻上チキ)はいはい。

(町山智浩)もう、彼ら『ナショナル・レビュー』は最初トランプが出てきた時に、「トランプなんて本当の保守じゃないんだ。モラルがあまりにもなさすぎる」っていう形で「反トランプ」という特集を出したんですね。で、それを徹底的に攻撃して。その『ナショナル・レビュー』に書いている人の奥さんが人種が違うとか、子供で養子でもらっている子が黒人だったりするとその写真をネットに載せてめちゃくちゃに叩いて。「黒人の養子なんかもらいやがって!」ってやったり。めちゃくちゃだったですよ。オルト・ライトの攻撃って。個人に直接攻撃するんですよ。ツイートとかで。ものすごい人数で。

(荻上チキ)個人情報を晒して。

(町山智浩)そう。ものすごい人数でバーッ!って攻撃して。個人情報とかも全部流すんですよ。住んでいる場所とか。

(荻上チキ)ああ、住所とかも。

(町山智浩)住所とか。もう徹底的なゲリラ戦なんですよ。で、それが主に共和党の内側に向いていたんです。だからこの半年ぐらいのトランプの予備選っていうのは、共和党内部の徹底的な内ゲバがあって。その内ゲバの中で勝ち残ったのがトランプで、その内ゲバの時の突撃隊をやっていたのがオルト・ライトの連中なんですよ。

(荻上チキ)うん、なるほど。となると、そうしたオルト・ライトの期待というものを意識した政策もトランプはある程度、これから行っていくということを想像した方がいいわけですかね?

(町山智浩)まあ、スティーブ・バノンが入っていますんでね。

(荻上チキ)まあ、その影響がこれからどう出るのか? 見ていきたいと……

(町山智浩)ただ、ヒトラーはね、ヒトラー突撃隊を粛清したんで。いらなくなったら粛清するということも考えられますね。

(荻上チキ)はー。なるほど。

(町山智浩)どうなるかなと。

(荻上チキ)バノンさんもどんな仕事をするのか。でも、それが怖くてバノンさんががんばっちゃうかもしれないですよね。

(町山智浩)わからないですけどね。はい。

(荻上チキ)わかりました。町山さん、ありがとうございました。

(町山智浩)はい。どうもでした。

(荻上チキ)失礼いたします。アメリカ在住の映画評論家、町山智浩さんにお話をうかがいました。

<書き起こしおわり>

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