町山智浩 アメリカ財政問題・政府機関一部閉鎖問題を語る

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アメリカ在住の映画評論家 町山智浩さんがTBSラジオ『赤江珠緒 たまむすび』で、アメリカ政府機関の一部が閉鎖されている問題について語っていました。

(赤江珠緒)今日はですね、町山さん。まずはアメリカの今の、このね。政府が大変なことに。一部閉鎖っていう。政府機関が。

(町山智浩)いやー、なんかもうとんでもない話しでね。これね、元々医療保険改革法っていうのがあって。アメリカって国民健康保険がないんで、貧乏な人とかが医療保険に入れなくて治療を受けられないまま死んじゃったりしてるんで。そういった人が3000万人ぐらいいるんですね。

(赤江)わー・・・

(町山)すでに病気持ちの人も入れないんですよ。民間保険会社、排除しちゃうんで。

(赤江)だって歯医者行くだけで100万円ぐらいかかるって。

(町山)破産しちゃう。アメリカって破産の最大の理由が病気なんですよ。で、入院費とか治療費が払えなくて、一家全員が全滅しちゃうんですけど。それをなんとかしようとしてオバマ大統領が2010年に医療保険改革法案を出して、で、下院も上院もその時は民主党が多数だったので通ってですね、今月、10月1日から実施されることになってたんですよ。

(赤江)はい。

(町山)そしたらね、ずーっとそれに対して共和党はそれを止めさせようとしてるんですね。もうすでに法案は通ったのに。議会を。で、まず最初にやったのは、憲法違反だと。つまりこれは健康保険に入らねばならないという義務化があるんで、それは国民の自由を奪うことだから。よくわかんないんですけど。

(赤江)でも、議会で決まったのに?

(町山)議会で決まったのに、それを憲法判断まで持って行ったんですよ。で、最高裁で憲法判断したんですけど、最高裁は『これは国民の福祉のためだから』ってことでもって、合憲であるということで、最高裁も憲法のお墨付きを与えたんですね。このオバマケアと呼ばれる医療改革に。

(赤江)ええ。

医療改革法案 オバマケアをめぐる対立

(町山)だから法的には完全に法律として確固たるものなのに、それでも今回の10月1日の実施を妨害しようとして、新しい法案を出してですね、このオバマケアを潰す法案を出して。その下院の方がですね。っていうのは、2012年の選挙で共和党が多数派を占めちゃったんですよ。下院で。

(赤江)はいはい。

(町山)で、上院と下院でねじれが起こって、ストップしちゃったんですね。アメリカの政府機能が。だからこれはとんでもない話でね。要するに法律っていうのは、1回決めたものを取り消すっていうのはいけないことなんですけど。それをやるために、政府機能を止めるという、一種のテロに走っているという状態なんですけどね。

(赤江)本当ですね。

(町山)はい。で、どうなるか全然わからないんですけど。いま、要するにどっちか譲歩するか?ってことで、これね、チキンレースっていうんですけど。要するに、2人とも崖っぷちに向かって走って行って、どっちが先に止まるか?っていうような、度胸比べになってるんで。オバマ大統領と共和党側が。で、引いた方がたぶん味方の支持を失うんですよ。度胸が無い!って言われて。

(赤江・山里)うんうん。

(町山)だからこのまま自滅に向かっていくような、非常に危険な状態なんですけどもね。

(赤江)でもね、その共和党は国民皆保険がなくてもいいっていう考えなんですか?このままいけばいいっていう考えなんですか?

(町山)いや、これね、具体的にはね、貧乏な人の保険っていうものをどうやってお金をなんとかするか?っていうと、増税なんですよ。要するに、増税をさせないために妨害してるんですけども。増税するのは、だいたい年収2000万円以上のお金持ちだけなんですよ。

(赤江・山里)うんうん。

(町山)だから普通の人には全然関係ないんですけど、それをはっきり言わないで、みんなに影響があるぞ!増税されるぞ!って言って騒いで妨害しているって状態なんですね。だから実際、金持ち以外なにもこの保険改革でもって影響はないんですよ。実際は。

(赤江)むしろいままで困っていた人が助かるんじゃないかっていうね。

(町山)そうなんですよ。実際、3000万人ぐらい助かるんですけどもね。これで。まあでもね、保険会社っていうのは、要するに医療保険会社がものすごい儲けてるんですよ。健康保険がないから。これね、アメリカでは石油業界とか金融業界とか、その次にぐらいなんですよ。いま保険業界の規模っていうのは。

(赤江)ええー!

(町山)だからものすごい巨大なんですよ。ところがそれが儲けられなくなっちゃうっていうのを怖がってるんですね。それが共和党をバックアップしているって状況があるのと、あとやっぱり増税されるのが2000万以上の富裕層なんで。富裕層が支持しているのが共和党なんで、その利害関係があるんですよね。

(赤江・山里)はー!

(赤江)でも、TPPでそのすごい強い保険業界が日本にもバーッ!って来るとか・・・

(町山)だから圧力をかけて。共和党政権になったりした場合は、日本に国民健康保険を取りやめさせて、全部自由化しろ!ってことも考えられるわけですよね。まあそういったことが背景にあるんですが、今回の映画の方の話に行くとですね、いま政府が閉鎖してるんで、NASAがですね、閉鎖されちゃってるんですよ。

(赤江)NASAも閉鎖中。

(町山)NASAも止まっちゃってるんですけど、ちょうどNASAがらみの映画が先週、3日前に公開されて、これが記録的な大・大・大ヒットなんですよ。アメリカで。

<書き起こしおわり>

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