宇多丸 映画『ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ』を語る

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ライムスター宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』で、映画『ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ~ア・トライブ・コールド・クエストの旅~』について語りました。


じゃあ、ちょっと曲に行こうかと思うんですけど、珍しく洋楽というか、昔の洋楽なんですけどね、かけようかと思ってます。何かと言いますと、A TRIBE CALLED QUESTというHIP HOPグループ、これ、『あ、その話か。』って思う人いると思うんですけど、今TRIBEの映画を日本でもやっているわけですね。タイトルが、『ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ~ア・トライブ・コールド・クエストの旅~』という要するにA TRIBE CALLED QUESTという80年代から90年代に主に全盛期というかワーっと盛り上がった、本当に歴史を変えた名盤を何枚も出しているHIP HOPグループがございまして、それがメンバー同士が不仲になってしまって解散に至ってしまう。

A TRIVE CALLED QUESTの歴史を赤裸々に描く

それから10何年たって・・・みたいなそういうグループなんですけど、不仲に至ってしまったいきさつなんかも結構赤裸々に描いていて、これ長くグループやってきた身としては、『あっ、ここでそういう態度とってはダメなんだ!』とか自分にも身に覚えのある、たとえばメンバーとしてのエゴであるとか、グループでこっちに舵切ったらダメになる、俺たちはこっちにちゃんと舵が切れたから続いているんだなとか、そういうことをすごく思わせる面白い映画でしたし、たぶんHIP HOPの知識がなくてもすごく丁寧に説明してくれている映画なので、TRIBEというグループがいかに革命的な作品を出したかなんてことも分かるようになっていますので。回数はそんなに多くないんですけど、『ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ』、結構お客さん入ってるみたいで、興味のある方は行ってみてはいかがでしょうか。

で、これ見てて久々に『あっ、トライブ聞きてぇな、久々に。』って感じを思い浮かべました。特に、ファースト・アルバムから順を追ってキャリアを追っていくんですけど、やっぱりセカンド・アルバム、91年リリース、あれ暮れでしたかね?結構寒かった覚えがあるんだけどな。『The Low End Theory』というセカンド・アルバムが出た時のぶっ飛び方。もう、みんながぶっ飛んだっていう時のことをすごく思い出しました。今の影響を受けたアーティスト、たとえばNeptunesのPharrelとかが、いかにその時ぶっ飛んだかみたいな話をしていて、まさにリアルタイムで僕らも全く同じようにぶっ飛ばされた。それまでのいわゆる『New School』と呼ばれていた動きでたとえば、DE LA SOULがいてJungle Brothersがいてという、そういう流れの中で出た一枚目のアルバムも素晴らしいんですが、全くそれまでのHIP HOP、それからの音の流れを変えちゃいましたからね。

ニューヨークHIP HOPの音の流れを完全に変えてしまったし、もっと言えばたとえばHIP HOPにおけるミックスのダイナミックレンジの技術みたいなものがこのアルバムから飛躍的に進歩したんですよね。みたいな意味でも歴史的なアルバムだと思います。これね、AMラジオのスピーカーでどの程度皆さんのところに伝わるか分かりませんが、『The Low End Theory』という位なんで『低音の鳴り』に是非注目していただきたいと思います。91年リリースのA TRIBE CALLED QUESTセカンド・アルバム『The Low End Theory』に入っている、これ2曲目だっけな?イントロでぶっ飛ばされます。『Buggin’ Out』。


今、2番目にラップしていたのがQ-TIPといって、サウンドのプロデュースも担当している本当にカリスマ性のある、もうモテまくるし超かっこいいスターラッパーで。で、最初にラップしたPhife(ファイフ)っていうのが、ファースト・アルバムだとあんまり目立たなかったのが、このセカンド・アルバムで、ちょっと高音かつワイルドなラップみたいなのでTRIBEに新たな魅力を付加したわけですよ。なんだけど、そのQ-TIPというカリスマの、常に比較対象としてあるPhifeが、ちょっとこじらしていってしまう感じみたいのが、僕は正直ライムスターにおけるMUMMY-Dと宇多丸の関係とかで、『Phife、そここじらせちゃダメだぞ!』と。みたいなのをすごく強く思ったりとかね、という見方もしてしまいました。ハイ、ということでA TRIBE CALLED QUESTの映画『ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ~ア・トライブ・コールド・クエストの旅~』、今映画館でやっていると思いますんで、皆さん興味あったら行ってみてください。

<書き起こし終わり>

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