町山智浩『アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判』を語る

町山智浩『アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判』を語る たまむすび

町山智浩さんが2023年2月28日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中で映画『アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判』を紹介していました。

(町山智浩)そろそろアカデミー賞が迫ってまして。もう再来週かな? 3月13日ですね。アカデミー賞なんですけれども。僕、いつものように授賞式の中継とかやっててですね。今年は結構もう、歴史に残ることにまたなるだろうと思われるんですね。

(赤江珠緒)あら、そうですか?

(町山智浩)というのは、前に『たまむすび』で紹介した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。中国系の一家がカンフーバトルをして全宇宙を救うというSFコメディなんですけども。

(山里亮太)マルチバースの。

(町山智浩)はい。それがたぶんアカデミー賞、今回はほとんど全部門制覇みたいな感じになってきそうですね。

(赤江珠緒)ええーっ!

(町山智浩)主演女優、助演男優、助演女優、作品賞、脚本賞、監督賞という状況になってるんですよ。で、これはとにかく監督も中国系の人なんで。本当にもうアカデミー賞の歴史の中では大変な偉業になると思いますね。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)今まで、アジア系の人っていうのは主役なんかにはなれなかったわけですからね。あのブルース・リーですら、なかなかハリウッドで主役になれなくて。それでなった瞬間に死んでしまったというね。『燃えよドラゴン』でね。そういうようなことあったので、これは大変な偉業なんですね。

で、ちょっと今週末に僕、丸屋九兵衛くんという映画でも何でも評論する彼とですね、このハリウッドにおけるアジア系の人たちがどれだけ苦労したかっていう話をYouTubeで話しますので、ぜひ見ていただきたいなと。宣伝してますが(笑)。

(赤江珠緒)はい(笑)。

町山智浩『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を語る
町山智浩さんが2022年4月26日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中でミシェル・ヨー主演の映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』について話していました。

(町山智浩)それで今日はですね、それと全然違う、日本から、アジアから世界で一番遠いところ。南米のアルゼンチンの映画を紹介します。これもアカデミー賞で国際映画賞部門の作品賞にノミネートされてるんですね。今までは「外国語映画賞」って言ってたんですけども、アメリカ国内で撮られる映画が外国語だったりするので。もうそういう風に分けられなくて。外国の国籍の映画をそういうカテゴリーにしてるんですが。それでアルゼンチンから出品された『アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判』という映画の紹介をします。これはもう既にですね、日本でもAmazonプライムで見れます。

(赤江珠緒)ああ、もう見れるんですね?

(町山智浩)見れます。で、字幕も入ってるどころか、日本語の吹き替えも入ってますんで、すごくわかりやすいですね。しかもですね、この映画はものすごくサクサクと進む映画なので、非常に……タイトルからね、『歴史を変えた裁判』ってなっていて重そうだなと思んですけども、そんなことはないんです。すごく楽しい映画になってます。

(赤江珠緒)でも楽しそうな感じじゃないですけどね?

(町山智浩)楽しそうなタイトルじゃないんですけど。題材もそうじゃないんですが、楽しく映画化してるんですよ。そこが偉いなと思いましたね。で、この1985年の裁判っていうのは一体どういうのか?っていうと、アルゼンチンは1976年に軍がクーデターを起こして。大統領を拘束して、陸軍の将軍が政権を取っちゃったんですよ。ホルヘ・ラファエル・ビデラという陸軍の将軍が大統領の座につきまして、軍事政権が始まるんですね。で、そこから83年まで軍事政権は続くんですけれども。その間に軍事政権に反対する人たち3万人が行方不明、もしくは死体で発見されてるんです。

(赤江珠緒)ええっ? 7年間で3万人?

(町山智浩)多くの人はデモに出てた人とか、デモ行進したりとか。あとはジャーナリストとかですね。政府を批判してた。そういった人たちが次々と行方不明になっていく。新聞社の人とかが。で、77年ぐらいに海に謎の死体が打ち上げられていて、彼らが殺されてることが発覚してくるんですけども。

(赤江珠緒)ひどい話ですね……。

(町山智浩)まあ、ひどい話なんですよ。ところがこの政権はですね、1982年にフォークランド戦争というのを起こすんですけど。これ、覚えてます?

(赤江珠緒)ごめんなさい。ちょっと……。

(町山智浩)僕はリアルタイムだったんですけど。アルゼンチン沖にフォークランド諸島っていうのがあって。そこは昔からのイギリスの領土だったんですよ。そこへ攻め込んだんです。このアルゼンチンの軍事政権が。それでイギリスと戦争になっちゃったんですよ。これは、いわゆるジェット戦闘機とかの近代兵器同士がぶつかるという非常に珍しい戦闘だったんですが。これにイギリス軍が勝ちましてですね。で、この軍事政権がガタガタになって、1983年の選挙で野党に負けるんですね。

で、野党政権になるんですが、その時に今まで殺した人たちのことが、大変なことになりますよね? 裁判とか。だからその軍事政権は……だから警察と軍が一緒になって普通の人たちを逮捕していたんで。それが一斉に証拠隠滅を計るんですよ。で、書類とかを全部、焼き捨てちゃうんです。それで何もわかんなくなっちゃうんですよ。しかも、この軍のビデラ将軍たちは退任する直前に「自己恩赦法」というのを作って。「軍事政権の間に起こった罪に関して、罪に問わない」ということで自分たちを赦免しちゃうんです。

(赤江珠緒)めちゃくちゃですね。

(町山智浩)めちゃくちゃなんです。でも日本もね、いろんな書類を破棄していて。最近のことはもうなにがなんだかわかんないんですけどね。日本も罪に問うことすらできない状態になっていますが。でですね、その後に政権を取ったラウル・アルフォンシンという、それまで野党だった大統領はですね、その自己恩赦法はとんでもないだろうっていうことで、それを破棄するんですね。

で、この軍人たちを裁判にかけようってことになるんですね。その裁判にかける時に、彼らを起訴する検察官がこの映画の主人公なんですよ。で、そう言うとすごく正義のために戦う、正義の検察官の話のように聞こえるじゃないですか。

(山里亮太)えっ、違うんですか?

「正義の検察官」の話ではない

(町山智浩)全然違うんですよ。この検察官、ずっと逃げ回ってるんです。ストラッセラさんという人なんですけども。その大統領、政府の方から「軍事政権を裁判にかけろ。起訴しろ」って言われるのが嫌だから、ずっと逃げ回ってるんですよ。「いないって言え!」とか。いるのに(笑)。さっきのバレバレみたいな話で。あっちこっちに逃げ回って、居留守を使ったりしてんですよ。

で、とにかくそれをやらされるのが嫌なんですよ。どうして嫌か?っていうと、まず軍と警察はまだそのまま存在するんですよ。だから、もう嫌がらせとか脅迫がすごいんですね。で、息子と娘がいるんで、彼は家族を守りたいんですよ。それだけじゃなくて、南米ではずっと、もう100年ぐらい……アルゼンチンに限らず、中南米は軍事クーデターが起こり続けてるんですよ。で、選挙でちゃんと選ばれた人が大統領になっても、すぐに軍がクーデターを起こして、それをひっくり返しちゃうんで。この政権もいつまで続くか、わからないんですよ。

(赤江珠緒)ああ、そうか。またいつ、軍事政権に戻るかわからないとなると、それは怖いですよね。

(町山智浩)わからないんですよ。怖いんですよ。だから、ここで軍事政権の人々を罪に問うて、この検事が憎まれるとその後、また軍事政権ができたら、今度は殺されちゃうかもしれないですよ。だから、やりたくないから逃げるんですけども、最終的にはつかまっちゃって、大統領から直々に呼ばれたりして、起訴を担当することになるんですね。で、そうするともう嫌がらせがすごくて。

電話がガンガンかかってくるんですね。「お前の家も知ってるぞ。住所も知ってるぞ。お前の息子も娘も知ってるぞ。学校も知ってるぞ」とかいう電話がかかってくるんですよ。で、奥さんに「こんなのがかかってきちゃった」とか言うんですよ。すると奥さんが「彼ら、暇ね!」って言うんですよ。

(赤江珠緒)おおーっ! 奥さんの方が肝が据わってる!

(町山智浩)「1日中、かかってきたわよ。朝から晩までよ。暇ね!」って言うんですよ。で、「あいつら、本当に悪いんだから、やっつけてね!」って奥さんに言われるんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)で、「これはやるしかない」っていうことになって。でも、起訴するからには証拠を固めて、証言を集めて、その書類を提出しなきゃなんないわけですよね。で、それまでに5ヶ月ぐらいしかないんですよ。

(赤江珠緒)ええっ、そんな、3万人も行方不明になってるのに?

(町山智浩)そう。3万人も行方不明になっているのに。で、これがまた大変なんですよ。まず1人ではできないですから。このストラッセラ検事自身がね。で、検事チーム、法律家チームを作らなきゃなんないんですけども。いろんな検事、検察官にそれを頼むと、誰も引き受けてくれないんですよ。ほとんどが、その7年間の軍事政権で軍事政権側になっちゃっているんですよ。検察官は。

(赤江珠緒)ああっ、そうなんだ。

(町山智浩)そうじゃないと生きていけなかったり、実際に任命されたりとかしてるので。長期政権が続くと、そうなっちゃうんですよ。日本もそうですよ。日本でも裁判官の多くが安倍政権下で任命されてるんですよ。「多く」じゃないですね。ほとんど全部ですね。だから誰も軍事政権を裁くっていうことに関して、やってくれないんですよ。

(山里亮太)なるほど!

(町山智浩)それが怖いんですよ。で、「どうしよう?」ってなって、1人だけ「一緒にやりましょう」って言った人がいて。その人はなんでやると言ったかというと、素人だからです。

(赤江珠緒)素人!?

(町山智浩)その検事は、裁判の経験がないんです。検事なったばっかりなんです。モレノ・オカンポさんという人で、まだ若くて。それまで大学で勉強してた人なんですよ。だから「やる」と。ただ、彼は信用できないんですよ。軍人の家系なんです。

(赤江珠緒)えっ、軍人の家系でもあるの?

(町山智浩)そう。だからこのオカンポさんを信じていいのか?ってことで、またこのストラッセラ検事は悩むんですよ。このへんのね、テンポの早さっていうのはすごくて、完全なエンターテイメントなんですね。この映画は。面白いです。『エルピス』がさ、重いテーマだったけどギャグを結構細かく入れてたじゃないですか。大根仁監督がね。

(赤江珠緒)ああ、そうですね。

(町山智浩)それって、すごく大事ですよね。

(赤江珠緒)そしてテンポがすごく早かったですよね。『エルピス』もね。

(町山智浩)そう。テンポが早くて。それで笑わせるところとかあったりして。そこをちゃんとやってるんで、テーマが重くてもちゃんとエンターテイメントにすると、見てられるんですよね。で、これは事実なんでね。次々ととんでもないことが起こるんですけども。

(赤江珠緒)とんでもなく重い事実ですもんね。

(町山智浩)で、検事が誰も参加してくれない。検事はみんな軍事政権側、ファシスト側だっていうことで、「どうしよう?」ってなったら、そのオカンポさんが「じゃあ、素人だけ集めましょうよ」って言うんですよ。「学生だけ集めましょう」と。で、「今はまだ研修生とか、まだ法学部で勉強しているような、20歳かそこらのを集めて。それで証拠集めをやりましょう」って言うんですね。それで今度、面接するんですよ。

「じゃあ、素人だけ集めましょう」

(町山智浩)で、面接をすると……一応、「政治的にはどっち側だったのか?」ってね。今回の軍事政権側だったりした人には、仕事を頼めないんで。「この間の1983年の選挙では、誰に投票したの?」って聞くと「投票してないです」って言うんですよ。その中の1人は。

(赤江珠緒)投票をしてない?

(町山智浩)「なんでですか?」「政治に興味、ないんでね」って言われるんすよ。それで「なんで応募したの?」って来たら「お金がないから」って言われるんですよ。で、もう1人の女性は「いや、投票してないです」「なんで?」「その時、まだ17歳だったんで」って言うんですよ。彼女、その時はまだ20歳なんですよ。で、ど素人ばっかりになっちゃうんですよ。全員が。だからこの面接のシーンもおかしくて。全員、背広が合ってないんですよ。要するに、背広を着たことがないんですね。もうみんな、それまでTシャツにジーパンだったようなのを集めてるから。でも、しょうがないからその若者を集めて、法律家チームを作って証拠集めをするんですけど。その若者を連れて歩いてると、敵の軍事政権の側の弁護をするエリート弁護士が「子供の集まりかよ」とか言うんですよ。

(赤江珠緒)そうですね。なんか最弱チームって感じですもんね。

(町山智浩)最弱チームなんですよ。このどうしようもない、まったく経験ゼロのチームがどうやって裁判に勝つか? で、敵はだって軍と警察全部なんですよ。それと、検事たち。しかも、それを裁く裁判官たち、判事たちもずっと軍事政権下で判事をやってた奴らなんですよ。

(赤江珠緒)そうか。で、その判事の人たちもやっぱり軍事政権の報復とかね、また復活することを恐れてるわけですもんね。

(町山智浩)恐れてるわけですよ。で、この完全に四面楚歌の状態で果たしてこの裁判に勝つことができるのか?っていう話なんですよ。

(山里亮太)面白そう。

(町山智浩)面白いでしょう? 安全にエンターテイメントなんですよ。それでテンポも早いから、もう全然飽きないんですけど。で、この素人たちがまずどうするか?っていうと、アルゼンチン中に300もの秘密拘束センターっていうのがあったんですね。要するに、それは政治犯を拷問する秘密の牢獄があったんですよ。

で、その近くに行って、その近所の人たちの証言を集めていくってことから始まるんですよ。すると今度は、その遺族の人たちの証言を集めることがなかなかできないんですよ。これが難しいんですけど。要するに、連れてかれたっきり、ほとんどが帰ってこないんですよ。だから、何もわからないんですよ。ただ「帰ってこない」っていうことだけだから。これね、アルゼンチンってパタゴニアとかがあることで知られてると思うんですが。人が全然住んでいないところがいっぱいあるんですよ。で、そこに飛行機で連れていって、飛行機を突き落としてるんですよ。

(赤江珠緒)ええっ?

(町山智浩)「死の飛行」って言うんですけど。するともう、何が何だかわかんないんですよ。どこに死体があるかも。大変なことになっていて。パタゴニアとかって、要するに標高3000mとか、そういうところですよ。これ、どうするの? 証拠が何もないじゃないかって。で、こうなってくるとその拷問を生き延びた人の証言を取ってくるしかないんですね。もうひとつは、その処刑とか拷問に参加した人たちが、良心の呵責に耐えかねて、それを証言してくれるという形。それしかないわけですよ。

(赤江珠緒)そうですね。うん。

(町山智浩)これがまた、大変なんですよ。で、今度は拷問された女性を見つけるんですけども。でも、なかなか証言をさせにくいんですよ。ものすごいトラウマだから。

(赤江珠緒)ああ、本人も証言したがらない。

(町山智浩)みんなの前で拷問をされたことを女性が言うっていうのは、これは大変なことなんですよ。多くの女性がレイプされています。これを言ってもらうのって、大変ですよ。で、1人の女性が証言をすることを決心するんですね。それはどういうことかっていうと、彼女は臨月の状態で、出産直前に拉致されたんですよ。彼女、ジャーナリストだったんですけど。で、その状態で拷問をされて、赤ちゃんが死んでるんですよ。

(山里亮太)うわっ……。

(町山智浩)で、その証言を引き出すんですよ。とうとう。それで彼女が切々と訴えたんで、それで世論がガラッと変わるんです。「これは大変なことだ!」って。で、それまで軍側で「軍が間違ってないんだ。軍は仕方がなかったんだ。その頃は共産主義者とかがいたから」って言っていた女性たちも、これで「いや、とんでもないことが起こってたんだ」ということに気づいて。それでその検事たちに味方するようになっていくんですよ。

でも今度は、そうなるとどうなるか?っていうと、爆破とかですよ。彼ら、プロなんですよ。軍人だから。爆弾とか、山ほど持ってます。いきなり車を爆破されますね。という状況になってくるんですけど、この検事の奥さんとか、子供とかは全然平気なんです。それでも。

(赤江珠緒)すごいですね!

(町山智浩)これがすごいんですよ。検事は結構、「どうしよう!」みたいな感じなんですけど。息子は率先していろんな探りを入れたりすんですよ。小学生なんですけど。お父さんのためにね。で、娘は実はその軍事政権側の人と付き合ってることがわかってくるんですよ。娘ね、女子高生なんですけど、妻子ある軍関係の人と付き合ってるんですよ。結構すごいギャルなんですね。で、その娘がまた結構いいキャラなんですよ。で、奥さんもね、「私は度胸が据わっているから。やるしかないわよ!」みたいな感じでね。

だからね、これ「正義の検事が頑張る」っていう話とはちょっと違っていて。人情物ですね。そういう点ではね。だから面白いんですよ。すごく残酷でひどい話ではあるんですけども。それで、つらくはなるんだけれども見せてしまう力がすごくあるんですね。これは本当に監督のうまさだと思いますよ。ご飯を食べたりするシーンとかの使い方もうまいです。

(赤江珠緒)そうですか。事実で、実際に起きたこと。とんでもないことですよね。それ、聞けば聞くほどね。

(町山智浩)これはとんでもないことですよ。本当に。で、この主人公はですね、小林桂樹という日本の俳優さんに非常によく似てるんですが。古い方なんですけども。これ、そっくりなんですけど。小林桂樹さんっていつも気の弱いお役人の役とかね、中間管理職の役をやっていた人で。このストラッセラ検事のあの俳優さん、リカルド・ダリンさんもそういう感じなんですよ。

で、最初は肝は据わってないんですけども、段々と戦ってるうちに覚悟を決めていって。最後はですね、こういう弁論を述べるんですね。「これは民主主義を守るための最後のチャンスなんです。二度とこういうことをしてはいけないんです。ここで彼らを実際に罪に問わなければ、また軍事政権が戻ります。それを二度と繰り返させないための、最後のチャンスなんです。彼らを絶対に裁かなければいけません!」っていう感動的な演説をするという映画でね。これね、1985年って過去のことのように思うんですけど、軍事政権っていうのは今もあるんですよね。

(赤江珠緒)むしろ増えていってる感じですもんね。

(町山智浩)増えていっているんですよ。ロシアもそうだし、ミャンマーがそうですよね。今、日本の麻生さんなんかはミャンマーの軍事政権からの表彰されたりして。喜んでそれを受け取ったりしてるんですけど。絶対にそんなことはしてはいけないんですよ。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)それとあと、いろんな不祥事が最近のオリンピックとかでバレてきてますけども。きっちりとこれを裁かなければ、またそれは繰り返されます。何度も繰り返されますよ。全員、罪に問わなきゃいけないんです。ということがね、ちゃんと面白おかしく楽しく、訴えられてる映画が『アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判』です。

(赤江珠緒)そうですね。やっぱり権力の暴走というものの怖さっていうのにはね、敏感になっておかなきゃいけないですね。たしかにね。

(町山智浩)ちゃんと裁かないと、何度でもやられますよ。で、これはアマプラで今、すぐに見られます。

(赤江珠緒)はい。『アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判』でございます。町山さん、ありがとうございました。

(町山智浩)どうもでした。

『アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判』予告

<書き起こしおわり>

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