町山智浩『ベネデッタ』を語る

町山智浩『ベネデッタ』を語る たまむすび

町山智浩さんが2023年2月14日放送のTBSラジオ『たまむすび』でポール・バーホーベンの映画『ベネデッタ』について話していました。

(町山智浩)この放送を聞いてる人は、みんな大人の方ですよね? 18歳以上ですよね?

(赤江珠緒)まあまあ、そうですね。それ以下の方も聞いてくださる時、ありますけども。

(町山智浩)そうか。以下の方は、聞かないでください。これから。

(赤江珠緒)あら? ここから何か?

(町山智浩)今日ご紹介する映画はもうすぐ……2月17日から日本公開の映画なんですけれども。あ、今週か。今週末ですね。『ベネデッタ』というタイトルの映画です。これ、18歳未満は見れない映画です。

(赤江珠緒)ああ、そうなんですね。

(町山智浩)はい。だから18歳未満の人はね、他の部屋に行ってください(笑)。

(赤江珠緒)話を聞くのもダメ?(笑)。

(町山智浩)話はいいのかな? これ、放送法的にはどうなんでしょうか?って、関係ねえか(笑)。『ベネデッタ』という、これは実際に実在した17世紀の修道女の名前なんですけれども。その人に本当に起こったことを映画化したものです。で、当時の歴史的資料から発見されて、それを映画にしたものなんですが。この映画に関して、世界各地で上演反対運動が起きました。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)「これは神への冒涜である」とか。カトリックの話なんで、「カトリックに対する攻撃である」みたいな形で運動が起こって。ロシアでは……ロシアはカトリックじゃないんですけども。ロシアでは上映禁止です。政府が悪いこといっぱいやってるのにね。映画ぐらいなんなんだと思いますけど。という大問題作がこの『ベネデッタ』という映画です。これはイタリアが舞台でですね、17世紀に修道院がありまして。そこにベネデッタという修道女が入っていたんですけれども。最初に入ってきた時から、マリア様の木造が彼女のところに倒れて……子供だったんですけれども。で、マリア様が彼女にキスしようとしたというような奇跡を起こしてるんですよ。

(赤江珠緒)ほうほう。

(町山智浩)で、その後、歳を取ってからですね、イエス・キリストの夢を見るようになるんですね。で、夢の中でキリストの妻になるという、キリストと結婚する夢を見ましてですね。で、それだけじゃなくて、聖痕が現れるんですよ。

(赤江珠緒)聖痕。あの手の傷ね。磔になった時の。イエス・キリストの。

(町山智浩)イエス・キリストがね、十字架に磔になった時に両手のひらを十字架に釘で打たれて。あと足を釘で打たれたんで。それで脇腹を刺されて、頭にイバラの冠をかぶせられたんで、その箇所から出血をすることを聖痕と言うんですね。で、このベネデッタさんがそこから出血しまして。で、「彼女は神に祝福されたんじゃないか」ということになるんですね。ベネデッタという名前自体がね、「神の祝福を受けた」っていう意味なんですよ。ベネディクトっていう名前の人、いるじゃないですか。教皇とかでも。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)ねえ。ベネディクト・カンバーバッチとかね。あれ、みんな神の祝福を受けたっていう意味なんですけど。で、彼女はそれまではヒラの修道女だったんですが。そこで大騒ぎになりまして。彼女が神から選ばれたってことで。で、修道院長っていう、その修道院で一番偉い人になるんですよ。

(赤江珠緒)えっ、すごい。一気に?

(町山智浩)すごいんですよ。ただ、「本当なのかな?」ということになってくるんですね。

(赤江珠緒)ああ、まあそうですね。夢とかはね、ちょっと言ったもん勝ちみたいなところもありますもんね。

(町山智浩)言ったもん勝ちですからね。で、取り調べを受けるわけですよ。その時にローマ教皇が一番偉いわけですけども、ローマ教皇の代理の人がいるんですね。ローマ教皇大使というのがいて、その人が裁判官になって裁判を始めるわけですよ。で、いろいろと追及していって、本当なのかどうかを周りの人の証言とか聞いていって。で、その書類が全部残っているんですよ。で、これが1987年かなにかにアメリカの研究家がそれを発見して。「こんな事件があったんだ」っていう風に本にしたのが日本でも翻訳出てるんですけれども。これが原作本なんですけれども。

そこで、実はこのベネデッタという人は修道女の女性を愛していて。性的関係があって。で、要するにその関係を持つために……修道女っていうのはヒラの人たちは部屋がないんですよ。みんな、仕切りがなくて。だからプライバシーが全くないんですよ。ただ、修道院長になると個室がもらえるんです。で、その自分の好きな女の子とエッチをするために修道院長に上り詰めたんじゃないか?っていう疑惑が出てくるんですね。

(赤江珠緒)動機がそこ? なるほど。個室がほしいっていう?

修道院長になって、個室がほしい

(町山智浩)子供の頃、「個室がほしい!」って思いましたけどね。団地住まいとかだったんで。まあ、そういう話じゃないんですが。「自分の家がないと、あることができない!」っていうことで、若い人は悩むと思うんですけど。

(山里亮太)フハハハハハハハハッ!

(町山智浩)ねえ。そういう話なんですよ、これ。で、その時にすごく問題になったのは、聖書には「男は男と愛し合ってはいけない」と書いてあるんですけど、女性のことは一切書いてないんですよ。だから、その女性の同性愛ってものが存在するということ自体が認定されてないんですね。男の方は「やっちゃいけない」って書いてあるということは、「ある」ってことなんですよ。で、その頃には女性には全く性欲というものはないんだと思われたんですよ。

(赤江珠緒)1600年代は。

(町山智浩)最近まで、アメリカ人はそう思ってましたよ。1950年ぐらいまでね。で、それはじゃあ、どういうことが起こってるかっていうと「悪魔にとりつかれたんじゃないか」っていう話になってくるんですよ。で、大変なことんなってくっていうのがこの『ベネデッタ』っていう映画なんですが。これだけだとなぜ、なんというか世界中で問題になるのか、わかんないじゃないですか。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)これね、監督さんが問題なんですよ。この監督さんはポール・バーホーベンという名前のオランダの映画監督なんですが。この人の映画で一番有名なのは『ロボコップ』なんですね。『ロボコップ』っていうのはとんでもない映画で。もうとにかく上映する前にアメリカの映倫、MPAAっていうのがあるんですが。そこから「あまりにも残酷シーンとかがひどすぎるから、カットしろ!」っていうことで、ズタズタに切られてやっと公開されたっていう。それが『ロボコップ』なんですよ。

(赤江珠緒)ああ、そうだったんですか。へー!

(町山智浩)はい。で、そういうことばっかりやってる人で。この人はオランダでもひどい描写とか……残酷なだけじゃなくて、キリスト教をからかうような描写とか。あとはそういう性的に……たとえば彼の映画に出てくる女の人っていうのは、性的にはバイセクシュアルで、男でも女でも全部OKっていう人がいっぱい出てくるんですよ。で、それをオランダでやるとオランダはキリスト教が非常に強いですから。「お前はもうオランダにはいるな」って言われて、オランダにいられなくなってハリウッドに行ったのがこのポール・バーホーベンなんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)で、ドキュメンタリー映画があって。彼がその飛行機に乗ってハリウッドに行く時に「こんなオランダなんかに二度と帰るかよ!」っつって飛行機に乗るシーンがあるぐらいの人なんですけど。で、アメリカで今度は『スターシップ・トゥルーパーズ』っていう映画を撮ったんですけども。それは宇宙人と地球人類の戦いのSFで。で、戦艦と戦闘機とか兵隊たちが宇宙の怪物と戦う話なんですけれども。

そういう風に言うと、普通のSFみたいに聞こえるんですが、ポール・バーホーベンはそうしないで。地球全体がある軍事独裁国家になって、そこで作られたプロパガンダ愛国映画として作るんですよ。この『スターシップ・トゥルーパーズ』っていう映画を。だから「国に命を捧げるぜ! イエーイ!」とか言ってるんですよ。兵隊たちが。「死んでお国に尽くすぜ、イエーイ!」「かっこいい!」とかっていう、バカ映画になってるんですよ。で、要するに「そういうものはくだらない」っていう意味で作ったんですけど。彼は子供の頃、ナチスに侵略されてるんですよね。オランダは。

(赤江珠緒)じゃあ、あえて茶化す意味で?

(町山智浩)茶化しているんですよ。ところがこれを「茶化してますよ」っていう風にふざけた感じでギャグで撮ってるのに、やっぱりそれに怒った人がいっぱいいてですね。「これは右翼映画だ、これはナチス映画である」ということで、めちゃくちゃ叩かれちゃうんですよ。こういうことを繰り返してる人がポール・バーホーベン監督で。あとは『氷の微笑』っていう映画を覚えてますか?

(赤江珠緒)はいはい。覚えてます。

(山里亮太)シャロン・ストーンの。

(町山智浩)シャロン・ストーンがバイセクシュアルの殺人者で。で、警察に取り調べを受ける時にノーパンで足を組み替えるんで。そこで「あれが映ってるんじゃないか?」っていうことで、世界中が大騒ぎになったっていう、とんでもない映画を撮っている人なんですね。ポール・バーホーベンって。

(赤江珠緒)はいはい! そうなんですか!

(町山智浩)この人、毎回問題を起こしてる人です。

(山里亮太)『ロボコップ』の人って、そんな危険だったんだ(笑)。

(町山智浩)この人、危険な人なんですよ。元気なおじいちゃんで、82歳ですけどね。で、『氷の微笑』でもそのバイセクシュアルの人が殺人者として描かれてるんで、LGBTの人たちが抗議運動をしたりですね。また『ショーガール』っていう映画を撮って。これはラスベガスのダンサーの話なんですけども。

ヒロインがとにかく自分がダンサーとしてのし上がるためだったらどんな悪いことでもするっていう人なんですよ。周りの人をおとしめていくんですよ。いろんなものを利用して。ただ、それを「ガッツがあってかっこいいぜ!」っていう形で描いているんです(笑)。

(赤江珠緒)なんで、なんで?(笑)。ああ、そう?

(町山智浩)要するに、自分の目指すもののためだったら、どんなに悪い事をしてもいいんだっていう描き方をしてる人なんですよ。で、それもみんなに叩かれたりして。あと『インビジブル』っていう映画はケビン・ベーコンが科学の力で透明人間になるんですけど。透明人間になって何をするか?っていうと、痴漢をするんですね。はい。

(山里亮太)なんで?

(町山智浩)そういう映画ばっかり撮ってるんで、ハリウッドにもいられなくなっちゃって。それで、またヨーロッパに帰ったんだけど、オランダにもいられないんで今、フランスで映画を撮ってるというね、とんでもない人なんですよ。そこらじゅうに喧嘩を売ってる人なんで。

そこらじゅうに喧嘩を売るポール・バーホーベン

(町山智浩)で、その人がこの『ベネデッタ』を作ったんで、その同性愛の部分とかも全部、露骨に全部出しちゃうんですよ。画面に。だから、18歳未満の人は見れない映画になってるんですね。ただ、これは記録にかなり残ってるんですけど。裁判をやったんでね。証言とかで、言えないようなことが書かれてるわけですけど。で、またね、この映画もすごくて。その自分が好きになった女の子とベネデッタさんが初めて、話をして好きになる瞬間っていうのあって。

普通だったら、お庭でお花とかを見ながらね、手が触れて「あっ……」とかね、そういう感じじゃないですか。そうじゃなくてね、トイレで……修道院のトイレなんで、間仕切りも何もなくて。2人で並んでするんですよ。「2人で並んでしながら話をしてるうちに打ち解けて、愛し合うようになりました」って、いくら何でもそんな出会い方はないよなっていうね(笑)。それはないだろうって思いましたけどね(笑)。

男の人がね、2人で並んでしている時に「お前、いいもん持ってるじゃないか」とか言って仲良くなる人もいますが。これはないだろう?っていうね。どこまでふざけてるのか、本気なのかわからないんですよ。この監督、ポール・バーホーベンさんは。

で、それが全編続くんですけど。たとえば、その手のひらに聖痕ができたって言って、みんな「すごい! すごい!」って言ってると、そこの元々の修道院長が「なんで手のひらだけなのかしらね? キリストはいばらの冠で頭にも傷を負ってるはずなのに、頭に傷がないわね。自分でやったんじゃないの?」みたいなことを言うんですよ。

そうすると、むっとして部屋を出ていって、部屋の向こうで「ギャー!」って声が聞こえて。ベネデッタのところにみんなが駆け寄ると、ちゃんとおでこから血が出てるんですけど。

(山里亮太)いや、それって絶対……。

(町山智浩)そう。そこにちょっとガラスの破片が落っこちていたりするんですよ。

(赤江珠緒)じゃあ、描かれ方としてはちょっと、なんか怪しいなみたいなところも?

(町山智浩)そう。ただ、彼女が見るそのキリストと結婚したりするっていうのは、実際に映像として見せますんで。だから、どこまで本当なのかはわからないんですよ。で、一体この映画は何なのか?っていうことなんですよ。何をしようとしているのか?っていうことなんですけども。実は、この聖痕を受けた人たちってものすごい数、いるんです。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)もうそれこそ何百人もいるそうなんですよ。ヨーロッパで。で、その87%が女性なんです。なぜ、女性だけが聖痕を受けるのか?っていうことなんですよ。で、ほとんどが修道院に入っていた修道女の人たちなんですよね。記録を調べてみると。なんでだと思います?

(赤江珠緒)なんで? なんか、そういう環境でちょっと染まって。自分もそういうのを見た気になるとか?

(町山智浩)ねえ。まずそう考えますよね。神様を信じてるから、そういうトランス状態で神がかりになって、無意識のうちにやっちゃったんじゃないか、とかね。思いますよね。でも、実はもっとすごくちゃんとした理由があって。カトリックにおいては、修道女の人、女の人は宗教を司る聖職者にはなれないんです。

(赤江珠緒)ああ! でも、たしかに男性ばかり、上の……。

(町山智浩)尼さんって言われたり、修道院に入ってるシスターって言われてる人たち、いるじゃないですか。シスターって言われてる人たちは、何の権力もないんです。カトリックにおいては。彼女たちはマザーじゃないんですよ。マザーはマリア様だけなんです。シスターでしかないんですよ。で、ファーザーは神父なんです。権力を持っているのは、神父だけなんです。

だから、たとえば結婚をする時に神父は結婚の介添人になりますよね。でも、女性はなれないんです。カトリックにおいては。で、懺悔を聞いたりとか、要するに神と直接繋がる仕事をするのは神父なんですね。神の代理人をするのは神父なんですけど。男しか、ダメなんです。その中で修道院に入ってる人たちって一体何か?っていうと……その頃、修道院に入ってる人たちって、どういう人たちだと思いますか? 神様を信じて、神様の近くにいたいから修道院に入ったっていう人たちって、最近の人たちはそうですけど。中世においてはそうじゃないんですよ。

(赤江珠緒)中世においては、やっぱりちょっとお家が裕福ではなかったとか?

(町山智浩)裕福だったんです。

(赤江珠緒)ああ、裕福な人?

(町山智浩)裕福な貴族とか大金持ちの娘で、結婚できない人が投げ込まれるところだったんです。それで彼女たちにお金を大量に乗せて、修道院に預けるんですよ。お金をつけて、処分するところだったんです。要するに、嫁に行けないから。それで預かっていくわけにもいかないから。修道院に入れて「そこでずっと一生、暮らせ」って。ただ、修道院には申し訳ないから、お金をドンとあげるっていう。で、お金がない人は修道院には入れなかったんですよ。お金がない人は、修道院の中で下働きをさせられるんです。

(赤江珠緒)ああ、そういうことか。

(町山智浩)そういうことなんです。全然宗教と関係のない組織だったんですよ。だから修道院の多くでは売春とかもあったんですよ。当時。ひどかったんです。本当に。で、このベネデッタがどういう人かっていうと、お金持ちの、商人かなんかの娘なんですけれども。承認のその親父がね、「自分が神様に何かをしてあげたい。だったら、この娘をあげます」って、あげたんですよ。お金をつけて。捨てられたんですよ。親に。そういうひどいところが当時の修道院で、そこに自分の意思とあんまり関係なく入るわけじゃないですか。大抵は。

その中でも、要するに上の方で全部仕切ってるのは男で。中世からずっとそうですけど。神父とか司祭とか教皇とかっていうのはみんな腐敗していて。結婚しちゃいけないってことにはなってるんですけど、たくさん愛人がいて。みんな子供もいっぱいいたんですよ。で、この映画の中にも出てくる教皇の代理は愛人がいて。おなかが膨らんでるんですけどね。そういうでたらめなことを上の方でやっていて。それで下の方の女性たちはその人で奴隷的なことをさせられてるわけですから。それに対する反乱として聖痕を受けるんですよ。

(赤江珠緒)なるほどね!

男たちが仕切る構造への反乱としての聖痕

(町山智浩)要するに神父よりも上の権力者が神なんですよ。キリストなんですよ。

(赤江珠緒)そうか。自分が力を持つためには……。

(町山智浩)そう。「私は神と直接繋がった」っていうことで、一種のそういう男尊女卑社会における反乱として聖痕を受けるんですよ。それを描いているのが、この映画なんですよ。彼女はたしかに嘘つきかもしれないし、そのせいでひどい目に遭う他の修道女の人たちもいるわけですけど。ただ、「それでもこのひどい社会の中で戦うためだったらどんな悪いことしたっていいじゃないか」っていうのがポール・バーホーベンの考え方なんで。「彼女は戦ったんだからいいじゃないか」っていう撮り方をして。一緒のヒーローとして描いてるんですよ。

(赤江珠緒)ああ、それでこの映画を、この題材で。

(町山智浩)題材で。だからこれはすごい内容だなと思いましたね。まあ、内容はどぎついですけどね。さっき言ったみたいにおしっこをしたりしてますから。あと拷問もすごいんですよ。この頃、要するに彼女たちは魔女とされるわけですね。悪魔と繋がってるんじゃないかと思われて。この頃の魔女裁判における拷問ってひどくて。水審っていうのがあったんですよ。で、この水審っていうのは、女の人を縛って水に投げ込むんですよ。

(赤江珠緒)ええっ? 死んじゃう……。

(町山智浩)で、死ななかったら魔女。死んだら無実で人間。でも、死んでるから意味ないんですよ。

(赤江珠緒)ひどい……。

(町山智浩)魔女となったら火あぶりになるから、どっちにしても死ぬんです。これがその当時の魔女裁判なんで。まあそういう時代の中で女性が戦うにはどうしたらいいか?ってことなんですよね。

(赤江珠緒)そういうことなんですね……。

(町山智浩)という、強烈な内容なので。でも、歴史的事実なんでね。

(赤江珠緒)そうですよね。ものすごく、結構いろんなことを意味している、根深い話だし。

(町山智浩)そうなんですよ。でも、ポール・バーホーベン監督ですから。全然、主人公はいい人として描かれてなくて。自分の邪魔する人は、いい人でも死なせちゃいますから。

(赤江珠緒)この主人公自体も?

(町山智浩)主人公自体、彼女自身の目的のために巻き込まれて死んでいく無実の人たちもいっぱいいるんで。まあ困ったもんなんですけど。まあ、すごい。これも発掘した人も女性の研究家なんですけれども。ポール・バーホーベンはいろいろ叩かれて「ひどい映画だ」って言われてね。「でも事実なんだ! 本当なんだから、しょうがねえだろ!」って言ってる人なんですけどね。82歳ですよ?

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)めちゃくちゃ元気でね。こんなにどぎつい映画もないっていうぐらいにね。もう見てると、クラクラしてくるんですよあまりにも描写がどぎついんで。露骨すぎて。という……でも、本当なんですよね。

(赤江珠緒)そうですね。そういう、人間のなんとも言えない……本当ですもんね。なんとも言えないですけど、歴史上でそういうことがあって。

(町山智浩)そう。だからすごいなと思ったのは、何でも書類が残ってるんですよ。記録が。だって、古代ローマの波政治的な争いとか、中国の古代の話とかも全部、書類が残ってて。今、全部わかっちゃうんですね。昔から。わかんないのは、日本だけですからね。

(赤江珠緒)そうですね……。

(町山智浩)オリンピックの会計がどうなっているのかとか、全然わかんないんですけど。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)一番謎ですよ。日本の方がね。ということで、ポール・バーホーベンのとんでもないゲテモノ、だけども非常に宗教的にいろいろ考えさせる映画『ベネデッタ』は2月17日公開です。

『ベネデッタ』予告

<書き起こしおわり>

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