山里亮太 コントへの苦手意識を語る

山里亮太 結婚で妬み・嫉み芸を封印して手に入れた新しい力を語る NHKラジオ第一

山里亮太さんが2022年11月17日放送のNHKラジオ第一『東京03の好きにさせるかッ!』の中でコントに対する苦手意識について、東京03の皆さんと話していました。

(飯塚悟志)今日のラジオコントがそのランドセルを背負ってやった以来のコント?

(山里亮太)本当、それ以来です。あと、ユニット番組とかでコントもあったんですよ。で、僕は本当トラウマ級なのが昔、『落下女』っていう番組があって。

(飯塚悟志)あった。バナナマン、おぎやはぎ。

(山里亮太)そうです。ラーメンズの片桐さんとドランクドラゴン、アンガールズっていう。もう言ったら、コント師の方々の……そこに声南海キャンディーズが、言ってもあの年のM-1でブレークして。吉本のゴリ押しでそのユニットコント番組に入ったんですよ。

(飯塚悟志)ガッキー、いた?

(山里亮太)いました。ガッキーが初めてコントに挑戦するっていう。あの番組で、設楽さんと矢作さんがすごすぎて。怖いとかじゃないんですけど。僕、覚えてるのが、もう設楽さんと矢作さんがバーッていろいろと決めていかれるんですよ。オークラさんも入って。で、決めていって。「じゃあちょっと山ちゃん、出番がないから。山ちゃん、ここのコントに入って。ここからはみんなが山ちゃんにバーッとパスを出しまくるから、山ちゃんがそれに対応をする。高校生の部活、サッカー部の設定でどんどん、みんながいろんな無茶ぶり的な感じパスを出すから。それに普通に高校生の部員として、いろいろ返したらいいから。このコント、それで行こう」って感じなって。

それで、いざ始まってやってみたら、もう全然僕がそれができなくて。まず僕、高校生になっていなくて。普通にあのM-1で出てきた南海キャンディーズっぽいので全編、過ごしてしまって。「なんか違うな」ってなって。で、もう1回撮り直した時に、今度はキョドキョドして。ちょっと困るみたいな感じのリアクションばっかりしちゃっていて。そしたら、設楽さんが終わった後に「あのさ、『困ってます』みたいな顔で落ちるって思っているの、たぶん山ちゃんだけだと思うんだわ。なんか全部、それになってるからさ」って。

バナナマン設楽の指摘

(山里亮太)で、一番それで嫌になったのは、「設楽さん、よくぞ言ってくれた」みたいな感じの顔でずっと見ていた小木さんで。

(一同)フハハハハハハハハッ!

(山里亮太)なんか、小木さんもそんなにできてないのに、小木さんが設楽さんの後ろで「設楽さんが自分の気持を代弁してくれた」みたいな感じでずっとうなずいてて。あれ、すごい覚えているんですよ。矢作さんと設楽さんに怒られるのはいいけども、小木さんがすげえ上から……「なんか首をコクコクやっているな」みたいな。

(角田晃広)その気持ち、わかるわー! 東京03だと飯塚さんに「もうちょっと、ここはこうした方がいいんじゃない?」って言われている時に、それはいいじゃん? でも、豊本が「はいはいはい、よく言ってくれた!」みたいな顔をする時、あんのよ!

(豊本明長)共感だから。それはしょうがないよ。

(角田晃広)「あんたに言われたくないわ!」っていう(笑)。

(飯塚悟志)いや、設楽さん、矢作さんはやっぱり、うちらだってちょっと怖いところあるからね。

(山里亮太)そうですか?

(飯塚悟志)怖いよ。設楽さんなんか、特に。

(山里亮太)で、マジで言ってること、全部合ってるじゃないですか。だから怖いんですよ。その頃、マジのコントをやったことなかったんで。でも、他はみんなコント経験者だし。東京だし。なんかそれで「コントはダメだ」っていうことで封じたぐらいで。

(飯塚悟志)でも、そんな経験していたら、たしかに怖くなるわ。

(山里亮太)怖かったです。天才ばっかりだったんですもん。

(飯塚悟志)設楽さんとか、特に厳しいからな。その頃はまだ、尖っていたかもしれないし。今はそんなことないと思うけども。

(山里亮太)優しいです。本当に。

(飯塚悟志)優しいよね。みんな、優しくなったよね。

(山里亮太)本当に。そういう意味で言うと、やっぱりずっと変わらない感じの小木さんも素敵ですけどね(笑)。あの頃からずっと小木さんのままで。僕、『ドリームマッチ』で小木さんと1回、コントやったんですよ。

(飯塚悟志)えっ、2人で?

(山里亮太)2人で。

(角田晃広)野球の、「リーリーリー」っていう?

(山里亮太)そうです!

(飯塚悟志)なにそれ? 覚えてないな。

(山里亮太)それもオークラさんが入ってくださっていて。で、それは僕、本当に自分のダメなところが全て出たコントだと思うんですけど。元々、小木さんがずっと言っていたのが、「山ちゃん、ネタをもし書くんだったら、練習があんまりいらなくて。俺のセリフそんなになくて。でも、みんなが見た後に『小木、ここにあり』っていうネタね」っていう(笑)。

(飯塚悟志)なに、その注文?(笑)。

(山里亮太)それで、オークラさんが入ってくださって書いたんですけど。で、僕が本当にダメだったのが、練習の時はちゃんと台本通りなんですけど。本番になった時に、言ったら高校野球の話なんですよ。なのに、全ツッコミをモロ、山里節全開に本番で変えたんですよ。だからワードをこねくり回すっていう。でも、甲子園の試合会場で、そんなたとえツッコミするやつもいないし。小木さんがすごい悲しい顔でコントをやっていたのを覚えています。「えっ、山ちゃん、なにそれ?」って。

(飯塚悟志)でも、ウケてはいるんでしょう?

(山里亮太)ブームで「南海キャンディーズの山ちゃんって、こんなツッコミだね」っていう。その笑いは来るんですけど。そのコントが本当に伝えたい笑いは一切なかったです。でも、それで笑いが起きてるから僕はすごい満足して帰って。「ウケましたね!」って言ったんですけども、小木さんが「うーん……」っていう顔をしてて。で、その時にその「うーん……」っていう顔を「いや、小木さん。もういいじゃないですか。結果、ウケたんだから」って思ったんですけど。

後々、本当に……その設楽さんに怒られることがあったりとか。コント師の方々のコントを見ていくと「ああ、自分ってコントをしてなかったんだ。センターマイクを外した漫才に強制的にコント師を引きずり出してやっていたんだ。なんて罪なことをしたんだ」って思って、顔が真っ赤になったんですよ。

(飯塚悟志)なるほどね。

(山里亮太)違いますよね。

自分の間違いに気づく

(飯塚悟志)そうだね。だからね、山ちゃんのフレーズを立たせるコントなら、もうそういう作りにできるし。そこは、やっぱり難しいよね。

(山里亮太)いや、絶対に違うって思いました。だから、そこからはコントとか、もう僕は学んだというか。見てる時も、僕と同じミスをしてるコントの人を見ると「あらっ」って思う時があるんですよ。「そこ、絶対にそんな、いいたとえツッコミがない方が……このコント、めちゃくちゃ面白かったのに」っていう。その、昔自分が犯した罪を犯してる人を見ると。

(飯塚悟志)いや、「罪」ってほどじゃないよ(笑)。それはやっぱり、ウケるし。別に入れたっていいんだけど。そこを入れてウケちゃうことによって、そのコントの大事な部分が崩れちゃうんだよね。

(山里亮太)そこの繊細なところで生きてるっていうのが……コント師の方々への、僕らからするとリスペクトっていうか。かつ、聖域というか。すごいなっていう。

(飯塚悟志)でもそれでさ、いろいろトラウマがあって。コントを苦手と思いつつ、そこまで分析できてるのがすごいね。そこまで普通は行かないよ?

(山里亮太)ですかね?

(飯塚悟志)本当に山ちゃん、勉強家だと思う。正直さ、妬みとか嫉み、恨み、つらみみたいなことが自分の中の武器だ、みたいな感じで言っていて。そういう感じじゃんか。俺、マジで山ちゃんって本当にお笑いが好きな人なんだと思うだよね。

(山里亮太)それをお三方の前で言われると、ちょっとグッと来ますね!

(飯塚悟志)いや、マジで誰よりも純粋な気がするんだよな。

(山里亮太)なんか、憧れてるんですよね。お笑い芸人の……僕、いつもキン肉マンで考えるんすけど。みんな、僕からしたら本当にキン肉マンとかテリーマンとか、超人なんですよ。悪魔超人がいたりとかもするけど。僕はいつまでたっても、超人になろうとした……だから超人志望の人間なんですよ。だから分析とか努力をしてないと、超人たちの中で自分が生きてくるはずがないと思って。

自分は超人志望の人間

(飯塚悟志)それができる超人だからね。本当にそう思うよ。俺、山ちゃんの本も読んだけど。『天才はあきらめた』って。やっぱり単純に本当に自分の嫌な部分とかも、全部書くの。過去に相方にしてきた所業とか。まあ、たしかに嫌なこともいっぱいしているんだけども。それを書けるのって、すごくない? 絶対、隠したいじゃん?

(角田晃広)うんうん。

(飯塚悟志)なんか、誠実だよね。

(山里亮太)そう取っていただけたら、嬉しいです。

(飯塚悟志)普通、ダメな人とかは自分のそういうダメな部分を隠したいし。で、それがバレちゃうから、変な感じになっちゃうんだよね。なんだけど、それを全部言うじゃんか。

(山里亮太)なんか、全部言ってかないと……っていう。武器が少ないと、全部在庫を出していかないと、この世界、続けられないぞっていう。

<書き起こしおわり>

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