町山智浩さんが2022年10月25日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中で自身の新刊『アメリカがカルトに乗っ取られた!』を紹介していました。
(町山智浩)ということで、今日はプレゼントがあって。今日、発売した僕の新刊をプレゼントします。タイトルはものすごくストレートで。『アメリカがカルトに乗っ取られた!』っていう本なんですが。これは週刊文春で、僕はもうこれ、20年ぐらい連載してるんだな。長いですね。『町山智浩の言霊USA』っていうコラムがありまして。それを毎年、1冊の単行本にしてるんですけど。もう何冊目になるのかな? もう忘れました。それの新しい単行本なんですけども。
タイトルに込めた意味
(町山智浩)今回、こんなタイトルになったのはですね、アメリカは大変なことになりました。今年7月に「人工中絶の権利を女性の権利としてアメリカの憲法は守らない」という憲法判断を連邦最高裁がしまして。で、アメリカ各地で人工中絶が犯罪になったという事態があって。どうしてそうなったか?っていうことが日本ではほとんど報じられてないんですね。それは連邦最高裁というのは9人の判事で構成されていて、判決を出すんですけれども。その9人中6人がカトリック伝統派、ないしはカトリック保守派と言われる非常に特殊な宗教的なグループの人たちなんですよ。
で、カトリック教徒というのはアメリカ国民のだいたい20%ぐらいなんですね。で、その中のさらに20%ぐらいが中絶とかゲイであるとか同性愛とか、そういったものを一切禁止するって言ってるカトリックの中でも最も保守的で。「伝統派」と言われる人たちなんですね。だからこれ、20%のうちのさらに20%だから、全体の……4%。すごく少ないですね。アメリカの国民の4%ぐらい。それが、なんと最高裁9人中6人を支配しているんですよ。
(赤江珠緒)これ、全然民意にそぐわないじゃないですか。
カトリック伝統派が最高裁判事9人中6人を占める
(町山智浩)全くアメリカの現状にそぐわない状態で。それで次々と判決が行われて、大変な事態になっています。それは日本では報道されてないと思いますんで。それをコラムで、毎週書いてきたんで。どうしてそうなったか?っていう経過を読めるようになってますんでぜひ。これは今、恐るべきことなんで。みんな、日本のカルトの問題ばっかり論じてるんすけど、アメリカは既に司法がそれに乗っ取られちゃってる状態なんで。もう本当に怖いことになってますから。それをちょっと読んでいただけたらと思います。『アメリカがカルトに乗っ取られた!』。文芸春秋です。
(赤江珠緒)はい。今日発売ですね。
(プレゼント情報省略)
(赤江珠緒)いつもの澤井さんのイラストもめちゃくちゃ似ていて、面白いイラストが。
(町山智浩)トム・クルーズとウィル・スミスが飛んでるっていう、とんでもない絵ですけど。ということで、よろしくお願いします。
<書き起こしおわり>