町山智浩 菊地成孔とのゴダール追悼『気狂いピエロ』ウォッチパーティーを語る

町山智浩 菊地成孔とのゴダール追悼『気狂いピエロ』ウォッチパーティーを語る たまむすび

町山智浩さんが2022年10月18日放送のTBSラジオ『たまむすび』でDOMMUNEで配信されるジャン=リュック・ゴダール追悼特集『気狂いピエロ』ウォッチパーティーについて話していました。

(町山智浩)ちょっと告知させてください。今週10月20日(木)の夜7時からですね、インターネットのライブストリーミング配信サイトのDOMMUNEというところで、これは毎月1回、やってるんですが。ウォッチパーティーというのをしてるんですね。映画を1本、皆さんとネット上で見ながら、それに合わせて音声解説を僕が入れていくという番組をやっておりまして。

それで今週の木曜日はですね、先日亡くなったフランスの映画監督ジャン=リュック・ゴダール監督の代表作の『気狂いピエロ』という映画を皆さんとウォッチパーティーをすることになってます。で、このゴダールという人はもうとにかく難解な映画を作ると昔から言われてる人で。

(赤江珠緒)ねえ。以前もちょっとおっしゃってましたもんね。意外とご自身の体験が入ってたりするなんていう。

(町山智浩)そうなんです。見てもさっぱりわからない映画なんですけれども……実はこの映画にはですね、その頃のゴダール監督とその奥さんのアンナ・カリーナという人の破局が反映されてるんですよ。すごく美人女優さんでね。アンナ・カリーナさん。で、その自分の奥さんのための映画をゴダールは作り続けてきたんです。とにかく、かみさんが好きでしょうがなくて。で、とにかく奥さんを綺麗に綺麗に美しく撮ることを彼はテーマにしてたんですよ。

でも、ゴダールさん自身があんまり恋愛がうまくない人で。奥さんが退屈して家を出ていっちゃったんですよ。それで他に男ができたりしたんですけど。で、もう途中からは別居して、離婚する状態になっても、ゴダールは彼女を……要するに前の奥さんになるわけですけど。彼女を主演に映画を撮り続けたんです。

(赤江珠緒)これがすごいですよね。破局してからも?

(町山智浩)で、映画の中で自分で書いたシナリオで奥さんに「愛してる」っていうセリフを読ませたりしてんですよ。

(山里亮太)はー! 不器用なというか……。

(町山智浩)そう。もう愛されてないのに。で、そのシーンは……これは『アルファヴィル』という映画なんですけども。主演の男がその奥さんを壁ドンしてですね。「俺を愛してるって言ってみろ!」って言うんですよ。

(山里亮太)それはひょっとしたら……?

(町山智浩)で、もう自分を捨てた奥さんに「愛してるわ」って言わせてるんですよ。

(赤江珠緒)はー! なんか複雑ですね。

(町山智浩)なんと不器用な。だから「すごく難しい難解な芸術映画」という風に言われてるんですが、その根底にはすごく誰にでもある……「誰でも」はないかな?(笑)。まあ非常に生々しい、愛の物語とか事実が隠されてるんですけども。そういったことを言う人、実はあんまりいないんですよ。ゴダールっていうと、とにかくややこしい映画をややこしく評論する人が多くて。日本ではその評論を読めば読むほどわからなくなるんですね。何を読んでもわからないんですよ。

で、僕はそうじゃなくて、とにかく徹底的にわかりやすく話しますんで。「わからない」と思ってる人もぜひ聞いていただきたいと思いますが。で、その時にですね、ゴダール追悼ということで、ゲストをお迎えするんですが。それはTBSラジオでも番組をずっとされていた菊池成孔さんです。

(赤江珠緒)ああ、はい。

(町山智浩)彼もゴダールとフェリーニが大好きなんで。追悼ということで、2人で話していきたいと思いますので、ぜひお楽しみください。

(赤江珠緒)木曜日の夜7時ですね。

(町山智浩)はい。DOMMUNEです。ということで、告知でした。

<書き起こしおわり>

町山智浩 フランス映画の見方を語る
町山智浩さんが2022年9月20日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中でフランス映画があまり得意でないという山里亮太さんにフランス映画の見方や楽しみ方を紹介していました。
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