山里亮太と町山智浩『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』を語る

町山智浩『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』を語る たまむすび

山里亮太さんと町山智浩さんが2022年9月13日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中でNetflixドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』について話していました。

(山里亮太)町山さんにご紹介いただいたあの『ウ・ヨンウ』がですね、ちょっと手を出すと危険ですね。今、忙しいから一生懸命我慢してますけども。面白いですね!

(町山智浩)もうね、止まらなくなるんですよ。『ウ・ヨンウ』は。今、どこまで行ってます?

(山里亮太)僕、1話を見てめちゃくちゃ面白くて。2話に行ったところで「これはダメだ。仕事が多すぎるから、仕事が一段落したら一気に行こう」っていうことで今、我慢してるところです。

(町山智浩)本当に? 赤江さんはまだ見ていない?

(赤江珠緒)今、ちょっと武道館が終わるまでは、いろんなことに手を出しちゃうとダメだって思って。

(町山智浩)これね、見出すと本当に止まらないよ。

(赤江珠緒)ねえ。こういうのって止まらないですよね。

(町山智浩)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』ですけどもね。主人公の女の子が弁護士で、天才なんですけども。自閉症スペクトラムで、なんていうか、体がいつも動いてるし。自分がクジラが好きなんで、クジラのことを話し出すと止まらなくなったりして。「これで弁護士、できるのか?」って思うんですけども。彼女は法律を全部覚えてるんですよ。でね、よくある話みたいに、じゃあその天才能力で……あの中居正広さんがやっていたドラマがありましたよね?

(山里亮太)ああ、『ATARU』。

(町山智浩)あれなんか、やっぱり高機能自閉症の人がものすごい推理能力を発揮するっていう話なんですけど。じゃあ、このウ・ヨンウは天才だからガンガン、どんな事件でも解決していくのか?っていうと、そうじゃないんですよ。彼女が所属する弁護士事務所は大手なんです。韓国で2番目の大弁護士事務所なんで、担当する事件が大企業の弁護が多いんですよ。大企業とか、政治家とかね。そうすると「弁護をしなくちゃならない依頼人。この人を守りたくない」っていう現象が起こるんですよ。「この人はもう、明らかに間違っている」っていう

たとえば大企業が女性を解雇して。それが不当解雇だと訴えられるんだけど、依頼人は企業側なんで、それを「不当解雇ではない」ってなんとか詭弁でね、弁護しようとするんですけど。彼女は天才だから、それができてしまうんだけど、全然やる気がないわけですよ。それは。

(赤江珠緒)ああ、そうか。心情的には乗っていけないと。

(町山智浩)乗っていけないといけないわけですよ。だから勝ってもむなしいし。逆に負ける時もあるんですけど、負けた時に爽やかな気持ちになるような事件もあって。一筋縄じゃいかない話なんですよ。すっごいよくできてる。

(赤江珠緒)へー!

(山里亮太)1話に1事件なんで。

(町山智浩)そう。でね、彼氏がいるんですよ。その弁護士事務所でパラリーガルをやってる男性がいて、その人がアシスタントとしていろいろ手伝うんですけど、すごいイケメンなの。

(山里亮太)もう典型的な、こういう時の王子様よ。

(町山智浩)そう。完全に王子様なんだけども。でも、すごい都合のいい王子様で、その自閉症スペクトラムの彼女をとにかく徹底的に守るのか?っていうと、そうでもなかったりするんですね。

(山里亮太)ええっ!

彼氏は都合のいい王子様ではない

(町山智浩)彼女の方が「私はこの人のこと、好きなんだ」と思って。それで彼女から「好き」って言われちゃった時に、彼は逃げちゃうんですよ。

(山里亮太)えっ、そうなんだ!

(町山智浩)これ、オチじゃないから言っていいと思うんですけども。「自分はこれから彼女と一緒に暮らしていくことができるのだろうか?」ってことで悩み始めるんですよ。「好きだ」というだけで、果たしてそれができるのか?って。

(山里亮太)いろいろな問題が入っていて。法律の話で、エンターテイメントのある事件とかもあれば、そういう人間関係も……。

(赤江珠緒)で、どれもそんな単純じゃない感じなんだね。

(町山智浩)すごくよくできていて。で、また「じゃあ、彼女と一緒に暮らそう!」と思うんですけど、そうすると友達とか、親戚とかに「お前、彼女を自分の家族に紹介できるのか?」って言われたりね。逆に、ウ・ヨンウの親友がいるんですけど。この親友がまた、非常に素晴らしいんですけど。彼女はね、そのイケメンに「あなた、ウ・ヨンウのことが好きみたいだけど、あなたは死ぬまで彼女を守れるの?」とか言ったりするんですよ。だから甘いドラマにはしないで、厳しく厳しくその自閉症の人がこの世の中で生きていくっていうことはどういうことなのか?っていうのをやっていくんですよね。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)あとね、自閉症の人を弁護するというのもあるんですよ。そうすると、その両親の人がね、「ウ・ヨンウさんに弁護してもらいたくないんです」って言うんですね。なぜかというと、ウ・ヨンウは高機能自閉症なんですよ。でも、高機能じゃない人もいるんですよ。それで「ウ・ヨンウさんを見ていると、自分の息子のことがもう本当にかわいそうになっちゃうから、あなたには弁護をしてほしくないの」って言われたりするんですよね。

(赤江珠緒)いろんな角度からね。

(山里亮太)ああ、一生懸命我慢しようと思っていたのに、見たくなってきた!

(赤江珠緒)アハハハハハハハハッ! 本当に見たくなりますね(笑)。じゃあ、ちょっとこれぐらいにしましょうかね(笑)。

(町山智浩)はい(笑)。ものすごくいいんで。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』、ぜひ見ていただきたいですね。日本でドラマ化するっていうことも進んでいるみたいなんですけど。

(山里亮太)いや、そうだろうなとは思ったんだよなー。

日本でのドラマ化の話も進んでいる?

(町山智浩)そう。日本版キャスト、誰がやるのか?って。これね、女優さんがこれをやったら一世一代の仕事ですよ。

(山里亮太)難しいでしょうね。主人公。誰ができるんだろう?

(町山智浩)そう。これはすごい。あらゆる女優さんが「やりたい!」って思っていると思いますけどね。ものすごいハードルは高いですけど。と、思います。はい。

<書き起こしおわり>

町山智浩『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』を語る
町山智浩さんが2022年8月23日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中で『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』について話していました。
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