吉井理人 佐々木朗希、大谷翔平、ダルビッシュ有の違いを語る

石橋貴明 メジャー挑戦を迷う吉井理人の背中を押した話 石橋貴明のGATE7

吉井理人さんが2022年8月21日放送のTBSラジオ『石橋貴明のGATE7』に出演。佐々木朗希さん、大谷翔平さん、ダルビッシュ有さんの違いについて、3人を投手コーチとして指導した経験から話していました。

(石橋貴明)過去、コーチの時代にダルビッシュ投手、大谷投手、佐々木投手というこのすごいピッチャーたちを見てきた中で、ルーキーだった時代にこの3投手、それぞれなにが飛び抜けてすごいとか。当時、ここは足りなかったっていうのとか、ありますか?

(吉井理人)佐々木朗希は本当に1年目のルーキーから見てるんですけども。ダルビッシュと大谷に関してはもうちょっと仕上がってる3年目、4年目ぐらいから見てるので。始まりの始まりはちょっとわからないんですけども。この3人ともに言えるのは、やっぱりそのさっき言った自分を知るっていうか、自分の見つめ方がすごくうまかったですね。自分がどうなってるか?っていうのを把握するのがすごくうまかったです。みんな。

(石橋貴明)3年目ぐらいで?

(吉井理人)はい。朗希はもう1年目から、そういう感じになってました。言うこともしっかりしてますし。

(石橋貴明)ああ、佐々木くんは1年目から?

(吉井理人)客観的に自分を見つめるのが上手いっていうか、できてましたね。

(石橋貴明)いやー、もうね、1年目のキャンプでブルペンに入って。すごい球を投げているっていうのが新聞だとかテレビで報道されるじゃないですか。でも、さすが高校生の時に160キロ投げてたとはいえ、そんなマスコミが大騒ぎするなんて……まだそんな球、この2月で投げているわけがないと俺は思っていたんで。思わず、吉井くんのところに電話しちゃったんですよ。「ねえ、佐々木朗希ってすごいの?」って。「すごいっすよ! ものすごい、バケモンです」って。やっぱり、その1年目のキャンプからそんなにすごかったですか?

(吉井理人)すごかったです。これ、1年目は全然試合で投げていないんですけども。1年目からデビューできると僕は思ったんですよ。初めて見た時に。

(石橋貴明)かつて、自分も剛腕投手でバシバシ投げていた中で野茂が来た時に「これはあかん」と思ったっていう……。

(吉井理人)ああ、思いましたね。

(石橋貴明)そのクラスですか?

野茂英雄以上の衝撃

(吉井理人)ええと、衝撃は野茂を見た時よりも……やっぱり高卒で、あのひょろっとした体じゃないですか。なので衝撃は朗希を見た時のが大きかったです。

(石橋貴明)マジで? 野茂以上!?

(吉井理人)野茂の時もひっくり返りましたけど、朗希の時もひっくり返りました。

(石橋貴明)へー! だって野茂英雄はその年、投手8冠? 沢村賞から最多勝から何から、全部取っちゃったっていう年の1年目のキャンプより、佐々木朗希の方がすごかった?

(吉井理人)もう一発目は、そうですね。初見は。

(石橋貴明)それで、すぐ使わなかったっていうのはやっぱり、全て首脳陣を含めて、「大事に育てよう」っていう?

(吉井理人)まあ、それもありましたし、そのすごいのを見て。しばらく見てると「これ、試合で100球投げるイメージはわかないな」と思ったんですよ。「3球ぐらいで壊れるんちゃうかな?」と思って。

(石橋貴明)それはもう、あまりにもすごい球を投げてるんで、体がまだ追いついてないっていう?

(吉井理人)そうですね。持たないと思いましたね。

(石橋貴明)実際今、3年目じゃないですか。まだまだ大きくする必要、あるんですか?

(吉井理人)まあ大きくはしなくてもいいんですけど。強く……まあ、強くしていくと、少しは大きくなるんですけども。そんなに、大谷みたいに大きくする必要はないと思いますね。あの感じで強くしていって。

(石橋貴明)それで十分?

(吉井理人)はい。強くすると、トレーニングするんで、ちょっと大きくなると思いますよ。でも、それで十分だと思いますね。

(石橋貴明)一方、ダルビッシュくんとか大谷くんはすごいデカくなっているじゃないですか。

(吉井理人)はい。あれはあれでいいと思います。やっぱりエンジンが大きい方が回復力も早くなるんで。で、あんだけ大きくして動けるんだったら、大きい方が絶対得ですよね。

(石橋貴明)だってすごい大きくなったもんね。ダルビッシュくんも。ある時からグッと。そしたらなんか、出力がまた1個上がったみたいな感じになって。この3人のそれぞれのストロングポイントって、どこですか? 見てて「これだな!」っていうのは?

(吉井理人)ダルビッシュは体もデカいですし、いろんなことを自分でできるというのもありますけども。彼は自分の体がどういう風に動いてるか?っていうのが、もう頭の中でばっちりイメージできる人なんですよ。だから、ものまねとかもすごく上手いですし。左で投げてもちゃんと投げれるっていう。

(石橋貴明)そう! 左でよくキャッチボールしてる画、ありますよね。

(吉井理人)もう空間を把握する能力はすごく、ずば抜けてましたね。

イメージ通りに動きを再現できるダルビッシュ有

(石橋貴明)だからもう、「えっ、こういうの、教えちゃっていいの?」っていうぐらい、全部YouTubeとかで見せるじゃないですか。「この握りでこうやると、こういう風に曲がる」って。「えっ、それ、みんな全部知っちゃうじゃん?」って思うんですけど。

(吉井理人)でも、知ってても、なかなかその通りに体を動かすのは難しいんですけども。でも、ダルビッシュは頭で考えた通りに体が動くんですよね。

(石橋貴明)大谷投手は?

(吉井理人)大谷も似た感じなんですけども。大谷はでも、投げるのはちょっと下手っていうか。

(石橋貴明)投げるのが、下手?

(吉井理人)この2人に比べると、ちょっとぎこちないじゃないですか。投球フォームも。でも、体がやっぱりすごいので。スピードもありますし。たぶん、たとえて言うとあの体で1人、リトルリーグの球場で野球やってるみたいな。そんなような体の動き、スピードとか。そういう感じだと思うんですよ。

(石橋貴明)あんなデカいのに、あれだけ速いスピードを持ってて。

(吉井理人)足も速いですし。バットもデカいのにどんくささが全く感じないですか。あの身のこなしはやっぱりこの子の特徴だと思いますけどね。

(石橋貴明)驚異の飛距離ですか? バッターとしては。

(吉井理人)バッターとして、すごいですね。

(石橋貴明)飛距離は?

(吉井理人)すごいです。もう天才。体もすごいですけども。打つ技術もすごいと思いますね。バッティング見ていたら、美しいですもんね。ピッチングは見てたら、ちょっとほっとするじゃないですか。「ああ、大谷もやっぱり人間か」みたいな。まあ、投球フォーム、好き嫌いはあると思うんですけど。あんまり美しくないですよね?

(石橋貴明)大魔神がよく言うのは「おりゃーっ!って最近、投げている」っていう。

(吉井理人)そんな感じですよね。

(石橋貴明)でも今シーズン、スライダーとかすげえ曲がってません?

(吉井理人)すごいですね。

(石橋貴明)ちょっと肘を下げて。

大谷翔平、驚異のスライダー

(吉井理人)ピッチングも年々、上手くなっているので。この先もどうなるのか、楽しみですよね。あのスライダーはちょっと、教えてもらいたいですよね。どうやって投げているのか。

(石橋貴明)あの曲がり方、ちょっと異常ですよね。

(吉井理人)横に曲がってるんで。オーバースローで投げると普通、ちょっと斜めになるんですけども。本当、サイドスローのスライダーみたいに横にビューンと大きく曲がってるんで。

(石橋貴明)だからこのバッターのケツより向こう側から曲がってくるから。どこかのバッターが「ここから曲がるんだよな……うわっ!」ってベンチに言ってましたからね。「ここから曲がるんだぜ?」って。あれ、ノーチャンスですよね。たぶん。

(吉井理人)すごいです。本当に。

(石橋貴明)いやー、そうですか。じゃあ、それぞれに違うんですね。この3人。

(吉井理人)そうですね。特徴はいろいろと違いますね。

<書き起こしおわり>

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