吉井理人 投手との「振り返り」の重要性を語る

石橋貴明 メジャー挑戦を迷う吉井理人の背中を押した話 石橋貴明のGATE7

吉井理人さんが2022年8月21日放送のTBSラジオ『石橋貴明のGATE7』に出演。登板したピッチャーとの「振り返り」の重要性について、石橋貴明さんと話していました。

(石橋貴明)とにかくコミュニケーションを図っていく中で、選手と考える一環で「振り返り」という。これを必ず行っていたっていう。この「振り返り」っていうのは、なんなんですか?

(吉井理人)これは選手育成の話なんですけども。やっぱり自分をしっかり知ってもらわないと。ピッチャーって、マウンドで「ヤバい!」と思ったら、できもしないことをしだすんですよ。

(石橋貴明)できもしない?

追い込まれたピッチャーが、できもしないことをする

(吉井理人)たとえば、アバウトなコントロールしかない子が大ピンチだってなって。「ヤバい!」って思ったら「もうアウトロー、キチキチを狙おう」って思って。それで投げたとして、その子が投げられるわけないじゃないですか。それで失敗して、ボカーン!って打たれたりとか。カウント3-1で「右バッターのインコース、ビチッと投げたら詰まるだろう」って思っても、そんなん投げられへんのに。で、実際に投げたら真ん中に入ってホームランを打たれたりとか。自分を知らない子はそういうことをするので。

なので投げ終わった次の日、冷静になった時に全部しゃべってもらうんですよ。「この時、どうだった?」って。それは気持ちも含めて。「どんな感情だった?」ってところまで含めて深く振り返ってもらうと、だんだんやっぱり長いことやってくと、その選手たちが自分を知ってくるんで。しゃべることも、結構がレベル高くなってくるんですよ。初めは「昨日、3-2からフォークボール。真ん中高め行って打たれたけど。なんで?」「ああ、抜けちゃいました」みたいな。それがだんだん話していくうちに「あの時はもう絶対に打たれちゃダメなんで、低めに投げようと思ったんですけども、ついやっぱり力んだんで、腕と頭が離れちゃいましたね」みたいな。そういうことが言えるようになってくるんですよね。

(石橋貴明)そうすると、野球脳みたいなもののレベルが上がっていくんですか?

(吉井理人)そうですね。そうなると、マウンドでも自分で切り替えられますし、修正もできますし。

(石橋貴明)落ち着きみたいなものが出てくるんですか?

(吉井理人)そうですね。戦術・戦略も確率のよい方を選ぶことができるようになってきますね。

(石橋貴明)「ここでフォークじゃなくて、実はまっすぐだったんじゃないか」とか、言えるようになるわけですね。

(吉井理人)そうですね。

(石橋貴明)そうすると、キャッチャーとかも含めて話した方が、実はあれなんじゃないですか? 「キャッチャーのサイン通り投げたんだけど、抜けちゃいました」とか。

(吉井理人)初めは何も考えて子はそういう風に言うんですけれども。これ、キャッチャーにはちょっと悪いんですけども。本当はピッチャーが作戦を考えなきゃダメなんですよ。自分がやっぱりどこに投げるかをしっかり考えて投げないとそこには行かないので。

(石橋貴明)キャッチャーのリードよりも、ピッチャーが逆にリードするぐらいじゃないと?

(吉井理人)そうですね。でも本当、最近はキャッチャー任せで配球考えないピッチャーが増えてきてるんで。実力を出し切れてない選手、いっぱいいると思いますよ。

(石橋貴明)ああ、そうですか! 今、これだけ膨大なデータがあって。いろんなものが全て手に入る時代で、ピッチャーが逆に考えなくなっている?

(吉井理人)そうですね。

ピッチャーが考えなくなってきている

(石橋貴明)ピッチャーはもっと考えろと?

(吉井理人)考えろ。自分の特徴をしっかり知ってくださいっていう話ですね。

<書き起こしおわり>

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