東野幸治と永野 NirvanaとOasisを語る

東野幸治と永野 NirvanaとOasisを語る 東野幸治のホンモノラジオ

永野さんが2022年2月11日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』に出演。東野幸治さんが永野さんがOasisとBlurについて話していました。

(東野幸治)で、ラジオネームが「ブラーは青学っぽいに共感」さん。「幻ラジオからのヘビーリスナーです。そこでダディに今、映画館で上映中の『ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ』をおすすめしたいです。イギリスのウェールズの田舎の農園の一部を滞在型音楽スタジオに改修し、70年からクイーンやブラック・サバス、レッド・ツェッペリンなどなど伝説のバンドが名曲を制作し、世に出していく伝説のスタジオのドキュメンタリー作品です。

ちょうど映画『ボヘミアン・ラプソディ』でこの農園でレコーディングするシーンがありました。マンチェスター・ムーブメントのストーン・ローゼズが1年以上もロング滞在したり、数々のロックミュージシャンがここに集い、アルコールと音楽と薬物の日々だったとか。もちろんオアシスもここで『Wonderwall』や『Don’t Look Back In Anger』など名曲を制作した秘話を暴れん坊・リアムが話しています。歌入れしてすぐに近所のパブにばかり行って、酔っ払ってそこの客を連れて帰ってきてノエルに激怒されたり。そりゃあリアムが悪いやろうっていうエピソードも。

一方で優等生のコールド・プレイのクリスが『Yellow』の誕生を語っています。ほとんどのロックファンなら見応えある作品だと思いますので、ぜひ劇場で見てほしい1本でございます」っていう。だから今、やってなかったらどこか探してほしいですね。『ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ』っていう映画です。

(永野)へー、面白そう。

(東野幸治)クイーンはどうなの? 俺、クイーン大好きなのよ。俺、初めて会った洋楽がクイーンの『Greatest Hits』なんですよ。あれで……。

(永野)ああ、はいはい。持ってます。

(東野幸治)あれでクイーンを網羅したんですよ。で、『ボヘミアン・ラプソディ』で俺、衝撃を受けて。

(永野)曲の方ですよね? 映画じゃなくて。僕もそうです。

(東野幸治)「えっ、なんやこれ?」って。「これ、どういうこと?」って。

(永野)「えっ、これ、1曲なの?」っていう。

(東野幸治)っていうところで。ロックオペラって言われて。それから、いろんなそういう……まだMTV前ですから、なんか曲、曲のビデオみたいなんで、フレディ・マーキュリーがもうワンマンですから。雪山みたいなところでギター弾かせたりね、なんか様々な人が寒いながらも曲を演奏してるみたいなのとかが大好きで。

(永野)へー。結構掘っていったんですか? その『Greatest Hits』で……僕、フレディが亡くなった後に当時、『ボヘミアン・ラプソディ』のシングルが出たんですよ。で、それをなんか「ああ、クイーンってあの人か」って買って。「なに、これ?」って思って。

(東野幸治)ああ、そこなんだ。そうかそうか。

(永野)でも、そこから掘らなかったんすね。東野さんはもう、追っかけたんですか?

(東野幸治)もう全部。『Greatest Hits』も持っているから。映像もあるし。今やったらもうYouTubeで全部あるけれども。それを聞いていて、それは前期の集大成みたいな感じで。後期ぐらいからちょっとポップスになったりとか、牛の全身タイツみたいなのとか、全員女装したりとか、なんかフレディのワンマン体制みたいになってくるけど。まあ、それはそれでいいんですけど。なおかつ、当時『ミュージック・ライフ』っていう雑誌が当時あったのよ。

(永野)知ってますよ、僕。ギリギリで。

(東野幸治)で、その『ミュージック・ライフ』がすごいクイーンを推していたんですよ。

(永野)これ、聞きたいんですけど。僕、絶対東野さんはこれに共感してくれると思うですけど。『ボヘミアン・ラプソディ』の映画、あったじゃないですか。あの現象は、つらかったでしょう?

(東野幸治)そう。だからだから不思議なもんで、今みんなすごいワーッてなっているけども。でも全部それ、知ってるし……みたいな。でも別にそれを言ったところでね、「何を言うてるねんな。もうみんな、流行ってるねんからええやん」みたいな。

(永野)そう。言いたがりの、マウント取りみたいな。

(東野幸治)それで当時、フィルムコンサートっていうのあったんですよ。だからその『ボヘミアン・ラプソディ』を大声で歌う上映みたいなの、あるじゃないですか。あれの、言うたらロックコンサートをフィルムで見るっていう時代で。それでそういうのを……行けなかったけど。雑誌に、たとえば「梅田の○○で△月△日にベルリンでのコンサートのフィルムコンサートをやります」とか。そういう時代なんですよ。

(永野)素朴でいいですよね。素敵ですよね。

(東野幸治)みんな、だから生で見られへんから、集まるんですよ。それでワーッと見て、歌う人とかもいて、なんか盛り上がるっていうのがあった時代なんですよ。で、そのクイーンのエピソードもその『ミュージック・ライフ』で知ってるし。最後はフレディ、エイズで亡くなるっていうのも知ってるから。なんか、それを映画にして完コピしてヒットしたからよかってんけど。

(永野)僕はあれ、感動しましたよ。映画としては。だけど、あの現象に覚めてしまって。なんか「お前、クイーンの『く』の字も言ってなかったのに……」って。だから、ディスクエリオンで僕、東野さんが買われた『Greatest Hits』を100円で買ってるんですよ。その映画の前だから誰もクイーンのところなんて素通りしてるし。「うわっ、クイーンが100円だ」って。で、その後、映画の後に見たら、2000円とかになっていて。

で、クイーンをフィルムコンサートで見ていたとか、雑誌で見ていたみたいなのだったらリアルだから、いいじゃないですか。映画って演じてて、まとめてて。なんか「2時間でわかるクイーン」みたいなのを見たやつらが泣いてるわけじゃないですか? そんなの、最もロックから……「ロックはそんな簡単なものかい?」みたいなのもあるし。「お前らの世代のクイーンを追えよ!」みたいな。なんか、後追い、最近多くないですか?

(東野幸治)だから「お前らの世代のクイーンを見つけろ」っていうところよね。だから「流行りに乗っかるな」っていうのがやっぱり面倒くさい大人なんですよね。だからついつい我々、ロックだから。「それはロックじゃないだろう」みたいなのがへばりついてるのよ。これ、めんどくさいのよ。

(永野)もう、僕はそれが取れないと思いますよ。

一番好きな、ナンバーワンアルバム

(東野幸治)一番好きな、ナンバーワンアルバムと言ったら何なの? 俺、なんでも言いながらも、オアシスの『(What’s the Story) Morning Glory?』とか、やっぱり好きなんですよ。

(永野)それは、曲としてなんですか? キャラクターとか込みで? 思い出とかもあるんですか?

(東野幸治)いや、もう全部。やっぱり登場からの快進撃がやっぱり好きなのよ。だから、ドメジャーのスターが……「ビートルズの再来や」言われたんですよ。一瞬だけ。

(永野)そうですよね。実際にね。ですけど僕は17歳でやっぱりニルヴァーナを聞いて。オアシスがその4年後ぐらいに出てきて、すごいポジティブになったんですね。メッセージが。オアシスはたぶんその逆バリだっていう説もあったんで。で、ポジティブになって。「へえ、こんなやつ、いるんだ」とか思ったけど。結構、鬱なロックもあったんですけど、2000年代に入ってロックも時代も……もう今なんて全員ポジティブじゃないですか。YouTuberが大口広げて笑ったりとか、なんか俺にとってムカつく時代が始まったんで。だからなんか、もうオアシスってそれを始めたやつらっていうので、嫌いなんですよ……。

(東野幸治)ああ、なるほど元祖YouTuber(笑)。

(永野)元祖YouTuber。大口を開けて自分の言いたいことを言って。

(東野幸治)でも、ギャラガー兄弟は元祖迷惑系YouTuberですよ(笑)。パブに行って喧嘩したりとか(笑)。

(永野)で、それをなんかみんなが「それもそれでいいんじゃない?」って大人たちも無理して褒めやがって。昔だったらそんなやつ……だから僕、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズが大好きで。オアシスのことを「あのガキども」とか言っているんですよ。そういうキース・リチャーズがいいのに、他の大人とかが今のテレビ界の……まあ、東野さんをはじめとするテレビ界が若手の失礼なやつに自分の好感度のために理解あるふりするじゃないですか。東野さんも。

(東野幸治)もちろん(笑)。フワちゃんとか、すごい笑っているもん、俺。

(永野)笑っているでしょう? 僕ね、出会ってすごいいい子だったから許したものの、テレビだけで見ていてぶん殴ってやろうかと思って。「このガキ!」って。僕、キース・リチャーズだったんですよ。

(東野幸治)でも殴る勇気もないでしょう?

(永野)勇気、ないです。はい。匿名で書き込むことしかできないんですけど。

(東野幸治)フハハハハハハハハッ! 匿名戦士でしょう?

(永野)僕、匿名戦士です。Twitterとか、匿名制賛成派なんで。「名乗れ」って言ってる芸能人、嫌いなんで。「そんなフェアな戦いをなんでしなきゃいけないんだよ?」っていう。匿名、最高じゃないですか。だから、オアシスは「言いたいこと、はっきり言おうぜ」っていう。『Don’t Look Back In Anger』とか。じゃなくて、ウジウジしているニルヴァーナみたいな感情が、そいつらのせいでなしにされたんですよ。今、いないじゃないですか。ニルヴァーナって全く。だから僕はベスト盤はやっぱりニルヴァーナの『Nevermind』なんですよ。

(東野幸治)ああ、やっぱりそれなんだ。そんなにすごいんだ。あのアルバムは。

Nirvana『Nevermind』がベスト

(永野)あの憂鬱さが……みんなが言っているようなことですけども。マイケル・ジャクソン、マドンナ、ブルース・スプリングスティーンとかがワーッといる中で、急にあんな鬱なやつが出てきて。「来た!」みたいな。要は、成り上がったっていうのがロックだったじゃないですか。でも「ダメな俺が……」って。ずっと「嫌だ」って言ってたんですよ。ニルヴァーナは。で、ボーカルとか、自殺したじゃないですか。もうそれが強烈すぎて。すげえ時代が始まったな!って思ってたら、オアシスがそれを終わらせたんですよ。終わっちゃうんですよ。で、なんかやけに前向きなやつがあふれかえって。日本も。「どうしたよ?」みたいな。

(東野幸治)ニルヴァーナのファンって、じゃあ意外とそういうのが……でも、ライブとかすごいみんな盛り上がってるやん?

(永野)盛り上がってるんですけど、やっぱり結局ニルヴァーナに行くようなやつって自分みたいな、なんかその「匿名のアカウントではエミネムぐらい言ったるぜ!」みたいな。そんな弱虫が集まって「うおーっ!」ってやってたんで。それで結局、言うたらちょっと弱いやつらの集まりだったんですよ。アッパーじゃないっていうか。

(東野幸治)それがすごい共感があったっていう?

(永野)共感しました。ニルヴァーナのあの憂鬱さがね、好きで。

<書き起こしおわり>

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