オードリー若林さんが2021年10月23日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中で衆議院議員選挙を前に行われた与野党9党首討論会を見て考えたことを話していました。
(若林正恭)そういえばさ、全然話が変わるんだけど。前さ、このラジオでさ、なんか東京の俺ら世代の芸人ってさ、ガンガン割って入って前に出るような感じじゃない、みたいな話をしたじゃない? アルピーとかさ、澤部とかさ。あと、ルシファー吉岡、ギース、ネタライブに出てくれているラブレターズとかってさ。それでなんか、話したよね? 「誰も傷つかずにのんきにゆるくする番組って面白いのかな?」って言ったら春日は「やっぱり無理じゃない?」って言ってたじゃない?(笑)。
(春日俊彰)そうね。難しいとは思ったけどもね。
(若林正恭)それで今度さ、選挙あるでしょう? それでなんか9党首会談みたいなのをこの間、やってたのよ。
(春日俊彰)ああ、各党の党首の方が。
(若林正恭)で、パネルを入れて9党首が並んでいるのをなんか、見始めたの。そしたらさ、なんかルールが面白くて。ルール説明をする人、MCみたいな人がいて。各党首が各党首に質問する時に制限時間1分。まず、質問が。で、答える人も1分。で、それを聞いて質問をした人が受ける時は、それを聞いてさらに受けるから一往復っていうか、1.5往復っていうか。で、それで受ける時は30秒っていう制限が決まっているっていうことで。そういうルールを説明するの。
それで「10秒前になると赤いランプが点滅します。1分経つと赤ランプが点灯します。時間を守ってください」って言うんだよ。なんか、すごい企画だなと思って。「へー! そういうトーク番組ってどうなるんだろう?」みたいな思いでさ。それで1分経って赤ランプが点灯したら、その9党首並んでるところがデーン! とかなって、真っ赤になったりすんのかな?って思って(笑)。
(春日俊彰)ああ、ねえ。その、ネタとかだったらね、時間切れになったら照明がなったりするもんね。
(若林正恭)M-1とかだと終わっちゃって、出囃子が次、鳴っちゃうじゃん? 「なんかあるのかな?」と思って。ということはよ、そういうルールがあるってことはやっぱり誰かが破らないといけないじゃん? バラエティとしては。
(春日俊彰)まあ、そうだね。
(若林正恭)俺、それ、1分をまず誰がオーバーしちゃって。どんな音が鳴って、どういう舞台照明になるんだろう?って思って。気付いたら2時間半、全部見てて(笑)。
(春日俊彰)夢中だ(笑)。
(若林正恭)ただ、赤いランプが見えないんだよ。画角に入ってないの。だから、視聴者にも右端とかに「○秒」とか丸で出してほしいんだよ。
(春日俊彰)ああ、じゃあ演者の人しか見えてないんだ。党首の人しか。
(若林正恭)そう。ランプを見せなきゃダメよ。あれ、バラエティ強めの制作会社が入んないと……視聴者はわかんないもん。
残り時間がわかりづらい
(春日俊彰)たしかにね。そういうルール説明を見ている人にもされてるってことは、やっぱりそうだよね。ランプがないと。で、だから時間オーバーになった人はいなかったっていうこと?
(若林正恭)いや、それでよ、「時間オーバーになったら、どうなるんだ? どういうものを制作は用意しているんだろう?」って思って。1分の時に。だから、政治だからさ、「ブーッ!」ぐらいでいいじゃん。「デーンッ!」って真っ赤にはならないかな、とか。あと、1回質問禁止とか、そういうルールも……それで、誰が1分オーバーするのかな?ってずっと見ていたんだけども。本当に2回だけ……岸田さんと枝野さんだったかな? あの1回ずつだけ怒られてた。
(春日俊彰)ああ、「オーバーですよ」って。
(若林正恭)オーバーしているのもわからないのよ。ランプが見えないから。「すいません。1分、守ってください」っていうのを2回、言っただけ。いやー、そこさ、あるだろうよ? 演出が。デーン!って。もう「ええっ? ずっと見てたのに……」ってなって。「あの、1分、守ってください。お願いします。そこだけは……」って言われて(笑)。
(春日俊彰)ちょっと軽いね(笑)。
(若林正恭)だからやっぱり議論がごちゃごちゃにならないように。あと12、3人以上の番組だと俺、司会をやらせてもらう時に「いやー、あの人にシュートを打たせてあげなかったな……」って反省しながら帰ることが多いから。このシステムはたしかに均等に質問・回答ができるなって思って、これをバラエティでやったらどうだろう?って想像したら……頭の中の想像、全然面白くなかったね。
(春日俊彰)フフフ(笑)。
(若林正恭)「やっぱり強さで前に出るしかないのか。バラエティって……」ってちょっと思ったけど、どう?
(春日俊彰)なるへそ。整理されすぎてても……。
(若林正恭)整理されすぎてると、クロストークにならないから。だから、そうじゃないよ。9党首会談がやんなきゃいけないことはね。政治だから。なんだけど、「バラエティだとしたら……」って考えたのよね。質問をする時に、1人指名するの。で、回答するの。それに対し1回だけ受けていい。でも、それに対して反論はしちゃいけないの。っていうルールでやっているの。
(春日俊彰)なるへそ。だから、ターンが決まっちゃうっていうことでしょう? それは……そうだね。盛り上がらないよね。「盛り上がりそうだな」と思ったらさ、ターン数が足りなくてさ、しぼんでいくわけでしょう? それは盛り上がらないよ。
(若林正恭)で、それはネットなんだけど。ネットで見終わった後にテレビをつけたら、ちょうど上田さんがね、MCをやってるトーク番組をやっていて。若槻千夏さんが柴田さんに「いつも楽挨拶の時、スターぶってません?」って言って。「おい、ちょっと待て! どういうことだ、それ!」っつって。で、他の人も見取り図とか、アンガールズ田中さんとかも入って、めちゃくちゃになって盛り上がってたのよ。「ああ、やっぱりバラエティってこうなる方がいいんだな」と思ったね(笑)。
(春日俊彰)そうだね、うん(笑)。
(若林正恭)「なんとかこう、みんながいいシュートを決めれるのってないのかな?」ってずっと考えてるんだけど。やっぱりあれで強く前に出なきゃいけないのかと思ったら、ちょっと俺、自信なくしちゃってさ……。自分で割って出るようなタイプじゃないし。大勢の中で。これでご時世が収まってきたらバラエティもきっとそうなるし。俺、やっていけるのかなと思って。ちょっと自信なくなっちゃってるんだよね……。
(春日俊彰)ああ、自分に置き換えてみたら? うん。なるほどな。あの、聞いてる人に言いますけどもね。これ、あの、冗談ですから。
(若林正恭)そうなのよ!
(春日俊彰)いや、「そうなのよ」じゃないのよ。うん。つまらんよ(笑)。
(若林正恭)フハハハハハハハハッ!
(春日俊彰)なんだよ、1回1回訂正してさ。つまらん。ずっと間違ったまま、ずっと行きたいじゃない? ずっと曲がったまま行きたいじゃない? なぜ、そこを戻して、まっすぐにしてさ。毎回。
(若林正恭)うんうん。たしかにそうですね。でも、そう思ってさ。そのシステム、すごいでしょう?
(春日俊彰)すごいね。
(若林正恭)で、その後は党首同士の質疑応答じゃなくて、記者が質問するんだけど。それも1分以内に答えなきゃいけないの。で、すごいぜ? MCはあれはなんか記者クラブの方なのかな? やってるんだけども。1分以内に回答して……すごいぜ? MCが。「最後に簡潔にまとめてください」って言うの。
(春日俊彰)MCの人が?
「最後に簡潔にまとめてください」
(若林正恭)すごくない? バラエティだとしたら。「俺、今からこのテーマで振るけど、短めにコメントしてもらって最後、簡潔に落としてください」って……。
(春日俊彰)緊張するわ!
(若林正恭)フハハハハハハハハッ! いや、でも本当にそれをやっていたよ。9党首は。
(春日俊彰)はー、やっぱりすごいね! うん。絶対に無理よ。
(若林正恭)やってたわ。これ、芸人でルシファー吉岡、向井くん、ギースとか……ノンスタは関西だけども。井上くんじゃなくて石田くんなんかも割って前に出るタイプじゃないじゃん? 石田くん、山ちゃんとかみたいなメンバーでやったらどうなるのかな?って思って想像してみたんだけどね(笑)。
(春日俊彰)怖いわ!
(若林正恭)ティモンディのさ、前田くんとかさ。やったらどうなるのかな?っていう。かならず持ち場があるっていう(笑)。
(春日俊彰)1分のトークを。
(若林正恭)それはそれですべらない話が強い人が強いってことか。ストロングスタイルになるか。逆に、めちゃくちゃ。
(春日俊彰)そうよ。だからその場の感じで何とかやっていくとかっていうのは無理なんだろうね。きっちりと自分でもって、ちゃんとお届けしないと(笑)。
(若林正恭)たとえば俺が春日に「じゃあ春日さん、最近なんかちょっとびっくりした話、ありますか?」っていう質問するとするじゃない? で、1分以内に答えないといけない。しかも簡潔に落とさなきゃいけないの。最後は。それで1分、持たなかったとするじゃない? で、俺がね、「1分、持ってないじゃないの!」って言ったらもう、ここで終わりだからね。これ以上、トークしちゃダメだから。そのルールだと(笑)。
(春日俊彰)嫌だよ、怖いわ、そんなの! 何も言っちゃいけないのね。その後もね。
(若林正恭)そうそう。そういうルールだから。
(春日俊彰)いや、やっぱり盛り上がんないよ。やっぱりやり取りでね、膨らんでいくわけですから。やっぱりその政治の世界はそうなんじゃないの?
(若林正恭)でも、だいぶ変わったわけじゃん。春日さんも5年前とかからしたらさ。今、20人ぐらいいるひな壇で割って入れそう? 今なら。
(春日俊彰)うーん。無理だね(笑)。全然無理。全然無理よ。
(若林正恭)ああ、そう?(笑)。だからさ、やっぱさ、たぶん吉本は劇場があって、企画でもまれるでしょう? エンディングとか企画で。で、東京の事務所って月イチなんだよね。だいたいの事務所がライブが。だからまあ連日、企画でもまれるっていうがのないからさ、みんなさ割って前には出ないのかな?
(春日俊彰)いや、そうじゃない? 出方のパターンを持ってないんだよね。手段を。
(若林正恭)そうなんだよね。だからほら、春日も来てくれた『しくじり先生』でさ、アルピー、ノブコブ、ハライチでやったじゃない? 東京の俺らの世代の芸人って誰も割って入る人じゃないもんね。吉村だけだよね。だから。
(春日俊彰)吉村くん、そうだね。うん。
(若林正恭)だからそれに慣れて……だから静かだもんね。あのネタライブのエンディングも(笑)。
(春日俊彰)そうね(笑)。
(若林正恭)誰もなんか「ちょっと! オードリーさん!」ってやらないメンバーで。それと気が合うしね。俺らも。
(春日俊彰)そうね。告知がある人だけちゃんと手を挙げてね。呼んで、告知して。そこに割って入ってくる人もいない。ちゃんと後ろで待ってね。終わったらまた手を挙げて出てきて、みたいな(笑)。
(若林正恭)ああ、そうかそうか。毎日もまれるとかがあるからか。
(春日俊彰)だからもうそういう風に、出るしかないんだろうね。吉本とか、黙って後ろにいたらなんにも振られもしないし。
吉本芸人は劇場の企画でもまれている
(若林正恭)だから体も筋肉が付いてくるんだろうな。出て失敗して、さらに気づいて……でも、月イチなんだよね。マジの話。今は違うと思うけど、企画をやるって。で、今思うとほら、原口さん、はなわさん、マエケンさんは若手のライブをもう卒業してたのよ。売れていたから。だからそこから下のメンバーでケイダッシュステージってやってたのよ。まだまだトムブラウンとか入ってくる前よ。で、みんな、すごい仕切れる先輩もいないから、今思うと企画めちゃくちゃだったよね。本当にね(笑)。
(春日俊彰)まあ、そうだね。いや、そうだね。うん。今見たら、ひどいんだろうな。Vとか見たら。「なにしてんの?」っていう(笑)。うん。そういうことなんだろうね。
(若林正恭)だから大喜利とかもやり方を知らないからさ。みんな。だから変だったよね。なんかね。出した後に結構長々としゃべっちゃったりして(笑)。
(春日俊彰)ああ、そうだね(笑)。
(若林正恭)そうなのよ。まあちょっとね、コットン西村が、変えてくれるから。コットン西村は「多様性をもっと認めてほしい」っていう人だから。結構芸人界に物申すところもあって。企画をやったのよ。『しくじり先生』で。だから今、西村にハマっておけば……っていうことがあるかもしれない。春日さんも何年後かには。
(春日俊彰)だからその、お笑いお笑いしなくていいというね。従来のね。
(若林正恭)そう。それ、聞いてみようか。後でね。
(春日俊彰)どうなっていくのか、どうしたいのか聞きたいね。だとしたら。
(若林正恭)自分がMCをやるとしたら?
(春日俊彰)西村くんが変えるわけでしょう? どういう方向で……それに我々は合わせなきゃいけないわけじゃない? 新しいお笑いの形に。
(若林正恭)まあ、でも「新しい」って言っても37歳なんだけどね。
(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! まあまあ、そうかそうか。そうだね。20代ぐらいの感じだよな。
(若林正恭)でもちょっとキョンと西村に心配があって。ヒロシが会ったらしいのよ。何日か前にね。コットンに。そしたら目バキバキで2人とも「『オールナイトニッポン』、頑張れますっ!」って言ってたらしいのよ。いや、頑張る番組じゃないのよ。
(春日俊彰)そうだね。
(若林正恭)ちょっと春日、心配ですよね(笑)。
(春日俊彰)そうだね、うん(笑)。
(若林正恭)まあ、この後ちょっといろいろ聞いてみましょう。
与野党9党首 討論会
<書き起こしおわり>