能町みね子 東京五輪開・閉会式 制作演出と小山田圭吾問題を語る

能町みね子 東京五輪開・閉会式 制作演出と小山田圭吾問題を語る ナイツのちゃきちゃき大放送

能町みね子さんが2021年7月17日放送のTBSラジオ『ナイツのちゃきちゃき大放送』の中で東京五輪の開会式、閉会式の制作・演出チームのメンバーが発表された件についてトーク。小山田圭吾さんの過去の発言が問題視されている件やメンバーに男性しかいない件などについて話していました。

(能町みね子)で、あとは小山田圭吾問題になっちゃうんですけども。オリンピック・パラリンピックの開会式の制作メンバーがなぜか、今さら発表されて。当然、随分と前から決まっていたんでしょうけども。決まっていたし、もうプログラムとかも相当に……この時点で進んでいないわけがないので。相当進んで完成に近いんでしょうけども。ここで発表したっていうことはやっぱり、一発逆転っていうのを狙っていたんだろうなって私は思うんですよ。

(土屋伸之)ほう。一発逆転?

開会直前でメンバーを発表した狙い

(能町みね子)なんか、ここでバーンとこのメンバーを発表したら、みんなが盛り上がるんじゃないかっていう。今まで、めちゃめちゃに「反対! 反対!」ってなっていたけども、ここで……まあ、言ってみればサブカルの大物ですよね。特に4、50代に刺さる感じの。

(塙宣之)そうね。僕なんかはまさに聞いていましたけども。

(能町みね子)めちゃめちゃそうですよね。で、FPMの田中知之さんが入っていたり、小林賢太郎さんが入っていたり。あとは、名だたるクリエイターの方の名前がバーッと出ているんですけども。小山田圭吾さんのいじめの問題ってネット上でめちゃくちゃ有名なんですよ。で、やっている人たちだってこれを知らないわけがないんですよ。「ネットでこんなことになっている」っていうのは。たぶん、ちょっとナメてたんだと思うんですよ。「ネットのこんなちょっとしたボヤなんて、このクリエイター大集団のところにはこんな問題はきっと出てこないだろう」っていう風にナメていたんだと私は思うんですよ。

(土屋伸之)世間的には認識されてないから、いいんじゃないかって?

(能町みね子)認識されてないだろうって思っていたんだと思うんですよ。特にこういうメンバーを集めるような人たちは。「絶対にこの盛り上がりは素晴らしいものであって、そんなネットでくすぶっているような話なんて大したものじゃないだろう」っていう風にナメていたんだと思うんですけども。今はもう、たとえば20代とかなんてはっきり言ってコーネリアスとか、あんまり知らないですよね。フリッパーズ・ギターもコーネリアスも知らない。で、「小山田圭吾」で検索をしてみたら、あれが出てきてしまうんですよ。

(土屋伸之)そっちが出てきてしまう。

(能町みね子)もう余裕ですぐにあんなの、出てくるんですよ。だから、もうちょっとナメすぎだなって思っていて。もちろん、このいじめの問題自体はすごくひどい問題だし、絶対に1回、清算しなきゃいけない話だったんですけども。それもしないまま、ずっと今まで来ていて。なんか決定的に「これはダメじゃん」って言う人もたぶん近くにはいなくて。

(塙宣之)そんな感じですよね。

(能町みね子)そのタイミングもなくて。なんかズルズルしたまま「たぶん大したことはないでしょう。盛り上がるでしょう」っていうことでパンと出したという、その恥ずかしさみたいなものをすごい感じてしまって。ちょっと時差で週刊誌のフラッシュのネット記事で「五輪反対派が急にだんまり? 開会式“演出チーム”に『サブカル大物』が集結」っていう記事が出たんですよ。五輪反対派がこのメンバーを出されて。サブカル大物たちが集結していることによって開会式が楽しみになってしまっているみたいな記事がもう、小山田さんの問題が出た後にその記事が出ていて。たぶん、組織委員会の人たちはこういう感じで盛り上がるんだと思っていたんだろうなっていう。ちょっと提灯記事感のあるやつが出てきて。

(土屋伸之)へー。

五輪反対派が急にだんまり? 開会式“演出チーム”に「サブカル大物」が集結 - Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]

(能町みね子)これは、この方向で行くと思っていたんだろうなって。「反対派の人がこれを見て『わあ! すごい面白そう! 見たくなっちゃった!』って言うだろうな」っていう風にたぶんみんな思っていたはずで。

(塙宣之)まあ、ちょっとラーメンズの小林賢太郎さんだと、そんな感じになっていますもんね。

(能町みね子)そうですね。だから「見たい」っていうのは別に否定することではないし。私もたしかにこのメンバーで何かをやるってなったらちょっと見たいなっていう気持ちもありますけども。でも、なんかこのネット世論とか……今、ネット世論って全然無視ができないので。

(塙宣之)そのぐらい、内容もひどいというか。衝撃の……しかも、それを自分でしゃべっているインタビューだからね。

(能町みね子)「(笑)」みたいな感じで語ってしまっているインタビューなので。あれは相当、内容的には全く擁護できないようなことが書いてあるので。

(塙宣之)まあ、それ以外にまた小山田さんって普段から出てこないじゃないですか。

(能町みね子)そうですね。顔を出したり、あんまりしていないですよね。

(塙宣之)だからあれの効力、一発がデカいっていうのがあるだろうしね。

(能町みね子)そうですね。

(出水麻衣)このメンバーのことが英訳されて海外に配信された時、ちょっとその彼のバックグラウンドがどういう風に受け止められるのか?っていうのは、それは外からの目線でも心配な部分はありますよね。

(塙宣之)ラーメンズをラーメンだと思ってバッハ会長が「チャイニーズピープル」って言っちゃったのかな?

(土屋伸之)バッハさんが?(笑)。

(能町みね子)前後が逆です(笑)。

(塙宣之)あ、そう?

(土屋伸之)ディレクターがラーメンズだからって?

(塙宣之)合わせていたわけじゃないんだ?

(能町みね子)ラーメンがチャイニーズだとはたぶん知らないんじゃ?

(塙宣之)そういうわけじゃないんですね(笑)。「ライスの方がよかったんじゃないか?」っつって。

(能町みね子)ライスもまあ、アジア中にありますからね(笑)。あとは、このメンバーが小山田さん問題で私の中で吹っ飛んでいるんですけども。よく見たら男しかいないなっていうのも思っていて。

(塙宣之)それも言われていましたよね。女性が全然いないっていうね。

男性しかいないチーム

(能町みね子)元々、椎名林檎さんの名前があったり、振り付け師のMIKIKOさんの名前があったりしたのに。なんかいつの間にか、「このメンバーなら盛り上がるでしょう」ってバーンって出してきたものが「男の人ばっかりだな」っていうのは思いましたね。

(塙宣之)でも本当に昔、見ていた教育テレビのメンバーみたいなね。

(能町みね子)そうですね(笑)。

(土屋伸之)Eテレっぽい感じね。

(能町みね子)Eテレとかで。ちょっと本業で少しベテラン感が出てきた時にみんな、結構Eテレに行きますよね? あれはなんでしょうね、あのパターンね。

(土屋伸之)なんとなくね。

(塙宣之)あんまり、だからそうですね。興味がある人はあるんでしょうけども。もう来週か。

(能町みね子)来週、やるんですよね。

(出水麻衣)来週金曜日にはもう開会式で。

(能町みね子)なんか信じられないですね。

(出水麻衣)来週のこのラジオの時にはもう開幕していますから。

(能町みね子)でもたしかにここで降りるというわけにもいかない状態になっちゃったから、言えないんでしょうけども。いやー、まだまだこの問題は引きずりそうな気はしますけどね。

<書き起こしおわり>

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