渡辺志保さんが2021年6月28日放送のblock.fm『INSIDE OUT』でTyler, The Creatorのアルバム『Call Me If You Get Lost』について話していました。
(渡辺志保)で、BETアワードといえば、今回のBETアワードではじめてパフォーマンスしたラッパーがいて。それがタイラー・ザ・クリエイターさんだったんですよね。で、タイラーといえば、『INSIDE OUT』を聞いている方ならみんなチェックしていると思いますけども。6月25日に待望のニューアルバム『Call Me If You Get Lost』をリリースしたばかりということで。いやー、もう私ね、泣きそうになっちゃいましたね。このアルバムを聞いてね。もう本当に声がうわずってしまうぐらい素晴らしいアルバムだなと思って。で、サウンド的には前作。2019年に出した『IGOR』っぽさもあり、その前に出した『Flower Boy』っぽさもあり。あとは初期の『Yonkers』とかを歌っていた頃のタイラーっぽさもありっていう。結構これまでの総括っぽい感じでタイラーがサウンドを作ったのかな?っていう風にも少し思ったんだよね。
(DJ YANATAKE)なんか結構90年代のヒップホップの面白いネタを使っている曲が多くて。そのへんもおじさん的には「おおっ!」って思う場面が結構いっぱいあったな。あとは『LUMBERJACK』とかもドラムだけでね。たぶんあれ、ブラックムーンかなんかだと……。
(渡辺志保)あ、グレイヴディガスでしたっけ?
(DJ YANATAKE)ああ、そうそう。サンプリングしていたのはね、グレイヴディガスを使っていてね。ドラムはめちゃくちゃいろんな人が使っている有名なやつなんだよね。
(渡辺志保)はい。
(DJ YANATAKE)でも、ちゃんと遅くなってタイラー節なんだよな。あれ、すごいかっこいい。
(渡辺志保)だから本当、タイラーにしかできない音だなっていう風に思いながら聞いたし。で、私がすごく嬉しい意味でびっくりしたのはDJドラマがずっとうるさいこと。もう本当に本当に嬉しくて! しかも途中でDJホリデーの「Holiday Season!」っていううるさいシャウトも入っていて。私はもう失禁するぐらい嬉しかったんですね。
DJ Dramaをフィーチャー
(渡辺志保)なぜかというと、DJドラマって2007年に1回、逮捕されてしまうんだけども。「ストリートCD」って当時、呼ばれていたCDがあって。正規の流通を通してタワーレコードとかに並ぶようなCDではなくて、あくまでもストリートで取引されるCD。
で、なぜそういうCDがあったかっていうと、まだまだ無名のラッパーたちが自分の名前をプロモーションで広めたいからということで。それで有名なDJの人のところに自分の音源を持っていって。「ドラマさん、これをちょっと売ってくださいよ」みたいな感じでストリートCDを作っていたんですよ。で、そのシリーズの名前が『Gangsta Grillz』っていうシリーズ名で。その『Gangsta Grillz』CDの中には絶対DJドラマの結構うるさめのシャウトがいっぱい入っていたんですね。で、今回のタイラーのアルバムにも「ギャングスタ、グリズィール!」っていううるさいシャウトが入っていたりとか。
(渡辺志保)ドラマが一言、二言、三言とシャウトしているんですけども。それはまさに、あの当時。2007年から2010年代半ばぐらいまでに猛威を奮った『Gangsta Grillz』ミックステープシリーズの様子を再現するための装置っていう感じでずっとドラマのシャウトが入っていて。で、そのドラマのストリートCDで名をあげたラッパーというと、やっぱりリル・ウェインであるとか。あとは50セントとか、ファボラスとか。あとは私、個人的にヤング・ジージーとかも『Gangsta Grillz』で名を一段とあげたMCかなっていう風にも思うんですけども。
タイラーは自分の過去のツイートをつぶやいてましたけども。2010年に「俺も『Gangsta Grillz』のミックステープ、作りてえ」みたいなことをツイートしていて。今回、「やってやったぜ。しかもあれだぜ」みたいな感じでツイートしていまして。なんかその執念たるや……とも思ったし。
DONE. ALBUM* https://t.co/GefohE72LY
— Tyler, The Creator (@tylerthecreator) June 25, 2021
(渡辺志保)私も結構、ノスタルジックな気持ちになってしまったんだけども。そういうリスナー、ヒップホップヘッズは世界中にたくさんいると思いますし。やっぱりあの時の熱気みたいなものを今回、アルバムとしてタイラー・ザ・クリエイターが作り上げたという、そこにもめちゃくちゃ拍手を送りたいという風に思いましたね。で、ドラマさんは何度か来日もしていて。たぶん最初の来日がキャメロットでDJだったと思うのね。で、私はその時に行ったんですけども。そこでドラマさんとちょっと話したんですよ。
で、彼が逮捕されて釈放された結構直後に日本に来ていて。ウィリー・ザ・キッドっていうラッパーと一緒に来日していたんですけども。私もその時、彼と話した内容を当時のmixiの日記に書いていたんですよ。で、今回それをめちゃくちゃ自分で読み返したくなって。何度もログインを試みたんだけども、何回やってもメールアドレスとパスワードが一致しませんっていうことで。で、登録したメールアドレスも定かではなくて。たぶん学生時代に使っていたようなメアドだから、今はそのメールボックスを見れないんですよ。だからどうしたもんかなと思って悶々としていますね。
(DJ YANATAKE)ああー、俺も1個、それあるな?
(渡辺志保)ありますか? mixiね、これはもう一生見れなくていいと思っていたけども、まさかDJドラマの件でまた見たいと思うなんて……。
(DJ YANATAKE)まあ、いつか突破できた日には。
(渡辺志保)そうね。スクショを貼りたいなと思います。なので、ミックステープ的なバイブスあふれるアルバムということで。だからこそ、旬なゲストも参加していて。そのへんもいままでのタイラーのアルバムとは明確な違いを見せているんじゃないかなとも思いました。というわけで、ちょっと長くなっちゃいましたけども。タイラー・ザ・クリエイターの新作『Call Me If You Get Lost』から『HOT WIND BLOWS feat. Lil Wayne』。
Tyler, The Creator『HOT WIND BLOWS feat. Lil Wayne』
<書き起こしおわり>