渡辺えりさんが2021年1月24日放送のTBSラジオ『日曜天国』に出演。安住紳一郎さんと演劇や音楽、娯楽や芸術の役割や重要性を話していました。
(安住紳一郎)渡辺えりさんというと、味のある東北弁を上手に使う女優さんとだけ思っている方もいるかもしれませんが。実は実は、自分で劇団を立ち上げて。そして戯曲を書いて。そして今は日本劇作家協会の会長なんですよね。
日本劇作家協会会長
(渡辺えり)そうなんですよ。日本劇作家協会っていうのあるんですけども。最初は井上ひさしさんが会長だったんですけども。何年か経ったら、私がなっちゃいましたよ。「まさか……」っていう。
(安住紳一郎)いやいやいや。
(渡辺えり)それだけ歳だっていうことですよね?(笑)。
(安住紳一郎)いえいえ、ふさわしい人選だと思いますよ。
(渡辺えり)また、その顔は!(笑)。
(安住紳一郎)そんなことないですよ。その押出しはそういう役職に向いていますよ。
(渡辺えり)ああ、そうですか? でも、とにかく今は「楽しくやりましょう」っていう。なんか「やらなくちゃいけない」っていうことが多すぎると、人間縛られると自由な作品も書けなくなりますから。みんなで、とにかく小さい力でも合わせれば大きい力になるので。今、いろいろと恵まれない人がいっぱいいるんですよ。今、こういう時期ですから。だからとにかく支え合って、みんなが新しい新作をどんどん書いていける世の中っていうのが正常な世の中なので。そのために頑張っているっていう感じです。
(安住紳一郎)また今、演劇人たちも大変な時期なので。協会としての働きかけも大事ですね。
(渡辺えり)大事です。やっぱりね、まあ芸術というか……本も映像もそうですけども。娯楽、アートが一番精神面を支える役割を担っているので。責任はすごくありますね。でもそれを私たちが疲弊して疲れてしまうとダメなので。とにかくだましだまし、支え合って新しいものを作っていきたいということを、その底の底で土台として頑張っていますね。
(安住紳一郎)そうですね。たしかに有事の際には芸能とか演劇は当然、後回しになってしまうというのもわかるんですが。一方で人に元気を与えるというのは……昔のギリシャ、古代ギリシャの芸術劇場なんかは「病院」っていう風に呼ばれていたんですよね。
古代ギリシャの芸術劇場は「病院」
(渡辺えり)それと、戦争でも何でも、有事があるとみんな頭が固くなるじゃないですか。でも、それを自由な発想があれば『シンドラーのリスト』みたいにできるんですよ。臨機応変に「じゃあ、ここでこの人を助けよう」っていう知恵が働くんですよ。演劇とかを見ていれば。ところが、それが遮断されて、上の力の強いものの言うことばかりを聞いていると、みんなが真面目になっちゃって、隙間がなくなっちゃうから。だから本当に殺したりしちゃうんですよ。「待てよ?」っていう、そういう想像力を得るためにも演劇とか映画とか音楽が本当に必要なんですよね。
(安住紳一郎)そうですよね。「気分転換」という意味もありますしね。
(渡辺えり)その通りです。それを安住さんたちがやってくださっているんですよね。ラジオとか番組で。ありがとうございます!
(安住紳一郎)いえいえ。やめてくださいよ、もう(笑)。
(渡辺えり)助かってます!
(安住紳一郎)そんなこと……いや、私もえりさんと話をするとすごく心が柔らかくなります。たまに怒られたりしながらね(笑)。
(渡辺えり)怒ったことないですよ。怒られたことはあるけども(笑)。
(安住紳一郎)いっぱいありますよ!(笑)。
<書き起こしおわり>