2021年1月16日放送の『福山雅治と荘口彰久の「地底人ラジオ」』の中で週刊SPA!の企画「男が選ぶ好きな男/嫌いな男」の収録時の模様をオンエアー。吉田豪さんとともに2020年の「男が選ぶ好きな男/嫌いな男」の顔ぶれについて話していました。
週刊SPAで福山雅治とプロインタビュアー吉田豪が対談していてハッとした pic.twitter.com/IXQJjt4Tr8
— Arai Kaoru (@araikaoru) December 22, 2020
(スタッフ)では、本年度もラジオとSPA!の特集、よろしくお願いします。
(吉田・福山)お願いします。
(福山雅治)「男が選ぶ好きな男、嫌いな男」特集。
(吉田豪)今年、新しいのって……菅田将暉さんは去年、いましたっけ?
(スタッフ)菅田さん、好きな男部門ははじめてですね。綾野剛さんもはじめて。一時は本当に福山さんとイチローさんがいかに競うかみたいな状態がしばらく続いていたんですけども。
(吉田豪)さんまさんの復活はなんでなんですかね? こういう時代だから……みたいな?
(福山雅治)まあでも超越しておられますからね。様々なことを。さんまさんはもう。
(スタッフ)逆にこの菅田さんとか綾野さんに対して思うこととかは?
なんでもできる菅田将暉
(福山雅治)僕は綾野さんは会ったことがないので分からないんですが。菅田くんは仕事で何度も会ったことがあって。非常にこう、何でもできるんですよね。お芝居もさることながら、ファッションもそうだし。音楽もできるし。
(吉田豪)ラジオな人でもあるし。
(福山雅治)ラジオもできるし。バラエティに出た時、トークも……これ、全方位型のタレントを発揮するんですよ。僕なんかの時代だと、突出した……「嚢中之錐」と言いますか。選ばれて出てくる人というのは背景に何かしらのコンプレックスであるとか、複雑な生い立ちであるとか。「そういったものがあるからこそ、こうだ」という合点がいく感じだったんですけど。
菅田くんはそんな感じがないんですよね。あんまりそういうところが感じられなくて。元々、なんかその表現力っていう「表現」のタレントがあって。それで、もうできちゃってるっていう。2000年以降というか、2010年代以降というのは、どっちかって言うとそのタレントだけ、能力だけで突出した人たちが出てきているという。
(吉田豪)「暗い影とかはもう別にいいよ」みたいな感じの。
(福山雅治)そこがもうなくても、能力がある人だけが選ばれるっていう。なんかどうしても僕らの時代はプロレス時代なので。なんかエピソードありきじゃないですか。
(吉田豪)ですね。猪木が大変な思いをして……みたいな。
(福山雅治)なんか、そういうのがあって。「だからか!」って。まあ、イチローさんもそうですよね。すさまじく努力をして、すままじく自分という肉体。その持って生まれたものを最大活用するにはどうしたらいいんだ?っていうところを追求されてきたんだと思うんですけど。なんか才能は才能だけで評価されるという、ある意味フラットでかつ、クリアな時代になってきているような気がするんですよね。それが混在している時代と言いますか。
(吉田豪)僕は常に明石家さんま至上主義的なこと言ってきたので、さんまさんがこうやって評価されるのは嬉しいですね。最近、そのさんまさんの歴史本みたいなのが出て。あれで僕が驚いたのは、あんだけラジオ大好きなさんまさんがラジオ始めたばっかりの時に「若い子と話を合わせるのが辛いから、ラジオやめたい」っていう愚痴をこぼしていたっていう。
(福山雅治)へー!
(吉田豪)そんなさんまさんが今の年齢でまだ若い子と一緒にラジオをやってるんですよ(笑)。
(福山雅治)その「若い子」っていうのは共演者の若い子?
(吉田豪)ええと、視聴者いじりみたいな役割だったらしいんですよね。レポーターとしてやっていて。で、10代のリスナーとかと絡むのが辛いって言っていたのが、いまだにあの歳で10代のアイドルとからみ続けてるわけじゃないですか(笑)。
(スタッフ)そうですね(笑)。たびたび言っているのは、「嫌いな男」はその年のイベントやトピックに左右されるっていうのがありますが。
(吉田豪)スキャンダルにすごい左右されるわけですけど。でも、あれですね。クロちゃんが意外と嫌われてないっていう。あと、ナダルが想像以上に嫌われているっていう(笑)。
(福山雅治)実際にそうなんですかね? どうなんでしょうね?
(スタッフ)最近の露出がちょっとそういうのが多いですよね。やっぱり狂人的な扱いを……。
意外と嫌われていないクロちゃん
(吉田豪)クロちゃんは本物ではあるんだけど、そんなに害がないっていうか。まあ、女癖が悪いとかだとこうなりがちだけど、クロちゃん結局、女癖は悪くはないですからね。で、記者会見とかが洒落にならない感じになってきたのはここ数年ですよね。
(福山雅治)ですよね。
(吉田豪)だって昔はもっと会見にエンタメ要素があったと思うんですよ。不倫の会見でね、その後ろに怒ったカイヤが立っているみたいな(笑)。
(スタッフ)エンタメですね(笑)。
斉藤由貴の魔性にコロっといってしまった川崎麻世はカイヤ同伴で会見をするハメに……。#電撃杉作 https://t.co/T5ueYNsV5j pic.twitter.com/Zi1uTrlsBO
— Airto Mase (@LakeofIllusions) October 16, 2020
(吉田豪)そう。それすらも、その後の物語に続けていこうみたいな(笑)。で、僕がこのランキングを見て思うのは、本当にスキャンダルに敏感というか。さんまさんって特集じゃないですか。あの位置にいながら、スキャンダルって本当に一部というか。それも、基本セクシー女優だのなんだのっていう。共演者と云々みたいなものが本当に出てこない。そのへんでたぶん反発を買わないっていうのはあると思うんですよ。「嫌い」がだって明らかにその年のスキャンダルに左右されているわけで。「好き」の手堅い人たちは意外とそういうのがない人たちっていう。
(福山雅治)その、同じ会社の女の子に手を付けるとかっていうのは相当……恐らく、そこはもう、「そこに手を出すと結果、こうなるのかわかってるのに手出すあなたがやっぱり変なんだよ」ってことなんですよね?
(吉田豪)さんまさんはやっぱり若いうちに痛い目にあって変わったみたいですね。番組で共演する羽目になって。「これはやりづらい」っていう(笑)。
(福山雅治)でもまあ、坂上忍さんなんかはね、これもひっくるめて全部、引き受けてるっていう。
(吉田豪)そうですね。完全にそういう役割をやりきっているっていう。
(福山雅治)「俺、だって全部それを引き受けてるから」という。その覚悟が感じられるんで。
(吉田豪)僕の友人が「今の坂上忍は役者として、昔のみのもんたを演じているだけだ」って言っていましたね。
(スタッフ)鋭いですね(笑)。お二人、今年目にとまった男というか。気になった人っていらっしゃったりするんですか?
(吉田豪)僕はやっぱり仕事をして深く話を聞いて、やっぱりクロちゃんの本物っぷりには感動しましたよね。「ここまでとは……」という。
(福山雅治)「本物」と言いますと?
(吉田豪)ええと、ねえ。マザコン気味で。上京してきた時もお母さんが恋しくて。それでやったことっていうのが、お母さんのネグリジェを持ってきて、それをビニール袋に入れてずっとその匂いを嗅いでいたとか。
(福山雅治)へー!
(吉田豪)それを別に「ヤバい話」っていう自覚もないまま、普通のエピソードとして話せる人なんで。「すごいな!」っていうのはあるじゃないですか。
(福山雅治)すごいですね。すごい。今年の男……僕的には朝倉未来・海兄弟っていうのは去年から、既に日本の格闘技界では話題でしたよね。去年からもう話題で。この2020年に……。
(吉田豪)世間的な知名度もちゃんと上げて。YouTubeでも成功して。
朝倉未来・海兄弟
(福山雅治)でも王道の後ストリートファイトとか、そういったところのそのYouTubeの喧嘩自慢なんか、僕も自粛期間中はよく見てましたけど。やっぱり面白いですよね。喧嘩自慢って。あの企画力も素晴らしいですよね。優れてますよね。だからそういう、なんか格闘議界で振り返った時に前田日明さんや船木誠勝さん、高田延彦さんが今の時代に現役でいて、YouTubeをやってたか?っていうと、ちょっとなんか想像がつかない感じ。
で、YouTubeをやっていたとしても……前田さんはもしかしたら喧嘩自慢をやっていたかもしれないですけども。そういうその企画……動画企画を自分たちで思いついて、動画を自分で編集するって、なんか同じストリートからとか、喧嘩畑からの出身の人でも、今は非常にクリエイティブができる喧嘩出身の人っていうのも新しく感じるんですよね。
(吉田豪)前田さんとかはまあ、「文学が好きで……」みたいな感じで打ち出してきたけど。また違う知性ですよね。朝倉兄弟って。本当にクレバーな。
(福山雅治)「何ができる」とかじゃなくて、ちゃんとしゃべれて、面白くしゃべれる人っていうのが今、求められているから。その人の実績とか、そういうことじゃなくて。しゃべりが面白い人を探せっていう。
(吉田豪)そしてお笑い第7世代的な人たちの名前もかなり入ってきて。
(福山雅治)まあ、菅田くんはだから若手として、すごく全然しゃべれる人だし。
(スタッフ)そこですかね。
(福山雅治)そうですかね。あと、嘘がないことでしょうね。で、嘘をつくのは面白い嘘だったらいいけど、それは非常に技術がいることで。テクニカルな話で。マズい嘘をついて世間をがっかりさせると嫌われてしまうという。やっぱり正直にしゃべれて面白くもしゃべれるって、すごいなと思うんですよね。僕なんか面白くするために嘘つきますからね。
(吉田豪)アハハハハハハハハッ! 「ちょっと盛らなきゃいけないんだけど」っていうね。
(福山雅治)いや、タモリさんもね、だから言ってくれたんで。「つまらない真実より面白い嘘の方がいい」という金言をいただいたので。
(吉田豪)だって1位のさんまさん自体が盛るタイプですもんね(笑)。
(福山雅治)盛ってますよね。どんだけ……「盛り力を見せたらんか!」っていうね。「トークのお土産、もって来や」っていう人ですからね(笑)。
<書き起こしおわり>