宇多丸 寺嶋由芙『みんな迷子』を語る

宇多丸 寺嶋由芙『みんな迷子』を語る アフター6ジャンクション

宇多丸さんが2020年12月29日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で寺嶋由芙『みんな迷子』を紹介していました。

みんな迷子 / あたらしいわたし(通常盤)
テイチクエンタテインメント

(宇多丸)じゃあ森田くん、今回の実際の誌面に載っているものに行きたいと思うんですけども。今回はなにしろ僕はちょっと次にかけるこの1曲にもうやられてしまいました。

(森田秀一)この曲もやっぱり80’sな感じですよね。

(宇多丸)そうですね。80’sテイストですね。寺嶋由芙さん。このコーナーでも継続的に本当に高く評価してきた、あのトミヤマユキコ先生の教え子でもありますよ。寺嶋由芙さん。ご自身も80年代の古き良きアイドリズムというのを……でもご自身が、なんていうかある意味俯瞰してセルフプロデュースしてきたような方じゃないですか。で、非常にクレバーな方で。

今回はですね、要するに最近ってちょっと前まで名前も知らなかったようなサウンドクリエイターがどんどん入ってきて。その人たちがすごいクオリティーを上げているわけ。もう本当に若い世代が上げているんだけども、たまにこういうことがあるんですけど、もうベテランもベテランが乗り込んできてめちゃめちゃいい曲を作っちゃったみたいな! ねえ。中川翔子さんの『綺麗ア・ラ・モード』なんかもそうだけどさ。

中川翔子『綺麗ア・ラ・モード』

(森田秀一)そうですね。

(宇多丸)今回、久々に『綺麗ア・ラ・モード』以来のぶっ飛ばされっていうか。やっぱり本当に大御所、匠の技。作詞が松井五郎さん。作曲が山川恵津子さんという。これ、本当に80年代アイドル黄金期ゴリゴリの時から名曲を生み出し続けてきたような人で。しかも、この2人が作った今回の曲がまあいい曲で。

(森田秀一)なんか音の質感とかは当然の雰囲気がありつつの、やっぱり今のシティポップ感もちゃんとあるんですよね。

(宇多丸)ちゃんと今のイケてるシティポップになってるし。あとね、やっぱり松井さんの歌詞とかがちゃんと寺嶋由芙さんという今の大人なアイドルというか。非常に知性もある、そういうものもピリッと感じさせる……ちょっとピリッと毒気も効いているというか。あのね、見事なもんで。大人のアイドルポップスっていうか。2020年の最新版がちゃんとできてるなと思って。これは本当的に皆さんに聞いていただきたいと思います。寺嶋由芙さんで『みんな迷子』。

寺嶋由芙『みんな迷子』

(宇多丸)はい。寺嶋由芙さんで『みんな迷子』というね。

(宇垣美里)大人!

(宇多丸)大人だし、あとサビでフワーッと広がる感じがもうたまらないですね。

(森田秀一)あと宇多丸さんが原稿にも書いていましたけども。ミステリアスとかアンニュイな感じっていうのが本当に……あの80年代の山本達彦さんとか、ああいう雰囲気がすごいあって。

(宇多丸)ねえ。これこそ80年代にあっても名曲として語り継がれている1曲だよね。

(森田秀一)アナログ盤とかであってもほしいぐらいの。

(宇多丸)でもちゃんと音のミックスの感じとか、本当に今の音楽もあるということで。本当に素晴らしい。まあ年末に困るよね! ベストを決めるのに困っちゃうよねー!

(宇垣美里)いっぱいいい曲が出てきて(笑)。

(森田秀一)悩ませますね(笑)。

(宇多丸)さすがでございます。

<書き起こしおわり>

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