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宇多丸とDJ松永 ラジオを語る

宇多丸とDJ松永 ラジオを語る ACTION
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(宇多丸)もちろん、他のメンバーもいて。まあRHYMESTERもCreepy Nutsに負けず劣らず、仲のいいグループなので。キャッキャキャッキャとやってて。まあ、やってるのは楽しかったし。なんだけど、なんかその僕の理想として。「ラジオだったらこういうことができる、こういうことできる」って溢れんばかりにいろんな熱意があった分、「俺、全然できねえじゃん」みたいな感じで。

(DJ松永)それはしかも、RHYMESTERの活動休止タイミングとかも重なっていますよね?

(宇多丸)そう。『ウィークエンド・シャッフル』というその最初の番組やらせていただいたのはそのタイミングですね。

(DJ松永)ですよね。武道館をやって活動休止タイミングで。それで『ウィークエンド・シャッフル』が始まりますけれども。それは、最初はどうだったんですか? モチベーションはすごい下がってるわけじゃないですか? でも、ウタさん1人で……時間帯もすごい早くなって。自分のやりたいことって最初からうまくスムーズにできたものですか?

(宇多丸)ただ、その自分の冠番組だから。それまでのやりたかったことは全部ぶち込むみたいな。自信とかじゃなくて、でもものすごい意気込んでいました。やっぱり。めちゃめちゃ意気込んでいた。だから初年度はあれなんですよ。「決まったコーナーとか作らない方が。予定調和じゃない方が面白いんじゃない?」なんつって。決まったコーナーを作らずに1年間やったりとかしてて。で、あとでプロの人に怒られるという。

プロの人に怒られた

(宇多丸)「君たちね、やろうとしていることはいいんだけど、聞きづらい」とか言われて(笑)。そうそう。「それはそうですね」っていうことで、そう言ってくださったベテラン放送作家の妹尾匡夫さん、せのちんさんがその後、我々の軍団に加わって。で、たとえば「聞きやすいように整理した方がいいよ。君は話、面白いけど特に映画の話をしている時がすごく、あんなに面白いんだから。あれは毎週やりなよ」みたいな。それで「嫌ですよ!」「いや、その『嫌ですよ』の感じも込みでやるといいよ」みたいな。

(DJ松永)おおっ、なるほど!(笑)。

(宇多丸)「だから君が自分から選んだんじゃない、『見せられてる』っていうテイでやるならばどうだ?」っていうことで。それでサイコロで自分が意図しないものを見るというスタイルができて。だからもうせのちんさん、さすがベテラン放送作家。放送中は表で野球を見てる。放送を聞かずに野球を見ているという、本当にどうしようもねえジジイなんですけども。なかなかね、やる時はやるっていうね。

(DJ松永)フフフ、すごい! で、なんか上手く噛み合い始めたなっていうのは始めてどのぐらいで?

(宇多丸)いやいやいやいや、「噛み合い」っていうのはもう瞬間じゃない? 「ああ、今日はちょっとよかったかな?」とか。そんな感じで。やっぱり「できてねえな」って思うことの方が多いそうですよ。

(DJ松永)うわっ、そうか……。

(宇多丸)えっ、どう? お二人とかも『ACTION』をやっていて?

(DJ松永)俺に関しては、俺は放送……自分はもう減点方式なんで。1日の評価が。

(宇多丸)1日の評価が。仕事に限らず?

(DJ松永)そうそう。仕事に限らず。朝、持ち点が100点で。それをどんぐらい残機を……。

(宇多丸)なんちゅう不幸な考え方をしているんだ、君は?(笑)。

(DJ松永)いや、本当に。どんだけ残機を減らさずに寝れるか?っていう感じだから。ラジオもミスったところしか覚えてないんですよ。

(宇多丸)面白い……まあ、そうか。

(DJ松永)だからミスらず、盛り上がった日は「ああ、なんかへこまずに済んだな。セーフ!」っていう感じになりますね。「あっぶねー!っぶねー!」みたいな感じ。

(宇多丸)でもまあ、その謙虚さ、慎重さっていいんじゃない?

(幸坂理加)悩んだこととかってあります? お昼のラジオで。

(DJ松永)昼ね……昼はやっぱり、ウタさんも時間の変動を経験してらっしゃると思いますけども。そもそも深夜ラジオって、その深夜ラジオのノリとか性質とか、あとはパーソナリティーに理解がある人とか、その人を目的にして、その深い時間をかき分けて、労力を割いて聞くから。そもそも、自分の聞いている番組に対して優しかったりするんですけど。昼って「その時間帯を聞いてる」っていう人が一定数いて。それをパッと聞いて、それが自分に合うかどうかという判断の仕方だったりするから。

こっちがかなり寄せていかないといけない。深夜、あっちは結構自分たちの世界観に合わせてくるんですよね。だから逆だし。あと、番組の性質もまるで違うじゃないですか。すごい……俺、めちゃめちゃ物事に興味のある人に対して若干、コンプレックスがあるんですけども。それこそ、ウタさんとかRに対しても「すげえな!」って思って。全く勝てないと思うんですよ。いろんな人の好奇心とか興味とか情熱みたいなものに。

(宇多丸)でも、わかる。かならずしも自分の得意ジャンルじゃなかったりね、よく知らなかったりとか。もっといえば、そのアンテナもきっちり、ピンとなりきっていないところとかね。そういうところもフラットに受けられるみたいなね。

(DJ松永)そうなんですよ。それを楽しめる才能みたいなのがちょっと欠けてるなと思う分、やっぱり毎週いろんなトピックが展開していって。それを自分が受け手として聞いたりだとか、掘り下げたりするのは俺、不向きじゃないか? とか。

(宇多丸)でもね、ここまで厳しく自己分析できてる時点で君はもう合格ですよ。すごいよ。すごいちゃんとしてるなと思いました。おそらくですけど、幸坂さんはそういう反省とかしないタイプだよ?

(DJ松永)フハハハハハハハハッ!

(幸坂理加)えっ、待って? するするーっ! するよー! します、します!(笑)。

(宇多丸)幸坂さんはね、なんか肝が太いっていうか。なんか動じない感じが……だってさ、この時間帯に乗り込んできてね、癖のある連中をそれぞれ毎日相手にして。なかなか疲弊しそうなもんなのに。なんかそういう気配がないんだよ。

(幸坂理加)いや、ただただ楽しくてやっていたので。「これでいいのかな?」っていう。

(DJ松永)いや、すごいっすよね。そのぶっとさがほしいですよ。

(宇多丸)でも、このぶっとさがあるからこそ、相手のね、それぞれ作家さんだったり、ミュージシャンだったり。いろいろ、いろんなトゲとかデコボコがある人っていうのがいい按配になるというかさ。で、やっぱりこの番組『ACTION』をやって。僕が見ていて松永に本当によかったなと思うのは、そういう「フラットに社会に接する」みたいなところってやっぱり普通に僕らみたいな仕事してると、あんまりないじゃん?

(DJ松永)いや、本当にそう!

(宇多丸)なんだけれども、実際はたとえば今、Creepy Nutsはすごくいろんなメディアに出るようになって。それこそ、本当にこれどころじゃない、もっとゴールデンのさ、誰もが見る番組とかに出るようになった時に、そのフラットに振る舞えるとか、フラットに人と接するっていうことがちゃんとできるっていうのはすげえ武器なんだよ。君みたいな人間でさえ。

フラットに振る舞えることが武器になる

(DJ松永)いや、めちゃくちゃ身にしみます。本当にそう。やっぱりこの番組をやって、「ああ、普通のことをしゃべっていいんだ」って初めてここで実感したんですよ。

(宇多丸)その良さはね、僕は前だったら『小島慶子キラ☆キラ』っていう番組をやらせていただいた時、あれをやっていて楽しくて。要は「ああ、俺は社会と接点を持っている」みたいな。なんかその喜びがすごいあって。だからショッピングコーナーとかもすごい喜びを感じるわけ。「俺、ちゃんと社会と折り合いをつけている!」みたいな。

(DJ松永)めっちゃわかる! 「折り合いをつけている! 社会と接点ができた!」みたいな。あれ、ありますよね。

(宇多丸)そうそう。放っておけばロクな身分証もない暮らしをしているっていうかさ。そういう感じだからさ。

(DJ松永)本当、そうですよ。このヒップホップの業界の人間として、なかなかそういう機会ないですもん。普通にやっている限りは。

(宇多丸)だからこれをすごく、まあ反省しながらっていうのも込みで。でも、すごくしっかりやっていると思ったし。めっちゃこれは糧ですよね。

(DJ松永)本当に。実際、かなり糧になりました。

<書き起こしおわり>

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