安住紳一郎さんが2020年8月2日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で夏本番になり活発になってきたセミについてトーク。仰向けになって道に落ちているピンチのセミを見て、思わず口に出てしまった言葉を紹介していました。
(安住紳一郎)今年はコロナの自粛や梅雨が長かったということで、何となく「もう8月か」という感じで。そんなに気温が高い日も続いていないので、いよいよ今日からかなという感じはしますけれども。今朝、ここまで歩いてきましたが、ようやくセミも本気を出してきたなという感じですね。そうですよね。毎年7月の中旬ぐらいから鳴いてたような気がしましたけどね。
なんか、1匹だけ間違って鳴いてるみたいな感じが1週間くらい続いていましたけども。今朝方ぐらいから、やっぱり何かあるんでしょうね? その1週間のトータルの気温の条件みたいのが。今朝から本気出してましたね。ものすごい音で鳴いてましたね。
ちょうど私の前を小学校1年生の男の子(推定)がお母さんと手をつなぎながら。朝の散歩なのかな? 何か学校の行事に行かなくちゃいけないのか分かりませんけれども。ずっと私の3メートル前ぐらいを同じ方向から進んで歩いてきたんですけども。やっぱり少年も「セミ、セミ!」って言ってまし種。「セミが鳴いてるね! セミが鳴いているね!」ってお母さんにずっと言っていて。
お母さんはちょっとその息子のセミの話が聞き飽きてきたみたいで。そしたら、横断歩道でもうちょっと、ひっくり返ってるセミがいて。「セミが……セミが死んでる!」って言うんだけども、お母さんはちょっと飽和状態に入ってるから、全く関心を示してくれないから。なぜか後ろを歩いてたサラリーマンの46のおじさんに「セミが死んでる」って同意を求めて来たから……。
(中澤有美子)フフフ(笑)。
(安住紳一郎)まあ、少年も夏を感じてるだろうなと思ったわけ。で、「セミ、死んでるね」って思ったけど、マスクをしてるから今ひとつ、柔和な表情も作れないし。なんとなくね、「1人の社会人として面白いことを言わなくちゃいけないな」と思ったから、「セミが死んでるね」って言われたから。「うん、セミファイナル」って言ったんだけどね。でもね、ちょっと面白みが伝わらなかった。
(中澤有美子)フフフフ(笑)。そうね、まだ早かったかな?(笑)。
「セミファイナル」の面白み
(安住紳一郎)まだ早かったかな? うん。この「セミファイナル」にはいろいろ深い意味があって。セミがひっくり返っていても、死んでいるとは限らないんだよね。ひっくり返って、そのままちょっとね、難しい状態に入っていて。それで何か、風のきっかけとかで表になったらもう1度、動き出したりするわけじゃない? なので、セミもセミでそのセミの人生上の大事な状態に入っていて、非常に危機的な状況でもあるんだけれども、まだ大丈夫っていう感じがあったりね。
あとはその、繁殖と生命とのその危機の微妙なところのところを含めての「セミファイナル」っていうことなんだけど、ちょっと伝わらなかっただろうなと思って(笑)。いつか、たぶん気付くんじゃないかな? あの2020に私の後ろをすれ違ったサラリーマンのおじさんのね、「セミファイナル」の意味の深さ。
(中澤有美子)フハハハハハハハハッ! 「これだったのか!」って(笑)。
(安住紳一郎)うん。セミの最期でセミファイナル。ただ、もしかすると決勝戦があるかもしれないというセミファイナルでしょう? ちょっとね、やっぱりぶっつけ本番は危ないなと思ったことはありましたね(笑)。これ、もしかしてだって皆さんにもこの面白さ、伝わってないんでしょう?
(中澤有美子)フフフ(笑)。
「セミファイナル」と言ってしまった理由
(安住紳一郎)面白さは伝わってない。それは、知っている。それはなぜかっていうと、土曜日から私、徹夜してるからですよ? 寝てない人の朝方っていうのは、独自のワールドが広がっちゃうから。俺だって見知らぬ小学校1年生に「セミファイナル」って言いたくなかったけど、なんか言いたくなったんだよね。うん。ちょっとお母さん、クスッとしていたね。
(中澤有美子)ああ、よかった! お母さんに聞こえてよかった。
(安住紳一郎)でもなんか、息子の手を強く引っ張って。「関わるな!」っていう感じで(笑)。「こんな変人とは、関わるな!」っていう感じでグッと掴んで。伝わらんか……伝わらないね。うん。まあ、セミが人々をね、夏にいざなっているっていうことですね。
(中澤有美子)本当にそうですね。
<書き起こしおわり>