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宇多丸 大林宣彦を追悼する

宇多丸 大林宣彦を追悼する アフター6ジャンクション
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宇多丸さんが2020年4月13日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で亡くなった大林宣彦監督を追悼していました。

(宇多丸)そんな中ですね、ちょっとこの番組的にどうしてもここはある程度のボリュームで触れなきゃいけないという件がありまして。映画監督、映画作家の大林宣彦監督が10日(金)、ずっと闘病されてたんですが、肺がんのため死去されました。82歳だったということで。ちょうどね、まさに先週ですよね。大林宣彦さんの新作映画『海辺の映画館―キネマの玉手箱』。これが、当初の公開予定日が4月10日だったということで。公開は延期になってしまったのですが、それに備えて大林作品を見直して……というようなことを柳下毅一郎さんをお招きしてやったという。まあ、本当にその週に。そして亡くなられたのがまさにその公開予定日だったんですよね。

(熊崎風斗)10日の金曜日に亡くなられたという。

(宇多丸)そうなんです。大林さん、2016年8月にもうね、肺がんの第四ステージという。それで「余命3ヶ月」なんてことを言われていながらの、その間もまた何本も映画を撮られたとかっていうことで。我々としてもね、でもできるだけ長くお元気でいてくだされば……という気持ちではいたんですが。という感じなんですね。それで10日も夕方まではコミュニケーションは取れる状態だったが、夜に容体が急変し、奥さんの恭子さんに見守られて……ということなので。ご自宅で、本当にご家族を大切にされている方でもありましたから。安らかに……というところではあれかなとも思うんですが。ええ。

ということで、もちろん葬儀だの何だのみたいなのはご家族で内々にやられて……ということで。後に、『海辺の映画館―キネマの玉手箱』の公開タイミングまでが決まったところでお別れ会とかも……ということらしいんですけども。それで、僕がらみで言いますと先週、その大林宣彦さん特集をやりました。先週ももちろんね、監督のお話を。どこかに出向いてお話をうかがって。収録でもなんとか……とも思いましたけども。もちろん、監督ご自身のご体調のこともありましたし。時勢が時勢でしたのでね、なかなかちょっとそれもかなわぬまま、こうなってしまいましたが。

私と監督が直接お会いした中で言いますと、前の『ウィークエンド・シャッフル』という番組を土曜日にやっていた時代。2012年8月18日に最初に出ていただきました。『この空の花 長岡花火物語』。これがすごかったということで特集に出ていただいて。それから2017月10月21日、2017年12月23日と計3回、お話を直接うかがうという機会に本当に恵まれました。それで、そんな流れもあってこの番組を通じてね、大林さんの作品。もちろん元々ファンでもありましたし。アトロクリスナーの方もその大林さんのご冥福を祈って……というようなメールをいっぱいいただいておりまして。

リスナーからのメール

すごくいっぱいいただいていて、全部は読み切れなくて申し訳ないんですが。代表的なところをご紹介しましょうかね。ラジオネーム「シマネコ」さん。「大林宣彦監督とはタマフルを聞いて初めて出会いました。大林宣彦監督は優しいお爺ちゃんのような声をしていて、平和を愛していて、映像を愛していて、宇多丸さんとの1時間のお話だけで大好きになった人でした。映像作品より前に大林宣彦という人間に私は惚れました。もちろん映像作品は後追いで見ました」。そういう方もいらっしゃる。

「『花筐/HANAGATAMI』を見た時は、いてもたってもいられずファンレターを書いたのですが、書き終わってから読み返すと何だか恥ずかしくて。でもいつか出そうと思って、日記の中に挟んでおいたのですが、ついにご本人届くことなくまだ私の日記に挟まっています。訃報を受けて、私が大林宣彦監督を知ったきっかけになったインタビューをもう1度、聞き返しました。東日本大震災の話をしておられる中で、今の世の中にも通じる知恵をたくさん教えてもらったような気がしたのと同時に、このような人が世界からまた1人、去っていってしまったことが悲しくてやり切れません」ということであるとか。

そうなんですね。その時にね、「正義を振りかざすよりも正気を保て」という言葉がすごく僕はね……要するに、自分の正義というものを振りかざす人はだうたいとんでもない間違いに行きがちだけど、その中で「いや、これはないだろう?」っていうその正気の部分を保てるだろうかと。「正義よりも正気だ」っていうのはこれ、僕もリリックに引用させていただいたりとかしたぐらいでですね、刺さるあたりでもありました。いろんなもう金言がいっぱいあるわけですが。

あと、こちらも行こうかな。「ルサンチマン太郎」さん。「宇多丸さん、クマス、こんばんは。いつも楽しく聞いています。あまりの衝撃に居ても立ってもいられずメールしました。緊急事態宣言が出て外出自粛の空気が強まる中、先週金曜日の仕事帰りに週末、自宅で楽しむ映画を借りるため、新宿の某レンタルビデオ屋さんに足を運びました。いつものように店内の棚を見回してると、ふと目に止まったのが大林宣彦監督の『転校生』。『そういえば先週月曜のアトロク、大林監督特集だったな』と思い出しつつ、恥ずかしながら『転校生』は未見だったので、これはいい機会とばかりに手に取りました」。

こういう機会になったのならよかったですけど。「……家に帰り、早速拝見。見終わって24時すぎ、テレビに切り替え、すぐに流れてきたニュースが大林監督の訃報でした。あまりのタイミングに思わず『ええっ!』と声が漏れました。『転校生』が素晴らしい映画だったのは言うまでもありません。中学生男女のひと夏の思い出という甘酸っぱさもさることながら、子供から男と女になる中で私たちが無意識のうちに引き受け、背負い、折り合いをつけているジェンダーの役割のようなものが男女の入れ替わりという設定によって浮き彫りになっていくのを感じました。ちなみに一夫と一美の背後で執拗なまでに行き交うフェリー、電車、ロープウェイには大林監督の撮影のストイックさがまざまざと感じられ、『アトロクの特集で予習した通りだな』とニヤリとしてました」。

柳下さんが「フェリーが3台揃う」っておっしゃっていましたね。「……私は小学校卒業まで尾道の隣町で過ごしたこともあり、映画の中で映し出される尾道の街並みには懐かしさがこみ上がりました。劇中で2人が待ち合わせ、電車に乗ったJR尾道駅。その駅前から海に向かう途中には小さな映画館がありました」。これ、まさに『海辺の映画館』で出てくる映画館ですよ! 「……幼い頃、母に連れられてそこで見た映画が私の映画の原体験です。新作『海辺の映画館』もぜひ見に行きたいです」。そうですよ。だからもう現場を知ってる方なんだから。ルサンチマン太郎さんは。

「…それまでに卒倒しないように自宅で大林映画を予習したいと思います。大林監督のご冥福を心よりお祈りいたします」ということで、皆さん、たくさんいただいたいて。本当にありがとうございます。で、ちょっとその時、2012年年8月18日にご出演いただいた時の監督と僕のおしゃべりの様子をちょっと、一部抜粋で。「こんな感じでした」っていうのをお聞きください。どうぞ!

大林宣彦監督インタビュー音源

<対談音源スタート>

(宇多丸)ご紹介いたしましょう。大林宣彦さんです。よろしくお願います。

(大林宣彦)この雨……。

(宇多丸)フハハハハハハハハッ! 痛いな! ああ、まさかのコール・アンド・レスポンスを(笑)。ありがとうございます。

(大林宣彦)いやいや、これですっかり。いや、ありがとうございます。宇多丸さんの素敵な番組に招いていただいて。

(宇多丸)ということで、ポッドキャストでお聞きいただいたんですかね? シネマハスラーの方は。

(大林宣彦)はいはい。もうその日の前にも聞きましたよ。

(宇多丸)ああ、もう……中でちょっと若干、ぶしつけな表現等もあったと思うんですけども。

(大林宣彦)いや、なんかね、僕がいらないじゃないか?っていうね。僕よりも僕がよく分かったいるんじゃないかっていうね。

(宇多丸)いやいや、ちょっと……。

(大林宣彦)あのね、ウタちゃん……あ、「ウタちゃん」って言っちゃった。

(宇多丸)いや、「ウタちゃん」いいですよ。「ウタちゃん」でお願いしますよ。

(大林宣彦)その、このね、音楽もそうだけども。まあ「壊れている」っていう風におっしゃったでしょう? 今日はね、芸術家同士だから話が合うと思うのよね。つまりアーティストの仕事っていうのは「壊す」っていうことでしょう?

(宇多丸)はいはい。うん。

(大林宣彦)つまり、いかなるものにも似ないものを作るっていうことが自分であるっていうことでしょう? 映画というのはね、どこかでね、商業主義でね、アーティストじゃないところで作られてきたんですよ。

(宇多丸)まあ、どうしてもお金もかかりますしね。

(大林宣彦)で、僕は商業映画の監督をやったことがない人間なのでね。

(宇多丸)ご自分の意識として。

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