DJ YANATAKE・BULL・DJ ATSU 新型コロナの影響とクラブシーンの現状を語る

DJ YANATAKE・BULL・DJ ATSU 新型コロナの影響とクラブシーンの現状を語る INSIDE OUT

(DJ ATSU)今日、ちょうどお昼に某アーティストと。それこそヤナさんもBULLも知っているような有名なアーティストさんとちょっと会っていた時間があって。まさにその話をしていて。どっちが先に言うかによってその補償の額、仕方みたいなものがあって。まあ結果、その方はその請求書を送られて。それで払うことにしましたって言ってたんですけど。別のアーティストも全く同じことを言っていて。箱がちょっと違うんですけど。そこに結構直面している……要は箱代というやつですね。クラブで言うところの。で、なんかまあ、クラブ側の僕の意見だと、結構お昼の案件というか。デイイベントに多い形にはなってるのかな?っていう。

(DJ YANATAKE)まあ、そうだよね。だからみんななんとなくさ、「ワンマンが延期になりました」とか言っている人を見てね、「払い戻しが……」とか一生懸命やってくれてるじゃない? でも、そこにはそういうことが起きてるっていうね。もうやらないからってイコール、全員がゼロとかじゃないからね。それももう、どっちが悪いとかっていう話じゃなくて。今、俺はここで正解なんか全然出せないんだけど、そういうことが起きているっていうのは分かってほしい。

(BULL)分かってほしいですね。しかも特に今時は個人単位でやってる人も多いじゃないですか。特にストリーミングとか、レーベルに所属しなくてもそういうのができるのはいい時代なんですけど、こうなった時にそういうのはキツいですよ。キャンセルだとかね。

(DJ ATSU)だから政治的な話にちょっとなっちゃうかもしれないですけど、やっぱりトップダウンというか。国からの補償が、そういううちとかクラブ業界だけではなく、企業に対して。特に中小っすね。どういう補償が行なわれるのか? 「補償をするのでお休みいただきたい」という風に要請をもらうのであれば……そういう、よくTwitterとかで言われている「補償と自粛はセットだろ」っていうハッシュタグとか、よく見ましたけど。

自粛の補償問題

まさにその通りで。箱側としても国からの補償が見えないと、従業員を含め補償のしようがないというか。さじ加減も作れないっていう。なんで結構もどかしい、宙ぶらりんな感じというか。それがずっとなんか1ヶ月以上、気づいたらその状態という感じですよね。

(DJ YANATAKE)そう思いますね。他にもですね、これは僕は呼んでいただいたこともある東北の方のクラブのオーナーさんからなんですけども。「今週から休業しようと検討しています」と。あとは同じような立場の人ですけれども。「イベントはもう全部飛んで、毎日バー営業」という。まあ何かをやらなきゃっていうことですよね。それとか、「今、DJやクラブに求めるものは?」という質問をしたんですけども。こちらは……DJの方には「ビートをYouTubeなどで配信してほしい」とか。あと、これは某レコード会社の方。「ライブミックスも楽しいですが、新曲が生まれてほしいです」っていう。まあでもね、ちょっと明るい話かわかんないけど、やっぱりさっきBULLが言ったようにアーティストはかなり制作モードだよね?

(BULL)そうですね。それはかなり感じます。

(DJ YANATAKE)だからこれを耐えぬいた先には、もう今年年末には名曲が爆誕爆誕みたいなことは……スーパーリリースラッシュっていうのはあるような気もしますね。あと、投げ銭制っていうのはやっぱり多いですね。あと、やっぱりすごく多いのは、これはいい・悪いっていうのはちょっと置いときますけど。「インスタライブなどで投げ銭制」っていうのがちょっと今、まあそういう動きをしてる人たちもいるじゃないですか。でも、これが難しいところなんですよね。

(DJ ATSU)難しいところですよね。それこそ曲の権利問題もあるじゃないですか。

DJ MIX配信と投げ銭の問題点

(DJ YANATAKE)そうなんです。厳密に言えばだって、ダメなんですよ。本当に。まあ要するにね、他人の曲をかけて利益を得るわけなんで、厳密に言ったら全然ダメで。そういうのをちゃんとして広めていこうっていうためにblock.fmができたり、WREPができたり、AbemaMIXができたりしているわけなんで。そこは全然そういう簡単な話じゃないんですよ、本当は。だがしかし……ってところですよね。

こういう動きから何か、これが明けた時に今、ここで作られたシステムに今の日本の音楽とか世界の音楽の法律が変わるきっかけになったとして。今、まだやっぱり大変なことがいっぱいあるんですよ。「包括契約」とかいうのもみんな、調べればいいと思うけど。全然簡単じゃなくて。スーパー難しくて。でもそういうものがやっぱり……すごい昔に作られたものなんで。やっぱり今、こういうのをきっかけに変わるべきなんじゃないかな?っていう。

(BULL)ああ、法律の方も?

(DJ YANATAKE)というのも1個あるなとは正直、思っているところなんですけども。でもまあ、ちょっと配信投げ銭に関してはそういう一面があります。でも正しいやり方……「正しい」というか、現状のルールで正しいやり方ができている人もたくさんいます。それも、やっぱいくつかもらったんですけども。たとえばクラウドファンディングとか。なにかね、物を売るっていう方向であれなんですけど。あとやっぱり多かったのが、僕もこれを思っていたんですけども。クラブとかだったらね、ドリンクチケットとかを前もって買っておいてもらうっていうか。これがなんて言うのかな? 投げ銭っていうよりはドネーションっていう感じ? なんですけども。そういうのをやろうみたいなプランはないんですか?

(BULL)後輩にちょっとそういう相談をされたんですけども。まさに俺とATSUさんに。たとえば、各クラブのドリンクチケットをパッケージとして販売して。それを買ってもらって未来に使えるドリチケだとか入場のチケットだとかにして、とりあえずの収入にしてもらうというか。というのはあるんですけれど。それは相談されましたね。

(DJ ATSU)後輩が各クラブが今、大変だっていうのはわかっていて。その上で「こういうことを考えているんですけど……」って。まあ、その後輩も別に自分に利益がどうこうとかは全くなくて。「こういうことを考えているんですけど……」っていうのを資料で送ってくれたんですよね。で、その通常営業ができるようになった時に使えるドリンクチケットだったり、エントランスフィーがフリーになるとか。その分、早い段階で……要はクラブ側としてはキャッシュフローが今、うまく行ってないので現金がない。それで家賃も払わなきゃいけない。従業員、正社員に対してのお金も払わなきゃいけない。「そこに対して現金収入という意味でこういうのを思いついたんですけど」っていうところだったんですけれども。

(BULL)そうですね。

クラブの資金繰りが逼迫

(DJ YANATAKE)僕もでも、そこまでは考えてたんですよ。少しいいアイデアがあるんで、1曲聞いてもらって。ちょっとね、重いトーンになってきたので1曲、聞いてもらった後で俺のアイデアを聞いてもらってもいいですかね。ちょっと明るくいきましょう。ということで、1曲。せっかく来てもらったんで2人の曲もかけたいなと思って。まずATSUくんがご自身のファーストEP『FirstLight』をリリースということでおめでとうございます!

(DJ ATSU)ありがとうございます。

(DJ YANATAKE)そしてそこにBULLさんも参加しているということで。

(BULL)ありがとうございます!

FirstLight
Scotch Entertainment

(DJ YANATAKE)なんかタワーレコード渋谷店のチャートで2ヶ月連続ベスト3っていう。2位と3位っていうことで。結構、地元というか活動拠点で盛り上がるのはATSUいですね。

(DJ ATSU)ありがとうございます。感謝です。

(DJ YANATAKE)結構最近、Jinmenusagiが参加したミュージックビデオが公開されたっていうことで。

(DJ ATSU)ちょうど3日前ぐらいかな? 配信しましたんで。ぜひ俺のチャンネルで見ていただければ。

(BULL)ATSUさんも出ていますもんね。

(DJ ATSU)ちょろっとね。ちょっと悪そうな役で(笑)。

(DJ YANATAKE)公衆電話のところで……っていうやつですけども。

(DJ YANATAKE)ただ今日はBULLさんも来ていただいているのでATSUさんの『FirstLight』に収録されているBULLくん参加の曲をかけたいと思います。これはどういう曲でしょうか?

(BULL)ああ、これは『houkago』っていうタイトルなんですけども。クラブの曲なんですよね。ずっとクラブにいるし。ATSUさんのトラックでやらせてもらうにあたってやっぱりクラブのことを歌わないと。クラブにいる人。で、なかなかクラブに来なくなる人もいるじゃないですか。そういう人たちに対しても「俺らはいつだってまだパーティーをキープしてるぜ」的な。だからこの今の状況にも俺はこれ、とってもいいと思う。

(DJ YANATAKE)いやいや、間違いないですよ。

(BULL)俺らの火は消えてねえし。「収束して落ち着いたらいつでも来いよ」っていうメッセージとして今は聞いてもらったらすごくいいと思う。

(DJ YANATAKE)たしかにそうかもしれない。あとこれ、今バックでかかってるのがね、リミックスで。こちら、配信中なんですけども。今日はちょっとレアバージョンの方をかけさせてもらえるということで。

(DJ ATSU)これ、CDのボーナストラックで入ってて。『houkago』のオリジナルの方なんですけど。タワーレコードの渋谷店で買っていただければこのボーナストラックが聞けるので。

(DJ YANATAKE)なるほど。じゃあ、そちらの方を聞かせてもらいましょう。曲紹介の方をお願いします。

(DJ ATSU)DJ ATSU feat. BULL & YOU-KIDで『houkago』です。

DJ ATSU feat. BULL & YOU-KIDで『houkago Remix』


※オリジナルバージョンではありません

(DJ YANATAKE)DJ ATSU feat. BULL & YOU-KIDで『houkago』でした。オリジナルバージョン、CDに入っております。というわけで、僕のアイデアを言う前にちょっとインスタの方を見てみましょうか。「なんでもください」っていうことで募ったんですけどもね。やっぱりね、「地方のクラブはスペシャルゲストを呼んでいて、イベントが中止になったりとかでもう赤字がヤバい」とか。

(DJ ATSU)ああ、なるほど。

(DJ YANATAKE)そうですよね。それから、「無料で何でも提供するアーティストもいいですけど、やっぱりちゃんとメイクマネーしてほしい」っていう。いや、本当にもうそういうターンに入ってきましたよね。ただやっぱりさっきの投げ銭みたいなのもそうなんですけども、システムを作っておくことは大事だし。それに対していろんなね法整備がされて変わっていったらやっぱりすごいクラブとかDJとかラッパーに武器になると思うんで。それは本当にすごく思ってるんですけど。

タイトルとURLをコピーしました