町山智浩 ロックダウンから2週間が経過したアメリカの暮らしを語る

町山智浩 ロックダウンから2週間が経過したアメリカの暮らしを語る たまむすび

(町山智浩)そう。クオモさんがたとえば「人口呼吸器が必要なんだ。3万台必要なのに、トランプ大統領は400台しか送ってこない!」って朝に言うんですよ。そうするとすぐにその日の昼、トランプ大統領が「なにを言ってるんだ、あの野郎!」みたいな感じで。「君は昔、『もしこういう事態になってパンデミックみたいなことが起こった時に、何万台の呼吸器が必要だ』という計算が出た時に買わなかったじゃないか!」って言うんですよ。でも、そんなもの、いつ来るのかわからないじゃないですか。ねえ。「その時に予算を割かなかったじゃないか。そんなやつには送れないね」とか言ったりね。

(赤江珠緒)ええっ? そんな赤裸々に?

(町山智浩)すごいですよ。テレビでですよ? あとね、すごかったのはね、「『何で送らないんだ?』ってクオモくんは言うけれどもね、人にものを頼む時には頼み方ってものがあるよな?」とかってテレビで言うんですよ。

(赤江珠緒)ええっ?

(町山智浩)もうすごい喧嘩してて。テレビで全部それが見れるっていう(笑)。

(赤江珠緒)へー! そうですか。じゃあテレビの放送なんかも随分変わってるですか? 今までとは。

(町山智浩)放送はね、すごい変わっていて。今、もうドラマとかも全部新しいのは作ってないんですけども。だからやってるのはニュース番組とか天気予報とかだけなんですよ。あと、アメリカは夜にかならずお笑い番組、トークショーがあって。その日に起こったニュースを振り返ってギャグにするっていうのがあるんですね。それ以外はもうほとんど番組が無いんですよ。

(赤江珠緒)じゃあ、その間は休止しているということですか?

(町山智浩)再放送とかそういうのをやっています。だからトーク番組とかもやってますけれども、自宅からトーク番組をやっているんですよ。

(山里亮太)へー! できるんだ。

自宅からトーク番組を放送

(町山智浩)やっている。だから、いろんなソフトがあるじゃないですか。SkypeだったりZoomだったり。それを駆使してやっていますから。面白いのはね、自宅でやってるからこの人たち、コメディアンとかね、キャスターとか。あと天気予報士も自宅でやってるんですよ。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)その人たちの家が見えるっていう(笑)。「ああ、結構いい家に住んでいるな!」っていう時もあるし、「この人、なんかダサいものが置いてあるな」とか。みんな言ってますよ(笑)。「なんだ、これ?」とか言っていたりね。あと、バンドの演奏なんかもそういう会議ソフトでやっていたりしますね。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)あと、面白いのがね、子供が出てくる。

(山里亮太)ああ、そうか! 収録中とか配信中に?

(町山智浩)そうそうそうそう。あのね、学校が全部自宅授業になってるから。だから家に子供がいるんですよ。それで託児所とかも全部、もう今はやってないんですよね。閉鎖しちゃって。感染しちゃうから。だからちっちゃい子もみんな家にいるんですよ。で、奥さんも家にいますけどね。奥さんの職場も全部閉まっちゃってるから。

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)だから、時々足元をちょろちょろとなんかよくわからないものが歩いてたりしますよ(笑)。

(山里亮太)フフフ、ちょっとレアな映像がそこで。

(町山智浩)そう。これはね、昔ね、北朝鮮がミサイルを撃った時にイギリスのBBCテレビが韓国に住んでいる北朝鮮問題の専門家の自宅にSkypeをつないで質問をしていた時、そのお父さんが北朝鮮について解説していた時に、娘と息子……赤ちゃんみたいなよちよち歩きの子供が2人、来たってめちゃくちゃになっちゃったっていうことがあったんですけどね。

(赤江珠緒)その映像、見ました。

(町山智浩)ああ、見ました? かわいいでしょう? ねえ。あれがアメリカ全土で起こっている状態です(笑)。

(赤江珠緒)そうなりますよね。すごい深刻な話とかを大人が仕事でしているんだけども、頭におもちゃの飾りとかをつけた子供がガチャッとか開けてね(笑)。

全米中で子供と共存しながら仕事をする

(町山智浩)そうそう。勝手に膝の上に乗ってきたりとかね。それで今、全ての会社が自宅作業なんですよ。だから全ての会社で子供が平気で膝に乗ったり、「ママ!」とか言っていて「ちょっと待って!」とかって言っている状態でみんな、働いてるんですよ。だからね、これはすごくいいことだと思う。だって「会社に子供は連れてくるな」って言うけども、別に連れて行ったっていいし。別に家で仕事してもほとんど変わらないし。「最低限のことだけ会社でやればいい」っていうことになってくるから。それで要するに「職場に子供を連れてくるな!」みたいな文化もあるじゃないですか。特に日本の場合。これはもう「そんなものは意味がないんだ」ってことになってね、いいかなっていう気はします。

(山里亮太)まあ、これをきっかけに……っていう。

(町山智浩)そう。ただ、やっぱりもう2週間もみんな家にいるんでね、鬱々たる気持ちになってきているんですよ。

(赤江珠緒)それはデメリットも大きいですよね。

(山里亮太)ロックダウンってね、日本もずっと噂されているんですよ。「もうそろそろ、ひょっとしたらなるんじゃないか?」っていう。先にやっているところから、気をつけるポイントとか。もしくはこういうのがあったらいいなっていうのはあったりするんですか?

(町山智浩)やっぱりね、友達とSkypeとかZoomとかで話をしないとストレスがすごく溜まるんですよ。で、世界中どこもそうなんだけど、夫婦仲がみんな悪くなってるよ。

(赤江珠緒)フフフ、ああ、そうですってね。中国とかもね、離婚届を出す人が増えたとかね。コロナの時とかに。

(町山智浩)そう。だってもうずっと同じ人といるんですよ?

(赤江珠緒)やっぱりずっと同じ環境で煮詰まるんですね。

(町山智浩)そう。それってめったにないんですよね。新婚当初とかだったらいいけどね。

(赤江珠緒)フフフ、たしかにそうですね(笑)。

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