町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でジェニファー・ロペス、コンスタンス・ウーなどがストリッパーを演じた映画『ハスラーズ』を紹介していました。
(町山智浩)いま、取材できているデトロイト。僕はちょうど10年ちょっと前。2009年に取材に来ているんですね。その時には、クライスラーとかフォードとかGMとかが金融危機によって経営破綻して……2008年10月に金融危機があって、僕は2009年1月に取材で来ていたんですけども。で、自動車を作っているその三大メーカーが破綻をしまして。経営者が変わって、労働者が街中に出てデモとかストライキをしているという状況だったんですよ。
(赤江珠緒)デトロイトはね、その影響が大きかったでしょうね。
(町山智浩)で、大変だったんですけども。それより、僕がはじめて来た時に衝撃的だったのは、街中が廃墟だったんですよ。1980年代ぐらいから自動車産業がダメになって。で、デトロイトってたぶん世界中の市の中で最も大きいぐらい、市の面積が巨大なんですね。広がっちゃったんですよ。自動車産業であまりにも人口が増えたのでどんどんと街が巨大になっていったんですけども。そこから、その自動車産業がダメになった後、人口が減っていくのに街自体がデカいままだったから、空き家だらけになっちゃったんですよ。それだけじゃなくて、中心部にあったいろんな企業の雑居ビル……高層ビルなんですけども。それこそ100階建てとかの。それが空きビルになって、それが巨大な廃墟になってそこら中にそそり立っていたんですよ。
(赤江珠緒)それはなんとも言えない景色ですね。
(町山智浩)あのね、ものすごい高層ビルが上の方までガラスが割れている状態ってね、核戦争後の世界みたいですよ。で、そこら中が瓦礫の山で。人は誰もいないし。本当に滅んでいるような街だったんですけども。今回来たら、全然違うんですよ。
(赤江珠緒)えっ、復活しました?
(町山智浩)もう廃墟とか、ほとんどなくなっていてピカピカになっているんですよ。で、「どうして?」って聞いたら、まずその街の中心部が前にも紹介しましたけども。1967年にあったデトロイト大暴動。それで街の中心部が怖いということになって、白人の人とかが郊外へと逃げていったんですね。
(赤江珠緒)うんうん。
(町山智浩)で、そこからデトロイト中心部の空洞化が始まったんですけど、いまどんどんと郊外に出ていった人たちの次の世代の若い人たち……ハタチから30ぐらいの人たちがどんどんと街の中心部に戻ってきて住み始めているということなんですよ。だから日本もそうですけども、一時郊外にみんな引っ越しちゃったでしょう? で、春日部とか通勤にものすごく時間がかかる……それこそ市川とか。東京から通勤で1時間ぐらいかかるようなところにみんな家を持って。子供ができるからっていうことで広がっていったんですよね。
(赤江珠緒)うんうん。
(町山智浩)で、まあ高島平とかもその一部ですけども。とにかく東京の中心がどんどん外に逃げていったんだけど、その子供たちはそこが嫌だっていうことで中心部のタワーマンションとかにいま、住むようになりましたよね。同じようなことが起こっていてデトロイトも街の中心部に人が戻ってきているんですよ。
(赤江珠緒)そういう揺り戻し的な感じで街が戻ってきている?
(町山智浩)そう。だから東京周辺とアメリカの各地でも郊外の住宅地に住んで、行くところはショッピングモールしかないっていう生活で育ってきた子供たちがハタチ、30ぐらいになって「こんなのはもう嫌だ!」っていうことで、そこから脱出して市の中心部に戻るっていう面白い現象が起こっているんですよ。これはなんかすごいなって思って。逆に言うとその郊外の方がいま、空洞化してきていて。ショッピングモールとかが廃墟化しつつあるんですよ。
(赤江珠緒)なんか不思議ですけども。そうなるんだ。へー!
(町山智浩)で、その2008年の金融危機の話を描いた映画を今日は紹介します。(BGMを聞いて)懐かしいですね。これ、赤江さんだったら聞いたことがあるんじゃないですか。聞いたこと、ないですか?
(赤江珠緒)「聞いたことあるか」と言われると……でも、そんなにはっきりとは覚えてないな。
(町山智浩)そうか。これ、80年代に大ヒット曲なんですけども。ジャネット・ジャクソンの曲ですね。これ、めちゃくちゃヒットしたアルバムなんですけども。これが主題曲になっているのがこの『ハスラーズ』っていう映画なんですが。この曲は『Control』っていう曲ですね。「支配する」っていう意味なんですけども。この映画はストリッパーの方たちの物語で支配、コントロールをしようとしたストリッパーの方々の話なんです。それで『ハスラーズ(Hustlers)』っていうタイトルは「ハスラーたち」っていうことなんですけども。この「ハスラー」は「ハッスル(Hustle)」っていう言葉が語源で。で、このハッスルっていう言葉は日本ではもう使っていないですよね?
「ハッスル」の本当の意味
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— Hustlers (@HustlersMovie) September 7, 2019
(山里亮太)そうか。プロレスで1回、流行りましたけどね。
(赤江珠緒)「ハッスル、ハッスル!」ってね。
(町山智浩)「ハッスル、ハッスル」って普通、どういうところで聞きますか?
(山里亮太)呼び込み?
(町山智浩)そう。なんの呼び込み?
(山里亮太)お店の……ストリップとかね。「お兄さん!」って。
(町山智浩)日本ではストリップ、ないですよね。ストリップっていうジャンルがほとんどなくなっちゃって。少ししか残っていないですよね。「ハッスル」って、ピンサロの呼び込みでしょう? ねえ。聞いたこと、ない?
(山里亮太)聞いたこと、ありますよ。
(町山智浩)僕もね、ピンサロって実は行ったことが1回もないんですけども。「お客さん、ハッスル、ハッスル!」って呼び込んでいるじゃないですか。でも、本当はハッスルってそういう意味じゃないんですよ。日本ではハッスルって「がんばる」っていう意味だと思われているけども、ハッスルは「無理やり金をもぎ取る」っていう意味なんですよ。
(赤江珠緒)ええーっ? それをお客さん相手に言ったらものすごく変ですね。
(町山智浩)そう。おかしいんですよ。だから、わかって言っているんだなって思いますけども。呼び込みの人は。「ハスラー」っていう言葉でギャンブラーをイメージすることがあるんですけども。それは要するに無理やり金を稼ぎとろうというような博打打ちのことをハスラーって言うんですよ。ハッスルっていうのは道端で麻薬を売ったり、売春をしたり。そういうことで必死になって稼いでいる人たちのことをハスラーって言うんですよ。
(山里亮太)へー! 全然イメージと違う。
(町山智浩)そう。日本では完全に勘違いされているんです。「She’s hustling.」って言ったら「彼女はなんかアコギなことをしてぼったくろうとしてるね」っていう感じなんですよ。で、この映画はストリッパーの人たちが究極のぼったくりをするっていう映画なんですね。
(山里亮太)すごいのがテーマになった映画だな……(笑)。
(町山智浩)だから『ハスラーズ』っていうタイトルは「ボッタクラーたち」っていう感じなんですよ。日本語だと。で、これ、実話です。実際に起った事件ですけども。2008年のウォール街での大変な金融危機があった前後の話なんですね。で、主人公はデスティニーという源氏名、ストリッパーとしての名前を持っている女性なんですが、アジア系の女性です。主役を演じているのはコンスタンス・ウーという女性で。この人はアメリカで大ヒットしたアジア系ばっかりのラブコメディ。僕も紹介したと思うんですけども『クレイジー・リッチ!』という映画のヒロインですね。
(赤江珠緒)ああ、うんうん。
(町山智浩)これ、見ていないですよね? アメリカでは全員アジア人のキャストで大ヒットしたラブコメディなんですけども。それの主役だったコンスタンス・ウーがここでストリッパーを演じているんですよ。
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(赤江珠緒)黒髪の美女が。はい。
(町山智浩)で、ストリッパーなんですけど、あんまり上手くないんですね。で、アメリカのストリップって日本のストリップと違って、1人がステージの上で踊ると、その人が踊りが上手いとみんながお金を……1ドル札とかお札を持っていって投げ銭をするんですよ。お札だから投げ銭っていう感じにはならないんですが、ステージがお金でいっぱいになるんですよ。
(赤江珠緒)うんうん。
(町山智浩)踊りが上手ければ。でも、このコンスタンス・ウー演じるデスティニーはどうも踊りがダメで。お金はパラパラとしかステージに来ないんですね。で、その彼女が新人で苦労している時に輝くような、その店でいちばんに稼ぐとんでもない人が出てくるんですよ。それをジェニファー・ロペスが演じているんですね。この人はロマーナっていう名前のストリッパーなんですけども。で、ジェニファー・ロペスがポールダンスをするんですが、それがあまりにもすごいんですけど、ストリッパーの人とかウェイトレスとか、女性までみんなうっとりと見つめてしまうというすごい踊りをみせてくれるんですよ。
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(赤江珠緒)ふーん!
(町山智浩)エロを超えてね、なんか芸術を見ているような神々しさがあるんですよ。
(赤江珠緒)はー! ちょっとアスリート的な筋肉もありますもんね。
(町山智浩)そうですね。もうなんかね、女神みたいな感じですごい踊りをするんですけどもね。これ、すごいのがジェニファー・ロペスって50歳ですよ?
(赤江珠緒)はー!
(山里亮太)いま、手元に写真がありますけども。全く見えないもん。
ジェニファー・ロペス(50歳)
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(町山智浩)この体、すごいですよね。もう50でこれだから……56のブラピもすごかったですけどね。
(赤江珠緒)そうでしたね(笑)。
(町山智浩)ねえ。あの腹筋とかすごかったですけども。すごいですよ。このジェニファー・ロペスの50歳のストリッパーはね。びっくりしたんですけども。で、それを見た売れないストリッパーのデスティニーが彼女に弟子入りをするんですね。で、「どうやったらそんなに踊れるようになるんですか?」って。そこから特訓物みたいになっていきますよ。「こういう風に鍛えなきゃダメなのよ!」みたいな感じで。それでやっていくんですけど、それはね、金融危機の前の話なんですよ。
(赤江珠緒)はい。
(町山智浩)で、アメリカは金融危機になった2008年の10月まではものすごいバブルだったんですよ。ブッシュ政権の最後の年だったんですけども、サブプライムローンのよるバブルだったんですよ。だから彼女たちが働いているストリップクラブっていうのがニューヨークのマンハッタンにあるんですね。だからお客さんはみんなウォール街の証券マンが多いんですよ。だからもう、ものすごい金を使うんですよ。
(赤江珠緒)じゃあ、もう景気よく。
羽振りのよかったウォール街の証券マンたち
(町山智浩)景気よく使うんですよ。で、彼らはそこでシャンパンを買うんですね。そうすると、シャンパンルームっていう個室に連れて行ってもらえるんですよ。そうすると、1 on 1とか1対2とかでストリッパーが密着した踊りでサービスしてくれるんですよ。膝の上に座ったりとかしてね。抱きついたりして。で、1曲ごとに客はそこでチップを払うんですけども。そこで1回ごとに100ドル(1万円)とか200ドルとかをその証券マンたちが払っていくっていう時代だったんですね。いまから11年前ですか。で、この主人公たちは大儲けしていくんですけども、それが大崩壊するわけですよ。
(赤江珠緒)そうですね。うん。
(町山智浩)10月にそのサブプライムローンっていう、本来なら住宅ローンを組んでもらえないような収入のないような人たちに対して、いろんな金融機関が片っ端から住宅ローンを彼らに許してしまって。で、それをなぜ許したのかというと、その住宅ローン自体を債権として別の人にまた売りする。転売をするんですね。で、その転売をする際に、金融商品の中に混ぜて転売をするんで、買った方はそこにサブプライムローンが入っていることを気がつかない。そういうことをやってばらまいたんで、結局住宅ローンを払えない人たちが出始めた段階でそのサブプライムローンバブルが崩壊をしていくわけですよ。それが2008年。日本では「リーマンショック」って言ってますけども。アメリカでは誰もリーマンショックとは言わないんですけども。
(赤江珠緒)ああ、そうなんですね。
(町山智浩)あれ、日本だけです。そう言っているのは。まあ、金融危機なんですね。それですべての人の生活がめちゃくちゃになっちゃうんですよ。それで彼女たちはストリッパーをやっていたんですけども、その後に結婚したり、別の仕事をしたりして子供を作って、また離婚してシングルマザーになったりとかしていたんですけども。そっちの方の仕事も全部崩壊しちゃうんですね。金融危機のあおりを受けて。で、もう全然仕事がないっていうことで、その時には本当に仕事がなくて。「ウォール街を占拠せよ」っていう運動が起こったんですけども。就職をこの時、若者たちも全然できなかったんですよ。で、一流大学を出ても就職できないから、道端で野宿をする。で、野宿をするんだけども、嫌がらせをするためにウォール街の公園でみんなで野宿をしていたんですよ。
(赤江珠緒)へー!
(町山智浩)それがウォール街を占拠せよっていう運動なんですが。その時になっちゃうんですね。で、彼女たちが食えないっていうことで、またストリップクラブに戻ったりするんですけども。このデスティニーとジェニファー・ロペス演じるロマーナがね。でも、お客さんが来ないんですよ。金融危機しているから。で、チップの払いも悪い。それでいろいろとしていると、「あれはウォール街のやつらがやったんだ」っていうことがわかるわけですよ。
(赤江珠緒)うんうん。
(町山智浩)「あいつらが金融危機を起こしたのに、誰も処罰されていないじゃないか。誰も刑務所に行っていない。これはおかしい! じゃあ、やつらをちょっと『釣り』しましょうよ」っていうことで、そこから始まる話なんですよ。
(赤江珠緒)はー!
(町山智浩)で、ウォール街の近くに行って、すごいいいスーツを着ている人を追跡すると、そのウォール街のものすごいトップクラスの金融マンたちが行くクラブっていうのは限られているんですよね。で、そういうところで高い酒を飲んでいる、いいスーツを着た人たちに近づいていくんですよ。餌となる女性が。で、よく見て彼らの服がちゃんときれいなのか、靴もいい靴なのか。で、クレジットカードがブラックカードなのかとかね。ブラックカードってご存知ですよね?
(山里亮太)いちばん限度額がなにもない、すごいカード。
(町山智浩)限度額、まああるんでしょうけど。1回に1000万とかのね。で、年収がすごい人にしか支給されないというそのブラックカードを持っているかとか。後は結婚指輪をしているのかとか、そういうのを見て。「こいつは大丈夫だ」って思った人に近づいていって「ちょっと飲みましょうよ」みたいなことを言うわけですよ。逆ナンみたいなことを。で、飲んでいると「あ、私、友達と待ち合わせなの」って言ってその友達という形になっているストリッパー3人組が後からやってくるわけですよ。で、女4人でその証券マンを囲んで、なんかいい気持ちにさせて。ハーレム状態にして。で、「私たちはストリッパーなんだけど、私たちが働いているお店に行かない?」って言って連れて行って。で、そこで彼の飲んでいるお酒にエクスタシーっていうお酒を入れちゃうんですよ。
(赤江珠緒)あらまあ!
(町山智浩)で、ラリラリになっていい気持ちになっているところで、どんどんどんどんといろんなものをオーダーしたりして、そのクレジットカードから限度額までどんどん引き出してぼったくるっていう話なんですよ。
証券マンたちからぼったくる
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(山里亮太)うわっ、怖い!
(町山智浩)で、これは本当にあった事件なんですよね。まあ彼女たちは復讐のつもりなんですよ。こんな世の中にして……みたいな。相手もちゃんと選んで。で、彼らはほとんど誰も通報しなかったんですよ。クレジットカード会社にも言わなかったし、自分の会社とか奥さんとかにも相談をしなかった。だからバレなかったんですよ。
(赤江珠緒)被害者の人たちが。
(町山智浩)被害者の人たち。それは、結局そういうことになるとなんかトラブったことになると、クレジット(信用)の評価が下がっちゃうっていうことがひとつあるんで言わない。あと、ストリップバーで過剰に請求をされたということ自体も言えない。で、会社にバレると会社内での評価が下がるから言えない。で、もちろん奥さんにもバレたらマズいから言えないっていうことで誰も言えなかったっていう。それでなかなかバレないで、彼女たちはそこで仲間をどんどんと増やしていって、すごいグループになっていったっていう話なんですね。
(赤江珠緒)へー!
(町山智浩)で、この映画、そういう風に聞くと暗い映画のように思えるんですが、ものすごく楽しい映画になっているんですよ。音楽はもう本当にさっきからかかっているようないい音楽ばっかりかかっていて。で、編集のテンポがめちゃくちゃよくて。マーティン・スコセッシっていう監督が昔撮った『グッドフェローズ』っていう映画にすごい近いんですよ。これはローリーン・スカファリアっていう女性監督が撮っているんですけども。テンポがよくて楽しくてコメディになっていて。それでエッチでしかも女の人たちが金持ちのスケベな男たちを次々に騙して金をふんだくるっていう痛快さがあって。で、彼女たちがやっていること自体もいつかは罰せられるという……まあ、罰せられたからこれが実話として報道されているわけですけども。
(赤江珠緒)うん。
(町山智浩)それでなおかつ、泣かせがあるんですよ。実はこれ、貧しい人たち、社会の底辺に置かれている人たちがそこで疑似家族を作っていくということで、実は『万引き家族』と似た話なんですよ。
(赤江珠緒)派手さが全然違いますけども(笑)。
(町山智浩)いや、でも『万引き家族』みたいになっていくんですよ。リリー・フランキーとジェニファー・ロペスだともう天国と地獄ですけども(笑)。ねえ。リリー・フランキーはあっちでも脱いでましたけど、どっちの裸がいいのか?っていう話じゃないんですよ。この映画はね。でもね、いまこういう貧しい人たちが疑似家族を作って非常に違法な手段で戦っていくっていう映画が次々と世界中で作られていて。これは大変な格差社会が全世界に広がっているからだと思うんですけども。
(赤江珠緒)ふーん!
(町山智浩)で、次回はそれの韓国版の『パラサイト 半地下の家族』という映画を紹介するつもりです。はい。で、『ハスラーズ』は来年年明けに日本公開です。本当にこれ、面白かったです。で、アメリカでは大ヒットです! ナンバーワンヒットでした。
『ハスラーズ』予告編
(赤江珠緒)そうですってね。『ジョーカー』が出てくるまでナンバーワンヒットだったっていうね。
(町山智浩)そう。ストリッパーがぼったくる映画がナンバーワンヒットですよ? もうアメリカもどういう状況になっているんだ?っていうぐらい格差社会がひどくなっているっていうことですよね。
(赤江珠緒)実話っていうところがまたね、響きますね。わかりました。町山さん、今日は『ハスラーズ』をご紹介いただきました。来年2月公開予定です。町山さん、夜分にありがとうございました。
(町山智浩)どうもでした!
<書き起こしおわり>