石山蓮華とでか美ちゃん 韓国映画『密輸 1970』を語る

町山智浩『密輸 1970』を語る こねくと

石山蓮華さんとでか美ちゃんさんが2024年7月2日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で韓国映画『密輸 1970』を見た感想を町山智浩さんと話していました。

(石山蓮華)先週は海女さんたちが大活躍する海中バトルアクション『密輸 1970』をご紹介いただきまして。でか美ちゃんも私、石山も一足お先に試写で拝見いたしました。

(町山智浩)どうでした?

(でか美・石山)超面白い!

(町山智浩)ねえ!

(石山蓮華)すっごい面白い! もう「おもしろーい!」って思った。すごいよかったです。あの、地上でも水中でもアクションが本当にひとつひとつ、素晴らしいですし。敵役とか味方役とか、1人1人のキャラクターも素晴らしい! もうみんな、キャラが強いし。あと女性同士の一筋縄でいかない関係性が熱くて! たとえば、おしゃれしたい時のセットアップ……ジャケットとパンツを2人でひとつのセットアップをバラして着るの!

(でか美ちゃん)わかるわかる!

(町山智浩)ああ、上と下がね。

(石山蓮華)あれ、すごい「ううっ!」ってなりました。

女性同士の一筋縄でいかない関係性が熱い

(でか美ちゃん)みんな、愛おしいキャラクターがあるというか。結局、なんか映画って、モブキャラにも愛がある作品かどうかみたいなの、あるじゃないですか。本当に端っこの端っこのキャラも、ただ悪いことに手を染めちゃったりしてるんだけど。でも、懸命に生きていたらそうなっちゃったというか。そういう描き方がちゃんとされていて。心の底から「こいつ、マジで最悪だな」って思えるキャラが私はいなかったんですよ。超悪者もいるんだけど。「なんじゃ、こいつ?」って思う人もいるんだけど。なんか全員、その事情みたいなものを感じて。

(町山智浩)密輸王が出てくるじゃないですか。イケメンの。最初、ものすごい凶悪なキャラとして出てくるじゃないですか。びっくりするようなことをするんですね。で、まためちゃくちゃ強くて。1人でヤクザを10人ぐらい、ナイフ1本で倒したりするぐらいのベトナム帰還兵で、最強なんですけど。「こいつ、どうするんだよ?」って思うと、それよりももっともっと悪い税関の親父が出てきて。

(でか美ちゃん)そうそう!

(町山智浩)あと、脇っちょのソウルでお店をやってる女の子が出てくるじゃないですか。彼女は海女さんじゃないから。これ、海女さんたちは水中だと最強なんで。でも、海女さんじゃない彼女は水中に潜れないわけですよ。「どうするんだ?」みたいなところもね、上手いんですよ。

(石山蓮華)素晴らしかったですね。あの女の子。

(でか美ちゃん)でもやっぱり何より、その海女さんがそもそも密輸に関わるようになるきっかけというのがあるじゃないですか。だから「貧困って最悪!」とは思いましたね。「なんにせよ、貧困って最悪だな」って。

(石山蓮華)「なんで大企業だけがお金を吸い上げていくんだろう?」って本当に思うような……。

(町山智浩)ねえ。それに対して女性たちが喧嘩しながら、手を組んでね、大逆転をしていくという痛快な……だから『マッドマックス』にすごくよく似ていて。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に似ているんですよ。すごく。ずっと搾取されてきた女性たちが手を組んで、女性たちを食い物にしていた男たちに大逆転をしていくっていう。『マッドマックス』の砂漠は水が全然ないんですけど、こっちは水中デス・ロードになっているんですね。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』とよく似ている

(でか美ちゃん)たしかに。場所が変わったアクションというかね。あと、言えないけども私はそのラストカットの意味深な、あのシーンも大好きでしたね。

(石山蓮華)そうですね!

(でか美ちゃん)「粋ですね」と思いました。

(町山智浩)あそこもね、難いんだけど。言いにくいんだけども。男女の関係が恋愛じゃなくて、同志として繋がっていく感じがすごくいいんですよ。

(石山蓮華)よかったですねー!

(町山智浩)ということで本当に『密輸 1970』はね、本当に今年の夏、最高に面白い映画だと思います。

(石山蓮華)こちらの『密輸 1970』。来週、7月12日金曜日公開です。ぜひご覧ください。

<書き起こしおわり>

町山智浩『密輸 1970』を語る
町山智浩さんが2024年6月25日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で韓国映画『密輸 1970』を紹介。「今のところ、2024年のNo.1映画だ」と話していました。
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