吉田豪 元カントリー娘。みうなを語る

吉田豪 元カントリー娘。みうなを語る アフター6ジャンクション

吉田豪さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で元カントリー娘。のみうなさんについて宇多丸さんと話していました。

(宇多丸)ということで今夜はどんなお話でしょうか?

(吉田豪)まあね、夏の魔物の話もしたかったんですけどね。

(宇多丸)おお、土日。行かれてきたんですか?

(吉田豪)僕は今年、はじめて呼ばれなくなったというね。

(宇多丸)ああー、そうですか。いままでは呼ばれていたんだけども?

(吉田豪)はいはい。大人の事情がいろいろ絡んでおりまして……。

(宇多丸)切られた組?(笑)。

(吉田豪)元メンバーと確執が起きた時、元メンバーのツイートをリツイートすると夏の魔物の公式からブロックされるという流れがあって。

(宇多丸)ああ、なるほど。成田さん的にはそれはちょっと……っていう。

(吉田豪)で、僕はブロックはされなかったけども、呼ばれなくなったという。

(宇多丸)なるほどね(笑)。わかりやすい構造があるわけですね。まあ、夏の魔物が今年どうだったのかという話はね、まあ出演した方もいるから……。

(吉田豪)まあミッツィーさんに聞くのがいちばんいいですよ。

(宇多丸)ああ、そうだ。仕切っているわけですからね。じゃあ、今度聞きますね。で、本日はみうなさんということで。みうなさんとは?っていうあたりからじゃあお願いします。

(吉田豪)カントリー娘。というグループが……宇多丸さんはもちろんご存知でしょうけども。

(宇多丸)みうなさんにインタビューをされたんですね?

(吉田豪)そうですね。実話BUNKA超タブーというね、何度かこの番組でも紹介したエグい雑誌があるんですけども。それの10月号でみうなさんのハロープロジェクト時代からいまに至るまでの流れをインタビューしてきてという。

実話BUNKA超タブー 2019年10月号
実話BUNKA超タブー 2019年10月号

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コアマガジン (2019-09-02)

(宇多丸)ねえ。ちょっとハードな内容も含まれるのかな?っていう感じで緊張していますけども。

(吉田豪)簡単に説明しますとカントリー娘。っていうのは当時、酪農経営者の田中義剛さんがプロデュースして。花畑牧場で働きながら芸能活動するという半農半芸をコンセプトとしたグループで1999年に結成という。

(宇多丸)牧場でずっと働きながらだったんですよね。すごいですね。

(吉田豪)かなりガチでそうだったのがある時期から東京に進出して。その東京進出のタイミングで入ったのがみうなさんですね。みうなさんが2003年に加入。で、2007年に卒業して、カントリー娘。は2009年に活動停止という流れなんですけも。みうなさんは辞めた後の活動がちょっと特殊な人だったんで、ハロヲタからちょっと叩かれがちだったりしてたんですよ。辞めた後に恋愛コンサルタント的な仕事を始めたりして。で、なんか芸能界の枕営業がどうとか、そういうのことを赤裸々に語る人になって。「ハローを汚すな!」みたいな感じになっていったという。

(宇多丸)ああ、なるほどね。

(吉田豪)ですが一部……この番組でもたしかコンバットRECがよく口にする、ハロープロジェクトが一時期フットサルをやっていた時期というのがありまして。ガッタスという。ハロープロジェクト、一時期流れが変わったタイミングがあったんですよね。「ハロマゲドン」というユニットの解体みたいなものが行われたタイミングがありまして。

(宇多丸)要するにいままで応援していたグループのメンバーが根こそぎ変わっちゃって。なのでちょっとファン的には「ええっ? 何でそんなことをするの?」っていうね。で、まあファン用語で言う「ハロマゲドン」という。

(吉田豪)それで結構ファンがやめたような時期があって。その時期にBerryz工房とか℃-uteとかが出てきて。そっちは曲もいいんだけども、いかんせん小学生とかでハードルが高い。

(宇多丸)まあ、そういうのが好きな人とかがガッとね。

(吉田豪)で、掟ポルシェとかはそっちに流れて……。

(宇多丸・宇賀神メグ)フハハハハハハハッ!

(吉田豪)で、その同じ時期にフットサルが出てきて、戦い要素が好きな人がだいたいそっちに流れたんですよね。

(宇多丸)割とだから萌え的なところじゃなくて燃える方が好きな人はフットサルで。フットサル、スポーツだからガチの戦いなんで……っていう。

(吉田豪)で、そこでの伝説のシーンっていうのがこのみうなさんがPKを蹴ったシーンという。

(宇多丸)みうなさんはハロプロの中でも決して目立つ存在じゃなかったし、ガッタスの中でもそんな目立つ感じじゃなかったんだけど……っていうね。

(吉田豪)そんな人が勇気を出してPKを決めたシーンというのがコンバットRECが言うところの「21世紀のいちばん美しいアイドルの感動できる瞬間」っていう。

(宇多丸)でも、あれは後にその場面がDVDになったりしていますけども。たしかに名場面で。それまでは吉澤ひとみさんとか要するに名選手がいっぱいいる中で、でもそれがPK合戦でどんどんとプレッシャーに負けて外しちゃったりする中で最後、スッと……いちばん目立たなかったみうなさんが手を挙げて、決めるんですよ。

(宇賀神メグ)うわっ、それちょっと感動ですね!

みうなの伝説のPK


(宇多丸)しかもコンバットRECはそれを現場で見ているから。で、僕はそれを後から「おいっ、なんでいねえんだよ? 遅えな!」ぐらい言われて(笑)。

(吉田豪)あの時期、だからいろんな人たちがフットサルの現場に連れ出されていたんですよね。宇多丸さんも含めて。「絶対に見ればハマるから!」って。

(宇多丸)でも、僕も一時期めちゃめちゃハマってました。僕の中ではみうなさんはあの伝説のPKっていうイメージが強いですね。

(吉田豪)そうですね。そのへんの確認に行った感じだったんですけども。いや、いい人でしたよ。面白かったですね。相乗以上にハロープロジェクト愛とフットサル愛にあふれていて。むちゃくちゃ熱いんですよ。みんな誤解してましたっていう感じで。ただ、誤解をするようなことばかりする人ではあるんですよ。超いいインタビューで僕らは感動して。「これ、またイベントでもやりましょう!」って盛り上がったのに、そのインタビューの告知をするじゃないですか。「今日も全部暴露してきちゃいましたー!」とかって……(笑)。

(宇多丸)そういう火に油を注ぐような?(笑)。

(吉田豪)そういう挑発をするんですよ。で、案の定叩かれたりするけど僕がすぐにフォローに入って。「違いますよ! 今回はそういうインタビューじゃないです!」って(笑)。

(宇多丸)「いい内容の話ですよ!」っていう(笑)。ああ、そうですか。そういう……火に油を注ぐタイプの方だったんですね。おとなしいっていうイメージがあったんですけども。

(吉田豪)だからちょっとそこがネットで叩かれたりもしたんで、そういうモードになって。「一部のファンは信用できない!」っていう感じになって……っていう。

(宇多丸)まあね。気持ちはわかりますけどね。

(吉田豪)でも、面白かったですよ。もともとインタビューを受けるかどうかも悩んでいたらしいんですよ。知らない雑誌だし、どうしようかと思って彼女が実はすごい仲がいいのが、まあ宇多丸さんも仲の良かったコイタくんという人が当時、ハロヲタでいまして。

(宇多丸)あのハロヲタのコイタさん(小板橋英一)ですよね?って言っても、俺たちは知り合いですけど……当時の有名ハロヲタで。

(吉田豪)その後、pixivというイラストのサイトがあるじゃないですか。あれの代表になってヲタからいちばん成り上がった人になったんですけど、その後スキャンダルで失脚という。

(宇多丸)ちょっと大変なことがありまして。

(吉田豪)その大変なことになった人に相談して、「その雑誌ね、俺のこと超叩いてる雑誌だけど受けた方がいいよ」と言われて受けたという。これもいい話で(笑)。

(宇多丸)へー! コイタさんに背中を押されて。それで、中身が……?

(吉田豪)まあ、タイトルが「BUBKAと2ちゃんねるは禁止でした」という風になっているように、当時いかにBUBKAがハローから毛嫌いされたかの話から始まり……(笑)。まあ、毛嫌いされながらもみんな見てるんですよ。やっぱり。

(宇多丸)ああ、見はする。でも、僕らからすれば応援の気持ちだったんですけど(笑)

ハロプロから毛嫌いされていたBUBKA

(吉田豪)これも説明が必要で。いまのBUBKAっていうのはさっきもCMが流れていましたけど、いわゆる芸能界の公式雑誌。48と坂道のいま、公式雑誌になっていますけど昔はスキャンダル雑誌で。

(宇賀神メグ)ああ、そうだったんですね。

(宇多丸)それこそね、とんでもない流出写真みたいなのをドーンと乗っけちゃうみたいな。

(吉田豪)表紙とか巻頭でスキャンダルを載せた後で、別のページではモーニング娘。への愛を訴えるというすごいねじれた雑誌だったんですよ(笑)。

(宇多丸)ねえ。で、実際のところ、僕はBUBKAでずーっと連載を続けているんで。いまとなってはオフィシャルな感じになっていますけど、それを続けてるがためにアップフロントの所属の方は共演NGって言われていた時期が結構長かったですよ。

(吉田豪)BUBKAで書いてるだけで警戒されていたんですよ、僕ら。

(宇多丸)いや、中は真面目な音楽の話ですし、愛を込めてやっているけどもダメでした。

(宇賀神メグ)「BUBKA」という名前だけで。

(吉田豪)完全にアウトな時代があって。

(宇多丸)風向きが変わってきたのはメロン記念日さんとイベントをやって……とか。そのぐらいから変わってきた感じですね。

(吉田豪)でもあの時も「掟ポルシェ」って名乗れなかったというね。

(宇多丸)ああ、そうでしたっけ? フハハハハハハハッ!

(吉田豪)そうですよ。「DJメロン○○」とかって名乗ったんじゃなかったかな、たしか?(笑)。まだダメだったという。

(宇多丸)まあまあ、当時のBUBKAがひどかったんですけどもね。

(吉田豪)でも、そんな中でやっぱりね、藤本美貴幻想が高まる話とかが大量に……「とにかくミキティはみんな好きだった」って言っていて。ミキティの家に行くと「見て、これ。美貴、BUBKAの表示飾っちゃった!」っつって。スキャンダル時代の(笑)。要はスキャンダル写真が表紙になっていることを自慢するっていう(笑)。

(宇多丸)すげえ胆力だ! やっぱりさすがだ!

(吉田豪)そう。「藤本美貴、さすが!」のエピソードだらけなんですよ。

(宇多丸)へー! ガッタスのプレイヤーとしてもミキティね、すごい活躍していて。

みうなが語るミキティ伝説

(吉田豪)カントリー娘。がある時期から「葛根湯(カっ紺藤)」って呼ばれて。紺野あさ美さんと藤本美貴さんがメンバーになったんですよ。というのがあって、藤本さんとすごい仲が良くて。藤本さんをいまでも尊敬してるっていう。

(宇多丸)へー! そしてやっぱりミキティの胆力たるや……っていうね。

(吉田豪)だからフットサルの裏話とかも全部そんな話ばっかりなんですよ。ああいう人たちがいかに肝が座っていてキレやすくて熱いかっていう(笑)。

(宇多丸)キレやすいんだ(笑)。

(吉田豪)そう。最初、フットサルが始まって、事務所に言われてやるわけじゃないですか。他の芸能事務所とのバトルなんですけども、まあ本当にガチなんですよ。だから、負けたりするわけですよ。それで都大会でボロ負けした時に裏で吉澤さんとか里田さんとかミキティさんとかがまず事務所にキレまくっていたらしいんですよ。「っていうか私たち、これ仕事でやってんの? それともスポーツしてんの? どっち? やるんだったら本気でやりたいんですけど!」っていうね(笑)。

(宇多丸)ああーっ! ガッタスだなー! 出た、ガッタスイズム! だからね、他のチームと比べて練習量が取れないんですよ。

(吉田豪)そう。売れているから。で、比較的練習量が取れていたのがカントリー娘。だったんです。この人たちが里田さんとかと一緒に地道に練習をしていたんだけど、またすごいのがスターなわけですよ。本当に、たとえばみうなさんとかも学校とかではモテて。そういう人気者として行けると思って行ったら、とんでもないスターしかいないわけですよ。当時の全盛期のハロプロっていうのはとんでもない人たちだらけで。みんな本当に、フットサルもとんでもない技術だし、歌っても踊ってもすごいし、全てがすごい。だからもうかなり心が折れていたらしいんですね。それでみんな超体育会系で……っていう。それでバックステージでカメラを回していてもキレるらしいんですよ。「止めて。大事な話してるんだから! カメラ、回さないで!」って。

(宇多丸)おおーっ! これはコンバットRECが喜ぶ話だな!

(吉田豪)そうそう。そんな話ばっかりで。そうやって、「自分がどうやっても勝てない人たちだらけの中でどうすればいいか?」っていうのを考えて。必死に練習しても勝てない。それで「PKだ!」っていうことになってくるんですよ。「私にはここしかない」って思って。

(宇多丸)ああーっ! じゃあ、PKの練習もしてたってことなんですか?

(吉田豪)そう。で、ここの一発にかけようとして……っていう。

(宇多丸)わお! じゃあ、それでまさに一発で決めたんだ。すごいな。だからRECの言うとこのそのね、大げさじゃないんだな。本当に『ロッキー』じゃないけど、その一瞬に賭けて勝ったっていう。

(吉田豪)本当にそれまでの人生が全部かかっているんですよ。

(宇多丸)だってそこで外したら目も当てられないわけで。わあ! すごいわ。

取材後、コンバットRECに即電話

(吉田豪)むちゃくちゃ燃える話ばっかりだったんですぐにコンバットRECに電話して。「いますぐ彼女との対談を組んだ方がいい!」って。僕は正直、フットサルって現場に行ってないわけですよ。周りで騒いでいる人たちを見ていただけだから。比較的話がわかるとはいっても、現場を知らないから。「知っている人間が話すべきだ!」って。

(宇多丸)たしかに。REC、いいですね。これ、ぜひ。

(吉田豪)この番組で特集をやったりした方がいいですよ。本人を呼んで。

(宇多丸)改めて(笑)。何年ぶりのガッタス特集なんだ?っていうね(笑)。まあでも、僕ら的には「おおーっ!」っていう感じですね。

(吉田豪)そうそう。熱い話をできる人がちゃんといたっていうことで。

(宇多丸)『BRODY』のあの好き放題できる中の方のページとかでやればいいんじゃないかな? ああ、すげえな! 貴重な話ですね。でもみうなさんご自身もだからなかなか、その後のキャリアもすごいんですもんね。

(吉田豪)その後も変わった活動をすごいしてる人で。「アマゾネス」っていうグループにある時期入ったんですよ。お寺がプロデュースする尼アイドルっていう。

(宇多丸)「尼」ってそっちか!

(吉田豪)そっちです。で、「お寺に住める」っていう。お寺に住み込みで活動するアイドルっていう……(笑)。

(宇多丸)「住める」って言われても……(笑)。

(宇賀神メグ)修行じゃなくてですか?(笑)。

(吉田豪)よくわかんないんですよ。

(宇多丸)ずっと精進料理食いながらみたいな? へー。アマゾネスに入ったんだ。

(吉田豪)まあ、瞬間でなくなりましたけどね。このグループね。で、みうなさんがハロープロジェクトを辞めた時に、社会のルールとか知らないじゃないですか。で、世間がどれくらい稼いでるかも何もわかんなくて。そのままの基準で引っ越そうとしたら「ちょっとあなた、それは無理だよ」って不動産屋とかに言われるようなぐらい、本当に当時のハローはちゃんとお金払いもよくてっていう。みたいな状態だったから。それなのに、なぜかお寺に住み込むっていうことにすごい乗り気になっちゃって、行ったらそこがかなり胡散臭いところで……みたいな詳細を話していますね。

(宇多丸)これ、アマゾネスの裏話があるわけですね。

(吉田豪)まあ、でもそこにニーズがどれぐらいあるんだ?っていう話ですけども(笑)。

(宇多丸)吉田さんはそのアマゾネス、フォローしていたんですね。

(吉田豪)もちろん。運営が怪しかったんですよ。お寺の人じゃなくてプロデューサーがいたらしいんですけど、そのプロデューサーがネトウヨの人で。アイドルのアカウントなのにずっと政治的なツイートを繰り返すっていう。「ここはダメでしょう」っていう感じの(笑)。

(宇多丸)ああ、吉田さんのウォッチ対象だし、駆け込み寺……こっちの寺ね。駆け込み吉田豪寺(笑)。アイドル駆け込み寺ですからね。

(吉田豪)「うちのプロデューサー、ヤバいんですけど」みたいな(笑)。

(宇多丸)「こっちの寺に来なさい」っていう、そういう危険性を感じていたのね。なるほどね。で、そのアマゾネスもすぐに終わって……ということなんですね。

(吉田豪)で、いまもそうやってヨガをやったりいろいろとやっている人なんですけど、なぜか僕と接点ができたことで。「ロフトプラスワンとかで1回、フットサルとかを語るイベントをやりたいです」っていう話をしていたんですよ。

(宇多丸)でも当時、すごいファンだった人がいっぱいいるはずですし。

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