吉田豪さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。宇多丸さんと吉本興業問題について話していました。
(宇多丸)ということで曲を聞かせていただく前に豪さん的に……いろいろとあったじゃないですか。アサヒ芸能のスキャンダル大賞でいつも。
(吉田豪)浅草キッドのお二人と宇多丸さんと僕の4人でいつも話をして。
(宇多丸)半年に1回ずつやっているんだけど。まあ最近、特に「ネタがたまりすぎちゃって大変だよ!」なんて言いながら話すんだけど。今回はそれが終わった後にジャニーズの公取にあれもあったし、ジャニーさんの死去もあったし。そしてなにより吉本のあれがあったりとか。もうちょっと、なんか話した内容が古くなっちゃって、こまったもんでしたよね。
【編集日誌から3】芸能界の二つの「帝国」が揺らいでいます。#ジャニーズ事務所 と #吉本興業。背景には、昭和から続く慣行があると言われています。識者や事情通の3人に話を聞きました。文化娯楽面(17面)でどうぞ。(根)#東京新聞 2019/7/28 pic.twitter.com/ClzDXPNBRp
— 東京新聞編集局 (@tokyonewsroom) July 27, 2019
(吉田豪)吉本のは会見前でしたからね。
(宇多丸)特に吉本問題はそうでしたよね。まあ、情報収集にも余念がない感じですか?
(吉田豪)はい。なんかもう情報収集しすぎて。記者会見が始まって夢中になってずっと見て実況とかをしていたら、僕はその日、渡辺満里奈さんの歌手活動再開のコンサートのチケットを買っていたんですけど、行きそこなって。
(宇多丸)ええっ? あまりにも夢中になって?
(吉田豪)気がついたら開演がとっくに過ぎていて。
(宇多丸)そんな……ライフワークに近いようなものじゃないですか。
(吉田豪)まあでも、こっちの会見の方がたぶん仕事としては重要だろうと思って。間違ってはいない選択だったはずだと思いながら。
(宇多丸)なるほど。でも、そんぐらいっていうことですよね?
(吉田豪)そんぐらい夢中で。
(宇多丸)まあ、ちょっと現状で言えること、言えないことあると思いますが。いま、言える範囲でありますか?
(吉田豪)東野幸治さんが巻き込まれている感じだったんですぐに連絡して。東野さんと僕ってスキャンダルについて情報交換する仲なんですよ。
(宇多丸)そうなんですか!?
(吉田豪)定期的に。
東野幸治さんと定期的に情報交換
(宇多丸)でもさ、スキャンダルについての情報交換って、東野さんはどっちかって言うとその中側にいる人だから。リーク側じゃねえか?っていうさ(笑)。
(吉田豪)お互い、中にいる人間がいろいろと得た情報を交換するっていうことをやっているんですけども。
(宇多丸)じゃあもう当事者中の当事者じゃないですか。
(吉田豪)原点はだから僕がビートたけしさんに人違いで脅された時に、いちばん最初に連絡をしてきたのが東野さんで。2日後ぐらいに連絡してきて、一緒に喫茶店で話し合おうみたいな。誰よりも、どのマスコミよりも最初に裏取りをしてきた人なんで。
(宇多丸)フフフ、取材なんだ(笑)。
(吉田豪)なんで、すぐに「大変そうですね」って言ったら「辛いです」っていう。
(宇多丸)うんうん。やっぱり立場上ね。
(吉田豪)という状態ですよね。「いままで人のスキャンダルで笑ってきたバチが当たりました」っていう(笑)。
(宇多丸)アハハハハハハッ! まあねえ。じゃあ、豪さん的にはいま言えないことも多いと思いますけども。まだまだいろいろとこれから?
(吉田豪)あの、岡本社長に対する不満の声っていうのは仕事をしている人の間からもかなり上がっていたんで。
(宇多丸)ああ、もともと?
(吉田豪)そうですね。なので、ついにここが出てきたなっていう感じはありますね。
(宇多丸)それはどういう不満なんですか?
(吉田豪)まあ人間的にというかなんというか。「許せない!」ぐらいに息巻いている人が僕の周りに複数いて。
(宇多丸)ああ、そうなの? へー! 「許せない!」級の。
(吉田豪)ここで言えないぐらいのフレーズで罵っている人を何人も見てきたんで。「ついに来たな」っていう感じはありましたね。
(宇多丸)なるほど。噴出したという感じですかね。
(吉田豪)僕、個人的に思っていたのはそれこそ島田紳助騒動の時、僕はかなり取材をしていたんですよね。呼ばれていないのに記者会見にも行き、潜入して。
(宇多丸)入れたんですか?
(吉田豪)入れました。吉本が近所だったんで入れるかな?って思ったら、ストップはかかったんですけど「BUBKAだ」と言い張って。
(宇多丸)まあ、間違いじゃない(笑)。
(吉田豪)間違いじゃないですよね。で、名刺もないから入りづらかったんですけど突破して。で、記者会見場には入れなくてモニタールームだったんですよ。で、そのせいで事前のお触れとか聞いていなくて。情報解禁とか聞いていなかったんで、僕がモニタールームでなんとなくフライングをしちゃって(笑)。
(宇多丸)ああ、ツイートしちゃった?
(吉田豪)そうそう(笑)。結構な騒ぎになったっていう(笑)。
(宇多丸)ああーっ! それはちょっとおっかないですね。それはそれでね。その頃から、いろいろと……。
1回セーフになると問題は悪化する
(吉田豪)ただ、その時から思っていたのは「1回セーフになってしまうと問題は悪化するな」っていうことなんですよ。島田紳助騒動の時も1回、勝谷誠彦さんの女性マネージャーに対する暴行事件っていうのがあったじゃないですか。地検まで行かなかったですけども、そういう騒動があって。で、実はその女性マネージャーが意外と現場の評判が悪かったみたいなのもあって、「紳助、よくやった」みたいな空気ができちゃったっていうのがあったんですよ。実は。それで許されちゃったから、もっと行ってしまったと思っていて。
(宇多丸)うんうん。
(吉田豪)宮迫さんもだからオフホワイト騒動で許されちゃった感があったからこそのあれもあったんだろうなって。
(宇多丸)「オフホワイト騒動」って(笑)。そうか。それであの時に逃げられたから今回も行けるっていうのがあったから、最初の嘘のあれになってしまったという?
(吉田豪)というのもあったんだろうなとは思っていますね。
(宇多丸)なるほど。でもいまやね、ちょっと最初の闇営業っていうか反社会勢力とのなんたらから、もう完全にズレきっちゃってね。
(吉田豪)完全にズレきった、もう内部のバトルになっていて。ただ、個人的に引っかかるのは今回またね、島田紳助さんが出てきていろいろとコメントをしていたんですけども。あのコメントがものすごい引っかかったんですよ。「親子喧嘩に弁護士が入ったらアカン。家族だから契約とかが曖昧なのも仕方ない」みたいなことを言っていて。
(宇多丸)それ、吉本側の言い方でも「ファミリーだから」っていうね。
(吉田豪)みたいなことを言っていて。そしていまの会長、社長とも仲がよくて。反社会勢力との交際+パワハラ&暴力とかで辞めたような人がコメントをしたら、それはどっち側になるかわかるじゃないですかっていう(笑)。
(宇多丸)そうですね。だから、むしろこっちに話を引き戻すっていうか。みんなそっちの方の話を忘れかけた時に「ああ、そういえばこれって!」みたいな。しかも「親と子」っていうこのフレーズがめっちゃそれっぽいっていう。
(吉田豪)そうそう。めちゃくちゃ逆効果っていうか。
(宇多丸)というか、そういう旧態依然としたやり方というものを問題にしているのに……っていうことですよね。
(吉田豪)そうなんですよ。親子だとしても、これは親子間のDVとかの問題なんですよ。親子だからチャラっていう話じゃないんですよっていう。
(宇多丸)だからいままではありってなっていた……っていうか、「あり」じゃないんだけど。
(吉田豪)なんとなく「芸能界ではそういうものだから……」みたいになっていたものが、ということですよね。
(宇多丸)それっていま、吉本だけじゃなくて他の部分でも、全体的にそういう問題が噴出しているっていうか。それこそ大きく言って「#MeToo」的なものの流れというか。そういう感じがするんですけどね。
(吉田豪)すごい思います。
(宇多丸)じゃあ、まあこれからもまだまだ……だから、それこそ対岸の火事としてウヒャウヒャやっているような人でも……結構説教っぽいようなことを言っている人だって「あなた、だって事務所、大丈夫なんですか?」っていうような感じしますよね。
(吉田豪)そうなんですよ。ワイドショーのコメンテーターにも絶対に山ほど後ろ暗い人がいるはずですからね。「あなたも絶対に組関係で司会、やっていますよね?」みたいな人とか、絶対にいますよ(笑)。
(宇多丸)まあ、そういうことがあるとかね。その営業のあれとかに関しては身元を全部調べるわけにもいかないし……っていうのもあると思うけど。いやー、ということで。
(吉田豪)みたいな話からの流れで音楽、いいんですか?(笑)。
(宇多丸)すっきりと! きれいな美しい世界の話をね。いい曲をかけようということでございます。
<書き起こしおわり>
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吉田豪、吉本興業問題を語る— みやーんZZ (@miyearnzz) July 31, 2019