TBSラジオで放送中の東京ポッド許可局。マキタスポーツさん、プチ鹿島さん、サンキュータツオさんが大ブレイク中の壇蜜について、このように語っていました。
(ナレーション)ここは東京のはずれにある事務所、東京ポッド許可局。例によって暇を持て余した局員たち。今日もおしゃべりが止まらないようです。3人が語らっているのは『壇蜜』論。一体どんな話が飛び出すのやら。ちょっとのぞいてみましょう。
(プチ鹿島)あの、壇蜜についてみなさんどう思いますか?
(マキタスポーツ)壇蜜ねえ。すごいね、人気が。
(プチ鹿島)だから去年の後半ぐらいからパーッと来て、いますごい勢いで。
(マキタスポーツ)去年の後半なんですか?
(プチ鹿島)たぶんそうですよ。
(サンキュータツオ)あれですよ。一説にはマキタさんがブルーリボン賞争ったと言われてますよね?
(マキタスポーツ)そうですね。
(サンキュータツオ)それ、すごいよね。壇蜜と争って取ったって(笑)。
(プチ鹿島)まあ、数字的なものを説明すると、Instagramってあるじゃないですか。僕、それで何をやってるかって言ったら、東京スポーツの一面を毎日写真に撮って、一面をストックしてるんですね。それをこの間見たら、東スポの一面で壇蜜が去年の秋、まあ大晦日までは、せいぜい1回くらいなんですよね。今年2013年になって、1月から4月、この末。もう7回見出しになってるんです。ね、何なんだろう?これって思って。だから壇蜜そのものもいいんですけど、壇蜜が拡散していく感じ、世の受け入れられ方ってのにすごく興味があります。
(サンキュータツオ)去年ブレイクして、今オヤジジャーナルに響いてるってことで。
(プチ鹿島)そうなんです。そこのポイントが、僕はやっぱりオヤジジャーナルが気づいたってことですね。
(マキタスポーツ)『オヤジジャーナル』ってのは何か?ちょっと説明を・・・
(プチ鹿島)はい。僕がよく言ってるんですけど、『オヤジが発信して、オヤジにしか響かない』っていう。マスコミの正体って、そういうことだと思って。タブロイド紙とかスポーツ紙とか。いわゆるダジャレで見出しを決めてくる感じですね。
(サンキュータツオ)(笑)オヤジが発信してるんだよね。で、オヤジが受信してるんだよね。
(プチ鹿島)そうです。で、だいたいそういうところに届くと、もう世の中のピークになるんですよ。だいたい。『大まかマッチョ』とも呼んでるんですけどね。だいたいそういうところが気づき始めたら、もう世の中にメジャーになりつつあるって。そういうことじゃないですか。
(サンキュータツオ)この間、(大沢悠里の)ゆうゆうワイドに壇蜜さん来たんですよ。
(マキタスポーツ)そういうことなんですよ。だから。
(サンキュータツオ)だからもう、『ついにか!』と思って。結構ざわざわして。ゆうゆうワイドっつったら、TBSラジオの中でも一番こう、オヤジが聞いてる・・・
(プチ鹿島)そうです。だからこの間『有吉横綱』論。有吉さんのこと、話しました。有吉さんの横綱のなり方とはまた別の・・・あるじゃないですか。だからさっきのお笑い芸人タイプ論で言えば、明らかに4番ですよね。
(サンキュータツオ)そうね。キャラものみたいな。
(プチ鹿島)キャラものがやっぱり少なくともいない場合は、オカマとか壇蜜とかそっちが行くじゃないですか。その浸透の仕方。よく考えたんですけど、これってタモリさんにも似てるんですね。タモリさんもだって、昔は眼帯つけてイグアナで夜を徘徊してたんですよ。
(サンキュータツオ)密室芸と言われたね・・・
(プチ鹿島)密室芸人なんです。だから壇蜜も密室芸人じゃないですか。で、もともと色がついてるんです。『壇蜜』っていう名前も、何か仏教用語からつけてるんですね。
(マキタスポーツ)葬儀会社で働いてたんじゃなかったっけ?
(プチ鹿島)そういうのがあるんです。『死と密接』、そういうのを売りにというか、出してきて明らかにちょっと面倒臭い物件じゃないですか。しかも週刊SPA!か何かで、みうらじゅんさんとかリリーフランキーさんが見出したと。僕は最初、それで知りましたよ。
(サンキュータツオ)へー。29歳でデビューってすごいね。
(プチ鹿島)29歳でデビューなんです。で、最速ですから。
(マキタスポーツ)俺ね、『ブルーリボン賞争った』みたいなこと言ってるんですけど、実はもうその前からクロスしてるんですよ。彼女と。
(サンキュータツオ)マジで?何?
(マキタスポーツ)『ギルガメッシュLIGHT』っていう番組があって。『ギルガメッシュNIGHT』の復刻版がやってたんですよ。BSで。これに僕、出たんです。そん時に、俺楽屋でメイクをしてたらフラーっと変な女が現れて。ものすごいただならぬ妖気というか、変なオーラを漂わせた怪しい女が来たんですよ。で、俺バーッて見たら、一応居並ぶ女の子たちがいるんです。お色気要員みたいな子たちが。その中の一員だということを認識したので、一応俺も「おはようございます」って挨拶したら、もう挨拶するともなしに、ちょっと小首をかしげるともなしに、とにかく挨拶らしい挨拶してくれなかったんですよ。『うわっ、こいつ気持ち悪りー!』って。
(プチ鹿島)うんうん。
(マキタスポーツ)『嫌い!』って思ったのよ。はっきり言うと。もう嫌いって。目とか見たら何て言うんですかね?瞳に力がないのかあるのか分からないようなね。
(サンキュータツオ)日野日出志のマンガに出てきそうな。
(マキタスポーツ)そうそうそう。
(プチ鹿島)でもさ、そういう時期にすでにそこでマキタさんと会ってるってことは、この間の芸人交換日記にマキタさんがね、すごい近親憎悪というか。何か泣いてしまうからこそ、拒否反応を示したのと同じで、壇蜜にもやっぱり近い区分けというかですよ、使う側ですよ、そういう成分というかグループ分けをされていたから・・・
(マキタスポーツ)かもしれないんだけど。ただその時には彼女、十把一絡げ。その集団の中の一人だから。書き割りだから。ほとんど。で、いざ番組はじまってパッと後ろ見たら、その居並ぶ書き割りの女の子で、お色気要員のタレントの女の子の一番端っこにいたわけですよ。で、一人ずつ何かマキタさんだからっつって、司会の人とかが・・・宇多丸さんとかですよ。紹介してくんですけど。みんなキャピキャピ明るくやるんですけど、1人だけ一番最後の大オチ要員でいたのが、その壇蜜なんですよ。
(サンキュータツオ)へー、そうなんだ!
(マキタスポーツ)そしたら、『彼女は下手に触ると大変なことになります』みたいなフリがあってですね、もうすでに美味しい扱いだったんですね。
(サンキュータツオ)そうなんだね。割ともう、オチ要員っていうか。振れば何とかなるみたいな。
(マキタスポーツ)『何だアイツ?』とかってすごい思ってたら、あれよあれよと言う間に今の壇蜜みたいな感じで、ブワーッとオヤジジャーナルの世界を駆け登って行ったので、『何だ?』とか思って。だから見てるんですよ。ブワーッと来るところを。
(プチ鹿島)これね、先ほど僕、週刊SPA!って言ったじゃないですか。週刊SPA!って実は、まあオヤジジャーナルとは一線を画してるじゃないですか。
(サンキュータツオ)僕らジャーナルだよね。
(プチ鹿島)僕らの◯◯とかね。期せずしてそういうところから壇蜜が出てきて、いわゆる普通のオヤジジャーナルは壇蜜をちょっと興味あったけど、おっさんですから、チラチラ見てたと。
(サンキュータツオ)横目でね。エロい目で見てたと(笑)。
(プチ鹿島)チラチラ見てた。だけど、『面倒くせーな、このサブカル物件は』みたいな。ところがいざ呼んでみたら、ものすごく分かりやすかったと。徹底してたと。で、オヤジジャーナル安心しますよね。壇蜜!壇蜜!ですよ。壇蜜フィーバーですよ。だから僕は『壇蜜はエロいんじゃなくて、古いんだ』と主張してるんですね。古い。おっさんたちを安心させる、そういう成分がある。それを本人も自覚というか、むしろそれを自分が世に出るための武器だとふんでいるフシはないですか?
(マキタスポーツ)うーん・・・
(プチ鹿島)だって口を半開きにしてスケベなこと言うってさ、これは一億総ツッコミ社会ですけど、もう女性側としては突っ込むのも・・・突っ込んでる自分が嫌みたいなところになってるじゃないですか。それ、勝ちじゃないですか。
(マキタスポーツ)東スポ映画大賞の時に・・・
(プチ鹿島)またそこで会ってるんだ(笑)。
(サンキュータツオ)結構壇蜜と会ってる芸人じゃん!(笑)
(マキタスポーツ)だから俺はクロスしてるんだよ。
(プチ鹿島)成分が似てるんだよ。
(サンキュータツオ)マキタさんもいつ脱ぐか?っていう話ですよね。
(マキタスポーツ)俺、いくらでもやりますよ。あの、壇上でスピーチする時にマイクをずーっと両手を使って擦ってるんです。
(サンキュータツオ)(笑)うそー!?それ、嘘でしょ?やりすぎじゃない?
(マキタスポーツ)上下に上下に擦ってるの。
(プチ鹿島)いや、やりすぎぐらいがオヤジジャーナルのユルさはド真ん中なんですよ。『この子、おもしれー!』みたいな。
(マキタスポーツ)俺、そん時にね、真っ先に何を見たかっていったら、キャパの方見たんですよ。したらね、みんなね、もう女の人も口開けて見てるんだけど、そん時のオヤジたちの顔が忘れられないのよ。何でしょうか?PKさん(プチ鹿島)が言うとおり、ある種の安心感にも似た、待ってました感みたいなものを見るような感じの受け入れられ方をしていてですね。彼女は淡々とその行をやってるんですよ。
(サンキュータツオ)行(笑)。
(プチ鹿島)だって『壇蜜、わざとらしい』とか『あざとい』とか言う方がもう、アホじゃん。
(サンキュータツオ)いや俺は、『偉いもんだな』と思ったのは大沢悠里さんの番組出た時に、ラジオですよ。そうは言っても。でも何かtwitter上で『今日悠里さんの番組に壇蜜さんが来ました』みたいなスタッフの写真とかアップされてるんだけど、ちゃんと大沢悠里さんの方に手をかけて、ちょっと色っぽいポーズして、ちゃんとそういう服着てるのよ。ラジオなのに!『これ、偉いわ!』って思って。
(プチ鹿島)そうそう。おじさんが目を閉じて一番いやらしいことを、そのまま目を開けたらやってくれてるわけですよ。壇蜜は。寸分の狂いもなく。何ですか?この東尾のようなコントロール。
(サンキュータツオ)東尾(笑)。えっ、意味がわかんない。何で?何で?オヤジジャーナル、また入っちゃった?
(マキタスポーツ)そうか、コントロールがいいんだ。制球力があると。
(プチ鹿島)キャッチャーのほしいところにちゃんと投げてくれるんですよね。
(サンキュータツオ)そうか。それで東尾なんですね。出てくるピッチャーの名前がさ、古いからさ。
(プチ鹿島)いやー、ズルいわー。だからそういうところなんですよ。たぶん。何かこう、覚悟をもってやり通す。だからさっき、29歳デビューって言いましたけど、一時期キンタロー。ありましたよね?一時期キンタロー。と壇蜜、似てんじゃねーかな?って思ったら、29歳デビューっていうのも同じだし、キンタロー。も、ほら。最初、前田敦子のモノマネでブログで叩かれるっていう。そういう世間デビューしたじゃない。でも、やり通したじゃない。今、キンタロー。に『前田敦子のモノマネ、似てね-』とか『もうやるな』とか、何か文句言うのもアホらしいでしょ?
(サンキュータツオ)そうだよね。
(プチ鹿島)つまり、壇蜜もキンタロー。もやり通してるんですよ。それ、たぶん一億総ツッコミ社会を生き抜く・・・やる側としてはね、1つのポイントなのかなと。
(マキタスポーツ)やめちゃダメだね。やめちゃダメ。
(プチ鹿島)そうそう。てらいがあっちゃダメ。
(マキタスポーツ)うん。てらいがあっちゃダメだね。
(サンキュータツオ)マキタさんもそう言えば29デビューじゃなかった?
(マキタスポーツ)28ですけどね。僕は。ちょっと微妙にズレてるけど。・・・29です!ほぼ。
(サンキュータツオ)(笑)乗っからなくていいです!
(プチ鹿島)でね、ちょっとざわざわするのが、最近壇蜜さんって事務所移籍したんですよ。
(サンキュータツオ)ああ、なんかね、そうみたいね。
(プチ鹿島)ってことは、やっぱり本人としても、一歩ずつデカい階段を登っていく決意があるってことじゃないですか。だから僕は自分の中で、やり通す清々しさと、実際事務所も移籍してるっていうので、決意というか裏がとれたなと思ってるんですよね。
(サンキュータツオ)それこそ、本当に何かこのSPA!の、いわゆる『グラビアン魂』じゃないけどそういうところから出てるわけでしょ?だからサブカルのお墨付きが出てきたところから、どメジャーに行っている。
(プチ鹿島)そうです。だから、もちろんその場ですごく熱く深く盛り上がる。それも素晴らしいことですよ。ところが違う。今、もう全然。だからお昼に出てきてるわけじゃないですか。タモリですよ。あれ。本当に(笑)。
(サンキュータツオ)あ、タモリね。
(プチ鹿島)女タモリです。
(マキタスポーツ)久しぶりに聞いたわ。女タモリって(笑)。
(サンキュータツオ)(笑)一時期よくそういう言われ方している・・・
(マキタスポーツ)清水ミチコのことですよ。女タモリって。
(サンキュータツオ)そっか。夜の顔だったはずなのに、気づいたら結構もうみんな知ってるみたいな。俺だから、女子高生とかが壇蜜をどう見てるのか?ってすっごい気になるけどね。
(プチ鹿島)だからね、壇蜜をそういうイベントとか呼ばれるじゃないですか。マスコミ記者会見とか、映画の舞台挨拶とか。そこで、何か最近結構アイドルとかと絡みだしてるんですよ。うろ覚えですけど、AKBとか。そうするとAKB側が『壇蜜さんのこの色っぽさを勉強したいです!』みたいなのがまたすぐニュースになるじゃない。『◯◯、壇蜜に勉強宣言!』とかさ。
(サンキュータツオ)それ、オヤジジャーナルしか目を通してないですよね!(笑)
(プチ鹿島)そうですよ。Yahoo!ニュースとかね。
(サンキュータツオ)まあでも、そうか。若い人の入り口にあるような人と接しているから、若い人も意外と壇蜜って何か知ってるっていう感じになるよね。
(プチ鹿島)だって、本当に映画だって全部出してますからね。俺、知らなかったんですよ。あの人って、全部出している人だって知らなくて・・・
(サンキュータツオ)えっ!?フルヌードってこと?
(プチ鹿島)フルもフルですよ、あなた。フルもフルだし、剃ってますからね!剃るシーンもありますから。本当に。銀座シネパトス、それ最後興行の売りにしてましたから。今回は剃っているシーンを無修正でカットなしでやりますみたいな・・・
(マキタスポーツ)無修正!?
(プチ鹿島)あっ、無修正っていうと誤解を生むんですけど。ノーカットでってこと。カットしてたんだって。あまりにも過激すぎて。壇蜜が剃っているシーンが。板尾さんに会って。で、本編映画ではそこはカットされたんですけど、あまりにもその映画、局地的にその映画館ではヒットされて、その剃っている部分も出来るだけ公開しますみたいな。シネパトスでやってましたよ!
(サンキュータツオ)それ、観に行ってるお客さんどんな人たちなんだろうね?おじさんかな?
(プチ鹿島)おっさんじゃないですか?
(サンキュータツオ)おっさんなんだ。へー、すごいね。
(マキタスポーツ)俺、またある番組であの人の股間見たことあるよ。
(サンキュータツオ)えっ!?どういうこと?それ、なに?どういうこと?(笑)
(マキタスポーツ)見たことあるよ。透明のアクリルケースの上にあの人のとかが大股開きで・・・
(サンキュータツオ)あ、そんなことあったね!そういえば。あれ、去年の年末じゃないですか?
(マキタスポーツ)もうあとちょっとしたら、本当にそれ自体が見えるぐらいの。
(サンキュータツオ)そのちょっとが結構遠い・・・
(プチ鹿島)それ、完全に一時の稲川淳二さんみたいな感じですよね。そのうち、クレーンで吊られて壇蜜の魚拓取るとか・・・
(マキタスポーツ)魚拓取るとかね。へー、でもあの人ってその後、どうするんだろうね?10年後、いや5年後。
(プチ鹿島)これもある雑誌で最近読んだんですけど、『壇蜜さん最近メディア露出多いですよね』っていう質問に、たしかに『お前なんか出るな!』っていうアンチの声はすごく耳に入ってきます。だけど、私のことを支持してくれてる人は、もっとたくさんいるんです。その人たちは大人しい子たち。『ウチの子たち』は大人しいから声を上げないだけで、そういう人たちの支持があるっていう自負はあります、みたいな。これ完全にサイレントマジョリティーですよね。そっちの方を見てるっていう。
(サンキュータツオ)頭いい人なんだね。
(プチ鹿島)そう。だからちゃんとそういうのを引き受けてるっていうか、背負って・・・ただ呼ばれたから出てるんじゃなくて。出たらサービス精神で。『何でそんな過激なんですか?』って聞かれた時に、『1を返して1とか1.5じゃあ、申し訳ないでしょ?』みたいな。『2とか3にして返すんです。』みたいな。天龍(源一郎)とおんなじことを言ってるんですよね。
(サンキュータツオ)えっ、どういうことでしょうか?
(プチ鹿島)まあその・・・(笑)呼ばれたからには、サービスを何倍にもして返すよっていうこのイズムですよ。『すげーな!』って思って。
(サンキュータツオ)タモリか天龍、どっちかにしておきましょうか。
(プチ鹿島)うん。タモリさんで。タモリでいいよ。
(マキタスポーツ)タモリにそんな『倍以上にして返す』っていう理屈はあんまりないとおもうんだけどね(笑)
(サンキュータツオ)でも、そういうサービス精神旺盛な人・・・
(プチ鹿島)それは言ってた。この間のインタビューで。
(サンキュータツオ)でもこれ、『悪性のエンターテイメント』じゃないですか。だからちょっと前の、別の意味で小向美奈子っていうサンプルを僕ら見ているわけですよね。でまあ、その結末を見てるわけですけど、何か壇蜜の場合はああはならない感じがするじゃん。
(プチ鹿島)悪性ではない感じが、もうしますよね。ねえ?
(マキタスポーツ)でもさ、よくPKさんがプロレスでたとえるじゃない?だけどプロレスにはさ、以外では代えがたいものだからたとえると思うんだけどね。そういうもの、今のプロレス自体は、ゴールデンの番組とか日の目をあんまり見るところにはいないけど。相変わらずそういうプロレス的なもの、プロレス的なるものを見たい欲求ってあるじゃない。そこへ、我々その『悪性のエンターテイメント』みたいなものを、エッセンス散りばめられてるものに割と敏感に反応してきたわけだけど。それを感じるってことだよね?
(プチ鹿島)だからAKBの総選挙とかさ、やっぱりアイドルのこと知らなくても沸き立つじゃん。ざわざわするじゃん。『何、これ!?』って。
(マキタスポーツ)あれこそ『悪性のエンターテイメント』ですよ。
(プチ鹿島)だから『リアリティーショー』とかよく言うけど。そういうことじゃないですか。あまりにも今、やっぱり規制、規制でなんかね、ドッジボール、きれいなパス回しのドッジボールが回ってるけど、やっぱりざわっとさせるものって見たいじゃないですか。
(マキタスポーツ)うん。
(プチ鹿島)で、この間も『たけしイズム』についてしゃべってきたんですけど。いろいろ解釈あると思うんですよ。要はたけしさんから(爆笑問題)太田さんの流れって、僕の中で解釈で。いろいろあると思うんですよ。まんべんなくあると思うんです。だけどよくあなたと言うけど、『平気で周りを凍りつかせる』っていう。俺、それたけしイズムの1つだと思おうんですよね。あのころってやっぱり、『これ言っちゃいけない』とか平気で放り込んで来て、もっと言うとスベってるんですよ。スベってるんですよ、平気で。だから中森明菜が自殺未遂してね、雲隠れしてマッチも雲隠れしてる時に、パッと27時間テレビに出てきて、エンディングでたけしさんがマイク向けられて、「さあ問題。マッチはどこにいるでしょう?」って言ってドン引きなんですよね。
(マキタスポーツ)(笑)
(プチ鹿島)だけど、俺とかマキタさん10代のころ、中学生のころそれ見てて、録画もしてないのに今だに覚えてるんだよ。
(マキタスポーツ)忘れもしないよ。
(プチ鹿島)どれだけ爪痕残してるんだ?って話じゃない。ね、それ悪性のエンターテイメントですよ。
(サンキュータツオ)みんなにざわっとさせたっていう。
(マキタスポーツ)ザ・ベストテンでスポットライトでたけしさん登場してきて、鏡からバーン!って出てきて、「修学旅行でオナニー2回!」っつって。
(プチ鹿島)そうそうそう。
(マキタスポーツ)で、(黒柳徹子が)「ままままま・・・」って言いながら取り繕って。
(プチ鹿島)「まー、本当にねー!」って。それをフォローする黒柳・久米宏って、なんていう黄金時代なんでしょう。
(マキタスポーツ)まあ、ざわざわしてて。こっちだって茶の間で見てるから。茶の間もエラい雰囲気になっちゃってるけど。忘れもしないよ。
(プチ鹿島)「オナニー2回」っていうの、振りかぶって『2』って。
(サンキュータツオ)(爆笑)ティーンのしらないたけしさんですね。
(プチ鹿島)そうなんですよ。そこ、気をつけなくちゃいけないのは、たけしさんってやっぱり尊敬するし憧れるし。今のたけしさん、素晴らしいじゃないですか。だけど、若手芸人が今のたけしさんを『なりたい』って言ってどうすんだ?って話なんです。僕が好きになったのはやっぱり、『やんちゃ』っていうと言葉軽すぎるけど、平気で何やってくるんだろう?っていう、そこじゃない?何か、『隙あらばぶん殴ってやろう』みたいな。世間を。そういうところじゃないですか。
(マキタスポーツ)そうそうそう。それをたけしさんは引き受けてたと思うよ。たしかに。背負ってたよね。
(サンキュータツオ)そういうざわざわ感、壇蜜にあるってこと?
(プチ鹿島)まあ、ざわざわさせてるじゃん。だけどそれが一周して、求められる分かりやすい、それを徹底してやり通すっていうのは一周して意味が違ってるけど、でもそれをやることでざわざわさせてる。何かイレギュラー。
(サンキュータツオ)まあだから、俺何かこう有吉さんにも似てるような感じするんだよね。毒舌から入っての、一発屋的な半笑いな感じから出てきて、結構階段を踏んでいった感じってのが。要は『グラビアでしょ?どうせ体だけでしょ?』みたいに言われてたのが。
(プチ鹿島)『実際、脱いでるんでしょ?』みたいな。何だったら、『ウチ、からみたくないです。』みたいなNGだって、今だってあると思うんですよ。普通のアイドルからすれば。女優からすれば。
(サンキュータツオ)それがだから徐々にステップアップしていってる感じっていうの?
(マキタスポーツ)俺さ、それ『引き受け』っていうことで言うとさ、よく俳優とかがあれやんじゃん。歌手活動したりとかさ。あと、カメラ持ってさ、どっかに赴いてったりするじゃん。飢えた人とかがいるようなところにさ。何かさ、あれ見てものすごく釈然としないもの、腑に落ちないものを感じるわけですよ。ずーっと役者だけやってられないのか?と。で、たとえばそういうことがあった後に、やっぱり自分のイメチェンとかを図りたいってことを、たぶん役者のスケベ根性とかもあると思うんだよね。だから、バラエティーの仕事をやってみたりとかっていうのがあるんだけどさ。何かその時のざわざわに関しては、全て壇蜜みたいなタイプの人ってのは回答を出してるっていうかさ、1個のことにちゃんと精進してる感じとかってのは、胸がすく感じがするね。だから『引き受ける』ってことはなかなか難しいことだと思うの。逆に言うとさ、予定調和になってるんだよ。もはや。壇蜜っていうのは。
(プチ鹿島)そうそうそう。
(マキタスポーツ)大いなる予定調和になってるわけ。それが『東尾のコントロール』ってことだと思うんだよね。あなたが言うことろのね。求められたところにピシャリと投げるということ。
(サンキュータツオ)天龍なり東尾なりタモリなり・・・
(マキタスポーツ)俺が一番しっくり来たのが『東尾』だから。
(プチ鹿島)でもそうなの。さっきのたけしさんの比喩で難しいのは、たけしさんはむしろ予定調和を壊してたからこそ。でも結局、今貴重なのは予定調和でも予定調和じゃなくても、ざわざわさせること自体がもう珍しくなっているから。
(サンキュータツオ)プロレス的ってことだよね。まさに。
(プチ鹿島)見る中でね。
(マキタスポーツ)あの頃の予定調和を崩していくたけしさんとかっていうものを、後々はやっぱり予定調和を崩すたけしも演じたと思うしね。含むところであって。やってましたよ。大いなる予定調和だと思いましたけどね。最初は、一番最初、そのファーストインパクトを忘れないですよ。日本アカデミー賞とかで鞍馬天狗の格好して行ったら、そりゃあもう・・・周りとかがざわざわするわけです。このお茶の間だって、『何やってるんだ?』ってことになるわけですから。ただ、翌年だって都家かつ江の格好しますからね。ちゃんと。で、ちゃんとそれをやっていく、たけしさんを予定調和にしていっちゃう感じっていうのは、たまらないものがあったんだけど。役者とかも、本当に引き受けてねーな!って思うんだよ。
(サンキュータツオ)まあ、そうね。いわゆる役者が、カメラ持ってどっか行っちゃってますとか、バラエティー的な何かとか、すごい節操ない感じになっちゃうけど。何だろう?壇蜜がやるんだったら、どこを切っても『壇蜜』みたいな感じはするよね。軸足『壇蜜』みたいな感じするよね。
(プチ鹿島)俺、役者とかですげー苦手なのが、たまにバラエティーとかトーク出てきて、「ちょっと今日は演技じゃないんで、素なんであんまり喋れないです」って。演技しろよ!何にも面白くない。だったら出てくるなよ!って。何なの、あれ?まだ果敢に笑い取りに来る唐沢寿明の方が、僕は好きですよ。
(サンキュータツオ)もう芸人的な感じでね。
(マキタスポーツ)俺、『引き受けてる』の話なんだけど、この前竹内力っていう人と会ったんだよ。もう、顔がすごいんですよ。引き受けまくっちゃってるの。
(サンキュータツオ)顔が?
(マキタスポーツ)顔がね、あれね、メイク部とかそういうのじゃなくて、美術部とかそっちの方だと思うんだよ。セットみたいな顔してるんですよ。あれね、引き受けて引き受けて引き受け倒した先にある顔だと思いました。
(サンキュータツオ)『竹内力』という虚像をね。
(マキタスポーツ)虚像。あれ、虚像ですよ!
(サンキュータツオ)だから、宍戸錠と一緒だよね。あの頃の、いっぱい綿をつめていたころの。
(マキタスポーツ)大変なお顔立ちでしたよ。あれは。
(プチ鹿島)やっぱり最初にも話したけどさ、会った時さ、昭和の喜劇人・芸人って何が面白いかって、顔が怖いんだよね。みんな。『こんな気難しい怖いおっさんが、何かヘンなことをやる』っていう、それも含めて役者とか竹内力なんだけど。やっぱり違うよね。何なんだろう、あれ?
(サンキュータツオ)竹内力もだからそういった意味ではそうだよね。いわゆる、小さいツッコミとかはどうでもいい感じの人になってるもんね。
(マキタスポーツ)全然関係ない。もう。だってあの人、一番最初に僕が目撃した時はトレンディー俳優だったからね。
(プチ鹿島)そうですよね。シュッとしてましたよ。
(サンキュータツオ)『嫉妬する』って聞こえた(笑)。
(プチ鹿島)俺が力に嫉妬してどうするんだよ(笑)。
(マキタスポーツ)トレンディー俳優から出てきて、いつの間にかVシネとかの方に行ってさ。普段しゃべっている声って、敢えて言えばそんなにドス効かせた声ではないですよ。ただ、集合で一回カメラ撮影したんですけど、『はい、ポーズ!』ってカメラマンが言う直前に、『ドピュッ!』って言ったんです。
(サンキュータツオ)(笑)
(マキタスポーツ)そん時のみんなの何とも言えない感じになった・・・でも引き受けてたなって感じがするんです。『ドピュッ!』って言ってたんです。そん時の・・・あれは忘れられないな。引き受けてるってことなんじゃないかなって思いましたよ。
(サンキュータツオ)だから壇蜜はこのまま行くと、AVとかじゃないよね?俺は何か、お天気お姉さんみたいな・・・
(プチ鹿島)(笑)壇蜜が!?
(サンキュータツオ)報道ステーションとかじゃなくていいよ。
(マキタスポーツ)ずっとお前、近畿地方のあたり撫でてたらどうするよ?優しく優しく。
(プチ鹿島)いつまでも晴れないんですよ。近畿地方が。ずっと湿っぽく・・・近畿地方は大変なことになる。
(マキタスポーツ)(笑)津軽海峡あたりにずっと息ふきかけてる。こうやって。
<書き起こしおわり>
許可局2013年4月26日①「壇蜜論」